2012年11月1日木曜日

深淵歩きのアルトリウスとRuneQuestの話。

 10月25日にDarksoulsの追加シナリオこと"ARTORIAS OF THE ABYSS"が発売されたが、DAC等が有り多忙につき12月頃迄手を付けられそうにない…去年もそんな感じの事を書いていた気がするが。
そしてゲームの大晩餐にて丁度取り上げられていたのだが、17分辺りでRuneQuestという個人的に非常に懐かしい名前を聞いた…King's Fieldにも敵にドラゴンスネイルやドラゴニュートが居る為、FROM SOFTWAREにはRuneQuest愛好家が居るのではないかという話題がかつてniftyのRuneQuestフォーラムにも上がっていたが(ただ、宮崎氏は2004年入社なので無関係だろうが)…ホプライトを装備しているのだから”太陽の騎士”ソラールはパイク装備だったら楽しかったのだが。

 RuneQuestといえば、個人的には15年程は弄り回し遊び倒したルールであり、愛着も思い入れも色々あるのだが今改めて遊びたいかと問われると流石に躊躇する。
というのも流石に旧いルールで複雑度が高く、遊ぶ人の性能への依存度が存外に大きいからである。またd100下方判定は基本的に振る側(≒プレイヤー)に不利な判定であり、そして何より最大の要因は戦闘をメインとした場合、明確な強さのバランス設定が兎に角難しく、また戦闘そのものも膨大な時間が掛かる。具体的に言えば作成直後のキャラクターが5人程度の対等戦力で戦闘を開始してそれなりの経験者ですら終了迄大凡2時間を目安として考えることになり、またちょっとした斬り合いで(比喩ではなく)腕や足が飛び、非常にキャラクターが戦闘不能に陥りやすい。他にもフマクト信者と他の戦力差がひどいとか、魔道ルールがひどいとか色々あるにはあるが。

 ただ、それでも3版のストライクランク(1ラウンドを10単位に分けて移動、戦闘を戦うルール)制は戦いの精密さとヒロイックさを両立した希有で良質な戦闘ルールであり、良いルールだったと今でも思っている。
また、文化や民族を細かく設定したグローランサという世界も当時としては衝撃的であり、その後の私の趣味志向に大きすぎる影響を残している(古代ローマ~中世が好きなのは間違い無くこれの影響)。その辺りがあるから私はD&DやPathfinderを”軽くて簡単なルール”だと主張して、かつてRuneQuestでは為されなかった詳細で複雑な良い意味で”頭の悪い”世界設定が正しく展開されるPathfinderとゴラリオン世界を好んで遊んでいるのだが。

 結局RuneQuest3版はメーカーとデザイナーの対立という最悪の形で出版を終了し、それに伴い日本語版の展開も終了してしまった。
後を引き継いだHeroWarsは(裁定者を”ナレーター”と呼ぶことからもルールの方向性が理解る通り)グローランサ、中でもドラゴン・パスの英雄譚を楽しむことを主軸とした、遊ぶ為には世界観に対する深い理解をプレイヤーに求め、マスターには際限ないアドリブ能力が求められる(技能をその場の即興で作成するようなケースもある)という、残念ながら私にとって遊びやすいルールではなく、また日本語展開も基本ルールだけで終わってしまったこともあり私はグローランサ世界から疎遠になっていった。
また、仕方無いとはいえ物語の焦点が英雄戦争の焦点となるドラゴン・パスからパヴィスで展開されており、個人的に好きなルナー帝国北部、ラリオス、フロネラ辺りが放置されたまま終わってしまったのは残念な話である(一部公式の同人誌で展開されたが…ルナー関連の翻訳版を入手出来なかったのが悔やまれる)。
 その後、マングース版としてd100ルールによる再出発はされたが、ストライクランク制は廃止されてしまい、また前時代である第2期が主軸なのであまり食指が動かなかった(武器改造ルールとか面白そうものは色々あったが)。
 RuneQuest自体は今でも本国で出版が続いており、先日第6版が出版された。基本的にシングルタスク型人間で、現在はPathfinderに掛かり切りである以上此方に傾ける余力はないが、遊べる機会があるならば触れてみたいとは思う。

 結局のところ、他者と遊ぶことがTRPGの本質である以上、どのようなルールであれそれを共に(定期的にならば尚良い)遊ぶ相手が居て、楽しめるのであればどんな障害があってもそれは「良いルール」なのだろう。
今の私にとってはPathfinderがそれである。

2 件のコメント:

  1. お疲れ様です~。
    自分もRQはd20系の次に遊んだファンタジーTRPGルールですね。
    つい数年前まではD&D3.5と平行してキャンペーンも遊んだりしてました。
    最近は流石にやる暇がないのですが、未だに自分の中ではファンタジーRPGの最高峰だと思っていますw

    自分もドラゴン・パス近辺が好きなので(逆に2ndからのファンにはパヴィスの方が馴染みがあるようなのですが)、もしプレイする機会がありましたら、やはり舞台はあの周辺でしょうね。
    6版もプレイしたいですね~。

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  2. あいあい。
    時期もありましたが、女性のみのサークルで普通に遊んでいたので「ルールの複雑さはシステムを敬遠する要素になり得ない」という根拠になっているゲームでもあります。
    他に類を見ない民俗的な記述や単純にパワーソースというだけではない宗教とか今でも引きずっている部分はかなりあります。
    メインで好きな要素がアーカット、魔道、セイフェルスターなのでもう少し公式がこの辺りを取り上げてくれたら良かったのですが。
    あと、あれだけ泥臭いながらもヒロイックな戦闘が出来るルールも他にあまり見ませんね。身内セッションですが、スコーピオンブルーに利き腕を折られて絶望的な状況に陥った後、盾で殴ってクリティカルを振って撲殺したバービスター・ゴアの逸話は今でも語りぐさです。

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