2012年3月4日日曜日

TRPGに於ける初心者対応の話。

先日の竜舞亭後のDAC愛知ミーティングでも話題になったのだが、私も主にマイナーな未翻訳ルールを扱う都合上、卓にd20を全く振った事がないどころか、TRPGすら初めてという人も卓に入って貰う事も多々ある為、特にその辺りは気を遣っている。
これには、自分自身が受けた経験が多分に反映されている。
昔、初心者対応を謳う、初めて遊ぶルールの卓に入った時なのだが、ルールブックのコピーを渡されて「これでキャラクターを作ってくれ」と言われ後は放置、あまつさえマスター本人は卓の他の顔見知りと雑談を交わしているという扱いを受けたことがある。

以前より私が各所で散々言っている事だが、TRPGというものが基本的にセッション本体だけでも5~8時間もの、それ以外の準備や移動も含めれば半日~丸1日もの時間を費やす性質上、どうせならばそれは特別で楽しいものであるべきだし、そうでなければ家で趣味に時間を費やしていた方がずっとマシである。あまつさえ「家で寝ていた方がまだマシだった」という感想を抱くような状況に好き好んで陥りたい奴が居るだろうか?
それに言ってしまえば、初心者は「自分が何が理解っていないかすら理解していない」からこそ初心者なのであって、だからこそまずは初心者当人が「まず自分が何も理解っていないことを周囲に理解して貰う」という、つまりは自分が全くの初心者であることを周囲に知って貰う事が必要ではないのかと思うようになった。
各種ルールを覚えるのはその後だろう、というよりも何処から教えるべきなのかが理解らなければ、なかなか手の付けようが無いというのが実際のところである。
因みにその時の私の場合では結局セッションの最後まで「キャラクターは作れたが、このルールでのキャラクターの取れるアクション(d20的に言えば全ラウンド/基本/移動/即行(割り込み)の各アクション)が不明」というレベルだった。

また、良く自虐的な話で「自称初心者が初心者卓に」と言う話があるが、個人的に言えば(流石に全員自称初心者では何の為の初心者卓だという話になるが)単に自身の享楽を貪りたいだけであれば余所へ行けと言いたいが、初心者への対応がきちんと出来るような人には是非卓に入って欲しい。というのも、やはりマスターは卓を回すことが主な役割であり、セッションが始まるとどうしても個人にかかり切りという訳には行かなくなる為、進行を円滑にする為にも大変助かると感じている。本当に卓人数が多くなると、それこそサブGMが欲しくなるが。

殊更力を入れているサマリーやツール類についていえば、これは私自身が所謂性格ロールを不得手としており、そちらで卓を盛り上げることがなかなか難しい為、見ただけで、読んだだけで理解して貰える方法を模索した結果なのだが(幸いにしてPathfinderはどちらかといえば性格ロールに重きを置かないタイプのルールではあるが)、別の目的として「経験に頼らないマスタリング」という計画の一部でもある。初心者の理解を早める為にも役立つこういった品々は、そこそこの環境さえ揃っているならば時間さえ掛ければ基本的に誰にでも作成可能な代物であるし、だからこそ其処に時間を費やす事に価値が生まれる。
そして誰でも扱える代物であれば、極端な話を言えばそれを使えば私程度のマスタリングは誰にでも出来るようになるという事になる(私がGMとして優れているかどうかはさておき)。
最終的には、私の卓に参加したプレイヤーが自分でもマスターをやってみたいと思い、そして私以外のGMが増えて、私には出来ない時や場所でマスターをしてくれたら、それこそが私にとってのゴールであると言える。

勿論、今の手法や対応が完璧であり充分であると断言することは出来ない。ただどんな出会いが契機となり、今後長い付き合いになるか理解らない以上(実際、現在のウチの卓参加者にも数名そういう人が居るので、全く無い話でも無い筈である)、出来る限り参加してくれた相手を楽しませ、次も遊びたいと思わせるのは少なくとも悪い話では無い筈である。

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