2014年6月30日月曜日

2014年06月の幻想TRPGコンベンション2daysの話:Tears at Bitter Manorその2

 そうして明けて翌日、こちらはプレイヤー向けの準備があった為に早朝5時頃に起き出してデータの整理等をしていた。この辺同室だったpomta氏には大変申し訳ないとは思ったので、次回以降があるならば何らか対策を講じたいところではあるが。

 プレイヤー及びキャラクターは1名変更が入り以下の通りに。変更に関して些かの心配もあったが結果としては杞憂に終わってくれて良かった。
プレイヤー名前種族クラス
SHOKOルイーゼ=リリエンタールハーフエルフパラディン
シナリオの傾向もあり、「ドウモ、ダイモーン=サン、イーヴルエクストラプレイナースレイヤーです」な感じに。そして、思わぬ処で家名の秘密が明らかになる。
b-げどんウドンハーフオークローグ(活劇戦士)
発音は尻上がり。エイペックスの意志を受け継いだ二刀流活劇剣士ローグ。聖剣クラリティを手に敵を切り伏せる活劇剣士の名に負けぬ活躍が。
だみーマローノームクレリック
デズナ信者援護型クレリック。「火力が足りない」という話だったので火力系に組み直した。
2xxPプッカサンサーランソーサラー(賢者血統)
倫理方面以外でのパーティーの行動の要となる元ラズミール信者で転生種族サンサーランの妖術師。

 尚、以下はPathfinder Module:Tears at Bitter Manorに関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


4.ヴァーデュランの森
昨日、ホープズ・ホロウの聖母救護院で死の淵に瀕していたダーン=フォシムスからティールガン=フリンの裏切りを聞き、それを報告しようと『剣の切っ先』亭へと向かった一行だったが、一足遅くフリンの身を案じた老冒険者達は行方不明になったフリンがヴァーデュランの森の奥にある廃墟に囚われているという情報(勿論フリンによる罠)を得た為、旅立ってしまった後だった。

 急ぎ彼らの後を追った一行だったが、森は大きく分けて2ルート有り、まず聖母救護院で受けた依頼を達成しようと滝壺へと向かうことに。


何が起こるにせよ一番セーヴの高いルイーゼが指輪を手に滝壺へと近寄ると、身を投げた花嫁の霊障が出現し、滝壺へと落とすべく突き飛ばしを仕掛けてきたが、何とか耐えて指輪を投げ、霊障の浄化に成功した。崖の上から川底を見ると、其処には多くの白骨化した死体が転がっていた。


そして森の奥にある廃墟へと急ぐ一行だったが、古タルドール軍の装束を着たアンデッド”見捨てられた者達(Abandoned Ones)”と遭遇し、戦闘となる。このアンデッドには特殊能力として段階的に周囲の者の記憶から姿が忘れ去られる能力があり、危うくウドンが彼らの仲間入りするところだったが、プッカのグリッター・ダストで相手の視界を封じ(2d20で1が2つ出るという良くある事が起こった)その前に何とか敵を片付ける。



しかしその直後、人食いのキャリヴァンが戦闘に乱入しての連戦となる。このキャリヴァン達はどこかフリンの家で見た彼の肖像画に似ており、一行にとってますます謎が深まる一方だったが相手が全裸だったこともありエンラージ・パースンのポーションを使ったルイーゼとウドンによりさしたる苦労もなく殲滅。
だが戦闘の騒音を聞きつけた朽ち木に擬態した怪物”デッドフォール・ドゥエラー(Deadfall Dweller)”とハングマン・ツリーによる奇襲を受け、ルイーゼには粘着性の唾が吐きかけられ(この後捕獲されのしかかられ卵を産み付けられるというアレな流れ)、ウドンの方はハングマン・ツリーの蔦に絡まれて危うく呑み込まれそうになるが(特殊イベントCGとか言われていた…嬉しくないが)、プッカのグリースで難を逃れ反撃、敵を倒す事が出来た。この辺りより、+1ホーリィ・シミターであるクラリティと急所攻撃を持つウドンが決まった時の桁違いのダメージに目覚め始めていた。
因みにこの森で発見された奇妙な3匹の怪物を捕らえよというクエストがあり、1匹はデッドフォール・ドゥエラーなのだが他2匹は燃える足を持つデルゲス、あと透明なサーペントのティゼールク。

 この後、昼食となり今度は近場のカレー屋で昨今のライトノベル関連の話題で盛り上がるが、基本的に創元かハヤカワの人なので、その辺りはどうにも遠い情報でありなかなか面白かった。しかしお兄様マニュアルことアレについては…まあ、言うまい。


5.トリステザ邸正門
そして森の奥には似付かわしくない大邸宅の前に辿り着いた一行は、まず生け垣のある正面玄関へとウドンを斥候に向かわせる。其処には角の生えた奇妙な女性が生け垣に隠れて休んでおり、辺りには他に何か居るという様子も無かった。
そこで奇襲を掛け制圧しようという事になり、プッカのインヴィジビリティ・スフィアーで近寄ったところ相手は既に接近に気付いており、地面の下に潜っていたアンデッド”リーチルート”に足を掴まれる…ハーフオークのむさ苦しいローグとジジイ顔のノームだったが…やたら触手ネタが多いがシナリオの傾向であり私の趣味ではない(妙に喜ばれていたが)。

行方不明になったドルイド達の死体に根を突き刺し血を吸い上げるリーチルート達から嫌悪に目を逸らす女性の姿に違和感を覚えたルイーゼが、リーチルート達を片付けた後で彼女、リグザーレス(Rigzarreth)に尋ねると、確かにフェイとダイモンの混血たるフォーラーレンである彼女は悪の存在ではあるが、その行為の多くは悪の首魁であり、タルドール建国当時よりその歴史の裏側で暗躍してきたエロダイモン”アノバイス”によって強制されたものであり、彼女も己の種族の逃れられない運命に呑み込まれていた。
アイオーメディのパラディンとして慈悲を示すべきと考えた(あと、キャラクターの外見が好みだったらしく)ルイーゼが溢れる魅力で彼女を 口説き落とし 説得し、アノバイスを倒すこととアイオーメディへの改宗及び身柄の保護と彼女自身の安全を約束し、代わりに屋敷内の情報を聞き出す事が出来た…ああ、リリエンタール(百合の谷)ってそういう意味。

…しかしエロダイモンて(何故かプレイヤーには大ウケで一時セッションを中断する程だったが)。


6.トリステザ邸1階
そしてダンスホールの入口より屋敷内に踏み込んだ一行は、ウドンが壁の隠し扉の中から一行を観察していたワーラットの暗殺者を目聡く発見し、戦闘となる。暖炉から溢れ出すダイアラット、天井より吊されたシャンデリアの裏に潜むカコダイモン、玄関付近で待ち構えていた巨大な黒犬シャドウ・マスチフも戦闘に加わり戦場は混乱を極め、一時シャドウ・マスチフの咆吼でウドンが恐慌状態に陥るがこれはクラリティの能力で無効化し、逆襲し難なく戦闘を片付ける。
その後食堂で互いに毒盃を呷る夫婦の霊障が発現し毒を受けたり(この屋敷1階の壁裏にある隠し通路はこれを避ける為に使用されていた)しつつも特にめぼしいものは見つからず、上の層へと向かう。


7.トリステザ邸2階
 正面の扉を開けると、中はバスタブのあるベッドルームとなっており、かつてこの屋敷で無残な死を迎えた女性”ケイトリン=デヴェアック(Caitrin Deveaux)”のエフェメラル・エコーと対峙したが、ウドンより魅力を吸収したことで実体化した彼女を生身の相手ならば後れを取る事はないと真っ二つにし、彼女の持つ特殊なアミュレット(ゴースト・タッチ能力が得られる)を入手。
更に隣の部屋にあった展示室にて、これ見よがしに飾られたタペストリーこそはアノバイスがカソミール周辺でこれまで行ってきた不和と悪徳の家系(断絶)の図であり、重要な証拠になると考えた一行は確保しようとしたものの、これまたその前にはこれまたいかにもといった風情で飾られた鎧を打ち付けられ、薬品の滴る熊の剥製があった。しかし、先に壊してしまえば怖れるに足らないということで動き出す前にばらばらに破壊され、タペストリーを入手することに成功した。
余談だが、このタペストリーの絵はカードの方にしか無い為、このシナリオを遊ぶのであれば是非カードも入手して欲しい。
そして、他の部屋を家捜ししていると元アイオーメディのアンティ・パラディン”ルエルサ(Luersa)”とヴェネダイモンの”シャイセラ(Shaysera)”が一行に襲い掛かってきた。ルエルサはかつてルイーゼの同胞であり、未だアイオーメディの寵愛を受け続ける彼女を恨み執拗に攻撃を仕掛けて、逆にシャイセラは術者を潰すべくブラック・テンタクルズで一行を制圧しようとするも、ルエルサはルイーゼによって一刀両断され今際の際に(何故かジェリド風の)彼女への恨み言を言いながら斃れ、シャイセラも呪文をくぐり抜けたウドンによる連撃で切り刻まれた。


8.トリステザ邸3階
3階に上がった一行は、窓の外に有り得ない風景を目にした。それは白昼堂々と強盗を行うならず者達と荒廃したアブサロムの町並みというものであり、その幻視を見せているモスマンが姿を現し、一行に警告した。「もしも君達がアノバイスに破れたり、取り逃がすような事があればこの光景は現実のものになる」と。
しかしどのような理由であれ、もはや一行にとってアノバイスを倒す決意は固まっており、またモスマンも正しき運命の為にと一行に援助をもたらしてくれた…これ、非常に唐突だが恐らくシナリオ作成者がモスマンを出したかっただけなんじゃないだろうかという気がしないでもない。

 この後、煙突より地下にあるフリンとアノバイスの本拠地へと踏み込む事になるのだが、危うくウドンが罠感知を忘れて煙突の途中で石の杭に串刺しにされそうになる(そうなると煙突が詰まり通行不能になる)という先代の二の轍を踏みそうになり危ういところで星のカード(を強制徴収して)の啓示で助けられたのは余談である。


9.トリステザ邸地下
今回は地図が比較的しっかりしていた事もあり立体マップの使用箇所はここだけだった。地下ではティールガン=フリンが2人の助手と自身の細胞より創り出したキャリバンを率いて待ち構えていたが、逆に奇襲に成功した一行により迅速に制圧される。その時にこれ見よがしに振る舞うプッカに対して激怒したフリンだったが、残念ながら一太刀も報いる事は出来なかった。

 しかし、フリンは倒されたもののまだ肝心な黒幕の姿がどこにもなく、一行は呪文が切れる前にと迅速に次の部屋へ(時間が厳しかったのもあるが)。次の部屋では、”黄金の時計”の2人が牢獄に囚われており、その前には奇妙なアルケミカル・ゴーレムが控えていた。
一行を発見し、爆弾を投げつけてくるゴーレムと激しい戦闘を繰り広げている最中、背後にあった扉が開き、部屋の奥で一行とフリンの戦いを観察していたエロダイモン”アノバイス”が蝋燭の匂いを漂わせながら(シナリオに「キャンドル・オヴ・インヴォケーションを使う」という結構身も蓋もない指示がある)姿を現す。
アノバイスはアルケミカル・ゾンビ(ジュジュ・ゾンビ相当)とヴェノマス・スネーク・スウォームを一行に差し向け自身は部屋の奥で更なる戦力を呼び出しながらも、ウドンに対して心を屈服させるような甘やかな声が囁きかけられる…が、これはプロテクション・フロム・イーヴルによって阻止される。
マローのエネルギー放出とプッカのファイアー・ボールがスウォームも巻き込んでゾンビ達を焼き払ったところでアノバイスの招来が完了、クゥストダイモン2匹が追加され、自身は額に刻まれた邪眼を活性化させ(イラストが特徴的であった為、一部呪文を組み替えてアイバイトを持たせた)、ウドンを恐慌状態に追い込む…が、これはクラリティの能力で即座に抑制された。

そして悪を撃つ一撃でクゥストダイモン達を切り伏せ、大型化した上に次はアノバイスに目標を定め《輝ける突撃》で一気に肉薄し切り込んだルイーゼがそのままパラディン最悪呪文と名高いリタニィ・オヴ・ライチャスネスを使用しグレートソードによる連撃を嵐の如く撃ち込むが、出目が悪くあと一歩のところで及ばず、しかしその隙にアノバイスの背後に回り込んだウドンの手にした知性有るシミター”クラリティ”が、主人の仇と言わんばかりに敵の心臓を捉え貫き、永きに渡るアノバイスの悪事と野望はここで潰えることとなった。
(時間の方は若干オーバーしてしまったが、それでも何とか終える事が出来た)


 この後、フリンは司法の手に引き渡され、もう冒険は懲り懲りだという”黄金の時計”の面々はダーン=フォシムスの介護に当たりながら今後は若い冒険者達(勿論一行も含まれる)のパトロンとして援助を行う事になり、特に一行は強力な援助を受けることとなる。
また、一行が町のために働いていたならば、市長の勧めでフリンの別荘の買い取りやトリステザ邸の所有権(こちらは様々ありあまり良い物件ではないのだが)を譲られることとなる。

初心者とブランクの長いプレイヤー相手という厳しい面もあったが、それでもマスターとしては充分に楽しめたのはプレイヤーの皆のお陰である。ただ、流石にPathfinder RPGで「初心者対応」を謳うにはちょっとキャラクターが煩雑過ぎた面もあったので、この辺りはもうちょっと簡略化して何とかしたいところである。特に矢張り楽しい部分であると同時に初心者にとって難しい部分である数値計算を。

 また、可能であればもう1回、今度はある程度の経験者プレイヤー達と遊んでみたいシナリオでもある。

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