2015年5月25日月曜日

2015年05月の竜舞亭第一例会の話。:Jade Regent#20-The Empty Throneその2

Jade Regentキャンペーン最終章2回目、前回”皇家の霊廟”へと無事上陸を果たしたところよりの再開となる。このペースで行けば大体4回か5回ぐらいで終わる予定で、舞台設定に沿った長期キャンペーンを比較的気軽に遊べるのは私のようなシナリオクラフト能力が無い人間にとってのPathfinder RPGというよりゴラリオンの魅力のうち大きくを占める部分の1つだが…丁度2年(間1回だけ休みがあったので)掛かった計算になるか。

今回の面子は以下の通り…矢張り6人体制というのは良い。
プレイヤー名前種族クラス
Pomtaケーン=タッカー=クララ人間ファイター(両手武器使い)/バーバリアン
高い撃破能力と被弾率、口と態度の悪さに定評があるナギナタ使い。
Waiz南条飛勇鶴(ナンジョウ=ヒュウカク)人間/ウールフェン人(ARGオリジナル)インクィジター(魔女狩り師・伝道者)/ファイター(武器の達人)
ミンカイの初代皇帝の魂が宿ると言われる妖刀”翠閃”を振るうパーティーのまとめ役。殴られたら殴り返す構築なので被弾率が高い。
ちーアルゴ・ペデス人間ファイター/クレリック(神学者)
《転移旋舞》で戦場を跳び回るデズナ信徒。殴れる救護班。
Makkouシオン(紫苑)=カイジツ人間アーケイニスト
物語的に最重要人物であるアメイコの妹。テレキネシスの有効活用に知恵を絞る。
2xxPサチアアシマール(自称)クレリック(伝道師)
サーレンレイ信者の自称天使のクレリック。アルゴの加入により戦場操作役がメインに。
雅士ジョナサン=サイズモア人間ガンスリンガー
元少年兵のピストル使い。パーティー一のhpとACを誇る重戦車。
尚、以下はPathfinder Adventure Path #054『The Empty Throne』中盤に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


 前回、”皇家の霊廟”島に上陸して”翡翠の宰相”の手下であるロクロクビのキヨミを倒し、その先の様子をシオンがアーケイン・アイで探ったところからの再開となる。

1.歴代ミンカイ皇帝の霊廟
墓石がまるで迷路のように立ち並ぶ使用人達の墓地には、島を覆う邪悪の影響もあり、動く墓石群であるグレイヴバウンド・ワーデンや歩く火葬場ことフューネス・ゴーレムといった人造や、皇帝に敵意を持った貴族達のグレーター・シャドウのようなアンデッド達が新たな犠牲を求めて闊歩していた。無駄な戦闘を避けるべく不可視化を使いこれらの間をすり抜けた一行は、歴代のミンカイ皇帝達が眠る霊廟”天空の主の寺院(shrine of the Heavenly Sovereigns)”に辿り着く。

 その実何ら無害な娯楽施設である奏者無く独りでに音楽を奏で始める楽器を不必要なまでに警戒したり、火葬場、整列され並ぶ皇帝の縁者の墓、死んだ鯉が浮く池、翡翠の岩が林立し、その両側を黄金の麒麟の像に挟まれた砂で描かれた池といった風光明媚な庭園を越えた先には皇帝その人の墓地を示す両開きの扉があった。
 扉の中には、先の皇帝であるヒガシヤマ=シグレの首とそのゴーストが一行を待ち構えてた。シオンの懐にある玉璽の気配を嗅ぎ取ったシグレは一時正気を取り戻し、一行を皇帝の末裔と認識し、自身の身に何が起こったのかを語ってくれた。


2.皇帝ヒガシヤマ=シグレと”翡翠の宰相”ソートー=タカヒロ
”翡翠の宰相”ソートー=タカヒロとその書記官レンシー=メイダにより己の暗殺の危機を知らされ、安全の為にこの島へと逃亡したシグレを待っていたのは、幼少の頃より共に育った友の裏切りと毒の刃だった。

 シグレの死体は霊廟の奥にある”悪魔の井戸”へと投げ入れられた。シグレは一行にヒガシヤマ家の祝福は死体の回収と引き替えに行うと告げ、一行は霊廟の先にある”悪魔の井戸”へと向かった。


3.”悪魔の井戸”
ミンカイの長い歴史の中、皇帝は決して善政を敷いた者達ばかりではなくむしろ絶対的な権力に陶酔して欲望の限りを尽くした者達が散見された。その者達の堕落した魂は死後に”悪魔の井戸(Well of Demons)”と呼ばれる場所に捕らえられ、”永遠の泉”のシズルの霊力溢るる清浄なる水により清められ、やがて浄化を終えた魂はファラズマの元へと送られるようになっていた。

 しかし、”翡翠の宰相”が井戸にシグレの死体を投げ込んだことにより、井戸の中はシグレの怒りに当てられ邪悪な気が満ち天の女帝の威光も届かぬ悪逆の地と成り果て、悪しき皇帝達も活性化していた。


4.妄執の血統主義者”テイコク=ソカイ将軍”
テイコク=ソカイ将軍(Shogun Teikoku Sokai)はミンカイ全土が未だ統一される前の最初の王であり、後にミンカイの片隅にテイコク幕府(Teikoku Shogunate)として知られる統一政府を打ち立てた存在である。しかし、彼は己の血統を重んずるあまり、建国に協力した5つの家系、後の五皇家の血筋の者と次々と殺めテイコク家のみが実権を握るように仕向けた。
だが、圧政は長くは続かず最終的にアマタツ家のスイセンが彼を倒し、スイセンこそがミンカイ帝国最初の皇帝となった。

 霊障によって覗き込む者に飛び降りたくなる衝動に駆られながらも、何とか無事に”悪魔の井戸”内部へと潜入し、天より降り注ぐ清浄なる水が触れた瞬間にタールの如き泥水と変ずる深い水面を慎重に渡りながら最寄りの陸地へと到着すると、一行は鍾乳洞の奥より呼びかけられる。
そこには豪奢なローブを纏った堂々たる恰幅の男がおり、彼は自らをミンカイの初代皇帝テイコク=ソカイであると名乗った。彼は五皇家の1つであるテイコク家の代表として現在のミンカイの状況に心を痛めており、上の池に棲まう邪悪な鯉の化け物を退治してくれたならば協力し祝福を与えようと約束した。しかし、上の池ことシズルが歴代皇帝の死に涙したことより生まれた滝”永遠の春(Eternal Spring)”より生ずる”涙の湖(Lake of Tears)”に棲まうのはズイシンと呼ばれるシズルその人より使わされたカミであり、またシオンがソカイの悪評を知っていたことにより彼の嘘を見破ると、ソカイはそのアビスにより穢れきった魂を宿した醜き巨躯を震わせ、正体であるデーモン、神話級ナルフェシュネーの姿となり周囲に潜んでいたデーモン達を呼び寄せ襲い掛かって来た。
部屋の到る処に撒き散らされた汚泥を跳び回るオーモクス、強力な雷撃を放つヘズロウ、そして脂ぎった不快なエネルギーを放つソカイに苦戦し、その爪でヒュウカクが切り刻まれかけるも危ういところで何とか体勢を立て直し一行はこれを撃退する。しかし、この場所にシグレの死体は無かった。


5.狂気の同性愛者”アマタツ=マエミ”
アマタツ=マエミ(Amatatsu Maemi)はアマタツ家より輩出された女帝だったが、彼女はあらゆる男性を忌避しており、その伴侶は常に女性であった。故に子を成すことはしなかったが、マエミは地獄のアーチ・デヴィルと契約することにより200年以上の間”翡翠の玉座”に君臨し続け、生きている間じゅう彼女自身の美貌と版図を保ち拡大し続けた。
そしてその死後、契約に従って地獄へと堕ちた彼女はギロウ(ハンドメイデン・デヴィル)として尚も女悪魔の拷問官エリニュス達を僕として従えている。

 一行が次に向かったソカイの領土の向かい側の岸は、女帝アマタツ=マエミの領域だった。豪奢な装束を纏い、ジャスミンと蓮の花が香り咲き乱れる寝室にて翡翠で出来た玉座に寝そべりながら侍女達を弄び放蕩の限りを尽くすマエミは、己の末裔が女性であると知ると歓喜し、己の知識と経験は皇帝の座に就く時に必ず役立つだろうとシオンを説得しはじめ、もし帝位の一部を分け与えてくれるならば、アマタツの加護を与えようと申し出た。
しかし、マエミの正体がハンドメイデン・デヴィルであることを見抜いていた一行はこれを拒否し、彼女との戦闘となった。マエミが最も愛する者、シコメのシオリ=ヘイッカッキが完全なる不可視から一行を襲うも決定打には程遠く、インヴィジビリティ・パージで居場所を見つけ出したヒュウカクにより撃退され、マエミも程なくして後を追った。侍らせていたエリニュス達もマエミを失ったことで地獄へと送還され、この地域を包んでいた幻影も消え去り後には荒れ果てた洞穴だけが残された。
しかし、ここにもシグレの死体は無く、一行は更なる深淵へと足を踏み入れることとなった。


6.不死に囚われた”スギマツ=ノビノル”
スギマツ=ノビノル皇帝(Emperor Sugimatu Nobinoru)は110歳の高齢迄生きたが、晩年には彼の外見は衰えたグールそのものとなっていた。彼の皇帝としての最後の仕事は、何者も彼の偉業を凌ぐことが無きように忠実なるサムライに彼の家系の者を全て殺害させることだった。この試みはほぼ達成され、もう1つのスギマツ家の者が次に”翡翠の玉座”に座るまで数世紀の時間を要する事となった。ノビノルの非道は彼の魂をアバドンの領域へと導き、彼はターナダイモンとして新生した。今日、ノビノルは己の生前にも”翡翠の玉座”にも興味を失ってはいるが、帝国神社に埋葬されるあらゆる魂を貪りたいと渇望し、その為にも玉璽と繋がった魂を必要としており、シグレ皇帝の幽霊をその為に使おうとしたが、シグレの怒りは未だ凄まじく、その試みは達せられることはなかった。
一行がマエミの領域の入口に空いた滝より更に下層へと降りると、そこは髑髏の積み重なった砂浜だった。そして奥にある洞穴の暗闇から嗄れた老人を思わせる声が一行を招き入れるかのように呼びかけてきた。家令のピスコダイモンを引き連れ、角持つ骸骨ターナダイモンそのものの姿で一行の前に現れたノビノルは、一行のいずれかの魂の一部を差し出すならば、失われたシグレの死体の位置を教えようと申し出るが、ノビノルが疑いようのない邪悪であることを見抜いていた一行はこれを拒否し、戦闘となる。

 生前の残虐によりピスコダイモンと成り果てた忠実なるサムライ”イック(Ikku)”、そして水場に潜ませていたハイドロダイモンとその招来したウォーター・エレメンタルと共に一行へと襲い掛かったノビノルだったが、ハイドロダイモン達はサチのホーリィ・ワードによって沈黙させられ、イックが動く機会すら与えずにヒュウカクとジョナサンにより討ち倒され、この領域をアビスへと繋げていた力も消え去った。

 しかし、ノビノルが言うようにここにもシグレの死体は無く、対岸には邪悪なナイトシェイドの暗闇が立ち籠める空間が一行を待ち構えていた。

ここで今回は終了。次回は”悪魔の井戸”最深部での戦闘を終えて、いよいよ一行はミンカイをオニ達の手から取り戻すべく最後の戦いへと挑むことになる。

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