2014年7月31日木曜日

DAC愛知2014の総括と謝辞と様々の話。


まずは最初に。

相変わらずの個人主催という安定性に欠き不安要素も多い運営ではありましたが、今年もd20 Around Convention in 愛知 2014を無事終了することが出来ましたことをここに報告します。
参加者の皆様にはこの場を借りて重ねて御礼申し上げます。


まず、此方の様々な失態があり、開催日を2度改める羽目になってしまった事に関してはこの場を借りて謝罪致します。連休の方は勘違いでの応募忘れ、もう1回は宿が確保出来なかった(どうやっても学校には勝てないので)ことが理由なのだが、予約時に「連休なら宿も空いてるんですけどねえ」と聞かされた時には叫びたい気分だったが。

 基本的な姿勢や方針については去年に粗方書いてしまったので其方を読んで貰うとして、改めて思ったのはこの規模だからこそあの独特の雰囲気や全ての卓に目が行き届く気安さが生まれたのだろうという事と、そして何より参加者の間で少しでも何かが生まれたのであればそれこそが私にとって何よりの収穫となる、ということである。一応あの施設には予約が大変だが300人規模のホールもあり、やろうと思えば以前のDAC愛知や東京のような大規模なイベントをもっと安価に開催出来るが、そうすると間違い無くスタッフの増員を計らねばならなくなり、また所謂”お客様”問題も発生してくるだろう。それは主催としてはどちらかといえば避けたい事態であり、また宣伝不足等はあるにせよ今でさえギリギリ迄告知をしてあれが精一杯(プレイヤー、マスター共に)なので、これ以上を見込むには東海圏では無理があるように感じている(今後の動向もあるし)。

卓配置にも実は結構気を使っており、例えばa1やc1のような「比較的会話、ロールプレイが盛んな卓」はなるべく隅に放して配置するようにし、c4、c5のような様々な意味で「目立つ」卓は皆の目が行くように出口近くに配置していた。この辺は自己満足の部分も多分にあるにせよ、それなりに機能はしていたようで何よりだった。
卓のレイアウトについては一応事前に自由に使って貰って構わないと言ってあったが、注意等も書いておくべきだったか。これは1日目の荷物受け取りも同様だが(2日目は作成してコンビニで印刷して張り出しておいたが)。

ただ、5版もHJでの翻訳が継続されるであろうと当然考えておりどちらかといえば初心者向けの傾向で開催したが、結果としてはどちらかといえば熟練者向けの卓の方が人気が高く、この辺は大きく見誤ってしまった事については本当に申し訳無かった(両日共に7卓に限定するとは決めていたのだが)。

 プレゼントについては大半がPathfinder関連となってしまったが、これは谷間の時期ということもあり、D&D関連商品が殆ど手に入らなかったという事情もある。もう少し後でならば色々入手出来るようになっていたと思うが。ただ、一応D&Dでも使用出来る品を揃えたのでその辺りは喜んで貰えたようで此方も胸をなで下ろしている。カードについては一応きちんとシャッフルしたのだが、それでも偏る偏る。しかしそれでも欲しい人に行くべき商品が行ったというのが多く、こちらとしても喜ばしく思っている。あとブラインドボックスは意外と好評だったようなので次回はもうちょっと増やすべきか?(Pathfinderのアレはシナリオ独自も多く、扱いに困るモノも多いので、最新フィギュア・パックのReign of WinterはコモンでWW1ロシア兵がいっぱい入っている為に避けた)

 懇親会については、実は直前の変更もかなりあり快く受け付けてくれた為、次回はその辺も告知しておくべきだろう。しかし、座席がある会だからか、特に1日目は大量に食事が余ってしまい、店のご厚意で詰めて貰ったのだが…食中毒警報が発令されている中、夜中近くに2パックのカルパッチョを喰らう様は我ながらちょっとどうかと思った。レストランの大皿料理で美味いのは間違い無いんだが…宿に酒が持ち込めなかったのが心底残念でならない(酒があれば余裕)。
2日目懇親会は人数超過で一緒の送迎バスに乗れなかったのが残念。あとバスの方はサービスで出して貰っているので余り無理を言わないようにお願いしたい。

セッション時間に関しては、特に2日卓で顕著に足りない状況が見られた為、こちらは2日目は開会式前に再開出来るようにしてしまうのも手か。

 ともあれ、あの程度の規模であればまず問題無く開催出来るので、来年も又お付き合い頂ければ幸いです。
只、皆知っての通り兎に角会の仕切りが下手なので、其処は何れ誰かに任せてしまいたい。


以下は開催期間前後にあった色々。


・開催前日
 前日に残業が投げつけられスケジュールが酷い事に。しかし、前呑み会を企画している以上参加しないという選択肢は無く、会社終了後一旦車を家に置き名古屋へ。ここで失敗だったのは、地元民にとっては当然の待ち合わせ場所であるクリスタル広場も、他の県の人達にとっては想像の外にあるような施設だったようで、集合が遅れる…特に地下にあるというのは予想外だった模様。しかし其処は織り込み済みで、時間に余裕を取ってあったので特に問題もなく。
今回使った店(栄 旬彩酒房 設楽)は参加者の「地元の酒が呑める店がいい」というリクエストに応じて使ってみたのだが、個人的にはかなり好印象で特に料理が面白かった。次回は一次会を飲み放題、二次会は同じ店で酒だけを楽しむという流れにするのも面白いかも知れない。
私は作業があったのでそのまま帰宅、他の面子は1時頃迄呑んでいた人も居た模様。

帰宅後(途中電車を乗り換え損ね乗り過ごしたが)作業を進める、とはいえ既に大半は終了しており後は袋に詰めたり旅行鞄に詰めたりメールをチェックしたりする程度だったが。
しかし、それなりの時間に寝たものの興奮かストレスが或いはその両方かで眠れず(開始1週間前は何というか当日遅刻する夢をやたら見た)。結局半分寝たような頭で明け方を迎え、仕方無く起きたが今だから言えるがこの時点での体力、気力は共にイベント開催不可能なレベルだったと言える。


・コンベンション1日目
しかし、風呂に入り朝食を摂り、身なりを整えていると不思議なもので体調がみるみる回復し、すっきりとしてくる。我ながら本当に気力の生き物なのだと痛感する。車を駆り駐車場に到着すると、丁度waiz氏も到着し駐車場で荷物下ろしを手伝って貰い、他にpomta氏や当日参加予定のひろさんやオカ氏と共に会場の開場時刻を待つ。この辺りの手伝いは本当に助かった。
会場設営をと各種チェックを済ませ、1日目の受付はClare氏に手伝って貰い何とか完了。気力はあっても駄目な頭で金勘定はするものじゃあないと痛感する。次回はもう少し単純な計算式にしておくべきか。
しかし、開始してしまえばスタッフは特別する事も無く、1日目はneile氏卓の昼食に混ぜて貰い隣の喫茶店でパスタを貪るが…注文を忘れられていたのかさっぱり来なくて時間を浪費する事に。途中にちょっとした業務があった程度でこれといった問題も無く1日目は終了。以下は卓に対する簡単な印象等を

a1:『ネヴァーウィンターの失われし王冠』/DMマシュー
 お互いの確認不足やメールのやり取りでの不安があり、心配ではあったが結果として海外DMの手腕を間近で見られる又とない機会となり、非常に勉強になった。また、DMとしても満足頂けたようで、懇親会では別れ際に固い握手を交わして貰えた。

a2:盗賊会議:The Infernal Syndrome /梅酒
 どちらかといえば心配事の少ない卓だったが、強いて言えば前日に結構な量を呑んでいた事ぐらいだったか。こちらも大きな問題も無く完了したようで(マスターの出目以外は)何よりだった。

a3:六重の試練 /VAN
 Pathfinderのどちらかといえば初心者向け卓を担当して貰ったが…まあ、初心者向けとは言いづらい面子となってしまった。しかしながら、あの無茶なシナリオをそれなりに楽しんで貰えたようで何よりである。

 コンベンション終了後は毎度の如く懇親会。今回も様々卓を周り話していたが、最終的に持ち込みの酒(一応少量であればという前提で許可を貰ってあった)を楽しむ駄目な酒呑みと化していた。とはいえ、矢張り色々な人と色々な話が出来るこの機会があればこそコンベンションを開催した甲斐もあろうというものであり、ここだけは次回以降も変わらずやっている事だろうと思う。ただ、大量に余った食事は少々申し訳無い気分となったが(比較的安全なモノは翌日の朝食となっていたが)。
あと、懇親会についてだが、私の趣味もあり飲酒がメインになっているとはいえ、酒が呑めなくても充分楽しめる会だと思っているので呑めないから参加を見合わせた人は次回に是非。

 懇親会終了後は風呂でさっぱりして(サウナ併設の水風呂を堪能していたが)いつもの如く大部屋でカードゲーム(D16氏や大阪組とMOWで凄惨な試合を繰り広げていた。MOWはイニシャライズが軽い割に戦略性が非常に高くオススメ)やら深くロクでもない会話やら何やらに興じたり、airo氏によるDACのテストプレイというものも開催されていたが、この修学旅行の夜のような雰囲気も何とも楽しいものである。この辺りは宿泊者でなければ楽しめない代物なので、興味がある方は次回以降是非。

此方は流石に気力の生き物といっても肉体的限界には勝てず、早々に部屋で潰れる。


・コンベンション2日目
 朝6時に起き、忘我の心地でのんびりと朝の準備を済ませながら8時に大部屋を覗きに行くと扉が開いておらず、仕方無く隣の喫茶店に1人で朝食を食べに行く。丁度食べ終わり店を出る直前に友人数名が来たが、こちらも忙しかった為挨拶して先に店を出る。
サーキュレーターを引き取りに大部屋へと行くと、2人ぐらいしか居ない…馬鹿な、おかしい、プリキュアの時間なのに(DACだと、この時間は駄目な大人がプリキュアを見る為にTVの前に集合している)。取り敢えず開場時間等を告げて準備に。とはいえ卓設営は既に済んでいるので受付準備程度だったが。
そして今度はひろさんに手伝って貰い相変わらず計算の出来ない会計を受け持ち、何とか2日目を開始する。この時、当日見学希望の人が居たが、折角なのでということで何とか卓に入れないかと相談し、waiz氏のPathfinder卓に入って貰うことに。これは、単純に見学だけで時間を潰すのは意外と困難であることや、居心地が宜しくないというのもあったが。

以下は卓に対する簡単な印象等

b1:イシュタルの尖兵 /kitt
 DACですら遊べるかどうか不明な貴重なGamma World卓を有り難う御座いました。噂に名高いイカレっぷりに興味があり、機会が有れば参加してみたかった卓の1つ。

b2:走れっ! アウルベア!! /梅酒
 こちらも前日同様心配の少ない卓だったが、思わぬ盛り上がりと展開を見せていたようでこの辺りはDMとシナリオの優秀さならではだろう。
しかし、くれぐれも身体の方は大事にして欲しい。

b4:秘薬の効能 /waiz
 色々無理を言い手伝って貰っている部分もあるが、それ以上に参加したプレイヤー、特に初心者がそれなりに居たが、楽しんで貰えたようなので今後に期待したい(受け持つのは主に私だが)。

c1:ネヴァーウィンターに忍ぶ闇 /周防蘇芳
 実の処、私が思うに「ロールプレイングゲームのマスター」という点では東海随一であり、また初心者プレイヤーを楽しませ、次に繋がる卓を建てられるという点でも信頼を置いている氏に参加して貰えたのは非常に有り難かった。氏に後程言われたが、直接要請をしなかったのはそれはそもそもコンベンションの方針として行わないことにしているのと(これは誰であっても変わりない)、加えて氏の夏コミー原稿の事を鑑みてである。

c2:The Worldwound Incursion /neile
 こちらも「マスターが余るようならプレイヤーに廻して欲しい」という要請があったものの、卓の応募を見て無慈悲にマスターに回って貰う事になった。とはいえ、これだけ魅力的な卓であればプレイヤーに廻すという事が出来なかったというのもあるが。(1日目に時間を喰われすぎたのが懲りたのか)2日目は弁当という前のめりな姿勢で臨んだにも関わらず、セッション終了時間ギリギリ迄掛かっていたのが印象的だった(そもそもAPを2日で片付けろというのも結構な無理があるが)。

c3:Start Game /D16
 文字通りの意味で日本のD&Dの中心的人物である氏による恐らく日本最速のコンベンションでのD&D第5版プレイということで、機会が有れば参加してみたかった卓の1つ。特に「軽く遊べ、かつロールプレイングも楽しめる」5版の動向は非常に気になっていただけにWotCの動向は色々と残念だった…望みが消えた訳ではないが。
また、こちらも確認を怠り迷惑を掛けてしまった事にはこの場を借りて謝罪を。

c5:Dance with Dragon 2014 /airo
 今年の一番人気卓であり、ある意味DAC愛知での花形卓であり今後も宜しくお願いします。また様々な悪巧みへの協力もありそれらも含めて本当に感謝しております。
実のところ、この卓に限った話ではないが、何か特別な事を希望する場合、それが参加者にとってメリットのあるものであれば極力対応するようにしている。あくまでこちらの出来る範囲内で、だが。この辺りでの利害が私とairo氏の間で一致した事が今回特に「この規模のコンベンションだからこそ出来る事」に反映されたのではないかと思っている。

そして、2日目が終了して慌ただしい事この上なく撤収となってしまったのは本当に申し訳無い(懇親会の時間もだが、何より終電の時間がある為あのようにせざるを得ない)。


・翌日
 早朝のチェックアウト後、Pathfinder界隈の友人数名と共にコメダで朝食、そして稲武にある蓬莱泉吟醸工房へと向かい生酒を購入、そのまま尾張旭にある行きつけのcafeぼあこにて昼食。店主氏にも言われたが貸し切りでTRPGセッションというのも面白そうではある(昼食には困らないだろう。駅から遠いのが難だが)。長居しても良かったが、あまり居ると根を張って動けなくなりそうだったので早々に店を出て友人達を送り出し、無事に夏の大仕事が終了した(翌日、別の友人と岐阜県博物館へ遊びに行っていたが)。

そして今年のお土産の数々。大変美味しゅう御座いました(これとほうらいせん2瓶をほぼ1週間で開けた)。ただ、酒は土産としては色々難しいのでくれぐれも無理せぬようお願いしたい。

2014年7月21日月曜日

2014年07月の竜舞亭セッションの話。:Jade Regent#10-The Hungry Storm後編

 自分で選んだ道とはいえ、年甲斐もなく無謀な事をしている所為かどうにも時間が足りない。しかしそれでも娯楽があるからまだ生きていられるし、何より意外とこうしてきちんとした手応えのある物事に関わるのが好きだからこそ多少困難でもやっているのである…だからこそ、徒労でしかない物事に時間を割かれるというのを何より嫌うのだが。

という話は置いておき、龍舞亭のJade Regentキャンペーンも今回で9回目、今回の参加者は以下の通り。今回は1人欠席、しかも戦闘火力の要であるジョナサンが不在(代理操作で対応)という状況に。
ガンスリンガーは比較的扱いが簡単なクラスだが、それでもやはり9レベルともなると本人か代理かでかなり戦力としての価値が変わるものである(特にプレイヤーがガンスリンガー然とした「刃の上を歩むような」非常に楽しそうな戦いをするので)。

プレイヤー名前種族クラス
Pomtaケーン=タッカー=クララ人間ファイター(両手武器使い)/バーバリアン
アルドーリ流のナギナタ裁きで敵を葬る突撃兵。パーティーの戦闘の要であり、最近熟練プレイヤー各所から様々な入れ知恵を学びつつある。
Waiz南条飛勇鶴(ナンジョウ=ヒュウカク)人間/ウールフェン人(ARGオリジナル)インクィジター(魔女狩り師・伝道者)
ミンカイの初代皇帝の魂が宿ると言われる妖刀”翠閃”を振るうパーティーのまとめ役。今回は危うく死に掛ける。
Makkouシオン(紫苑)=カイジツドラコニックヒューマン(ARGオリジナル)モンク(気功師/無数の型の達人)/ファイター(武器の達人)
たまにその血統を忘れられるアメイコの妹。今回新たな武器を手に入れ、嬉々として振るっていた。
2xxPサチアアシマール(自称)クレリック(伝道師)
主な役割は爆撃担当なサーレンレイ信者の自称天使のクレリック。天使のような笑顔のナチュラルボーン煽動者。
雅士ジョナサン=サイズモア人間ガンスリンガー
元少年兵のピストル使い。今回は欠席。
ろうなむ幻術のセルバンデスノームモドキ(ARGオリジナル)ウィザード(幻術師)
幻術の神シヴァナーを信仰する謎多き幻術師。そろそろアンデッドには飽きた模様。
尚、以下はPathfinder Adventure Path #051『The Hungry Storm』終盤に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。