2015年8月2日日曜日

2015年08月の幻想TRPGの話。:Pathfinder Module『またまた! 俺達ゃゴブリン!』-We Be Goblins Too!

少々暇があり、また以前参加者が集まらずに立卓出来なかったので今度こそはと思い幻想TRPGに応募してみたところ、無事人数が集まり開催に到る。シナリオはPaizoの狂気第2弾ことWe Be Goblins Too! で、様々あってなかなか遊ぶ機会が得られなかった為にやっと開催出来た。

今回のイカレた面子は以下の通り。
プレイヤー名前種族クラス
こおり”どで悪”リーテゴブリンファイター
パーティーの紅一点。大きな頭がチャームポイント。
pomta”傷口舐め”チュッフィゴブリンローグ
かしこいゴブリン。あとプレイヤーがやたら楽しそうだった。
Makkou”ザロンジェルっ子”プーグゴブリンクレリック
パーティー内真の邪悪。悪知恵が働くが、あと一歩及ばない。
waizモグマーチゴブリンアルケミスト
さりげない誘爆でパーティーを面白い状況に叩き込む爆弾魔。
尚、以下はPathfinder Module『We Be Goblins Too!』に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


恒例の各ゴブリンや部族の歌を歌いながらの自己紹介も済ませてセッション開始。ノリの良いプレイヤーあってこそだが、矢張りこのシナリオはちょっとおかしい。

1.バードクランチャー族
 族長に「もっと花火を捜してこい」と命じられたリックトード族(Licktoad)の英雄達は、族長を爆殺したり、花火を手にサンド・ポイントへと攻め込んで運悪く居合わせたパスファインダー達に返り討ちにされたりすることもなく、しかしこれという成果もなく集落へと戻ったが、一族は冒険者達により壊滅しており、我が家は廃墟と化していた。家無きゴブリンとなった元リックトード族の英雄達は、最寄りのゴブリン部族であるバードクランチャー族(Birdcrunchers)ならば自分達が入り込む隙間ぐらいはあるだろうということで彼らの棲まう洞窟へと向かった。
しかし、既に何やら不味いことが起こっているようで、彼らは酷く怯えており、洞窟の奥に集まり縮こまっていた。一行の前にしわくちゃの老ゴブリン”賢いミイラ母さん”スプラトルハーシュ(Wise Mummy Sprattleharsh)が姿を現す。スプラトルハーシュは一行に大仰な挨拶を済ませると、バードクランチャー族は現在族長がおらず、また近隣に住まうオーガによって危機的状況にあることを告げ、次いでゴブリン達が一族の歌を歌い出す…ゴブリン族の伝統である族長選びの開始である。新たな族長候補である一行にスプラトルハーシュは一族の王冠である鳥の頭蓋骨や羽根から出来た”ばりばり王冠(Crunchy Crown)”を見せ、族長となった者は更に族長の宝箱も得るだろうと説明した。その日の残りは明日に備えての宴となり、バードクランチャー族はカモメのスープ、九官鳥の黒焼き、鴉の目のプディング、ハゲワシの盛り合わせ、スパイスが効いた雀のスナック、そして生きた雛鳥といったごちそうで一行をもてなし、間もスプラトルハーシュがどれだけ恐ろしいかについて語るが試練については一行に語らなかった。


2.族長試しの試練
翌朝、一行は洞窟の南の谷へと連れて行かれる。そこは開けた場所になっており、一行は目隠しをされ弓と3本の矢を持たされる。そしてスプラトルハーシュが一行にこれから目隠しをしたまま次々と放たれるウミカモメを撃ち落として貰うと説明される。集まったゴブリン達の野次馬が固唾を飲み見守る中、最初のウミカモメが放たれチュッフィとモグマーチの矢が同時に捉え射貫いた。2回目はモグマーチがカモメを撃ち抜き、3回目は全員が矢鱈に矢を放ち、チュッフィとプーグは観客に矢を当てて笑いを取り、モグマーチはプーグの尻に矢を突き刺して更に大きな笑いを取ったことで他を大きく引き離す。この時、リーテは全ての矢を外してしまった。
次の試練は西にある汚らしい泥沼で、その上には小屋を建てようとした名残の沢山の支柱があり、柱にはスタージが繋がれ、柱の間には板を渡して簡易の橋としてあった。一行はそれぞれスタージを踏み殺す為の人間用ブーツを履かされ、より多くのスタージを踏みつぶした者が勝者となると説明される。チュッフィが軽快に走り回り踏みつぶし、モグマーチは爆弾を投げて味方を巻き込みながらスタージを倒していたが、プーグがエネルギー放出を使ってスタージ達を一掃し、この勝負はプーグが勝利者となった。
リーテは矢を放つも敵に届かず、1点も取れずに終わった。
最後の試練は大きな岩の鍋に注ぎ込まれた悪臭漂うどろどろの”パイ”の中にゴールデン・イーグルと共に縛られて放り込まれ、素早く脱出するかゴールデン・イーグルを倒した者に得点を与えられるというものだった。既に他を大きく引き離しているモグマーチは素早く脱出して10ポイントを得た事でほぼ勝利は確定となった。次にチュッフィが脱出し5ポイントを得るが合計点で17点とモグマーチには及ばず。プーグに到っては脱出出来ないままとなっていた。
しかし、ここでリーテが動いた。熱とゴールデン・イーグル達の嘴に朦朧としながらも全てのゴールデン・イーグルを倒し、満身創痍状態の最後の1歩で鍋から脱出したことで23ポイントを稼ぎだし、最後に逆転勝利をつかみ取った。こうして、リーテはバードクランチャー族の新たな族長となったのである。

 その後、新たな族長の誕生を祝っての大宴会となり、リーテに自分たちを印象付けるべく一晩中ゴブリン達は乱痴気騒ぎを繰り広げていた。


3.農場の討伐
一族の新たな族長となったリーテの最初の仕事は、領地の”肉むしゃむしゃ”パー(Pa Munchmeat)と呼ばれるオーガを追い出すことだった。既に先々代、先代の族長が帰らぬ人となり、半マイル先に農場を作るこのオーガはバードクランチャー族にとって頭痛の種となっていた。スプラトルハーシュは「火を噴く豚に注意せよ」という助言を与えて一行を見送った。
農場に向かう途中、一行はその火を噴く豚に遭遇する。森の途中の茂みに隠れていたパーの相棒であるボアのピギーをチュッフィが目聡く発見して先制攻撃を仕掛け、燃やされることなく倒した。ボアの首に掛かっていたひょうたん、ファイアー・ブレスの効果を持つ秘薬ゴード・オヴファイアーバーピングを奪い取り農場への旅を再開した。
周囲を柵に囲われた広大なパーの農場に到着した一行は、周囲を探索して転覆したボートを発見して忍び込もうとするが、そこはジャイアント・ボア”バリバリ姫”(Princess Crackling)の住処で、しかもリックトード族の壊滅時に行方不明になっていた悪魔の獣こと豚の”鳴き立てる”ノルド(Squealy Nord)も一緒にいた。一行の姿を見たノルドはこのままオーガに食べられるよりかはマシと考えたノルドは一行と共にバリバリ姫と戦い、これを打ち倒した。
そのまま中央の建物へと忍び寄り、チュッフィが内部を偵察に行くと2階ではオーガが鼾を立てて寝ていた。これをチャンスと見て1回に攻め込んだ一行だったものの、1階奥にいたパーの娘のオーガキン”グフィ”(Guffy)に見つかり、戦闘となる。外にいる番犬”凶暴なロットワイラー”(Feral Rottweiler)達を呼び出す為に犬笛を吹き、ペットのジャイアント・フェレット”スパイク”(spike)を一行にけしかけ、自身は奥の部屋に籠もり父の助けを待とうとしたが、パーの招来したスパイダー・スウォーム諸共バードクランチャー族の宝物の中に入っていたネックレスオヴファイアーボールで蹴散らされ、チュッフィとモグマーチによって倒される。
娘を殺されたことで逆上したパーがゴブリン達を叩き潰そうと武器を振り回して一行を追い詰めるが、激怒したことで生き残ったノルドが盾となり、リーテのクリティカル・ヒットで大きなダメージを受けて、多勢に無勢で打ち倒され、バードクランチャー族の英雄達となった一行は丸々と太った豚を土産に一族の元へと凱旋した。


4.アンドリンとゲンドリューのおいしい工房
シナリオ本編は終了したのだが、少々時間が余った為、WotCで無料公開しており、4th Cageに翻訳があった小シナリオ”事件発生”(Something's Cooking)を手を加えて遊ぶことに。
バードクランチャー族の英雄となった一行達は、彼らが自分達の領地だと主張する森の一角に奇妙な小屋を発見する。そこには共通語で”アンドリンとゲンドリューの錬金術&魔術工房”と書かれており、屋根にある煙突からは煙が上がり、周囲に食欲を刺激する匂いが漂っていた。
その建物の中から突如爆発音が響いたため、一行は中を探索し始める。玄関で襲い掛かって来たアニメイテッド・カトラトリー(動く食器)を蹴散らし、部屋の奥で頭から真っ赤な液体を滴らせて伸びていた男、ゲンドリューから妻に恨みを抱く者から送られてきたインプが作成途中だったゴーレムを暴走させてしまい、今や工房の中は荒れ狂うゴーレムにより荒れ放題となっていると聞かされる。
そして部屋の奥では小麦粉の胴体にチーズ、きのこ、オリーブ、挽肉とトマトソースがたっぷりと詰まったカルツォーネ・ゴーレムが暴れていた。幸い、作成途中での暴走だった為に本来の性能である火への耐性やアツアツのソースが飛び出したりすることは無く、辺りにトマトソースを撒き散らしながらゴブリン達はこの生焼けゴーレムを片付けた。
だが、脅威はもう1つあった。カルツォーネ・ゴーレムの暴走に巻き込まれてもう1体のゴーレムが暴走し始める。それは、全身を構成する食品と食器はそれぞれ適温に保たれて美味しそうな匂いを放ち、粘つくシロップ、にじみ出すバターや揚げ油で表面を覆われたフィースト・ゴーレムである。高級食材が放つ未体験で魅惑的な芳香に惑わされたゴブリン達は早々に武器を手放し、大口を開けてかぶりつき、ゴーレムは自分に襲い来る敵を打ち倒そうとチキンとフライ、フォークやナイフで出来た手を振り回してゴブリン達を傷付けるが、ゴーレムの肉体を口にしたゴブリン達はその栄養豊富な食餌によって瞬く間に傷を回復させ、あとたまに食べ過ぎて吐く。そうしている間にゴブリン達はゴーレムの躯を喰らい尽くし、その核となっている古びてカラフルなカビが生えたフルーツ・ケーキを呑み込んで破壊した。

 しかし、丁度この工房のもう1人の主にしてゲンドリューの妻であるアンドリンが帰宅し、大混乱の工房とそこで暴れるゴブリン達の姿を見た彼女は襲い来るゴブリン達をフィアーで追い出してこの騒動は終結した。

 ただでさえコメディ気味のゴブリンシナリオで、更に悪ふざけをした結果大変頭の悪いセッションとなったが、個人的には大変楽しませて貰った。ただ、流石に初心者相手でこれは不味いので以降はもうちょっと初心者向けの協会シナリオ等を遊ぶ予定だが。

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