2013年7月7日日曜日

2013年06月の竜舞亭セッションの話。:Moonscar第3回

 Pathfinder Module"Moonscar"の3回目、そして1年半(Carrion Crown15回+Moonscar3回)に渡り続けてきたこのキャラクター達との冒険も今回で最終回となる。特にMoonscarセッションでは新旧パーティー主人公(瑪瑙とプリセラ、片方は裏の主役だが)揃い踏みという何処かのアニメのような展開になり、長く続けて来たからこそ出来る安心の遭遇の酷さとそれを受けた上で薄氷の上を歩くようなギリギリの局面を乗り越えるプロレス風味な展開には本当に楽しませて貰った。

 今回の面々は以下の通り。最終回である今回は残念ながらルカのプレイヤーが参加不可能となり、デチューン化かつ代理操作となってしまった。

プレイヤー名前種族クラス
雅士メノウ・サカキバラ(榊原瑪瑙)人間パラディン/ファイター(武器の達人)
《強化された鎧訓練》を獲得したことにより、美闘士化に拍車が掛かったミラクルサムライ瑪瑙ちゃん…いいのか、それで?
Waizプリセラハーフエルフローグ(活劇剣士)/ファイター(武器の達人)
冴え渡る〈はったり〉によりとうとう月の女王をも手玉に取った盗賊会議キャンペーンの裏主人公。
2xxPハルカアンドロイドメイガス(ミュルミドンの王・言霊)/ファイター/ソーサラー(混血-賢者・変幻)/モンク(禅弓)
今回はあまり目が振るわなかったパーティーのバ火力担当。(フィギュア的に)駄洒落おばさんと言った奴は屋上。
ひろくんホロハーフエルフドルイド(狼のトーテム)/モンク
大狼ロレンスを連れた壁担当…だったが今回はあまり動けず。
Makkouユナハ妖狐(ARGオリジナル)オラクル(二重呪い/生命)/パスファインダーサヴァント
最終局面を危ういところで乗り切った狐娘。今回は生命オラクルに相応しい活躍だった。
ろうなむルカダークフォーク(ARGオリジナル)ウィザード
残念ながら欠席となってしまったウィザード。今回の人格はジョジョ風味。
尚、以下はPathfinder Module『Moonscar』に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。

 前回は”苦痛の円環”のうんざりするような仕掛けの数々を何とか突破し、支配状態のままのエンジェルとゴールド・ドラゴンを解放して次の階層へ移る前に一旦惑星ゴラリオンへと戻り、レベルアップと装備の補充を済ませようという話になったところで終了した。
余談だが、シナリオには書かれていないが間違い無く敵が行うであろう判断というものが幾つかあり、例えば本拠地を荒らし回った敵が一旦撤退したのであれば、ボスは間違い無く戦力を増強して待ち構えることだろう…という訳で、PC一行のレベルアップと引き替えに遭遇の大幅な強化を行った結果が今回である。


1.服従の円環


 苦痛の円環より100フィート降りた場所にある半球型の天井を持つ円形の部屋の四方には柱に鉄の鎖で縛られた天使像の彫刻が聳えており、その柱には奈落語のルーン文字ではっきりと以下のように刻まれている。
「先に進みたくば我が顔(かんばせ)に触れ、我が苦痛を受けよ。我に7つの嘆願を捧げし時、汝は闇の祝福を受けることだろう。」
扉の先には所々にまだらの岩と幅10ft、高さ20ftの通路が続いている。所々にはアルコーブが切り取られており、その先には黒く滑らかな月のガラスにより造られ、誇らしげに裸体を晒す同種としてもひときわ魅惑的なサキュバスの像が7つ飾られている。
そして、建ち並ぶ最後の像の前には、ひからび朽ちたネックス風のウィザードの衣装をまとった死体が転がっている。

 ”苦痛の円環”より100フィートの高さがある縦穴を下った先には黒い月ガラスで造られた”強欲なる女王”イズミアラ(Izmiara, the Insatiable Queen)の彫像が納められたアルコーブが並ぶ廊下があり、階段を昇った先には石造りの扉と意味ありげな法円が床に描かれていた。

言葉を額面通りに受け取れば像に触れという事になるが、それはそれとして死んでいるネックスのゴーレムマスターことペントデル=ザラファリ(Pendrel Zarafari)の死体が気になるということで(本来は〈治療〉で死因判別が出来たのだが誰も持っていなかった)ユナハがブラッド・バイオグラフィで調べたところ、能力値ダメージによって死んだという返答を受け取る。

像に触るにしてもセーヴが必要なものであればということで瑪瑙が立候補するも、こういう時に限って手元に無い星のカード。しかし真なる中立のカードがあったのでこれを使いサーレンレイ神へと伺いを立てると、「絶対やめておけ」という心温かい助言を受け取った為に、念の為〈魔法装置使用〉が高いユナハが触ることとなる。
そしてユナハは疲労、筋力ダメージ、盲目と受けるが致命的な被害を受けることはなく(本来の像の数は15だったので一応ダメージを倍にしたのだが出目が悪かった)、”女王への服従の試練”を乗り越えたユナハは胸に痛みを覚え確認してみると、ちょうど胸の谷間に色欲と闇のデーモンロード”ノクティキュラ(Nocticula)”のルーンが刻まれており、エロさと能力値1つに+4の不浄ボーナスという大変素敵な贈り物を受け取ることとなった。
勿論只で済む筈がないとは一行も理解っていたのだが、今は取り立ててどうにか出来る代物ではなく、ルーンが刻まれると同時に反応を始めた法円より先へと進むことに。

 因みに誰も扉を確認する者が居なかった為に儀式の後に調べたところ、扉は仕掛けなく素通り可能な代物で先には再び縦穴が待ち構えていた。一応様子を見に行こうということでルカがアーケン・アイを飛ばして偵察に行くと…


2.回避された誘惑の円環


この高い円筒形の部屋の壁には鉄格子がはまった孔が幾つも開いており、また鉄のアーチで補強された幾つもの細い通路が延びている。
周囲の壁には性的な行為に耽る人型生物の絡み合う様々な姿が彫刻されている。
前方にはひときわ立派なアーチがあり、その奥の部屋からは人やそれ以外の骨と大量の腐肉、そして淀んだ血溜まりが溢れる高い天井の部屋があり、部屋の奥には冷たい鉄製のドアが見える。
アーチには奈落語で以下のように書かれている。
「汝の深き欲望に身を任せよ。その情欲と欲望が汝を操り、ここで私と共に眠ることで私は汝に入り、汝は闇の栄光を受けることだろう」

 その先では、円筒形の部屋でヴァンパイア達と腐肉と骨の山の奥に陣取るサキュバスが一行を待ち構えていた。後から増援として来られると面倒だから倒しておこうかという話になりかけたものの、結局リソース(と時間)の無駄は避けるべきだという事になり無視して先へと進む。


3.絶頂の円環-”卑猥なる裁判所”


この高い円筒形の部屋の壁は冷たい鉄製のアーチで縁取られており、その間には鎧を纏い、圧倒的な美しさを誇示するサキュバスの彫刻が施されている。
10フィートの高さの半球状の通路が先に伸びており、その先には広い空間があり、幾つかの牢獄が天井より鎖で吊され、大半は空か既に朽ちた骨が入っているが、1つだけには女性が囚われている。
入り口にある鉄のアーチには、奈落語のルーン文字がエッチングされており、それにはこう書かれている。
「我がもっとも快適なる私室にて、我は汝に計り知れぬ喜びを授けよう。猥褻なる法廷は我が欲望を充分に満足させ、闇への栄光をもたらすだろう。」

ポータルをくぐり抜けた先には、天井から吊された幾つもの檻が待ち構える広大な部屋があった。檻の1つにはアアシマールと思わしき女性が居たが、前回の件があり、またフィギュアが例の縛られて喜ぶドMであった為に警戒され、また〈変装〉の出目が悪かった為に近付いた時点で前回取り逃がしたサキュバス”エウフェリキシア”であることをプリセラに看破されて戦闘に突入する。

失敗の責として女王から押しつけられたこの役割に悪態をつきながら一行に向けてアアシマール”ヒモタエ”の切り落とした頭部を蹴り飛ばし、判決として死刑を言い渡すエウフェリキシア。そして、前進した一行を阻むべく出現したナルフェシュネーの判事3体に加えて、ニューメリアの支配者の1人であるテクニックリーグ・キャプテンと例のアレことロボット・アニヒレーターが奥から出現する。
これを流石に一度に相手するのは困難だということになり、まずはユナハがウォール・オブ・アイアンで敵を分断、次いでルカによりハルカのネームド・ブリッドが炸裂し、檻に入っていたことが幸いし辛くも即死は免れたものの、エウフェリキシアはその後のヘイスト込みの全力射撃の前に消し飛ばされる。
 そして暗にユナハの末路を連想させるような、晒け出した左胸にノクティキュラのルーンを持つキャプテンはまだしも、2門のチェインガン(射程200ft、月面環境では1200ft。不発無しかつ弾丸は内部生成なので無限に撃てる)と2対の爪(《ひっつかみ》を取らせたので攻撃につかみが付与されている)を備え、更に尾にプラズマ・ランス(近接接触攻撃かつ[火]、[電気]ダメージを同時に与えるエネルギー兵器)全てを同時に使用した統合火器管制攻撃が可能で、高速回復する一時ヒット・ポイントでクリティカルを無効化させるプライマルアーマー(「周囲に緑色の粒子が舞っている」と言ったらユナハに大変嫌がられた)…もといエネルギーフィールドを備えたアニヒレイターの存在はもはやこのゲームが何であるか疑わしくなるレベルであり(とはいえ紛れもない公式クリーチャーである)、「穴あきチーズみたいにしてやる」と言わんばかりに挨拶代わりとして撃ち込まれたチェインガンの威力(《致命的な狙い》と《近距離射撃》で8d6+13/x4)、そしてパーティーで一番ACの高いロレンスを易々と掴んで引き寄せる命中の高さに戦慄する(アニマル・グロウスでサイズが上がっていなければ握り潰せたのだが)…故に直後、ルカのメイズによりご退場願われたが。
そしてキャプテンもユナハのホーリィ・スマイトにより盲目化し、プリセラの全力攻撃がクリティカル・ヒットした為に一撃で倒され、壁をテレポートで越えたナルフェシュネー達もプリセラの悪魔を騙す〈はったり〉と瑪瑙が放った悪を討つ一撃のクリティカル・ヒットによって切り伏せられ、残った1体は勝ち目が無いと見るや早々にテレポートで逃亡した。

 この後丁度良い時間だったので昼食となったが、時間が押し迫っているだろうから弁当でもという話になるが、様々な理由でこれを却下(個人的には気力の問題とゴミ片付けの手間、あと時間は1遭遇を避けたことで結構余裕が出たのが理解っていたので)し、いつもの店でランチとしたのだが、丁度客の多い時間にぶつかってしまい結構待たされることに(それでも時間に余裕があったが)。尚、食事中は非常にロクでもない話しかしていなかった。


4.絶頂の円環-”強欲なる女王”の寝室
再開直後、部屋に入る前に星のカードが使用され、「次の戦闘が最後」と返答した為に恒例の準備時間となる。しかし流石に1年半同じパーティーでやっているだけありスムーズなものだったが。

この広い円筒形の部屋の床面にはゴラリオンの世界地図が描かれている。
中央には40ftの高さがある高台の島になっており、その上には天蓋付きの巨大なベッドがある。ベッドの周囲には何体もの大理石で出来た高さ2フィートほどの人を模した小像が並んでいるが、そのうち幾つかは砕け散っている。
またベッドのある島の周囲には幅の狭いキャットウォークがあり、2カ所あるバルコニーに接続されている。そのうちの一方には磨き上げられた黒い枠を持つ鏡が掛かっていて、その周囲には悪魔的なシンボルと自傷行為、そしてエロチシズムに充ち満ちた卑猥な絵柄の描かれた100フィートはあるであろう柔らかな絹のタペストリーが何本も吊されている。
もう一方のバルコニーには棘だらけの鎖に縛られ、拘束され天井から吊された天使が何体も吊されている。

 しかし、扉の裏側にはシンボル・オブ・デスが描かれており、唯一hpが150以下だったホロが対象となり危うく殺されかける。
更に扉の向こうには魔法の闇が広がり、その向こうにはプリズマティック・ウォールが広がるという非常に厄介な状況となっており(更にその向こうにはメイジズ・ディスジャンクションの罠があったが)、その向こうからは魅力的な女性の一行を懐柔すべく甘言を並べ立てるも、一行は「良いからお前を殴らせろ」と返答。

 ルカのメイジズ・ディスジャンクションで障害が一掃された為にその向こうから現れた”支配の円環”の主人である”強欲なる女王”イズミアラが獰猛な笑い声を上げながら「では、これから始まるお前達の伝説をプロデュースしてやろう…但し、私の意のままに操られる人形としてな!」と何処かで聞いたような台詞を返して戦闘が開始される。
巨大な円筒状の部屋に待ち構えていたのはシャンタクに騎乗したイズミアラ、そして「今日は特別でね、もう1人来ている」というイズミアラに紹介された素晴らしき台詞が聞こえそうなヴォーパルで真っ二つのバロール・ロード(ノクティアラの愛人の1人という設定)が姿を現す。
加えてその背後には3体のコロクス(ベーやんとかヒロCと呼ばれていた…アニメもやっていたが)と明らかに操られていると思わしきパスファインダー・オスプレイとロロミール教授、そして僅か数週間後には貴様らも壊れてこうなると言わんばかりに額にノクティアラのルーンが刻まれたメンデヴ十字軍の重鎮で1年前に行方不明となっていたイレンティオス将軍。

部屋の到る処にある大理石の彫像の中にかつて大規模な戦争を引き起こしたりした将軍や憤怒のルーンの描かれたローブとランサーを持つアズラント人の女性像等に混じって、オスプレイとロロミール教授に似た姿があるのを発見し、また近くにあった石像の特性をアーケン・サイトにより看破し、これらがアーティファクト”心縛の彫像(Mindbind Figures)”であり、物理攻撃によってのみ破壊出来る事も知る。

 そうして戦端が切って落とされたが、開幕早々にイズミアラとバロール・ロードに向けてルカのメイジズ・ディスジャンクションが放たれ、大幅に弱体化させられる(尤も、そうでなければ2体共に飛び道具無効、+5命中、+5AC、失敗率50%、サイズ拡大と酷いものだったが)が、反撃に機会攻撃をものともせずに突っ込んできたバロール・ロードが次元界特性によって強化されたブラスフェミィを放ち、一行がまとめて麻痺による行動不能状態に陥る。
打つ手無く全滅の状況かとも思われたが、状態異常をコンティンジェンシィの発動条件に設定してあったユナハが復帰し、ハロウ・カードと最後のメタマジック・ジェムによる《呪文高速化》を併用したヒール4連発によって体勢を立て直し(後にヒールでは麻痺は回復出来ないことに気が付いたが)、余裕の笑みを浮かべ「半分迄は殺して良いと言われているからな」と獲物を前に舌なめずりをしているバロール・ロードに瑪瑙による悪を討つ一撃とプリセラによる狩人の奇襲が決まり爆発四散する。
今回が最終回であり、また一行のレベルアップで遭遇脅威度を上げる必要があり、そしてやはりPathfinder高レベルのデーモンシナリオといえばバロールだろうということだったのだが…やはり高速化テレキネシスを使い瑪瑙を行動不能にして全力攻撃を振る舞うべきだったか。
  次いで操られている為に容赦無く一行にホリッドウィルティングを放つロロミール教授に「このクソジジイ!」と怨嗟の声を上げたり、カコフォナス・コールやグレーター・シャウトで行動制限を狙うオスプレイに耐え、更にノクティキュラの祝福を受けたユナハを支配下に置こうと彫像が新たに起動させられるもこれに耐え、ルカのディスィングレイトとハルカの射撃が彫像を破壊することでいずれも解放させられた。
そして”善を討つ一撃”を宣言してランスを構え(トランスフォーマティヴ武器でバスタード・ソードから形状変化が可能)《駆け抜け攻撃》と《猛突撃》に加えてコンダクティヴによる”腐敗の接触”と武器のフィンガー・オヴ・デス能力で即死級の大ダメージを叩き出し、ミディアムフォーティフィケーションを付けた盾によりクリティカルを弾くイズミアラによって何度も死の淵に立たされ、瑪瑙も一時は相討ち狙いで《輝ける突撃》の博打を狙おうとしたが、ホロに止められヒールによる支援を受けて状況を立て直す。その間にイレンティオス将軍は機会攻撃を撥ね退けてイズミアラの前にかばうように出るもフォース・ケイジによって隔離される。

そして、コロクスによる2連続コンフュージョンのセーヴに失敗したハルカが無力化され駄洒落を言いながら笑い転げる横で、覚悟を決めた瑪瑙の全力攻撃を凌ぎ切ってさあ無慈悲なる審判の時間だというところに”無意識の味方”によりシャンタクとの挟撃を取り、運悪く急所攻撃無効化に失敗したところでプリセラのローグの技”追い討ち”によるさながら新旧主人公によるコンビネーション攻撃が決まり遂にイズミアラは地に墜ちた。

 戦闘終了後、正気を取り戻した教授とオスプレイ、ミラーオブライフトラッピングに捕らわれていた人々を解放し、数千年に渡りゴラリオンの世界の裏で暗躍していた月の女王イズミアラの策略を防ぐことに成功し、一行はゴラリオンへと帰還した。

流石にこの規模は色々大変なのでそう何度もやる事は無いだろうということで色々過剰に盛り過ぎた感もあったが、それでも死亡者無しで乗り越えられたのは間違い無くこれまでに積み重ねのお陰だろう。


 そして、セッションの片付けを行いながら次回より開始するキャンペーン”Jade Regent”のキャラクターについて折角Ultimate Campaignが出たので生まれ表を振ってみたのだが…まあひどい(特に自称天使)。
こちらも(7月は色々あり竜舞亭第一例会が休みとなるので)楽しみにしたい…が、まず全く進んでいないプレイヤーガイドの翻訳等を何とかしなければならないが。

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