2011年10月26日水曜日

2011年10月の幻想世界のTRPG空間の話

因みに画像は1/4320の奇跡…ある意味私らしいが。
DAC等で「参加出来る機会自体が少ない」という事も言われて、そろそろ初心者向けのシナリオも組まなければと思い、丁度良いタイミングと主催側の尽力により立卓の機会に恵まれやすい幻想世界コンベンションを借りて初心者向けのテストセッションを開催させてもらった。
参加してくれた猛者は以下の通り。キャラクターはこちら。
プレイヤー名前種族クラス特徴
makkouブレンディハーフオークファイター秩序にして善のグレートソード使い。ひたすら戦場を駆け回る突撃者。
キメラ大名ダリスドワーフファイター秩序にして中立のドワーフ。AC25の鉄の壁。
Waizマリオンハーフエルフファイター中立にして善の一応パーティーのリーダーにして、まだ29歳と強固に主張する職場と結婚した年増鉄仮面伝説こと長柄武器戦士。
Rajaハシム人間ファイター混沌にして中立の弓ファイター。多分眉が太い狙撃系。
くらげるミリアム人間ファイター混沌にして善のモテカワ系足払い戦士(ただし魅力7)、実は知識枠なので眼鏡キャラ。

また、Twitter等で宣伝を手伝って下さった諸氏にはこの場を借りて感謝したい。

まずはキャラクターの紹介やゴラリオン世界を色々とネタを交えつつ説明。カイデン神の解説やシェリアックス、ゲブやニューメリア辺りを解説しておくとウケが取れるというのはマスターとして興味を持って貰いやすく有り難い。
『君達は現在ソルク(カタペシュ西部に存在するカタペシュ第2都市、交易の中継点として有名。通称『女神に見放されし都市』)より東方に位置する街道沿いで戦闘に巻き込まれている。というのも、君達は数日前迄とある武勇で名を馳せた将軍ガターヴィーの元で戦っていたが、残念ながら将軍は暗殺され、また貴族達も我先と相手に投降し、結果として敗残兵として逃亡し、狩られる立場の君達だけが残った。
そして、君達はもう少しで何とか敵の包囲網を突破出来るというところまで来た。』

という微妙に時事ネタを絡めた導入で敗残兵狩りと戦闘開始。今回は珍しく(というか事前に作成していた地図が雷で3時間の作業と共に消えた為)flipmatを使っての戦闘をしてみたが、回り込んで射界を確保するクロスボウ兵、何とか突破口を開きたいPC側、そして妙に走るマスターのダイスと意外と面白い盤面となった。



その後のシナリオの流れについては、waiz氏辺りが書いていると思うので其方に任せるとして、GMならではの裏話や反省を幾つか。

そもそものコンセプトは「Pathfinderというものを知って貰う」というのは言うまでもないが、「他のキャラクターとの連携」や「各キャラの役割や立ち回りの違いを明確に」というのを強く意識して貰うようにキャラクターを作成した。その為、どのキャラも比較的得手不得手がはっきり出せたと思う(足払いだけは遠近両方の武器持ちなので若干万能感があったが…メイン武器も含めて弄るべきか)。そして、使う前に相手が倒れてしまったにせよセーヴを振る場面をもうちょっと追加するべきか。
只、単純に「突っ込んで行って殴るだけ」でも充分機能するようには出来ているので、そこは恐れず突っ込んで行って欲しかったと思う局面もあるにはあったが(とはいえあのダイス目ではそれも厳しいか。d20の期待値は17と言い張る人ほどではなかったが)。

最初の戦闘が存外厳しいものになってしまったのは反省。もう少し段階的に戦闘経験を積ませるべきだったか。あと、「初心者は何が分からないかが分からない」というのを失念していたのは我ながら反省。それから、初心者と熟練者を上手く座らせて、もう少しGMの負担軽減と初心者対応を上手く廻せたのではないかと思う処は多々あった。
いつも作成している説明用サマリーについては、それを移動/通常/全ラウンドに分けて書くともう少し理解り易くなるか。
戦闘については段階的に複雑にするように改良が必要。あと、一応AC20に対して普通の雑魚で出目11程度で命中するようにデザインしたのだが、思いの外命中したことでプレイヤー側が萎縮してしまったのでもう少し下げるべきか。
あと、キャラクターシートについても、もっとスマートに、というかやはり文字ばかりだと初心者には難しく感じられてしまう為、この辺も編集等を入れてGame's Dayぐらいの代物は難しいにせよ、せめて引かれない代物は作りたい(この辺りはBeginner boxが参照になるか)。
反省、問題も含めて色々と得る物、気が付く事が多く、参加してくれた皆にはこの場を借りて感謝したい。また、願わくば今後もPathfinderで遊んでくれると幸いです。

2011年10月17日月曜日

地図作成の話。

良く聞かれるのだが、私はセッション時には自分で作成したツールと、手ずから書いて印刷した地図を使用しており、ある程度好評を戴いている。
これらは確かに導入には若干のコストが掛かり、それなりに手間も掛かる手法ではあるのだが実際のところ私自身がこういう手の込んだ物事が好きだというのと、ツールについてはマスターがセッション中に手間をかけずにプレイヤーとマスター間、或いはプレイヤー同士の情報共有を出来るという点では大変重宝しており、地図については特に平素遊ぶ竜舞亭という環境が時間にシビア(実プレイ時間5時間と言えば理解って貰えるだろうか?)であり、地図を書く時間すら惜しいというのと、また地図に仕掛けやヒントを施す(例えば地図に書かれた像が襲いかかってきたり、割れた床の下には落とし穴があったり)タイプなので、結局自分で作った地図が必要になるのである。

●地図の作成手順
因みに作成した地図は基本的にA3サイズ1枚辺り12×17マスとなる。
1.準備
まず、以下のツールやファイル、機材を用意する。

汎用マップエディタ Platinum
私がメインで使用している(というかほぼこれのみ)マップ作成ツール。マップタイルの読み込み、タイリング、アンドゥ/リドゥ、レイヤーとマスクの利用、画像形式での出力と必要充分な要素が揃っている。

・画像ファイル
主にツクール系のマップタイルを使用している。素材はFirst Seed MaterialからVX用タイルセットを借用し、またツクールVX体験版を使用しているが今のところこれだけあれば充分である。因みに画像はjpg、bmp、gifで準備する必要がある(PNG非対応を確認)。あと理解り易いようにファイル名を変えておくと便利。

・センス、時間
こればっかりは自分で何とかして欲しい。むしろこちらが欲しいぐらいである。

・A3印刷可能なプリンター
ネットプリントでも良いのだが、私はHPのofficejet7000を使用している。A3プリンターとしては本体が安価、フチ無し印刷が可能、代替インクにより安価な印刷が可能、インクヘッドが外れる為インク詰まりの手入れが楽というメリットがある。


2.下地の作成

まずツールの起動後、新規マップの作成を選択してパーツの縦横幅をそれぞれ16Pixel、データサイズを16ビットに設定する。この時マップの横幅及び高さは弄らないでも構わない。

その後、パーツウィンドウに黒4マスのある画像ファイル(REFMAP VX版のTileA4、壁と天井かツクールVXのTileA5、床、階段等がオススメ)をドラッグ&ドロップして、一番隅に2×2の大きさの黒いタイルをペンツールで描く。
そして今度は本ウィンドウの黒タイルを含む4×4マスをパターン定義ツールで拾い(または右ドラッグ)して、タイリングペンツールに切り替えて全体にこれを描く。
そして出来上がったファイルに適当な名前を付けて保存し、準備完了。
これで2度目以降は3.から作成が出来るようになる。


3.地図サイズの決定



(2度目以降の場合、先程作成したファイルを呼び出し)上書きしないように別の名前を付けて保存した後、ツール>リサイズで作りたい盤面のサイズを決定する。この際に注意するのは、この時点では1マス2x2で構成されている為、作成するパーツ数は縦横実際の2倍となる。また、基本的に17×12(縦横はその都度変わるので、12x17のケースも勿論ある)の倍数で作った方がズレや面倒が無く楽となる。
今回は私にとって基本的な、2枚(17×24)の地図を作成するため、34×48パーツとする。




4.地図画像の作成
まず新規レイヤーを作成し、そこにこれから作る地形のタイルをドラッグ&ドロップする。0番レイヤーは基本的に物差し代わりとなるので、触らないように。




別のタイルを重ねたい場合、新規レイヤーを作成してそこにタイルをドラッグ&ドロップして、上に重ねる。また上に重ねたタイルについてはビュー>透過処理を行うにチェックを入れた上で透過色に白(右下)を指定すると透過処理が出来る。
また、混同を避ける為にレイヤー設定でレイヤー名を変更しておくと何かと便利である。
そして、完成したら0番レイヤーのチェックを外し(透過色による黒抜けの防止)、グリッドを非表示にして保存、ファイル>書き出しでbmp画像を作成する。
尚、このファイルをjpgに変換すればどどんとふへの流用も簡単に可能です。


5.地図の書き出し


今度は新規作成で17×12マス、16ビット、32×32bitのファイルを作成し、編集>プロジェクト設定 で地図の色と被らないようにグリッドカラーを変更しておくこと。
先程作成したbmp画像をパーツウィンドウへとドラッグ&ドロップして、まず地図の半分を貼り付けてbmpファイルを書き出し(失敗する場合はこのプロジェクトファイルを名前を変えて保存すると上手く行きます)、更にもう半分も書き出して完了。更に大きな地図を作成する場合、枚数を増やして作成すれば良い。


6.印刷
先程作成した画像を印刷する。用紙は何でも構わないが、ある程度厚みがあった方が丸まらずに済むのと、発色や滲み、裏抜けを考えるとインクジェット専用紙が望ましい。A3インクジェットプリンタの場合、フチ無しで用紙サイズに合わせればほぼ適正のマップが出来上がる。尚、ネットプリント等の場合は17x11マスで適正サイズになるとの事。

といった感じでやっている。地図については、17×24サイズで慣れれば1時間程度、凝ったものでも2時間もあれば満足の行くものが完成出来る。また単にマス目を書くだけでなく、縁飾りや境界部分のタイルを上手く使うことにより、見栄えを良くすることが出来る。

hp管理ツールの話。


ファイル自体は過去に4th Cageに上げた”遭遇管理シート”を参照のこと。
hp管理ツールについてはもっと単純かつ力業で、元のサイズに戻して複数ウィンドウ表示状態にして、サブモニターに出力しているだけである。青枠内がサブモニター出力範囲となる。

私は安売りで入手したLCD-USB7Xを使用しているが、これは生産終了品なので他製品を探すことになるが縦置き可能、バスパワー等はあると便利である。

あと、最近よく使う工夫としては、NPCのグループ化の範囲を遭遇毎に変更することで参照範囲を切り替え、不要になった遭遇をまとめることが出来る。

2011年10月15日土曜日

DACの話:前夜とか。

 距離と時間の関係上、当日朝出発となると時間的な余裕がほぼ無くなることが前回理解った為、今回は余裕のある移動をしようと、勤直を変更して貰い、どうにか間に合わせようと準備を頑張ったものの、結局バスの出発時間に2分遅れた為に逃す羽目に…普段は10分は遅刻するのにこういうタイミングではそのまま来るとは。
そして、当日朝に起きるも、電車の乗り継ぎに失敗して、しかも新幹線指定席が全滅だった為に結局若干遅刻気味でDAC会場へと入ることになる。せめてあと1日欲しかった…流石に今回は少々忙しすぎた…次回参加するならば、準備を済ませておいて前日泊にしておきたいと思う。

因みに今回のシナリオだが、大本のコンセプトは「2日間でより多くの人と卓を囲む(但し、シナリオの構成上連続参加者が居ないと成り立たないネタを入れたので、連続参加者は歓迎でした)」「Pathfinderアリアリで楽しむ」「同一設定の違う連続しない時間」そして一番のメインは「いかにしてシナリオ作成の労力を減らすか」だったのだが結局、各日2ルート(正確には数の多い2or強力な敵の1遭遇ショートカットルートの選択程度だが)とか、マップに色々手を入れた関係性や各種小物とかであまり労力は軽減出来なかった気がする。
シナリオアイデア基本的にはPathfinderのメイン世界であるゴラリオンの設定を適度に拾いつつ、デヴィルは1年間飽きる程扱ったのでそろそろデーモンを使いたくなったというのと、あとは溢れるフロムソフトウェア信者の妄想、そして流行りのネタを幾つか(…主に選ばれなかった方のルートに)。

DAC2011の話:8日前半『闇の徴、悪魔の魂』(Pathfinder-6Lv)

そして、既に揃った面子にお詫びを入れながらGM挨拶(PathfinderではDMではなくGM)を済ませ、一通りの挨拶とキャラ確認を済ませ、ツールの調節等をしつつセッション開始となる。今回は両日共に色々あり猛者向けという形にさせて貰った為、両日共に覚悟極まった人々に集まって貰えて、大変助かった。

1日目の面子は以下の通り(敬称略)。しかし今回は珍しく人間ばかりでしかもパラディン不在となった。この辺りのレベルは特技が特に貴重なので仕方が無いが。

プレイヤー名前種族クラス特徴
WildJiveアルフレッド・ジョーンズ人間ファイター(ファランクス兵)防御に入った時の鉄壁に定評がある塔の騎士。
Clearブライアン人間レンジャー(獣使い/潜入者/遊撃兵)/ファイターエイプ使いでアンチアセン系足払いレンジャー。フォーチャードとかprdjに載せたのは誰だ。(ヒント:自分)
りょう。チャオ・フェイエン人間モンク(ゼン・アーチャー)実はアサシンではないかと噂されるズドン僧にしてひとり武侠系。
DM-SKMドーラ人間クレリック(十字軍戦士)ババァ系クレリック、40秒で片付けな!(以外と難しくない)
へんくまバーグル・バーベルハーフエルフウィザード(召喚術)グリッターダストを使う度に苦悩する何処かで聞いた名前の召喚術師。
∀x∃yシヴァレル人間言霊ソーサラー(混血:銀竜&水の精霊)水竜様に仕える妖術師。吹き荒れる氷の嵐が敵に絡みつきよろめかせ、そしてマスターは血涙を流す。
データ等は以下の通り。


因みにGM紹介でも言ったが、今回のシナリオのモデルはDemon's SoulsとDark Souls、そして今度IIIの出る大悪魔とか鋼の錬金術師とかどこかのソウルジェムが曇ってむせる魔法少女アニメ(遭遇が選択されず、そちら関連の話をすっかり忘れていたが…因みにソウルジェム自体はPathfinder公式にちゃんと用意されている設定、ダイモーン参照)辺り。

全体的に設定の多くを語らなかったのは、断片的な会話や情報からストーリーを推察して貰うフロム脳的なストーリー推察を行って欲しかったからというのもあるが、一応こちらではその辺の裏も含めて書いておくこととする。


0.導入と過去
かつて、ワールドウーンズと呼ばれる前、この地が"北の丘陵(the Northmounds)"と呼ばれていた頃、メンデヴとニューメリアの国境付近に隣接する場所に、深い渓谷に囲まれた"星降る都(Fallingstar)"と呼ばれる城塞都市があった。この都はかつて空よりスターストーンが降りてきた時と同じくして、その欠片が落ちた場所で、その聖遺物「流星の欠片(或いはその付近で死した魂を捕らえ、所有者の糧としまた操る性質よりソウルストーンと呼ばれる)」を祭ることにより繁栄していた。また人間性の神エイローデンが蝗のデーモンロードであるデスカリを討伐した際には、その戦いに大いに協力したことでも知られていた(この情報の一部は残念ながら〈歴史〉達成値が低く渡せなかった)。しかし、エイローデンが崩御し、世界が闇と嵐に包まれると同時に数多のデーモンがこの都を襲い、また乱心した(正確には正体を偽り王に取り入ったサキュバス"堕落の声"により狂わされ、流星の欠片を濫用することで虚無へと堕ちた)王を止めるべく、ソウルストーンを管理する巫女でもあった時の王女が王国を護る三騎士(盾の騎士”グラナイ”、矢の騎士”シディアン”、剣の騎士”アルコーズ”)を率いたものの、ソウルストーンの一部を回収出来たが、三騎士は破れその高貴な魂は王の持つ大破片に囚われ、王女も多くの手勢を犠牲にすることにより何とか逃げ延びた。その後、王女は手にした小さな破片を先の戦闘で失った虚ろな眼窩に収め、王の持つ大破片の呼びかけ(手に入れた小さな破片の所持者を操り、支配する力)に対抗する為に神に願い、その身を呪いに委ねて”二重に呪われし者”となり、視覚と健康な歩みを失った(これにより王女は抵抗する時間を手に入れた事になる)。

王女はその後「守り女」とのみ名乗り、時折現れる死して石に魂を囚われ、王の軍勢に加えられそうな者達をすくい上げては自らの手勢として率い、王との戦いを繰り返していたものの、何れの時も勝利には至れずその存在も王の誘惑と支配に屈しかけ限界に達しようとしていた。
そして、物語は第三次十字軍に参加した兵士達(=プレイヤー達)が一度死に、石に呪いの印である”闇の徴”を付けられ、王の軍勢に加えられそうであったところを守り女に救われ、セッション冒頭となる。

因みに守り女の外見的にはフードを深く被った黒衣の火防女だった…しかし、悪ではないとは判明しており、嘘も言っていないと理解っているとはいえ、こんな胡散臭い外見の発言をよく信じてくれたものである(もっとも、でなければ話が進まないが)。

1.城塞へと至る渓谷
『神殿を抜けると、寒風の吹きすさぶ大きくせり出した崖を持つ渓谷に出る。渓谷には永らく放置され、所処崩れた長い石橋が掛かっており、その先には巨大な石のひさしを備えた大きな城門がある。そしてその途中の両脇には小さな砦があり、正面奥の城門には正八面体の紋章を中央に置いたレリーフがあるのが見える。
砦と橋の中央に並べられた箱や馬車の裏には鎧を着た人影が動いており、彼らも君達を認めるとクロスボウを構え始めるた。』 
曲についてはスピーカーもあったからかけようかと思ったが、会場的に音響関連の演出があまり上手く行かない為に断念した。
早速並べられた17x36の地図とクロスボウを構えた多数の兵士のフィギュアに戦慄するプレイヤー一同。また一応善であり(混沌にして善は秩序にして悪より始末に負えない場合が多いが)十字軍ということで敵の出方を伺おうとドーラが待機したものの、チャオが弓により戦端を開く事になったりする場面もあった。

しかし其処は同時にプレイヤー達も手慣れたもので、一旦戦闘となれば、バーグルとシヴァレルが範囲呪文で敵を制圧しながらアルフレッドの遮蔽にドーラが入りながらブライアンとエイプの相棒のジャックと共に先行し、そしてチャオが弓で目立つ遠方の敵を射落とすというセオリーが出来上がっていた。

しかし、寸前で止まったブライアンを追い越して踏み込んだアルフレッドが落とし穴(瓦礫による移動困難地形で進行を誘導しておいた)に落ち、その下に潜んでいた凶暴なウォーグ(バーバリアンクラス持ち)により手ひどい傷を負わされ、更に周囲の石像にカモフラージュしていたガーゴイルの殺し屋(ローグレベル持ち)が左右より出現し、キャラクター達の背後を取る。
しかしながら、味方にも戦慄を覚えさせたブライアンのフォーチャード(間合い、足払い、鋭利、1d10ダメージと三拍子揃った極悪武器、翻訳者出てこい)を受けて敵が次々と沈み、更には城門の裏側に潜ませておいた鎌持ちサイクロップスが皆を戦慄させるも、当然の如く最重要クリーチャーと認識されて出目20もクリティカルには至らず、盲目化させられてキルマークを上げるには至らなかった。

結構厳しい遭遇だった為、戦闘終了迄若干掛かったものの何とか敵を全滅させて昼食となる。
因みに最初から遭遇を厳しめにしているのにはちゃんとした意図があり、まず第一に作成したばかりで手に馴染んでいないキャラクターの感覚(特に平均~最大火力や制圧能力)を自分自身、そしてマスターが把握すること(敵が弱いとすぐ戦闘が終わってしまい、動かずに終わるキャラクターも出る、というか去年出た)。次に他のプレイヤーとの立ち回りを経験して学んで貰うこと。そして何より、先の方でプレイヤー側に「イケる」という感覚や卓の一体感を掴んで貰う事で、後々よほど酷い遭遇を出しても「何とかなる/出来る」という心折れない精神的な強さを得られることである。勿論、プレイヤー側がある程度の熟練者であり、それを見越して脅威度を上げているのもあるが。

昼食はいつもの展望レストランで、気分が無駄に高揚していた所為か問題発言が多かったが気にしないで貰えると幸いである。やはり普段あまりPathfinder関連の話を出来ない所為か、昼食中もかなり様々な話題を話す事が出来た。機会こそあれば他のAdventure Pathも遊んでみたいものだが、いかんせん暇も人も余裕も厳しい。
そして午後より再開となる。

2.ルート選択:封印された坑道
第1戦闘を終わった時点でルート選択となり、片方は城門から入り回廊を抜けるルートで、もう片方は城壁に開けられた超大型サイズの穴を瓦礫で塞いだ痕跡より入る坑道。テストプレイ時は通常の通路が選択されており、今回はどうなるかと思ったが最終的に坑道のショートカットが採用される。

『瓦礫をどけた先には、剥き出しの赤茶けた岩肌を晒す坑道らしき穴が奥へと続いている。路はなだらかに下っており、片隅には遙か昔に出来たと思われる白茶けた骨が転がっている。
そして君達が奥へと踏み込もうとすると、奥の上方より巨大な鎧が動くような音が響き、一瞬だけ雄象並の大きさを持つ鎧われた細い足が見え、視界から消えた。』

散々脅した所為か、全員かなり警戒していたが意を決して進み始めていきなり熱線に焼かれる猿。この辺りで慣れた面々とDemon's Soulsプレイ済み勢は何が出てくるのか気が付いた様子だが、「撤退して別のルートを行こう」と言い出さない覚悟完了済みっぷりが素敵だった。

そして現れたタカアシ鎧蜘蛛もといリトリーヴァー(脅威度11)にげんなりされたものの、そこは4ラウンド以内に仕留めないと石化光線により大惨事になることが理解っていた所為か、覚悟の決まった一行のこと、早々に霧氷化+よろめきで足を止められ、チャオのあまり当たらない弓とブライアンのフォーチャードで膾斬りにされてリトリーヴァーは地に落ちた。

因みにもう一方のルートで待っていたのは、入り口付近に崩れやすい壁面があり、その先には弓兵とファランクス兵、あとリップソー・グレイヴを持ったオーガ兵と力術師の待つ城塞外周で、一行が前に出たところで崩れやすい壁面をブラント・アローで崩して(これはドワーフの石工の勘かローグの罠発見で察知可能だった)背後から襲い、更に力術師が鉄格子をノックで開けてブロンズクラッド・ダイアボア(鎧猪)をぶつける予定だった。その次には奇妙に長く伸びた回廊があり、姿を消して待ち構えるサモナーが次々とレムレーを召喚して足止めを行いながら、身動きが取れなくなったところで噛み付きに超特化(Lv8なのに+16(2d8+17))したエイドロンが頭からバリバリと飲み込む予定だった。

3.城門内:守護者『盾の騎士』
『誰かが触れると、その巨大さにも関わらず音もなく城門が開く。そしてその先には小さな盾と短い槍を構えた兵達が遮られた壁の奥に並び、それを従えて聳えるような巨体と、小さな盾と戦斧を構えたドワーフの騎士が君達を睥睨している。ドワーフの騎士は君達の姿を認めると、久し振りの獲物に喜色を浮かべ人ならざる絶叫を上げて襲いかかってきた』  
ここより中ボス3連戦。かつての盾の騎士”グラナイ”の似姿であるデーモン、フィーンディッシュ・ジャイアント・ドワーフファイター(二刀流)という大変偏ったキャラがファランクス兵(といいつつ武装はベグドコルヴァンだったが)と共に襲いかかってくるという構成で、かつファランクス兵はジャヴェリンオヴライトニングを投げつける予定だったのだが、また例によりバーグルのウェブとシヴァレルの霧氷化バースト・フロストフィンガーズで動きを止められ、充分に威力を発揮出来ないまま倒される事になる。

ここは初期配置を思い切って動き次第ジャヴェリンをぶつけられる形にした方が良かったか。
『騎士が死した時、守り女はその消えた亡骸を見送るかのように空を見上げて口を開いた。
「彼は常に兵達に慕われ、戦でも常に先陣を切る戦士の見本のような男だったと言われています」』

そして、冒涜された盾の騎士の姿に悲しむ守り女と共に次の遭遇へ。

4.中庭:守護者『矢の騎士』
『長く続く城の回廊を抜けると、露出した土と饐えた水の匂いが鼻を突く空間に出る。かつては清浄な水を湛え手入れもされていたであろう中庭の庭園は、今では淀み濁った水と野放図に生い茂る木々や植物とで荒れ放題の様相を呈し、天井には生い茂った木々でドームが作られている。
君達が湿地に足を踏み入れると、奥より幹のように聳える2本の足の上に乗った、絡まる蔦と滴り落ちる粘液のかたまりが姿を現した。』

矢の騎士”シディアン”の似姿であるデーモン戦。まずゆっくり動くシャンブリング・マウンド(途中GMにすら忘れられた不憫枠)に注意を惹き付けさせ、そこからナバッスゥによるマス・ホールド・パースンで固めてから水中に潜んでいたラケドン・レンジャーによるとどめの一撃や引きずりでの水没による即死攻撃(アルフレッドが犠牲に)、またスリッパ・オブ・スパイダークライムで天井に張り付き〈隠密〉で隠れていたフィーンディッシュ・ハーフエルフ・レンジャーである矢の騎士によるベインアロー(計算したら命中が対人間+20(BAB+8/強化+1/能力+5/レンジャー+4/ベイン+2)とかになって酷い事に)でシヴァレルが犠牲になり、更にブライアンがエナベイションの直撃を受けて負のレベル-4を受けるも、3ラウンド掛かって相手を即死に追い込む一撃を放ったチャオの矢が矢の騎士を捕らえ、また反撃がナバッスゥに決まり戦闘の趨勢は此処に決した。

死者が多く、変則的だったこともありこの戦闘が一番苦戦していた。
『音を立ててデーモンの残骸が水面に落ちると、守り女が毅然とした声と厳しい表情で言う
「彼は、生前は人を楽しませるユーモアと戦いのアイデアに溢れた優れた戦術家だったそうですが…こんなのってない、あんまりです」』

5.謁見の間:『剣の騎士』

『回廊を抜けると、柱の立ち並ぶ広い部屋へと出る。中央には擦り切れた絨毯が敷かれ、その先には石の意匠を中央に戴いた大扉がある。更に、その前には白い、かつてこの城塞の王族のものであった装束に身を包み、大剣を片手に君達を射殺すような視線で睨み付ける白い長髪の男が立っている。』

死霊兵士のライトニング・シャドウ(名前と違い実体はあるブラスト・シャドウの電気ヴァリアント版)を従えた剣の騎士にして王子である”アルコーズ”(フィーンディッシュ・アドヴァンスド・ヒューマン・ファイター/ウィザード/エルドリッチナイト)戦。ヴロックを出した時に一同戦慄するが、剣の騎士のヘイストからヴロックの朦朧化絶叫、そしてシー・ドレイクの加速による近接からのとどめの一撃はセーヴに失敗したエイプを捕らえるに止まり、ヴロックは流石に真っ先に落とされ、剣の騎士はバーグルのクリエイト・ピットから復帰したところをチャオの矢で壁に磔にされて滅びることとなった。

『剣の騎士が死した時、彼女はただ一言だけ呟く。
「兄…いえ、彼はこの国の王子で、3人の騎士達の中でも、また兵達にとってもリーダーのような存在でした」』

この時点で既に一同満身創痍だったが、偉業達成ということで各人にヒーローポイントが配られ、何とか最終戦を戦える気力が沸いた感じだった。因みに大休憩を入れていた場合、守り女の身体が限界に達して以降随伴不可能にする予定だった。

6.玉座:流星の王&堕落の声&混沌の堕とし子

『玉座には二本のねじれた角を持つ兜を被り、漆黒の鎧を纏った男が座っており、その甲冑の胸の部分には正面に僅かに欠けた正8面体の輝く石が備わっている。そして、その背後には幾本もの触手がうごめき、涎を垂らす口が中空に浮かんでいる。
男が立ち上がり、兜の中の赤く燃える双眸を君達に向けてしゃべり出す。
「ようやく来たか、ソウルストーンに選ばれし者よ。さあ恐れるでない…これより汝らも我らが尖兵となり、永久に生き続けようではないか」
そして、王の傍らには豪奢なドレスに着飾った女がしなを作り、君達を蠱惑的な瞳で見ながら口を開く
「わたくし、新しい玩具が欲しいですわ。あんなプライドばかりで弱い3騎士なんかではなくて」
更に、彼女は君達の後ろにいる守り女の姿を認めると嘲笑を浮かべながら語りかけてくる。
「あら、無能な王女様じゃないの。あの三騎士だけじゃなくて、今度はその男達をたらしこんでみすみす死なせに来たのかしら?」
君達は背後より、今迄感じた事のない静かな憤怒の気配を覚えた』

王(ハーフフィーンド・アンティパラディン)と堕落の声(サキュバス)、そして2人の仔である堕とし子(データとしてはクリフォト・ナイオゴス・クレリック)、また部屋の四隅にある立像に偽装したファントム・ランサー(出目20で〈隠密〉を行える)との最終戦。実は今迄殺した人数で王が三騎士の影を一時的に召喚(魂は守り女が取り戻した為、本体を維持することは出来ない)するという能力を使用出来たのだが、残念ながら3回に止まる。因みに去年も出したが、アンティパラディンとサキュバスという組み合わせは見た目としても、実益的にも(不浄なる贈り物によるボーナスと、常時型ディテクト・グッドによる敵の選定)絵になる為多用する傾向がある。今回も早々に盲目化されて討たれたものの、王に不浄なる祝福を贈りながら耳打ちをする(反応した敵の情報を伝えた)という絵が出来たのは個人的に満足である。
因みに混沌の堕とし子も早々に潰され、使っていたシールド・アザーは役に立たずに終わった。
しかし、、ファントム・ランサーの槍に背を取られ、影の剣の騎士を呼び出してヘイストを受けた王の剣がアルフレッドを捕らえ、善を討つ一撃+コンダクティヴがクリティカルで回り真っ二つにされ、その魂も囚われる(実は時間があれば招来し敵として使う予定だった)。しかし、その直後に仇討ちとばかりにチャオの矢がその鎧に刺さり、ヒーローポイントも使ってのブライアンの怒濤の攻撃がついに王の鎧を切り裂き、滅び去ることとなった。

『ブライアンが王を切り伏せると、王は怨嗟の声を上げて君の肩を掴もうとするが、身体に触れる前に砂のように崩れ去り、王は驚愕の表情を浮かべる。
「おお、儂が…儂の身体が…消える…このような者達に…」
そして、全てが崩れ去ると後には正八面体の石だけが残された。
守り女は跪きそれを拾い上げると、両の掌で包むようにしてローブに隠された顔に近づける。すると顔の上半分を覆っていた布が解け、石の欠片が眼窩に収められているのが見える。眼窩より石が零れ落ち、手にした石と一体化すると、石の輝きが増したように見えた。
そして、石を胸に押しつけるようにして彼女は立ち上がると、君達に向き直り礼を言う。
「有り難うございます、これでようやく騎士達の魂と休息を取り戻す事が出来ました。」
そして、天井からぱらぱらと砂埃が降り出し、またその振動が大きくなっていく。
君達の身体に刻まれた徴が輝きだし、意識を失う。その直前に彼女の声が聞こえる。
「これから私も、この場所で長く静かに眠ります…どうぞ貴方達は貴方達本来の命を大切にして下さい」


そして君達が再び目覚めると、朽ちた寺院の中にいた。
しかし、君達を縛っていたあの呪印は最早その身体には無い。
先程迄炎を上げていたであろう焚き火も今は白い灰ばかりとなり、割れた天窓からは珍しく雲の切れ目より降り注ぐ朝日が廃墟の中を照らしている。
そして見上げた天井には石をその胸に抱き、祈るようにした女性の姿が描かれているのが見えた。不思議とその顔は安らかで、君達は確かに何かを成し遂げたという実感が沸いてくるのを感じた。
そして外に出ると、渓谷は地震でもあったかのように荒れ果て、城壁があったと思われる壁面は巨大な岩で塞がれていた。
これより後にこの地はあの巨石から「巨人の要石」と呼ばれる事となる。』


セッションは何とか時間内(割とギリギリだったが)に終了し、プレイヤー諸氏にも満足して貰えたようで何よりだった。勿論遭遇の厳しさは自覚しており、プレイヤーの力量に頼る部分が大いにあったが。

それでも、(動かし方が甘い部分は多々あったとはいえ)セッションは互いの信頼で成り立つプロレスのようなものであり、マスターとしても全力でやりたい事をやりたいようにやれて本当に楽しいセッションだった。こういう経験が出来るからこそマスターはやめられないのである。

個人的な脅威度判断の話。

当てにならないことで有名なPathfinderの脅威度だが、まずPaizo側の計算が案外適当(特に低レベル時にPC側のACに追いついていないクリーチャーの命中)だというのもあるのだが、それ以上に大前提が問題となっているように感じる。緊張感と歯ごたえのある戦闘をデザインするのは困難だが、個人的には大体このぐらいの脅威度を目安に遭遇を作れば簡単ではなく、しかし全滅する程困難でもない遭遇を作れるようになった。

まず大前提となるのは基本ルールの"ゲームマスター"の項目にある通り
・能力値 15pt buy
・人数 4人
という条件である。そして、ここからは経験による個人的判断となるのだが、3人以下ならば-1というのはそのままで問題ないと思うが(個人的に3人以下の環境での経験は無いが処理飽和状態になりがちなのは想像に難くない)

+0.5 能力値pt buy方式+5につき(ダイスによる能力値も相当扱いでこの計算)
+0.5 ヒーローポイントを導入しており、まだ残っている
+0.5 キャラクターレベルが6/11/16を超える毎に(累積)
+1 パーティーが5人以上1人につき
+1 パーティーにパラディンがおり、かつ敵半数以上が悪(11レベル以上ならば更に+1)
+1 初回戦闘以降で休憩が入っている。
+1 プレイヤーがPathfinderに慣れている

という感じで計算している。但し、特に低レベルのうちは単体脅威度が高過ぎる敵は事故になりやすいので気を付けて出す必要がある。例えばバーバリアンレベルを1積むだけで、激怒も込みで考えるならば命中+5(能力+2/BAB+1/激怒+2)以上、ダメージ+4/+6以上となりちょっと目が走るだけで大惨事となりかねない。hpについては低下したACも含めてとんとん、と言いたいところだが1につき最低+8.5(ダイス+6.5/能力+2~)されるので一応は気に掛けておいた方が良い。hpを上げたいだけならば【耐久力】が高い場合キークラス以外を積んでおく手もあるが(キークラスクリーチャーを持たないモンクを例とすると、脅威度の2倍レベル以下ならば11(ダイス+4.5x2/能力値+2)は最低でも上がる)。

但し、あくまで大まかな計算であり、これに従って全滅しても当方は一切の責任を持たないので念のため。

DAC2011の話:8日後半-懇親会

疲労で身体が危険な兆候を見せながらもマスター挨拶を済ませ、荷物も部屋に放り込み呑み会こと懇親会へと雪崩れ込むが…ビールを飲んだ後目に見えて体調が大幅に回復する現金な自分の身体に呆れ返る。

呑み会ではいつも通りのレディアクションで飯を貪りつつ、色々な人達と馬鹿な話しをしたりしていた。あと、この場で断っておくと、特に酒が入っている時は人の名前を覚える能力がナメクジ並に落ちるので、何か言ったが忘れられたり、話しかけてくれた人は気軽に書いて下さると幸いです。
狂宴の終了後は早々に風呂を済ませ、隣部屋で展開する立体物講座(後に9日の景品となったが)を展開したり、D16氏のustream生放送を見たり、今年も同室の、というかすっかりPathfinder部屋と化した団体部屋最奥でらぱんどら氏やいしかわ氏などともはや恒例のダメPathfinderトークを繰り広げたりしつつ、明日の準備を済ませて1時前には疲労も限界に達して、また明日もGMなので騒がしい室内で潰れるように寝ていた。

DAC2011の話:9日前半『流星の欠片』(Pathfinder-10Lv)

何でも、隣の部屋は酷いバイオハザードで9/10が眠れなかったとか。しかし、こちらは全く静かなもので、たっぷりと睡眠を摂り現在時刻7時半と何処かで言われて朝6時半に起床する。そして時間の間違いに気が付いたのは15分程度経過してからだった。再度寝ると確実に寝過ごすと理解っていることもあり、起きて一通りの準備を済ませて東京勢に混じり朝食へと出向き、他地方の話を聞いたりする。そして朝から学習と称してプリキュアを見たりする面子を横目に、昨日電池切れを起こして写真が撮れなくなった為、朝方SIMを抜き取った携帯電話のそのSIMを落としてしまい探したりしていたが些細な事である(SIMについては後にバッグの底から発見されて事無きを得た)。

そして、昨日の反省もあり早々に会場入りして準備を済ませ、開会式を待つことに。
2日目の面子は以下の通り(敬称略)。今回も結局パラディン不在となり、人間ばかりの構成となった。

プレイヤー名前種族クラス特徴
TTガラドミアエルフ言霊マグス(黒剣/ケンサイ)/ハロワー1不運を他人に押しつけ、自分の幸運はしっかり確保する不可思議な運命使いの剣士。セーヴ不可の呪文撃が脅威。
Clearカルミーン人間サムライ/バード(秘術決闘者)/バトルヘラルドパーティーの底辺を支える支援兵にして妖怪首置いてけ。旗印を構えたら用心せい。
りょう。アニー・オブライエン人間クレリック/ディヴァイン・サイオンラストウォール出身でアイオーメディ信徒の支援型クレリック。実はドリラーと仲が良いのではないかと噂されるツンデレ枠。
shigaカナロ人間ニンジャ/ローグ/デュエリストニンジャ(語尾上げ)。今回の不憫枠でもあった気がする。
けんMr.ドリラー人間サモナー/ディアボリストアスモデウス信徒のエリニュス型エイドロンを連れた穴掘り師にして今回の最大火力。工事完了!

データ等は以下に。
今回のシナリオ元ネタはArmored Core(特に初代と2)。あと1日目から引きずったネタの精算。
実は間に合えば特撮リボルテックのレギオンとD-styleのシュープリスを買おうとの思っていた。

0.過去と導入
50年前の戦いにより、”流星の欠片”の殆どを手に入れた守り女であったが、その身体は既にソウルストーンと共生状態にあり、暗い誘惑の囁きに耳を塞ぎながらただひたすら、指で岩を削ぎ取るが如く歪んだソウルストーンの力を浪費させていった。そして遂にその浄化が終わり、彼女自身の存在もまた消耗しきった日、封印にもまた綻びが生じ、50年降りに星降る都は客人を迎え入れる事となった。

因みに最初のアイデアでは守り女はタル=ラシャ(Diablo2)状態で襲いかかってくる予定だったが、流石にいたたまれなくなり変更する。私としては「燃え尽き、何者でもなくなってしまった過去の英雄」というシチュエーションは大好きなのだが。

そして、準備の終わった一行はニューメリアのアーラモー城塞より(出発前に監視者の気配もあったが、出目が悪く発見出来ず)遺跡最深部へと跳ぶことになる(術者のレベルが足りずにグレーター・テレポートが準備出来ないのでスクロールを提供したが)。
因みにガラドミアがパーティーメンバーにハロゥデッキを薦めるも、従ったのはカナロのみでしかも全ロール-1 の運命を引くという、既にこの時点で不幸キャラが成立していた。そしてガラドミア本人は悪い札を避けて引いていたが。

1.過去の亡霊
『君達が最深部と思わしき場所へと到達すると、其処は死臭に満ちていた。柱の立ち並ぶ回廊の中央には擦り切れた絨毯が敷かれ、その上には既に何日も経過して赤黒くなった血の跡があり、そこから何か引きずられたような痕跡が背後の何処までも暗く長い細い廊下へと続いている。
回廊の終着点には、乱雑に描かれた銀の法円があり、その中央には床に杖を横たえ、胸の前で手を合わせて祈るようにして跪く黒衣の女性の姿があった。

女性は自身を「石の守り女」とだけ名乗り、ゆっくりと立ち上がり杖で床を確かめるかのように君達の方へと歩き出した。その歩みは杖にしがみつき、足を引きずるかのように覚束無く、今にも倒れてしまいそうに見える。しかしそれでも彼女は倒れることもなく、部屋の中央迄辿り着いた。
「お待ちしておりました、勇敢なるパスファインダーの方々。貴方がたのお探しの流星の欠片は此方にあります。ですが、これを地上へと運ぶのであればくれぐれも気を付けて下さい。」
「例え欠片といえ、これはスターストーンです。相応の者が持てば、その者を神へと至らせるだけの力があります。」
「この部屋を出たならば、あらゆる勢力がこれを求めて貴方達へと迫り来る事になるでしょう」
彼女は他に何か重要な事を隠しているのを察するが、概ね言っている事に嘘は無いようだ。
そして君達が石を受け取ろうとすると、暗い回廊の奥より怨嗟の呻き声が響き渡り、赤い双眸が灯る。暗闇より山羊の頭を持ち、灰色の炎で燃え盛る剣を手にした漆黒の騎士が現れ、迫ってくる。その甲冑の胸の部分には石の欠片と思わしきものが張り付いており、黒い輝きを放っている。
守り女はその姿を見て、悲しげに呟く。
「哀れな人…悪魔に魂を売り払って、そんな姿になってまでこの石を欲しがるなんて」』

前日のボス+中ボス+雑魚戦。今回もやはりそれなりに厳しめの遭遇にしたが、雑魚はドリラーのオブシディアン・フローとクリエイト・ピットで封じられ、剣の騎士、盾の騎士も倒され、矢の騎士は視界を封じられ王も討ち取られる…所詮は再生怪人である。他にもバトルヘラルドの展開の早さや、言霊+メイガスの相性の良さ(接触呪文は殆どセーヴ不可となる)等色々と面白いもの、募集時に見たかった物が見られるというのがマスターとしても何より楽しかった。

『騎士達を退け、後ろを振り返ると守り女の姿がゆっくりと砂のように崩れ去るのを目撃する。何かを言おうとしたのであれば、彼女は寂しそうに微笑みながら君達に告げる
「いいのです、これで…ごめんなさい、黙っていて…ああ、でも、やっとこれで…」
「どうかお気を付けて…そして、ご武運を」
後にはただ灰だけが残り、その灰も回廊の奥より吹き付ける風により散り散りとなっていった。
後にはただ、静寂と掌に乗る程の大きさの石だけが残った。』

戦闘が終わったところでいつもの展望レストランにて昼食。地元では周囲に自分以上にPathfinderに傾倒している人が居ないこともあり、こういう機会で仕入れられる情報は貴重だし、何より単純に同じ趣味で思う存分話せるというのが楽しい。

2.荒廃した中庭
『回廊を通り抜けると、開けた中庭に出る。かつては美しく手入れも行き届いていたであろう庭園は、腐敗した水と土の香りが辺りに漂い、ねじくれた木々と尖った草木がそこかしこに生い茂り茂みを作っている。そして、中央には不自然に新しい岩壁が聳え、その裏では奇妙な仮面を被ったローブを着た男が天を見上げて譫言のように呟いている。』

戦場は前回の中庭が更に荒廃したという設定で色々弄ってみた結果、ほぼ別の地図になった。デスカリ信徒のウィザードによる待ち伏せということで、色々と仕込んでみたが概ね引っ掛かってくれたようで仕掛けた甲斐があったというものである。
エクスプローシブ・ルーンにより一同の接近を察知し、中央の岩壁の向こうにはノンディテクションで隠蔽したパーシステント・イメージという若干反則気味の仕掛けで相手を引き付け(本人は透明化して近くの水の中へと退避)、デスカリの眷属である蝗の大群(データはエントロピック・アドヴァンスド・ローカスト・スウォーム)と巨大ナメクジ(とはいえヤングテンプレート付)をぶつけながら協力者のオモックスと共に殲滅するという仕掛けだったのだが、クリエイト・ピットを幻影に無駄打ちさせて、雲霞の如く湧き上がる蝗に襲わせた迄は良かったものの、一部仕掛けを上手く働かせず。もう少し全体に展開させてから分散させるように動かした方が面白かったか。

カナロが罠を見抜けずにルーンの爆発に巻き込まれたり、いいところで叩き込もうとしたオモックスのアシッド・フォッグがアニーによる割り込みで防がれ、戦闘も終了する。


3.ルート選択:風音響く回廊
『新鮮な風が吹き込んでくる方へと足を進めると、壁の崩れた回廊へと出る。風は強くはないが吹き荒れる強風の音が外から響き、また何処からか唸るような声も聞こえてくる。そして目には見えないが何かが居るのを君達は感じた。』

もう片方のルートを行くと、ベビリスの群れに襲われる戦闘と、ドレッドテンプレート(アドヴァンスド+ジャイアント)非実体の群れに襲われる予定だった。
壁面が崩れ、片面は崩れ去り崖となった回廊に白痴なる者の面を被った召喚術師がインヴィンジブル・ストーカーを配置して待ち構え、更にディメンジョン・スランバーこと空鬼(召喚術無効という実にこのパーティー向けで素敵な特性を持つ来訪者)、更に本来の主であるネオセリッド(共通点はアザトース信者)が襲い掛かる予定だったが、危機を察したのかウィザードに攻撃が集中し、ネオセリッドも完全な状況での召喚が間に合わなかった為、ウィザード本人が生贄となって呼び出したが(仮面が落ちると、ネオセリッドの顔というひどい描写も入れた)為に満足に動かせず、あと折角だからと崖から突き落とそうとして失敗しガラドミアにより止めを刺される。この後、キャラクターのほうが大休憩を得て色々回復させてから最終戦へと。因みにもしもこの前に取ろうとした場合、こいつらが休憩場所に敵として乱入してくる予定だった。

4.地表の邂逅

『ならば…消えろ、パスファインダー共!(Die pathfinders!)』
地上にて待ち構えていたのは、ニューメリア軍の一行。最初d20ワースブレイドを使って再現しようとしたが、検討の結果出来上がったものが使い物にならないと判断された為にd20モダンを利用した。
例の蠍と機械化歩兵(そういう意味ではない)とアニメイテッド・オブジェクトの獅子、そして肩に⑨のエンブレムを持つブリリアントエナジーソードと高品質ライフルと肩武器グレネードを装備した武装化百人隊長(Armored Centurion)。

だがしかし休息により手札の充実したPC達の敵ではなく、ドリラーのディメンジョン・ドアによりガラドミアが強襲を果たし、早々に叩き落される事となった。
因みにフィギュアはコトブキヤのACワンコインフィギュアを利用、一部改造を加えた(KARASAWAを持たせた)り、初代再現ということでもう1体出そうかと思っていたが蛇足になりそうなので中止した。更に、実はテストプレイ時には出現が予想されていた。


5.デーモン・シェムハジアン
『石の運搬ご苦労であった、人間共…では、死ぬが良い』
そして、ナインボールが落ちたところで乱入してきたデーモン・シェムハジアン。判明した途端、こいつを使い慣れているドリラー氏が心底嫌な顔をする。

しかし、基本的にアホの子なので(【知力】10で知識:地域と次元界が無い)余裕をかましてエイドロンをエリニュスと勘違いして殴り合っている間に(実際立っているだけで周囲に麻痺を撒き散らし、噛み付きで戦士にとっての生命線である【筋力】を吸収出来る)アニーのクルセイダーズ・エッジによる援護を受けた一撃を受けて、「セーヴで1を出さなければ大丈夫」と言ったところで1を振って吐き気状態となり終わる…これが、言霊という奴か。


そして、無事生き残り地上を制圧したところで、アブサロムからのアルケミカル・ドラゴンが迎えに来てセッション終了となった…が、この後に行われるであろう各派閥の静かなる戦いについては、マスターの関知するところではない。

閉会式の挨拶でも言ったが、次回はもう少し初心者向けの卓を準備しておきたい。そもそも2日目に裏も含めて1卓しか立たなかったというのが予想外とはいえ、まず底辺部分の人口を増やさなければ先細りというのは良く理解ったので。

DAC2011の話:9日後半-懇親会

そして、1時間程度の余裕を持ってセッションも終了し、その後は相変わらずの後片付けに追われながら閉会式を迎えて、例の如く呑み会もとい懇親会へ。残念ながら卓の面子の一部と、話そうと思っていた面子の多くが懇親会には不在で暫くは肉と酒を入れながらうろうろしていたが、後半は卓面子やPathfinder関連の色々、特にけん氏のガントレットキャンペーンの話などを聞きながら楽しく過ごさせて貰った。特にずずず氏のあれこれは色々な意味で大変参考になった。

そんなこんなで終了後、こちらは帰りのバスの時間が迫っていたので一行と別れて東京駅へ、そのままバスで帰路へと就くが、向こうはこのあとまだ呑み会からカラオケの流れだったとか。
酒の量が多かったこともあり、一番後ろの席で降車場までぐっすりだったが、やはり眠りが浅いのかその後暫く疲れが取れなかった。

因みに写真は到着した場所での1枚。公共の場でブルーバックとか心臓に悪すぎる。

2011年10月3日月曜日

電子テキスト化ルールブックの話。

この間Twitterにて話していたのだが、Pathfinderを遊んでいる身としては電子テキスト化されたルールブック無しには絶対に公式キャンペーンを終わらせる事が出来なかったと実感しており、その恩恵は計り知れないと言えるだろう。

というのも、pdf版の方は英語テキストを直接拾う事が出来る為、コピー&ペーストでweb翻訳ツールに突っ込めば5割程度の解読度ではあるものの、日本語訳が得られる為かなりの負担軽減になるのは間違いない。かつて、10年程前になるがOCRによるルールブックの電子テキスト化を試みたが、日本語はもとより英語ですら誤認識が結構あり、結局取り込んだ文章のスペルチェックを行わなければならずこれでは到底使い物にならないという印象を受けた頃からすれば公式から手軽に電子テキスト化されたルールブックを得られるというのは桁違いの進歩であると感じる。

因みにTRPGの電子書籍化ルールブックは検索性に難があるという話を良く聞くが、これは単純に画像として取り込んでいる(所謂自炊)だけな為だと思うがどうだろうか。更に言えば、章ごとの切り分け、pdfの編集機能としてのしおり付加等を行えば何とかなる類の部分だと思うのだが。
(紙のルールブックだって検索性を上げる為にタグを付ける等の工夫をするのだから、何もせずに読みづらいと訴えるのはあまり利口ではないと感じる。)

ただ、私が盲目的Pathfinder信者であることを除いても、Paizoの電子書籍化ルールブックは業界内でも最高水準の商品であることは間違いない。例えば

・冊子ルールブック発売と同日からダウンロード可能。
・冊子ルールブックよりも安価(特に大冊子のpdf版価格は約1/5で10$以下となる)。
・事前に冊子版の販売予約をしておけば、無料で入手可能。
・一括ファイルと章ごとの分割版の両方がダウンロード可能。
・エラッタ、アップデート等の対応があり、更新時にメールが来る。
・アカウントごとにダウンロードが管理されており、最終ダウンロード日が表示される。

流石に何処にもこれと同じ対応をしろとは言わないが、せめて上に挙げた半分ぐらいは達成出来なければ正直電子書籍化ルールブックとして販売する価値はない、は言い過ぎにせよ長きに渡る運営とそのものの普及は望めないだろうとは思う。

ついでに言えば、prd(j)を初めとして自作も含めて(というか大半自作だが)各種セッション用PCツールを駆使しなければ最早GMをすることすらままならない身の上としては、こういったツールやオンライン/オフラインサマリーが他のゲームでももっと普及すればいいのにと思う事は多々ある。
OGLのようにライセンスの有効範囲をあらかじめ明記しておくというのは、曖昧に著作権の話をするよりかは大分前進的ではないだろうか?

2011年10月の竜舞亭セッションの話。

天気も良く、絶好の行楽日和となった日曜日、途中本当に色々あり、一時はキャンペーン自体を中止か延期しようかと思ったこともあったが(特に3月に開催された#28Infernal Syndrome。何の拷問だこれは)、何とか中止することもなく(1回GM遅刻というアレな出来事はあったが)1年と1ヶ月続けてきたPathfinder Adventure Path "Council of Thieves"こと盗賊会議キャンペーンがようやく最終回を迎えた。思えばまともに終わらせたキャンペーン自体約20年ぶりになる。特に最近は時間の問題はあるにせよ、竜舞亭のように定期で開催される場所がなければなかなかこういう長期のキャンペーンを遊ぶのも難しいと感じる。

最終回ということもあり、プレイヤーの方も無事全員参加でマスターとしても全力の出し甲斐があるというものである。
今回の面子は以下の通り。15レベル6人となれば、正直マスターもプレイヤーも何でもアリである。

プレイヤー名前種族クラス特徴
ろうなむトシアキ人間パラディン(輝きの騎士)三下系パラディン。最後の最後に男を見せるか?
Waizプリセラハーフエルフローグ(活劇剣士)/ファイター(両手武器)フェイント系戦士。悪魔を騙す非道い奴。
歪人ルチア・カストールノームクレリックババァ系クレリック。そして迫る寿命。
オットー獅子のテオドリック人間ドルイド(獅子のトーテム)嬉しくないネコミミ系ドルイド(男)。今回大半の時間を化身として過ごす。
Makkouリリアナエルフウィザード/ディアボリスト似非魔法少女。火力は正義!
2xxPヴォールトハーフオークモンク/インクィジター/レンジャー異端審問官のゼン・アーチャーにして悪魔狩人。ヒーローポイントも使っての毎ラウンド7発射撃の恐怖。

チャマディからの手紙により、エカルディンがエイローデナーマ(かつてのウエストクラウンの象徴といえる巨大なエイローデンの立像)にて致命的な儀式を行おうとしていることを知り、それを止める為に最後の戦いへと出向くこととなる。
”ウエストクラウンの子ら”のリーダーであるアラエル、ジャニヴェンも街を救う為に別働隊として(途中にさらわれたこともあり、アラウェルはすっかりヒロイン扱いだった。カルセイニカェ…)、檻のヘルナイトのリーダーであるゴーンウィルも合流し、最後の(因みにプレイヤーも、実はマスターも最終的にヘルナイトと同盟を結ぶとは思ってもいなかった。特に最初のシナリオ展開を考えるに)戦いに出向く前に、生還を誓ってお互い篭手を付き合わせるという何とも感慨深い展開からの出撃となった。

そして、途中ヘルナイトと対峙する盗賊会議と見せかけての待ち伏せをテオドリックがファイヤー・ストームで文字通り焼き払い蹴散らし(矢の雨でトシアキが死にかけたが)、皆でエリクサー・オヴ・ラックを飲み干し、チャマディの悲鳴の後、エイローデナーマより血塗れのレイピアを手に激昂しながら出てきたエカルディンと、いよいよキャンペーン史上最大規模の地図サイズ(36*34)でお送りする最終戦闘へ。



最初の敵は敵はエカルディンと盗賊会議の残党、そして壁用のエルダー・エア・エレメンタルだったが、これらはリリアナのディメンジョン・ドアからのトシアキとプリセラによる速攻で蹴散らされる。
しかし、当然ながらここからが本番で、目から真っ黒な(タールの)涙を流し、さらに炎を上げて燃え始めるエイローデンの像に、町中は静まり返った後に絶望の叫びが上がり、更に倒されたエカルディンは、突如現れたレディ・カルテッサの手にしたマモンのメダルを額に埋め込まれて巨大な「強欲の化身」(アバター・オブ・グリード)へと変容を始める。色々な事情により1ヶ月程機を逸してしまったものの、実はこれこそがキャンペーンの最後にやりたかったネタである。
時期的なこともあったがメダル(コイン)、欲望、最後に強大な敵といえば! 因みにデータ的にはおおざっぱに言えば超巨大サイズに巨大化してワーム・ザット・ウォークステンプレートを掲載したルーン・ジャイアントという感じで、ただ範囲盲目化攻撃が「黄金の煌めき」だったり、ブレスが「降り注ぐ黄金」(コインブレスで殴打+火。クリーピングコイン)だったり、掴みから発動する「黄金の冠」(頭を掴み、手から溶け出した黄金で相手を固める。元ネタはGRRマーティンの七王国の玉座でヴァイサリス坊やが貰ったアレ)と、若干ネタ気味だったりはした。

更に、燃え盛るエイローデンの像を目印に続々と町中から殺到するデヴィル達、更に像の頭頂部から出現した完全復活したカズラエ(色々考えた後、モンクレベル16にした)とエリニュスの司祭達という絶体絶命の状況に。
しかし、ルチアがタイムストップを発動して状況を立て直し、ヴォールトの矢がカズラエに叩き込まれ、更にティーパー・ダークネス(本当はあとサイレンスも入れる予定だったが)を纏い、リリアナの視界を奪って放たれた激震掌のセーヴも成功され、タイムストップからのディレイドブラストファイアーボール、そして自爆気味のサンバーストで闇も敵も払われ、プリセラの決死のフェイントからの急所攻撃(DC52に対して53で成功された)で真っ二つにされ、今度こそ絶命した。

そして、ヴァーサトル・ウェポンで武器属性を殴打に切り替え、相手の軽減を無効にしたプリセラにあわやトドメを刺されるかという処まで追い詰められたものの、hp1で踏み止まり、更にルチアにより盲目化を治療されたトシアキによる最後の一撃が決まり(まさかの3回攻撃を全部外し、危うく馬の方にトドメを刺されそうになったが)、強欲の化身は滅び去った。

最後にはウエストクラウンの自由と平和は市民達の手に取り戻され、新たな市長としてアラエルを迎えることとなった。

そもそも盗賊会議はシナリオとしても完成度が高く、更にマスターとしても色々と想像を喚起される部分があり、また色々とオリジナル部分を混ぜたりして大変楽しませて貰った。難を言えば、竜舞亭のセッション時間の短さだろうか(その解消の為に色々と工夫をしてみたのだが、総合的な解決には至っていない)。その所為で色々と出来なかった事も多く、今回も増援として出そうとしたグレイヴナイト+ドレッドスペクテターの群れを出すことが出来ず、また色々考えていた対策も処理能力過多ですっかり行使するのを忘れてしまい、AC48の超大型ライオンにデヴィルや盗賊達が一方的に蹂躙される羽目になってしまった。やはり最大の敵は時間と己の能力か(サブマスターを用意するかという話も出ていたが)。

1月迄の2ヶ月は同じ面子でミニキャンペーンをやる予定だが、暫くはもう少し軽いレベルで遊びたいところである。
(流石に専用レギュで制限を入れてまで軽量化はしたくないが、考えたくもなる時はある)。