2011年12月31日土曜日

2011年冬の戦利品の話。

性癖暴露の趣味はないので薄い本は非公開、というかそもそもそっちも殆ど購入していないのだが。年々夏冬コミーそのものへの興味が薄くなり、どちらかといえば呑み会のついでに行っている気がする。

とすると、公開出来るのは石膏粉末Pの所で買い込んだ色々と、デローム氏より戴いたd20ソープとスケイルメイル型ダイスバッグ。前者は日記の方でリクエストしようかと思っていたので有り難い限りである。後者はなんというか、感謝だけでは足りないぐらいで本当にどうしたものかと。

2011年の総論。

年末のあれこれは後程書くとして、取り敢えず今年の総括を。
Pathfinder関連では、GM回数をカウントすると24回、うちオンラインセッションが5回、竜舞亭が11回、DACで3回なので対外的なアプローチが5回…もう少し頑張りたかったというのが正直な感想である(不成立もあったが)。
内容の方はといえば、幾つか問題のある部分は認めるが、基本的には満足出来る、特に愛知も含めてのDAC関連はやりたい放題やれたのもあるが大満足だったと言える。
竜舞亭のキャンペーンについて言えば、大雪の中帰宅するのに死を覚悟したのと、震災のほぼ直後に原発関連のシナリオをやらされたのは恐らく一生忘れない。

他についてはクトゥルフ神話RPGのキーパーを1回やった程度だったと記憶している。結局ネタはあるが出来なかったシナリオが1つあるのでそのうち何とかしたい(とある小説でかなり良いシナリオの解法を手に入れたのもあるが)。

プレイヤー回数は0、まあこれは色々あったというのもあるのだが、やはりプレイヤーよりもマスターをしている方が楽しいというのが大きい。あとは、言ったまま積み上がった色々をもう少し何とかしたいところではあるが。

読書、映画関連は何というべきか悲惨という感じである。移動や待ち時間の長い旅行等が有れば進むのだが、最近は精々運動後の半身浴中に読む程度になってしまっている。映画の方はアニメ映画ばかりだったので、もうちょっと他の映画を見たかった。
何はともあれ、色々と大変な事もあったが私自身の周囲はどちらかといえば平穏で、総括して楽しかったと言える。
来年も平穏な日々を活動的に過ごしたいものである。

2011年12月28日水曜日

GoとStopが逆という話。

妄言レベルで言っている物は幾つかあったが、結局私自身の多忙と身内や地元近辺で動くのが精一杯で結局今年はあまり自分自身が立案して企画するようなものは無かった。
だから、という訳ではないが、大きめの企画を気軽に立てる人を見るにフットワークの軽さは羨ましくもあるが、何の保証もなくただ「自分はこれが楽しい」という動機で動いているのを見ると何とも言えない危うさを感じる。特に自分が定めた基準とGoとStopが逆だという点に於いて。

例えばTRPGに限っての話になるが、私は前々から言っている通りGMは「パーティーに於けるホスト役」だと思っているので、十分な準備を行い、客のリクエストを聞き、ちょっとしたサプライズを考え、結果としてはどうであっても少なくともプレイヤーが皆満足出来るような配慮を心がけている。だからこそ(例え立卓しない可能性が高くとも)準備には時間を掛けるし、初めての人でも馴染みやすいように色々準備をしている。勿論これは扱っているルールの方向性もあるが。

GoとStopについて言えば、動き出してしまえば後は場に任せるしかないからこそ、個人的にはスタートラインに立つまで、つまり準備期間こそが大切であり、其処に至る迄にどれだけ不安要素への対策を建てられるかこそが重要だと考えている。だからこそ、「その場でマスターを決める」とか「アドリブだけで進める気満々」というのにはそれなりに思うところがある。

勿論参加者の全員が納得し、それで楽しめたのであればそれで問題は無いのだが。
TRPGという遊びが多大な拘束時間が発生し、更には参加者全員の協力や尽力なくしては成立し得ない遊びであるので特にこう思う。

2011年12月27日火曜日

GMから見たプレイヤー・キャラクター構築の話。

私がマスターをする場合、特に卓を同席するのが初めてだったりする場合は大体かなりの温情で情報を与えたりアドバイスをするようにしている。というのも基本的にキャラクターが全く活躍出来ない状況というのはプレイヤーにとってもマスターにとっても非常にストレスが掛かるというのは知っているし、何より只でさえマイナーで覚えることが多いゲームなので少しでも楽しんで貰いたいと思う部分が根底にある。

しかし、今回のCurse of the Riven skyで問題だったのがファイターの構築がお世辞にも良いとは言えず、しかも1回目に参加出来なかった為にその酷かった部分を把握して貰えなかったことだった(実は《精密射撃強化》を持っていないアーチャーも厳しいものがあったが…もっとも、それでも平均クラス以上に戦えるのがPathfinderのファイターの優秀なところだが)。

1セッションで1回使えればマシかどうかという基本的に(控えめに言って)使い勝手の悪い特技《大旋風》を中心に構築していたというのもあるのだが、それ以上に大型サイズよりも小さな敵が出現しないシナリオで武器は+1キーン・ロングソードのみ(材質でのダメージ減少を無視する手段が無い)、間合いを広げる手段がエンラージ・パースンのみ(《大旋風》を使用する前に殴られ放題で間合いの外に逃げられる)、飛行戦力に対する対抗手段が無い、ACは高いがhpが低い等あり、更に本人の都合ではあるのだが不参加となり、これを他人に任せるのはどうかと言いたい処もあった。

しかし、キャラクターの問題点を挙げたのだがこれはどうでも良く、本当に問題なのはこういう『明らかに運用の失敗しているキャラクター』を出された時にマスターはどの程度までアドバイスすべきか? である。
冒頭では言ったものの、マスターとしては度を超えた温情(や必要以上の情報)は与えたくないし、かといって手段を提示しすぎればそれは最早プレイヤーにプレロールドキャラクターを渡しているのと大差無くなる。また、マスターが思いもよらない手段でこちらが使い道が無いと思い込んでいるものの運用例を示してくれる事も期待している。

あと、ネタアセンを否定する気は勿論無いが、それで活躍出来なかった場合の保証を私はしかねるし、振られたネタは通用する範囲で運用するのをお勧めしておく。誰も理解らないネタで空振りし続けるのも辛いものである。

2011年12月の竜舞亭セッションの話。

今年最終が1直勤となるので、25日に行けなくもないが取り敢えずここを一応の今年の最終としておく。
Curse of the Riven Skyの後半戦、今回も2名欠席、しかも片方がクレリックという状況となり、1年の総決算としては些か締まらない形となってしまったのは残念だった。
プレイヤー名前種族クラス特徴
歪人エミリィ・グラシアハーフオークファイター/バーバリアン今回も不在。構築が残念な大旋風ファイター
ろうなむオリジン・タメトモハーフオークレンジャー/モンク/インクィジター前回と比べて複雑な構築になって火力も落ちた弓兵
Waizブラント・マーキュリー人間ガンスリンガー(Pistolero)/インクィジター(Justice)拳銃使いの異端審問官。人生総博打。
Makkouヴァンデ・ルングハーフエルフサモナー(統合者)パーティーの最大火力にしてひとりドラゴンボール。統合後は今年最も話題になった邪悪な白いアレに。
2xxPゴーダノームバード23ステップを刻みながら敵を翻弄するバード。やっぱりバードは最高だな!
オットールッチオキノノームクレリック今回不在。色々あり11レベルルチアを引っ張り出す事に。
間のユルン・ジャイアント族長との対面や道中の愉快な遭遇の数々(騙して悪いがのアレはやりたかったが)、独身貴族ウィザードことナーマスとの邂逅は残念ながら時間の都合上掲示板で済ます事となり、シナリオの一番の見せ場でもあった”死の雨”のシーンからとなった。
”君達がジョルの街の宿屋にてナーマスと話していると、俄に空が暗くなり、暗雲が急速に空を満たす。続いて絶え間無く激しい雷が鳴り響き、重い泥のような塊が屋根壁を打つ音が響く。窓の外を見ると拳大の赤い粘液の塊が町中に降り注ぎ、それを浴びた人々は焼けつくような痛み、脱力や身体の麻痺を訴えて叫び声を上げる。
30秒程で赤い雨は止み、真水の雨に変わるが地面に広がる赤い粘液がゆっくりと集まり、巨大な塊になろうとしている”
という感じで、町中で容赦無く開始される戦闘、様子を知りたければシナリオの表紙を見ろと言った具合である。町中に展開されたゼラチナス・ブラブ(データとしてはアドヴァンスド・テンプレートの付いたゼラチナスキューブ)12体が町中を蹂躙する様を止めようと宿から飛び出すパーティー一行。強風+激しい雨という劣悪な環境+1ラウンド経過する毎に犠牲者が1名増えるという状況だったのだが、一般人の救出を優先した為に被害者は出ずに済む…が、折角なのでとGMが仕込んだ特殊能力を止められずに、ブラブ達がカーニヴァラス・ブラブ(Bestiary2収録の超巨大ブラブ)に合体してしまう。

しかし、特殊能力の反射打撃も分裂もものともしないヴァンデの全力攻撃により、ブラブが6体に分裂して町中を覆い尽くす事態となったが、幸いにして準備があった(秘術の絆により引き出された)ナーマスのコーン・オブ・コールドで一掃され、無傷の勝利となる。
恐らく、この先長く色々遊ぶと思うが、こんなものは二度と見られない光景だろう。

その後、元凶となったストーム・クイーンが天空に居るという事を知り、飛行移動手段を確保する為に知覚のグリフィン乗り場へと向かうも、ストーム・クイーンの尖兵であるナーガとジャイアントの部隊と衝突するも、これを難なく切り伏せて、天空へと飛び立つ。
因みに今回、ブラントの暴発は色々なフォローにより防がれていた。
そして本来は空中戦があったのだが、d20、特にPathfinderは飛行戦闘処理が兎に角重いので省略し、ストーム・クイーンことヴェラカス(スカイメイジことゾアルスの元恋人で、ゾアルスが色々やらかした被害者で世界に絶望していた)が真の元凶であるスカイ・タイタンの亡霊”青白き者(Paled one)”復活の儀式を行う浮き艀へと到着。交渉系に弱い一行はまず殴って黙らせるかという事になる。

盤面には基本的に大型よりも小さなクリーチャーが不在かつ大半が超大型以上という酷い戦場で、発動する前に倒されたものの《大旋風》を積んだオーガメイジ・ファイター、《ひっつかみ》を持ったルフが2体が飛び回り猛威を振るったものの、危うくブラントがつかみからの投げで4000ftの高さを落下しそうになったぐらいで(温情かつ折角なのでプールの方に投げた)例に依って悪には極めて強いヴァンデと安定したオリジンの弓で(もう少し長引けば風の影響で酷い事になったのだが)撃破され、極悪な影響を与える粘液を投げつけるヴェラカスも憑依していた亡霊を解呪される。

そして、折角なのでとゴーレムを引き連れて出てきたゾアルス(浮き艀はゾアルスの知識を流用したものであるということで所有権を主張してきた)もブラントのクリティカル込み収束弾で打ち倒されてセッション終了となった。




セッション終了後は来年のDAC愛知の話し合いをしたりして、今年のTRPG関連は終了となった。もう1回ぐらい何か欲しかったところもであるが、年末の予定が微妙に立て込んでいるので難しいところである。

色々あったりしたものの、充分に楽しめたと言える1年だった。

2011年11月27日日曜日

やっちまった話。

といっても事故の類ではなく。
部屋のレイアウトの都合上で永らく座椅子を使用していたのだが、6年程度の使用でかなりガタが来ていた為、いっそ買い換えるならと思い買い物がてら大須へ。界隈で美味いと評判の中華料理屋こと咲咲で景気付けにランチを食べてから目的の家具屋へ。

そして色々相談の末に、エコーネスのストレスレスチェア・ベガスを購入。型落ちとはいえ、ちょっと…いやかなり躊躇う価格だったとだけ。快適さは勿論のこと、長く使う品ではあるので出来るだけ良い物を選びたかったが故の選択なのだが、それでもオットマン抜きで5万ぐらい下げて欲しいと思わなくもない。

  
その後、即時配送で本人よりも早く家へと配送され、パソコン周りの再調整を何とか済ませてやっと落ち着いた次第である。

2011年11月14日月曜日

2011年11月の竜舞亭セッションの話。

前回無事キャンペーンも終わり、1月からの開催となる新キャンペーン"Carrion Crown"迄手空きとなった為、モンテ・クック謹製のPathfinderシナリオことCurse of the Riven Skyを全2回で開催する事となった。今回のセッション開始前に、経験者に助言を貰おうと頼んだところ、子細なシナリオ感想とアドバイスを下さったDM-SKM氏にはこの場を借りて感謝したいと思います(アレのお陰できっちり時間内にシナリオ前半を収めることが出来ました)。

とはいえ、あのシナリオ背景は(後半で恐らく解説するが)正直無いと思うが。参加面子は以下の通りだが、色々都合があり2名程欠席となってしまったが、扱いやすいキャラだったので何とか4人でも問題無かった(逆に人数が少なかったからこそ早く回せた可能性も高いが)。

構築については色々言いたい部分もあったが、マスターとしては何とも言えずに此処に書く。
プレイヤー名前種族クラス特徴
歪人エミリィ・グラシアハーフオークファイター今回不在。まさかの大旋風ファイター、その真価や如何に。
ろうなむオリジン・タメトモハーフオークレンジャー今回不在。巨人殺しの弓レンジャー、メインアタッカーとして特化レンジャーの面目躍如である…しかし《束ね撃ち》と《速射》が足りない。
Waizブラント・マーキュリー人間ガンスリンガー(Pistolero)/インクィジター(Justice)拳銃使いの異端審問官。そして暴発は味方を巻き込む。
Makkouヴァンデ・ルングハーフエルフサモナー(統合者)珍しい統合サモナーにしてパーティー最大のキルマーク保持者。だがDRだけは勘弁な!
2xxPゴーダノームバード23ステップを刻みながら敵を翻弄するバード。攻撃メインの面子との相性が非常に良かった。
オットールッチオキノノームクレリック箒乗りのデズナ信者クレリック、というかルチア婆クローン。
”君達は前の冒険で『タイタンの書』と呼ばれる書物を入手した。この書はマニュアルオブゲインフルエクササイズ+2の効果を持つ事までは理解っているが、ここで問題が1つ発生した。この書物の儀式を起動させ、完遂するには巨人の血を引くウィザードの助力が必要であることが判明した。 幸い、君達は伝説に名高いスカイ・メイジと呼ばれるクラウド・ジャイアントのウィザードの噂を知っており、また彼の住処がリノーム諸王の地にあるという情報も得る事が出来た。 その城はジョルという街からほど近い山中にあり、君達は現在そこに向かっている。”

という導入で開始し、早速ジャイアントの集団と鉢合わせとなり、並べられたフィギュアの数(総計13体)に絶句するパーティー一同。因みにこの遭遇のみ一切手を加えていないが、インパクトは充分だったようである。しかし全ルール適用PCにとって、強化の無いヒルジャイアント達はさほど敵でもなく順調に蹴散らされて終わる。 
しかし、間合い無し、巨大化が困難、踏み込み無しの状況では生かせる場面も少ないだろうと考えていたが、予想通りこの先ほぼ《大旋風》は死に特技となっていた。 あと早速ブラントのペッパー・ボックスは暴発していた。


 そして、霧に包まれたスカイメイジの居城に至る真鍮の螺旋階段を昇ることとなったが、途中で発生した振動で何度も階段から落とされそうになりながらも振動の原因であるアダマンティンの篭手で武装した壊し屋のジャイアントに到達し、ゴーダのグリースで転ばされた後、常に飛行状態のヴァンデによって倒される。 どうせなら1人ぐらい階段落ちを経験して欲しかったが。
この後、ちょっと早めの昼食となる。そういえば午前中に2戦闘終了したのは久し振りという気がする。

次に先程の壊し屋によって作られた城壁の穴より侵入したジャイアント達がエア・エレメンタルを虐めている場面に遭遇し、中立が多い為見逃すかという話になりかかったものの、ヴァンデが善(とはいえ混沌にして善だが)だった為に突入して助けるべきだという話となり奇襲して蹴散らす。

戦闘終了後に、スカイ・メイジの使い魔の猫による救援要請を受けて城の基底部へと向かう事となる。そこには雲で出来た柱を突き崩すアイス・デヴィルとそれに取り憑かれたフロスト・ジャイアントの姿があった。
まずはアイス・デヴィルを潰そうとヴァンデがディメンジョン・ドアで突撃をしたところに伏兵として仕込んでいたボーン・デヴィル3体に囲まれウォール・オブ・アイスで分断されて、更にアイス・デヴィルのスロウを受けて大ピンチに。
しかし、ゴーダが取り出した巻物からのファイアボールで切り返し、受けたダメージもルッチオキノが押し戻し、ボーン・デヴィルが引きずりで落下させようとエミリィを狙うも目が振るわず、結局ブラントのバロウィング・ブリットで足を止められてオリジンの弓によりフロスト・ジャイアントが沈められて依代を失ったアイス・デヴィルも逃げ出した。

最後に辿り着いた大広間で、巨大な彫像の掌に乗り絶賛防戦中のスカイメイジとそれを襲うヒルジャイアント達、そしてその隊長のトリケラトプス騎乗ジャイアントという浪漫溢れる遭遇だったが、流石に危険視されたのか隊長は即殺され、トリケラトプスに蹂躙されながらもこれを押し返してようやくスカイメイジと交渉となる。
しかし、当のスカイメイジは襲撃に身に覚えは無く、しかも襲撃が収まらなければタイタンの書の儀式も難しく、どの道この荒れ果てた城では儀式の遂行は難しいということで、先程のトリケラトプス・ライダーの首を持ってヒル・ジャイアントの族長と交渉して来いという話になり、其方に向かう事となった。


そして、時間に余裕があったのでボーナス予定で準備していた、そりゃリノーム王国という名なら出さない手は無い(とはいえシナリオに書いてあるのだが)クラッグ・リノーム戦。密集していたところに叩き込まれた15d8の溶岩ブレスで容赦無く焼かれたり、ファイターの打撃が届かない(リノームは常に10ft上空に居る為)為に危うく死者が出そうになるも、+3強化で材質系ダメージ減少にも強いオリジンの弓、高いダメージ減少をものともせずに手数で強引に削るヴァンデの飛びかかり、そして暴発させつつも有効打となったブラントの銃弾に止めを刺される形となった。
相変わらずの早回しで駆け足となってしまった部分もあったが、個人的にはやる予定だった事が全部出来たので大変満足だった。この調子で次回も上手く回ってくれることを願いたい。

2011年10月26日水曜日

2011年10月の幻想世界のTRPG空間の話

因みに画像は1/4320の奇跡…ある意味私らしいが。
DAC等で「参加出来る機会自体が少ない」という事も言われて、そろそろ初心者向けのシナリオも組まなければと思い、丁度良いタイミングと主催側の尽力により立卓の機会に恵まれやすい幻想世界コンベンションを借りて初心者向けのテストセッションを開催させてもらった。
参加してくれた猛者は以下の通り。キャラクターはこちら。
プレイヤー名前種族クラス特徴
makkouブレンディハーフオークファイター秩序にして善のグレートソード使い。ひたすら戦場を駆け回る突撃者。
キメラ大名ダリスドワーフファイター秩序にして中立のドワーフ。AC25の鉄の壁。
Waizマリオンハーフエルフファイター中立にして善の一応パーティーのリーダーにして、まだ29歳と強固に主張する職場と結婚した年増鉄仮面伝説こと長柄武器戦士。
Rajaハシム人間ファイター混沌にして中立の弓ファイター。多分眉が太い狙撃系。
くらげるミリアム人間ファイター混沌にして善のモテカワ系足払い戦士(ただし魅力7)、実は知識枠なので眼鏡キャラ。

また、Twitter等で宣伝を手伝って下さった諸氏にはこの場を借りて感謝したい。

まずはキャラクターの紹介やゴラリオン世界を色々とネタを交えつつ説明。カイデン神の解説やシェリアックス、ゲブやニューメリア辺りを解説しておくとウケが取れるというのはマスターとして興味を持って貰いやすく有り難い。
『君達は現在ソルク(カタペシュ西部に存在するカタペシュ第2都市、交易の中継点として有名。通称『女神に見放されし都市』)より東方に位置する街道沿いで戦闘に巻き込まれている。というのも、君達は数日前迄とある武勇で名を馳せた将軍ガターヴィーの元で戦っていたが、残念ながら将軍は暗殺され、また貴族達も我先と相手に投降し、結果として敗残兵として逃亡し、狩られる立場の君達だけが残った。
そして、君達はもう少しで何とか敵の包囲網を突破出来るというところまで来た。』

という微妙に時事ネタを絡めた導入で敗残兵狩りと戦闘開始。今回は珍しく(というか事前に作成していた地図が雷で3時間の作業と共に消えた為)flipmatを使っての戦闘をしてみたが、回り込んで射界を確保するクロスボウ兵、何とか突破口を開きたいPC側、そして妙に走るマスターのダイスと意外と面白い盤面となった。



その後のシナリオの流れについては、waiz氏辺りが書いていると思うので其方に任せるとして、GMならではの裏話や反省を幾つか。

そもそものコンセプトは「Pathfinderというものを知って貰う」というのは言うまでもないが、「他のキャラクターとの連携」や「各キャラの役割や立ち回りの違いを明確に」というのを強く意識して貰うようにキャラクターを作成した。その為、どのキャラも比較的得手不得手がはっきり出せたと思う(足払いだけは遠近両方の武器持ちなので若干万能感があったが…メイン武器も含めて弄るべきか)。そして、使う前に相手が倒れてしまったにせよセーヴを振る場面をもうちょっと追加するべきか。
只、単純に「突っ込んで行って殴るだけ」でも充分機能するようには出来ているので、そこは恐れず突っ込んで行って欲しかったと思う局面もあるにはあったが(とはいえあのダイス目ではそれも厳しいか。d20の期待値は17と言い張る人ほどではなかったが)。

最初の戦闘が存外厳しいものになってしまったのは反省。もう少し段階的に戦闘経験を積ませるべきだったか。あと、「初心者は何が分からないかが分からない」というのを失念していたのは我ながら反省。それから、初心者と熟練者を上手く座らせて、もう少しGMの負担軽減と初心者対応を上手く廻せたのではないかと思う処は多々あった。
いつも作成している説明用サマリーについては、それを移動/通常/全ラウンドに分けて書くともう少し理解り易くなるか。
戦闘については段階的に複雑にするように改良が必要。あと、一応AC20に対して普通の雑魚で出目11程度で命中するようにデザインしたのだが、思いの外命中したことでプレイヤー側が萎縮してしまったのでもう少し下げるべきか。
あと、キャラクターシートについても、もっとスマートに、というかやはり文字ばかりだと初心者には難しく感じられてしまう為、この辺も編集等を入れてGame's Dayぐらいの代物は難しいにせよ、せめて引かれない代物は作りたい(この辺りはBeginner boxが参照になるか)。
反省、問題も含めて色々と得る物、気が付く事が多く、参加してくれた皆にはこの場を借りて感謝したい。また、願わくば今後もPathfinderで遊んでくれると幸いです。

2011年10月17日月曜日

地図作成の話。

良く聞かれるのだが、私はセッション時には自分で作成したツールと、手ずから書いて印刷した地図を使用しており、ある程度好評を戴いている。
これらは確かに導入には若干のコストが掛かり、それなりに手間も掛かる手法ではあるのだが実際のところ私自身がこういう手の込んだ物事が好きだというのと、ツールについてはマスターがセッション中に手間をかけずにプレイヤーとマスター間、或いはプレイヤー同士の情報共有を出来るという点では大変重宝しており、地図については特に平素遊ぶ竜舞亭という環境が時間にシビア(実プレイ時間5時間と言えば理解って貰えるだろうか?)であり、地図を書く時間すら惜しいというのと、また地図に仕掛けやヒントを施す(例えば地図に書かれた像が襲いかかってきたり、割れた床の下には落とし穴があったり)タイプなので、結局自分で作った地図が必要になるのである。

●地図の作成手順
因みに作成した地図は基本的にA3サイズ1枚辺り12×17マスとなる。
1.準備
まず、以下のツールやファイル、機材を用意する。

汎用マップエディタ Platinum
私がメインで使用している(というかほぼこれのみ)マップ作成ツール。マップタイルの読み込み、タイリング、アンドゥ/リドゥ、レイヤーとマスクの利用、画像形式での出力と必要充分な要素が揃っている。

・画像ファイル
主にツクール系のマップタイルを使用している。素材はFirst Seed MaterialからVX用タイルセットを借用し、またツクールVX体験版を使用しているが今のところこれだけあれば充分である。因みに画像はjpg、bmp、gifで準備する必要がある(PNG非対応を確認)。あと理解り易いようにファイル名を変えておくと便利。

・センス、時間
こればっかりは自分で何とかして欲しい。むしろこちらが欲しいぐらいである。

・A3印刷可能なプリンター
ネットプリントでも良いのだが、私はHPのofficejet7000を使用している。A3プリンターとしては本体が安価、フチ無し印刷が可能、代替インクにより安価な印刷が可能、インクヘッドが外れる為インク詰まりの手入れが楽というメリットがある。


2.下地の作成

まずツールの起動後、新規マップの作成を選択してパーツの縦横幅をそれぞれ16Pixel、データサイズを16ビットに設定する。この時マップの横幅及び高さは弄らないでも構わない。

その後、パーツウィンドウに黒4マスのある画像ファイル(REFMAP VX版のTileA4、壁と天井かツクールVXのTileA5、床、階段等がオススメ)をドラッグ&ドロップして、一番隅に2×2の大きさの黒いタイルをペンツールで描く。
そして今度は本ウィンドウの黒タイルを含む4×4マスをパターン定義ツールで拾い(または右ドラッグ)して、タイリングペンツールに切り替えて全体にこれを描く。
そして出来上がったファイルに適当な名前を付けて保存し、準備完了。
これで2度目以降は3.から作成が出来るようになる。


3.地図サイズの決定



(2度目以降の場合、先程作成したファイルを呼び出し)上書きしないように別の名前を付けて保存した後、ツール>リサイズで作りたい盤面のサイズを決定する。この際に注意するのは、この時点では1マス2x2で構成されている為、作成するパーツ数は縦横実際の2倍となる。また、基本的に17×12(縦横はその都度変わるので、12x17のケースも勿論ある)の倍数で作った方がズレや面倒が無く楽となる。
今回は私にとって基本的な、2枚(17×24)の地図を作成するため、34×48パーツとする。




4.地図画像の作成
まず新規レイヤーを作成し、そこにこれから作る地形のタイルをドラッグ&ドロップする。0番レイヤーは基本的に物差し代わりとなるので、触らないように。




別のタイルを重ねたい場合、新規レイヤーを作成してそこにタイルをドラッグ&ドロップして、上に重ねる。また上に重ねたタイルについてはビュー>透過処理を行うにチェックを入れた上で透過色に白(右下)を指定すると透過処理が出来る。
また、混同を避ける為にレイヤー設定でレイヤー名を変更しておくと何かと便利である。
そして、完成したら0番レイヤーのチェックを外し(透過色による黒抜けの防止)、グリッドを非表示にして保存、ファイル>書き出しでbmp画像を作成する。
尚、このファイルをjpgに変換すればどどんとふへの流用も簡単に可能です。


5.地図の書き出し


今度は新規作成で17×12マス、16ビット、32×32bitのファイルを作成し、編集>プロジェクト設定 で地図の色と被らないようにグリッドカラーを変更しておくこと。
先程作成したbmp画像をパーツウィンドウへとドラッグ&ドロップして、まず地図の半分を貼り付けてbmpファイルを書き出し(失敗する場合はこのプロジェクトファイルを名前を変えて保存すると上手く行きます)、更にもう半分も書き出して完了。更に大きな地図を作成する場合、枚数を増やして作成すれば良い。


6.印刷
先程作成した画像を印刷する。用紙は何でも構わないが、ある程度厚みがあった方が丸まらずに済むのと、発色や滲み、裏抜けを考えるとインクジェット専用紙が望ましい。A3インクジェットプリンタの場合、フチ無しで用紙サイズに合わせればほぼ適正のマップが出来上がる。尚、ネットプリント等の場合は17x11マスで適正サイズになるとの事。

といった感じでやっている。地図については、17×24サイズで慣れれば1時間程度、凝ったものでも2時間もあれば満足の行くものが完成出来る。また単にマス目を書くだけでなく、縁飾りや境界部分のタイルを上手く使うことにより、見栄えを良くすることが出来る。

hp管理ツールの話。


ファイル自体は過去に4th Cageに上げた”遭遇管理シート”を参照のこと。
hp管理ツールについてはもっと単純かつ力業で、元のサイズに戻して複数ウィンドウ表示状態にして、サブモニターに出力しているだけである。青枠内がサブモニター出力範囲となる。

私は安売りで入手したLCD-USB7Xを使用しているが、これは生産終了品なので他製品を探すことになるが縦置き可能、バスパワー等はあると便利である。

あと、最近よく使う工夫としては、NPCのグループ化の範囲を遭遇毎に変更することで参照範囲を切り替え、不要になった遭遇をまとめることが出来る。

2011年10月15日土曜日

DACの話:前夜とか。

 距離と時間の関係上、当日朝出発となると時間的な余裕がほぼ無くなることが前回理解った為、今回は余裕のある移動をしようと、勤直を変更して貰い、どうにか間に合わせようと準備を頑張ったものの、結局バスの出発時間に2分遅れた為に逃す羽目に…普段は10分は遅刻するのにこういうタイミングではそのまま来るとは。
そして、当日朝に起きるも、電車の乗り継ぎに失敗して、しかも新幹線指定席が全滅だった為に結局若干遅刻気味でDAC会場へと入ることになる。せめてあと1日欲しかった…流石に今回は少々忙しすぎた…次回参加するならば、準備を済ませておいて前日泊にしておきたいと思う。

因みに今回のシナリオだが、大本のコンセプトは「2日間でより多くの人と卓を囲む(但し、シナリオの構成上連続参加者が居ないと成り立たないネタを入れたので、連続参加者は歓迎でした)」「Pathfinderアリアリで楽しむ」「同一設定の違う連続しない時間」そして一番のメインは「いかにしてシナリオ作成の労力を減らすか」だったのだが結局、各日2ルート(正確には数の多い2or強力な敵の1遭遇ショートカットルートの選択程度だが)とか、マップに色々手を入れた関係性や各種小物とかであまり労力は軽減出来なかった気がする。
シナリオアイデア基本的にはPathfinderのメイン世界であるゴラリオンの設定を適度に拾いつつ、デヴィルは1年間飽きる程扱ったのでそろそろデーモンを使いたくなったというのと、あとは溢れるフロムソフトウェア信者の妄想、そして流行りのネタを幾つか(…主に選ばれなかった方のルートに)。

DAC2011の話:8日前半『闇の徴、悪魔の魂』(Pathfinder-6Lv)

そして、既に揃った面子にお詫びを入れながらGM挨拶(PathfinderではDMではなくGM)を済ませ、一通りの挨拶とキャラ確認を済ませ、ツールの調節等をしつつセッション開始となる。今回は両日共に色々あり猛者向けという形にさせて貰った為、両日共に覚悟極まった人々に集まって貰えて、大変助かった。

1日目の面子は以下の通り(敬称略)。しかし今回は珍しく人間ばかりでしかもパラディン不在となった。この辺りのレベルは特技が特に貴重なので仕方が無いが。

プレイヤー名前種族クラス特徴
WildJiveアルフレッド・ジョーンズ人間ファイター(ファランクス兵)防御に入った時の鉄壁に定評がある塔の騎士。
Clearブライアン人間レンジャー(獣使い/潜入者/遊撃兵)/ファイターエイプ使いでアンチアセン系足払いレンジャー。フォーチャードとかprdjに載せたのは誰だ。(ヒント:自分)
りょう。チャオ・フェイエン人間モンク(ゼン・アーチャー)実はアサシンではないかと噂されるズドン僧にしてひとり武侠系。
DM-SKMドーラ人間クレリック(十字軍戦士)ババァ系クレリック、40秒で片付けな!(以外と難しくない)
へんくまバーグル・バーベルハーフエルフウィザード(召喚術)グリッターダストを使う度に苦悩する何処かで聞いた名前の召喚術師。
∀x∃yシヴァレル人間言霊ソーサラー(混血:銀竜&水の精霊)水竜様に仕える妖術師。吹き荒れる氷の嵐が敵に絡みつきよろめかせ、そしてマスターは血涙を流す。
データ等は以下の通り。


因みにGM紹介でも言ったが、今回のシナリオのモデルはDemon's SoulsとDark Souls、そして今度IIIの出る大悪魔とか鋼の錬金術師とかどこかのソウルジェムが曇ってむせる魔法少女アニメ(遭遇が選択されず、そちら関連の話をすっかり忘れていたが…因みにソウルジェム自体はPathfinder公式にちゃんと用意されている設定、ダイモーン参照)辺り。

全体的に設定の多くを語らなかったのは、断片的な会話や情報からストーリーを推察して貰うフロム脳的なストーリー推察を行って欲しかったからというのもあるが、一応こちらではその辺の裏も含めて書いておくこととする。


0.導入と過去
かつて、ワールドウーンズと呼ばれる前、この地が"北の丘陵(the Northmounds)"と呼ばれていた頃、メンデヴとニューメリアの国境付近に隣接する場所に、深い渓谷に囲まれた"星降る都(Fallingstar)"と呼ばれる城塞都市があった。この都はかつて空よりスターストーンが降りてきた時と同じくして、その欠片が落ちた場所で、その聖遺物「流星の欠片(或いはその付近で死した魂を捕らえ、所有者の糧としまた操る性質よりソウルストーンと呼ばれる)」を祭ることにより繁栄していた。また人間性の神エイローデンが蝗のデーモンロードであるデスカリを討伐した際には、その戦いに大いに協力したことでも知られていた(この情報の一部は残念ながら〈歴史〉達成値が低く渡せなかった)。しかし、エイローデンが崩御し、世界が闇と嵐に包まれると同時に数多のデーモンがこの都を襲い、また乱心した(正確には正体を偽り王に取り入ったサキュバス"堕落の声"により狂わされ、流星の欠片を濫用することで虚無へと堕ちた)王を止めるべく、ソウルストーンを管理する巫女でもあった時の王女が王国を護る三騎士(盾の騎士”グラナイ”、矢の騎士”シディアン”、剣の騎士”アルコーズ”)を率いたものの、ソウルストーンの一部を回収出来たが、三騎士は破れその高貴な魂は王の持つ大破片に囚われ、王女も多くの手勢を犠牲にすることにより何とか逃げ延びた。その後、王女は手にした小さな破片を先の戦闘で失った虚ろな眼窩に収め、王の持つ大破片の呼びかけ(手に入れた小さな破片の所持者を操り、支配する力)に対抗する為に神に願い、その身を呪いに委ねて”二重に呪われし者”となり、視覚と健康な歩みを失った(これにより王女は抵抗する時間を手に入れた事になる)。

王女はその後「守り女」とのみ名乗り、時折現れる死して石に魂を囚われ、王の軍勢に加えられそうな者達をすくい上げては自らの手勢として率い、王との戦いを繰り返していたものの、何れの時も勝利には至れずその存在も王の誘惑と支配に屈しかけ限界に達しようとしていた。
そして、物語は第三次十字軍に参加した兵士達(=プレイヤー達)が一度死に、石に呪いの印である”闇の徴”を付けられ、王の軍勢に加えられそうであったところを守り女に救われ、セッション冒頭となる。

因みに守り女の外見的にはフードを深く被った黒衣の火防女だった…しかし、悪ではないとは判明しており、嘘も言っていないと理解っているとはいえ、こんな胡散臭い外見の発言をよく信じてくれたものである(もっとも、でなければ話が進まないが)。

1.城塞へと至る渓谷
『神殿を抜けると、寒風の吹きすさぶ大きくせり出した崖を持つ渓谷に出る。渓谷には永らく放置され、所処崩れた長い石橋が掛かっており、その先には巨大な石のひさしを備えた大きな城門がある。そしてその途中の両脇には小さな砦があり、正面奥の城門には正八面体の紋章を中央に置いたレリーフがあるのが見える。
砦と橋の中央に並べられた箱や馬車の裏には鎧を着た人影が動いており、彼らも君達を認めるとクロスボウを構え始めるた。』 
曲についてはスピーカーもあったからかけようかと思ったが、会場的に音響関連の演出があまり上手く行かない為に断念した。
早速並べられた17x36の地図とクロスボウを構えた多数の兵士のフィギュアに戦慄するプレイヤー一同。また一応善であり(混沌にして善は秩序にして悪より始末に負えない場合が多いが)十字軍ということで敵の出方を伺おうとドーラが待機したものの、チャオが弓により戦端を開く事になったりする場面もあった。

しかし其処は同時にプレイヤー達も手慣れたもので、一旦戦闘となれば、バーグルとシヴァレルが範囲呪文で敵を制圧しながらアルフレッドの遮蔽にドーラが入りながらブライアンとエイプの相棒のジャックと共に先行し、そしてチャオが弓で目立つ遠方の敵を射落とすというセオリーが出来上がっていた。

しかし、寸前で止まったブライアンを追い越して踏み込んだアルフレッドが落とし穴(瓦礫による移動困難地形で進行を誘導しておいた)に落ち、その下に潜んでいた凶暴なウォーグ(バーバリアンクラス持ち)により手ひどい傷を負わされ、更に周囲の石像にカモフラージュしていたガーゴイルの殺し屋(ローグレベル持ち)が左右より出現し、キャラクター達の背後を取る。
しかしながら、味方にも戦慄を覚えさせたブライアンのフォーチャード(間合い、足払い、鋭利、1d10ダメージと三拍子揃った極悪武器、翻訳者出てこい)を受けて敵が次々と沈み、更には城門の裏側に潜ませておいた鎌持ちサイクロップスが皆を戦慄させるも、当然の如く最重要クリーチャーと認識されて出目20もクリティカルには至らず、盲目化させられてキルマークを上げるには至らなかった。

結構厳しい遭遇だった為、戦闘終了迄若干掛かったものの何とか敵を全滅させて昼食となる。
因みに最初から遭遇を厳しめにしているのにはちゃんとした意図があり、まず第一に作成したばかりで手に馴染んでいないキャラクターの感覚(特に平均~最大火力や制圧能力)を自分自身、そしてマスターが把握すること(敵が弱いとすぐ戦闘が終わってしまい、動かずに終わるキャラクターも出る、というか去年出た)。次に他のプレイヤーとの立ち回りを経験して学んで貰うこと。そして何より、先の方でプレイヤー側に「イケる」という感覚や卓の一体感を掴んで貰う事で、後々よほど酷い遭遇を出しても「何とかなる/出来る」という心折れない精神的な強さを得られることである。勿論、プレイヤー側がある程度の熟練者であり、それを見越して脅威度を上げているのもあるが。

昼食はいつもの展望レストランで、気分が無駄に高揚していた所為か問題発言が多かったが気にしないで貰えると幸いである。やはり普段あまりPathfinder関連の話を出来ない所為か、昼食中もかなり様々な話題を話す事が出来た。機会こそあれば他のAdventure Pathも遊んでみたいものだが、いかんせん暇も人も余裕も厳しい。
そして午後より再開となる。

2.ルート選択:封印された坑道
第1戦闘を終わった時点でルート選択となり、片方は城門から入り回廊を抜けるルートで、もう片方は城壁に開けられた超大型サイズの穴を瓦礫で塞いだ痕跡より入る坑道。テストプレイ時は通常の通路が選択されており、今回はどうなるかと思ったが最終的に坑道のショートカットが採用される。

『瓦礫をどけた先には、剥き出しの赤茶けた岩肌を晒す坑道らしき穴が奥へと続いている。路はなだらかに下っており、片隅には遙か昔に出来たと思われる白茶けた骨が転がっている。
そして君達が奥へと踏み込もうとすると、奥の上方より巨大な鎧が動くような音が響き、一瞬だけ雄象並の大きさを持つ鎧われた細い足が見え、視界から消えた。』

散々脅した所為か、全員かなり警戒していたが意を決して進み始めていきなり熱線に焼かれる猿。この辺りで慣れた面々とDemon's Soulsプレイ済み勢は何が出てくるのか気が付いた様子だが、「撤退して別のルートを行こう」と言い出さない覚悟完了済みっぷりが素敵だった。

そして現れたタカアシ鎧蜘蛛もといリトリーヴァー(脅威度11)にげんなりされたものの、そこは4ラウンド以内に仕留めないと石化光線により大惨事になることが理解っていた所為か、覚悟の決まった一行のこと、早々に霧氷化+よろめきで足を止められ、チャオのあまり当たらない弓とブライアンのフォーチャードで膾斬りにされてリトリーヴァーは地に落ちた。

因みにもう一方のルートで待っていたのは、入り口付近に崩れやすい壁面があり、その先には弓兵とファランクス兵、あとリップソー・グレイヴを持ったオーガ兵と力術師の待つ城塞外周で、一行が前に出たところで崩れやすい壁面をブラント・アローで崩して(これはドワーフの石工の勘かローグの罠発見で察知可能だった)背後から襲い、更に力術師が鉄格子をノックで開けてブロンズクラッド・ダイアボア(鎧猪)をぶつける予定だった。その次には奇妙に長く伸びた回廊があり、姿を消して待ち構えるサモナーが次々とレムレーを召喚して足止めを行いながら、身動きが取れなくなったところで噛み付きに超特化(Lv8なのに+16(2d8+17))したエイドロンが頭からバリバリと飲み込む予定だった。

3.城門内:守護者『盾の騎士』
『誰かが触れると、その巨大さにも関わらず音もなく城門が開く。そしてその先には小さな盾と短い槍を構えた兵達が遮られた壁の奥に並び、それを従えて聳えるような巨体と、小さな盾と戦斧を構えたドワーフの騎士が君達を睥睨している。ドワーフの騎士は君達の姿を認めると、久し振りの獲物に喜色を浮かべ人ならざる絶叫を上げて襲いかかってきた』  
ここより中ボス3連戦。かつての盾の騎士”グラナイ”の似姿であるデーモン、フィーンディッシュ・ジャイアント・ドワーフファイター(二刀流)という大変偏ったキャラがファランクス兵(といいつつ武装はベグドコルヴァンだったが)と共に襲いかかってくるという構成で、かつファランクス兵はジャヴェリンオヴライトニングを投げつける予定だったのだが、また例によりバーグルのウェブとシヴァレルの霧氷化バースト・フロストフィンガーズで動きを止められ、充分に威力を発揮出来ないまま倒される事になる。

ここは初期配置を思い切って動き次第ジャヴェリンをぶつけられる形にした方が良かったか。
『騎士が死した時、守り女はその消えた亡骸を見送るかのように空を見上げて口を開いた。
「彼は常に兵達に慕われ、戦でも常に先陣を切る戦士の見本のような男だったと言われています」』

そして、冒涜された盾の騎士の姿に悲しむ守り女と共に次の遭遇へ。

4.中庭:守護者『矢の騎士』
『長く続く城の回廊を抜けると、露出した土と饐えた水の匂いが鼻を突く空間に出る。かつては清浄な水を湛え手入れもされていたであろう中庭の庭園は、今では淀み濁った水と野放図に生い茂る木々や植物とで荒れ放題の様相を呈し、天井には生い茂った木々でドームが作られている。
君達が湿地に足を踏み入れると、奥より幹のように聳える2本の足の上に乗った、絡まる蔦と滴り落ちる粘液のかたまりが姿を現した。』

矢の騎士”シディアン”の似姿であるデーモン戦。まずゆっくり動くシャンブリング・マウンド(途中GMにすら忘れられた不憫枠)に注意を惹き付けさせ、そこからナバッスゥによるマス・ホールド・パースンで固めてから水中に潜んでいたラケドン・レンジャーによるとどめの一撃や引きずりでの水没による即死攻撃(アルフレッドが犠牲に)、またスリッパ・オブ・スパイダークライムで天井に張り付き〈隠密〉で隠れていたフィーンディッシュ・ハーフエルフ・レンジャーである矢の騎士によるベインアロー(計算したら命中が対人間+20(BAB+8/強化+1/能力+5/レンジャー+4/ベイン+2)とかになって酷い事に)でシヴァレルが犠牲になり、更にブライアンがエナベイションの直撃を受けて負のレベル-4を受けるも、3ラウンド掛かって相手を即死に追い込む一撃を放ったチャオの矢が矢の騎士を捕らえ、また反撃がナバッスゥに決まり戦闘の趨勢は此処に決した。

死者が多く、変則的だったこともありこの戦闘が一番苦戦していた。
『音を立ててデーモンの残骸が水面に落ちると、守り女が毅然とした声と厳しい表情で言う
「彼は、生前は人を楽しませるユーモアと戦いのアイデアに溢れた優れた戦術家だったそうですが…こんなのってない、あんまりです」』

5.謁見の間:『剣の騎士』

『回廊を抜けると、柱の立ち並ぶ広い部屋へと出る。中央には擦り切れた絨毯が敷かれ、その先には石の意匠を中央に戴いた大扉がある。更に、その前には白い、かつてこの城塞の王族のものであった装束に身を包み、大剣を片手に君達を射殺すような視線で睨み付ける白い長髪の男が立っている。』

死霊兵士のライトニング・シャドウ(名前と違い実体はあるブラスト・シャドウの電気ヴァリアント版)を従えた剣の騎士にして王子である”アルコーズ”(フィーンディッシュ・アドヴァンスド・ヒューマン・ファイター/ウィザード/エルドリッチナイト)戦。ヴロックを出した時に一同戦慄するが、剣の騎士のヘイストからヴロックの朦朧化絶叫、そしてシー・ドレイクの加速による近接からのとどめの一撃はセーヴに失敗したエイプを捕らえるに止まり、ヴロックは流石に真っ先に落とされ、剣の騎士はバーグルのクリエイト・ピットから復帰したところをチャオの矢で壁に磔にされて滅びることとなった。

『剣の騎士が死した時、彼女はただ一言だけ呟く。
「兄…いえ、彼はこの国の王子で、3人の騎士達の中でも、また兵達にとってもリーダーのような存在でした」』

この時点で既に一同満身創痍だったが、偉業達成ということで各人にヒーローポイントが配られ、何とか最終戦を戦える気力が沸いた感じだった。因みに大休憩を入れていた場合、守り女の身体が限界に達して以降随伴不可能にする予定だった。

6.玉座:流星の王&堕落の声&混沌の堕とし子

『玉座には二本のねじれた角を持つ兜を被り、漆黒の鎧を纏った男が座っており、その甲冑の胸の部分には正面に僅かに欠けた正8面体の輝く石が備わっている。そして、その背後には幾本もの触手がうごめき、涎を垂らす口が中空に浮かんでいる。
男が立ち上がり、兜の中の赤く燃える双眸を君達に向けてしゃべり出す。
「ようやく来たか、ソウルストーンに選ばれし者よ。さあ恐れるでない…これより汝らも我らが尖兵となり、永久に生き続けようではないか」
そして、王の傍らには豪奢なドレスに着飾った女がしなを作り、君達を蠱惑的な瞳で見ながら口を開く
「わたくし、新しい玩具が欲しいですわ。あんなプライドばかりで弱い3騎士なんかではなくて」
更に、彼女は君達の後ろにいる守り女の姿を認めると嘲笑を浮かべながら語りかけてくる。
「あら、無能な王女様じゃないの。あの三騎士だけじゃなくて、今度はその男達をたらしこんでみすみす死なせに来たのかしら?」
君達は背後より、今迄感じた事のない静かな憤怒の気配を覚えた』

王(ハーフフィーンド・アンティパラディン)と堕落の声(サキュバス)、そして2人の仔である堕とし子(データとしてはクリフォト・ナイオゴス・クレリック)、また部屋の四隅にある立像に偽装したファントム・ランサー(出目20で〈隠密〉を行える)との最終戦。実は今迄殺した人数で王が三騎士の影を一時的に召喚(魂は守り女が取り戻した為、本体を維持することは出来ない)するという能力を使用出来たのだが、残念ながら3回に止まる。因みに去年も出したが、アンティパラディンとサキュバスという組み合わせは見た目としても、実益的にも(不浄なる贈り物によるボーナスと、常時型ディテクト・グッドによる敵の選定)絵になる為多用する傾向がある。今回も早々に盲目化されて討たれたものの、王に不浄なる祝福を贈りながら耳打ちをする(反応した敵の情報を伝えた)という絵が出来たのは個人的に満足である。
因みに混沌の堕とし子も早々に潰され、使っていたシールド・アザーは役に立たずに終わった。
しかし、、ファントム・ランサーの槍に背を取られ、影の剣の騎士を呼び出してヘイストを受けた王の剣がアルフレッドを捕らえ、善を討つ一撃+コンダクティヴがクリティカルで回り真っ二つにされ、その魂も囚われる(実は時間があれば招来し敵として使う予定だった)。しかし、その直後に仇討ちとばかりにチャオの矢がその鎧に刺さり、ヒーローポイントも使ってのブライアンの怒濤の攻撃がついに王の鎧を切り裂き、滅び去ることとなった。

『ブライアンが王を切り伏せると、王は怨嗟の声を上げて君の肩を掴もうとするが、身体に触れる前に砂のように崩れ去り、王は驚愕の表情を浮かべる。
「おお、儂が…儂の身体が…消える…このような者達に…」
そして、全てが崩れ去ると後には正八面体の石だけが残された。
守り女は跪きそれを拾い上げると、両の掌で包むようにしてローブに隠された顔に近づける。すると顔の上半分を覆っていた布が解け、石の欠片が眼窩に収められているのが見える。眼窩より石が零れ落ち、手にした石と一体化すると、石の輝きが増したように見えた。
そして、石を胸に押しつけるようにして彼女は立ち上がると、君達に向き直り礼を言う。
「有り難うございます、これでようやく騎士達の魂と休息を取り戻す事が出来ました。」
そして、天井からぱらぱらと砂埃が降り出し、またその振動が大きくなっていく。
君達の身体に刻まれた徴が輝きだし、意識を失う。その直前に彼女の声が聞こえる。
「これから私も、この場所で長く静かに眠ります…どうぞ貴方達は貴方達本来の命を大切にして下さい」


そして君達が再び目覚めると、朽ちた寺院の中にいた。
しかし、君達を縛っていたあの呪印は最早その身体には無い。
先程迄炎を上げていたであろう焚き火も今は白い灰ばかりとなり、割れた天窓からは珍しく雲の切れ目より降り注ぐ朝日が廃墟の中を照らしている。
そして見上げた天井には石をその胸に抱き、祈るようにした女性の姿が描かれているのが見えた。不思議とその顔は安らかで、君達は確かに何かを成し遂げたという実感が沸いてくるのを感じた。
そして外に出ると、渓谷は地震でもあったかのように荒れ果て、城壁があったと思われる壁面は巨大な岩で塞がれていた。
これより後にこの地はあの巨石から「巨人の要石」と呼ばれる事となる。』


セッションは何とか時間内(割とギリギリだったが)に終了し、プレイヤー諸氏にも満足して貰えたようで何よりだった。勿論遭遇の厳しさは自覚しており、プレイヤーの力量に頼る部分が大いにあったが。

それでも、(動かし方が甘い部分は多々あったとはいえ)セッションは互いの信頼で成り立つプロレスのようなものであり、マスターとしても全力でやりたい事をやりたいようにやれて本当に楽しいセッションだった。こういう経験が出来るからこそマスターはやめられないのである。

個人的な脅威度判断の話。

当てにならないことで有名なPathfinderの脅威度だが、まずPaizo側の計算が案外適当(特に低レベル時にPC側のACに追いついていないクリーチャーの命中)だというのもあるのだが、それ以上に大前提が問題となっているように感じる。緊張感と歯ごたえのある戦闘をデザインするのは困難だが、個人的には大体このぐらいの脅威度を目安に遭遇を作れば簡単ではなく、しかし全滅する程困難でもない遭遇を作れるようになった。

まず大前提となるのは基本ルールの"ゲームマスター"の項目にある通り
・能力値 15pt buy
・人数 4人
という条件である。そして、ここからは経験による個人的判断となるのだが、3人以下ならば-1というのはそのままで問題ないと思うが(個人的に3人以下の環境での経験は無いが処理飽和状態になりがちなのは想像に難くない)

+0.5 能力値pt buy方式+5につき(ダイスによる能力値も相当扱いでこの計算)
+0.5 ヒーローポイントを導入しており、まだ残っている
+0.5 キャラクターレベルが6/11/16を超える毎に(累積)
+1 パーティーが5人以上1人につき
+1 パーティーにパラディンがおり、かつ敵半数以上が悪(11レベル以上ならば更に+1)
+1 初回戦闘以降で休憩が入っている。
+1 プレイヤーがPathfinderに慣れている

という感じで計算している。但し、特に低レベルのうちは単体脅威度が高過ぎる敵は事故になりやすいので気を付けて出す必要がある。例えばバーバリアンレベルを1積むだけで、激怒も込みで考えるならば命中+5(能力+2/BAB+1/激怒+2)以上、ダメージ+4/+6以上となりちょっと目が走るだけで大惨事となりかねない。hpについては低下したACも含めてとんとん、と言いたいところだが1につき最低+8.5(ダイス+6.5/能力+2~)されるので一応は気に掛けておいた方が良い。hpを上げたいだけならば【耐久力】が高い場合キークラス以外を積んでおく手もあるが(キークラスクリーチャーを持たないモンクを例とすると、脅威度の2倍レベル以下ならば11(ダイス+4.5x2/能力値+2)は最低でも上がる)。

但し、あくまで大まかな計算であり、これに従って全滅しても当方は一切の責任を持たないので念のため。

DAC2011の話:8日後半-懇親会

疲労で身体が危険な兆候を見せながらもマスター挨拶を済ませ、荷物も部屋に放り込み呑み会こと懇親会へと雪崩れ込むが…ビールを飲んだ後目に見えて体調が大幅に回復する現金な自分の身体に呆れ返る。

呑み会ではいつも通りのレディアクションで飯を貪りつつ、色々な人達と馬鹿な話しをしたりしていた。あと、この場で断っておくと、特に酒が入っている時は人の名前を覚える能力がナメクジ並に落ちるので、何か言ったが忘れられたり、話しかけてくれた人は気軽に書いて下さると幸いです。
狂宴の終了後は早々に風呂を済ませ、隣部屋で展開する立体物講座(後に9日の景品となったが)を展開したり、D16氏のustream生放送を見たり、今年も同室の、というかすっかりPathfinder部屋と化した団体部屋最奥でらぱんどら氏やいしかわ氏などともはや恒例のダメPathfinderトークを繰り広げたりしつつ、明日の準備を済ませて1時前には疲労も限界に達して、また明日もGMなので騒がしい室内で潰れるように寝ていた。

DAC2011の話:9日前半『流星の欠片』(Pathfinder-10Lv)

何でも、隣の部屋は酷いバイオハザードで9/10が眠れなかったとか。しかし、こちらは全く静かなもので、たっぷりと睡眠を摂り現在時刻7時半と何処かで言われて朝6時半に起床する。そして時間の間違いに気が付いたのは15分程度経過してからだった。再度寝ると確実に寝過ごすと理解っていることもあり、起きて一通りの準備を済ませて東京勢に混じり朝食へと出向き、他地方の話を聞いたりする。そして朝から学習と称してプリキュアを見たりする面子を横目に、昨日電池切れを起こして写真が撮れなくなった為、朝方SIMを抜き取った携帯電話のそのSIMを落としてしまい探したりしていたが些細な事である(SIMについては後にバッグの底から発見されて事無きを得た)。

そして、昨日の反省もあり早々に会場入りして準備を済ませ、開会式を待つことに。
2日目の面子は以下の通り(敬称略)。今回も結局パラディン不在となり、人間ばかりの構成となった。

プレイヤー名前種族クラス特徴
TTガラドミアエルフ言霊マグス(黒剣/ケンサイ)/ハロワー1不運を他人に押しつけ、自分の幸運はしっかり確保する不可思議な運命使いの剣士。セーヴ不可の呪文撃が脅威。
Clearカルミーン人間サムライ/バード(秘術決闘者)/バトルヘラルドパーティーの底辺を支える支援兵にして妖怪首置いてけ。旗印を構えたら用心せい。
りょう。アニー・オブライエン人間クレリック/ディヴァイン・サイオンラストウォール出身でアイオーメディ信徒の支援型クレリック。実はドリラーと仲が良いのではないかと噂されるツンデレ枠。
shigaカナロ人間ニンジャ/ローグ/デュエリストニンジャ(語尾上げ)。今回の不憫枠でもあった気がする。
けんMr.ドリラー人間サモナー/ディアボリストアスモデウス信徒のエリニュス型エイドロンを連れた穴掘り師にして今回の最大火力。工事完了!

データ等は以下に。
今回のシナリオ元ネタはArmored Core(特に初代と2)。あと1日目から引きずったネタの精算。
実は間に合えば特撮リボルテックのレギオンとD-styleのシュープリスを買おうとの思っていた。

0.過去と導入
50年前の戦いにより、”流星の欠片”の殆どを手に入れた守り女であったが、その身体は既にソウルストーンと共生状態にあり、暗い誘惑の囁きに耳を塞ぎながらただひたすら、指で岩を削ぎ取るが如く歪んだソウルストーンの力を浪費させていった。そして遂にその浄化が終わり、彼女自身の存在もまた消耗しきった日、封印にもまた綻びが生じ、50年降りに星降る都は客人を迎え入れる事となった。

因みに最初のアイデアでは守り女はタル=ラシャ(Diablo2)状態で襲いかかってくる予定だったが、流石にいたたまれなくなり変更する。私としては「燃え尽き、何者でもなくなってしまった過去の英雄」というシチュエーションは大好きなのだが。

そして、準備の終わった一行はニューメリアのアーラモー城塞より(出発前に監視者の気配もあったが、出目が悪く発見出来ず)遺跡最深部へと跳ぶことになる(術者のレベルが足りずにグレーター・テレポートが準備出来ないのでスクロールを提供したが)。
因みにガラドミアがパーティーメンバーにハロゥデッキを薦めるも、従ったのはカナロのみでしかも全ロール-1 の運命を引くという、既にこの時点で不幸キャラが成立していた。そしてガラドミア本人は悪い札を避けて引いていたが。

1.過去の亡霊
『君達が最深部と思わしき場所へと到達すると、其処は死臭に満ちていた。柱の立ち並ぶ回廊の中央には擦り切れた絨毯が敷かれ、その上には既に何日も経過して赤黒くなった血の跡があり、そこから何か引きずられたような痕跡が背後の何処までも暗く長い細い廊下へと続いている。
回廊の終着点には、乱雑に描かれた銀の法円があり、その中央には床に杖を横たえ、胸の前で手を合わせて祈るようにして跪く黒衣の女性の姿があった。

女性は自身を「石の守り女」とだけ名乗り、ゆっくりと立ち上がり杖で床を確かめるかのように君達の方へと歩き出した。その歩みは杖にしがみつき、足を引きずるかのように覚束無く、今にも倒れてしまいそうに見える。しかしそれでも彼女は倒れることもなく、部屋の中央迄辿り着いた。
「お待ちしておりました、勇敢なるパスファインダーの方々。貴方がたのお探しの流星の欠片は此方にあります。ですが、これを地上へと運ぶのであればくれぐれも気を付けて下さい。」
「例え欠片といえ、これはスターストーンです。相応の者が持てば、その者を神へと至らせるだけの力があります。」
「この部屋を出たならば、あらゆる勢力がこれを求めて貴方達へと迫り来る事になるでしょう」
彼女は他に何か重要な事を隠しているのを察するが、概ね言っている事に嘘は無いようだ。
そして君達が石を受け取ろうとすると、暗い回廊の奥より怨嗟の呻き声が響き渡り、赤い双眸が灯る。暗闇より山羊の頭を持ち、灰色の炎で燃え盛る剣を手にした漆黒の騎士が現れ、迫ってくる。その甲冑の胸の部分には石の欠片と思わしきものが張り付いており、黒い輝きを放っている。
守り女はその姿を見て、悲しげに呟く。
「哀れな人…悪魔に魂を売り払って、そんな姿になってまでこの石を欲しがるなんて」』

前日のボス+中ボス+雑魚戦。今回もやはりそれなりに厳しめの遭遇にしたが、雑魚はドリラーのオブシディアン・フローとクリエイト・ピットで封じられ、剣の騎士、盾の騎士も倒され、矢の騎士は視界を封じられ王も討ち取られる…所詮は再生怪人である。他にもバトルヘラルドの展開の早さや、言霊+メイガスの相性の良さ(接触呪文は殆どセーヴ不可となる)等色々と面白いもの、募集時に見たかった物が見られるというのがマスターとしても何より楽しかった。

『騎士達を退け、後ろを振り返ると守り女の姿がゆっくりと砂のように崩れ去るのを目撃する。何かを言おうとしたのであれば、彼女は寂しそうに微笑みながら君達に告げる
「いいのです、これで…ごめんなさい、黙っていて…ああ、でも、やっとこれで…」
「どうかお気を付けて…そして、ご武運を」
後にはただ灰だけが残り、その灰も回廊の奥より吹き付ける風により散り散りとなっていった。
後にはただ、静寂と掌に乗る程の大きさの石だけが残った。』

戦闘が終わったところでいつもの展望レストランにて昼食。地元では周囲に自分以上にPathfinderに傾倒している人が居ないこともあり、こういう機会で仕入れられる情報は貴重だし、何より単純に同じ趣味で思う存分話せるというのが楽しい。

2.荒廃した中庭
『回廊を通り抜けると、開けた中庭に出る。かつては美しく手入れも行き届いていたであろう庭園は、腐敗した水と土の香りが辺りに漂い、ねじくれた木々と尖った草木がそこかしこに生い茂り茂みを作っている。そして、中央には不自然に新しい岩壁が聳え、その裏では奇妙な仮面を被ったローブを着た男が天を見上げて譫言のように呟いている。』

戦場は前回の中庭が更に荒廃したという設定で色々弄ってみた結果、ほぼ別の地図になった。デスカリ信徒のウィザードによる待ち伏せということで、色々と仕込んでみたが概ね引っ掛かってくれたようで仕掛けた甲斐があったというものである。
エクスプローシブ・ルーンにより一同の接近を察知し、中央の岩壁の向こうにはノンディテクションで隠蔽したパーシステント・イメージという若干反則気味の仕掛けで相手を引き付け(本人は透明化して近くの水の中へと退避)、デスカリの眷属である蝗の大群(データはエントロピック・アドヴァンスド・ローカスト・スウォーム)と巨大ナメクジ(とはいえヤングテンプレート付)をぶつけながら協力者のオモックスと共に殲滅するという仕掛けだったのだが、クリエイト・ピットを幻影に無駄打ちさせて、雲霞の如く湧き上がる蝗に襲わせた迄は良かったものの、一部仕掛けを上手く働かせず。もう少し全体に展開させてから分散させるように動かした方が面白かったか。

カナロが罠を見抜けずにルーンの爆発に巻き込まれたり、いいところで叩き込もうとしたオモックスのアシッド・フォッグがアニーによる割り込みで防がれ、戦闘も終了する。


3.ルート選択:風音響く回廊
『新鮮な風が吹き込んでくる方へと足を進めると、壁の崩れた回廊へと出る。風は強くはないが吹き荒れる強風の音が外から響き、また何処からか唸るような声も聞こえてくる。そして目には見えないが何かが居るのを君達は感じた。』

もう片方のルートを行くと、ベビリスの群れに襲われる戦闘と、ドレッドテンプレート(アドヴァンスド+ジャイアント)非実体の群れに襲われる予定だった。
壁面が崩れ、片面は崩れ去り崖となった回廊に白痴なる者の面を被った召喚術師がインヴィンジブル・ストーカーを配置して待ち構え、更にディメンジョン・スランバーこと空鬼(召喚術無効という実にこのパーティー向けで素敵な特性を持つ来訪者)、更に本来の主であるネオセリッド(共通点はアザトース信者)が襲い掛かる予定だったが、危機を察したのかウィザードに攻撃が集中し、ネオセリッドも完全な状況での召喚が間に合わなかった為、ウィザード本人が生贄となって呼び出したが(仮面が落ちると、ネオセリッドの顔というひどい描写も入れた)為に満足に動かせず、あと折角だからと崖から突き落とそうとして失敗しガラドミアにより止めを刺される。この後、キャラクターのほうが大休憩を得て色々回復させてから最終戦へと。因みにもしもこの前に取ろうとした場合、こいつらが休憩場所に敵として乱入してくる予定だった。

4.地表の邂逅

『ならば…消えろ、パスファインダー共!(Die pathfinders!)』
地上にて待ち構えていたのは、ニューメリア軍の一行。最初d20ワースブレイドを使って再現しようとしたが、検討の結果出来上がったものが使い物にならないと判断された為にd20モダンを利用した。
例の蠍と機械化歩兵(そういう意味ではない)とアニメイテッド・オブジェクトの獅子、そして肩に⑨のエンブレムを持つブリリアントエナジーソードと高品質ライフルと肩武器グレネードを装備した武装化百人隊長(Armored Centurion)。

だがしかし休息により手札の充実したPC達の敵ではなく、ドリラーのディメンジョン・ドアによりガラドミアが強襲を果たし、早々に叩き落される事となった。
因みにフィギュアはコトブキヤのACワンコインフィギュアを利用、一部改造を加えた(KARASAWAを持たせた)り、初代再現ということでもう1体出そうかと思っていたが蛇足になりそうなので中止した。更に、実はテストプレイ時には出現が予想されていた。


5.デーモン・シェムハジアン
『石の運搬ご苦労であった、人間共…では、死ぬが良い』
そして、ナインボールが落ちたところで乱入してきたデーモン・シェムハジアン。判明した途端、こいつを使い慣れているドリラー氏が心底嫌な顔をする。

しかし、基本的にアホの子なので(【知力】10で知識:地域と次元界が無い)余裕をかましてエイドロンをエリニュスと勘違いして殴り合っている間に(実際立っているだけで周囲に麻痺を撒き散らし、噛み付きで戦士にとっての生命線である【筋力】を吸収出来る)アニーのクルセイダーズ・エッジによる援護を受けた一撃を受けて、「セーヴで1を出さなければ大丈夫」と言ったところで1を振って吐き気状態となり終わる…これが、言霊という奴か。


そして、無事生き残り地上を制圧したところで、アブサロムからのアルケミカル・ドラゴンが迎えに来てセッション終了となった…が、この後に行われるであろう各派閥の静かなる戦いについては、マスターの関知するところではない。

閉会式の挨拶でも言ったが、次回はもう少し初心者向けの卓を準備しておきたい。そもそも2日目に裏も含めて1卓しか立たなかったというのが予想外とはいえ、まず底辺部分の人口を増やさなければ先細りというのは良く理解ったので。