2014年11月20日木曜日

DAC2014の話:Pathfinder RPG 『the Moonscar -Mythic Adventrues-』

 そして当日、周囲の面々に挨拶をしたり、卓の電源を確保したりしているうちに時刻となり、開始の挨拶にスペイン宗教裁判ネタを入れるも軽く流されセッション開始。
今回このイカレた卓に参加してくれた面子は以下の通り。


プレイヤー名前種族クラス
こうぞうアルバート人間(地球人)ファイター(両手武器使い)/バーバリアン/クレリック(カイデン=カイリーエン/神聖なる戦略家)ホライズン・ウォーカー/神話:チャンピオン
マウンテンデューが大好きなホラ吹きのヒゲを友人に持つ2500年代の地球より次元転移を果たした第一次スパルタン計画被験者。基本的にチェーンソー(たまに転移)突撃マン。
Jun『吊られた男』トアマンドハーフリングファイター(武器の達人)/Slayer/神話:トリックスター
”小鬼”、”巨人殺し”の異名を持つ短躯の軽戦士。愛用のエルヴン・カーヴブレイドと首吊り縄がトレードマークで多分吹き替え版トム=クルーズみたいな声。好きな敵は自分より2サイズ大きな敵。
ミイラアナスタシア人間(?人)ファイター(荒ぶる闘士/Trench Fighter)/ガンスリンガー(謎めいた異邦人)/Brawler/神話:チャンピオン
その手に”戦士の銃”を持つ”赤い帝国”に国と地位を奪われた亡国の姫君。逃亡生活が長かった為か随分といい性格に。
大西メーリスサンサーラン亜種(ARGオリジナル)オラクル(二重の呪い)/Pathfinder Savant/神話:ハイエロファント
ダイキツを信奉するサンサーランに似た何かの女。神話級ホーリィ・スマイトその他が猛威を振るう。
梅酒テヌフェルドゥエルガル亜種(ARGオリジナル)ウィザード/ローアマスター/神話:アークメイジ
DAC2012にも登場したドゥエルガルに似た何かのウィザードが転生して帰ってきた。何処かで覚えてきた新たな武器”言霊”が猛威を振るう。
白雨Diana Jenkins人間(タルドール人)Arcanist/アークメイジ
寒い国から帰ってきた秘術師で安定の真なる中立枠。
尚、以下はPathfinder Module『the Moonscar』に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。
まず最初に。
”Mythic Adventure(神話的冒険)”でありMystic Adventure(神秘的な冒険)ではない。


・経緯
 最近はDACに参加する際には普段あまり扱われない、ないし最新のルールを気兼ねなく扱える環境を提供することが前提となっており、今回はModule最高レベルで一度プレイした経験のあるMoonscarに手を加えてMythic Adventureや直前に出たTechnology Guideを導入してのセッションとなった。ただ、直前にドリフターズ4巻が発売され、企画段階で最後まで迷った”廃棄物ラスプーチン”をやるべきだったかと後悔したが。
レギュレーションについては色々苦労したが、神話特徴のうち〔勝利者の証〕と〔力の遺品〕が使われなかったのは残念。〔神秘の体現者〕と〔宿命の生まれ〕の使い勝手が良すぎたというのもあるが。
個人的には「最新のルールや普段扱えないアイテムを使った面白い/興味深いモノ」を期待していたが…ジンガサを被りキモノを着て長ドスかロッドを構えた術者の一団(ティアン人皆無)という光景にはそれはそれで思う処はある。
準備期間については、せめてあと1週間欲しかった。


●1日目
グロウリング・スカルド(The Growling Skald)~月表面
因みに実際のイニシアチブはこれに+20された値…正直、狂ってる。

 月へのポータルはグロウリング・スカルド火口より流れ出る溶岩の中に浮いており、マグマ・ウーズがその周辺にいるのだが打ち合わせの時間が無かったのと、このレベルでは蛇足にしかならない為にゴラリオン地上部分は省略。因みに時折出るソマル(Somal)とは古代アズラント人による月の呼び名。
月表面での遭遇は本来のシナリオには無いが折角の月環境なので追加、真空環境なので音による知覚が出来ない状況かつ常に飛行状態の裏をかいて地面に潜ったソマルサイゴット(Somalcygot)2匹による待ち伏せだったが、振動感知可能かつ飛行状態ではなかったトアマンドにより感知され迎撃される。
ポータルの作動を感知したシャンタクに騎乗したサキュバス・レンジャーによる偵察による超遠距離狙撃もやりたかったが、〈知覚〉ペナルティ(10ft離れる毎にDC+1)の問題とそもそも盤面を広げられる程の机の余裕が無かった為に断念したらあっという間に接近され撃退。
余談だが、シナリオにもある通りソマル・ポータルが発動する前は月~ゴラリオン間をシャンタクを使って往復していたとの事。



・月のジャングル
  偵察が出てきた開口部よりムーンスカーへと侵入。湖へと続く道と今さっき刈り取られた道の2択だったが、実の処どっちもどっちという具合(シナリオの遭遇2つを選択制にした。)で、刈り取られた道を選択。
 ディスペル接触持ちのジャイアント・クロウリング・ハンド”猟犬(Hounds)”を引き連れたヨトゥン・トロル”先駆者(The Trailblazer)”が鎌を手に茨の林を刈り道を作っていた。交渉しようという話も出たが相手がこちらに気付き(チェーンソー起動中は騒音が発生する)戦闘、メーリスの神話級ホーリィ・スマイト(セーヴしても必ず盲目化するという、悪の側にこれに匹敵する呪文が無いのが泣ける)により問答無用で盲目化されたハンド共はディスペル能力を発動する間もなく蹴散らされ、デモニック・コックローチ(人間の顔が頭部に付いており、例の鳴き声を発する)とヴァイパー・ヴァインは壁により阻止され、そして森渡りの能力でこっそり近付こうとしたグレンデルを非視覚知覚により感知したアルバートによって森の中で軽妙なる突撃により真っ二つにされる…腕の1本ぐらい引きちぎりたかった。


・『支配の円環』(Dominax Annuli)への入口
 ムーンスカーの支配者である”強欲なる女王”イズミアラ(Izmiara , the Insatiable Queen)”が待ち構える領域の入口は月石のモノリスにより護られていた。其処に刻まれた名を呼ぶと、強制的な呼び出しで不意討ちラウンドを与える仕掛だったが無視されたので神話級シェムハジアン”グザルナラス(Gzarnarath)”自ら乗り込んでくる。その前にトアマンドが周囲の孔を覗き込み、潜んでいたムーン・ビーストと目が合う…残念ながら正気度判定は無かったが。
そしてグザルナラスはメーリスのリタニィオヴライチャネスによりダメージ倍加されたアルバートの突撃から全力攻撃で2048ダメージを受けて微塵と化する…爆発させりゃ良かったか。


・『休息と充足の聖域』への入口
 そして踏み込んだ先に待ち構えていたのが、シェーリンの神殿と思わしき場所で一行は美女達(正体はアル=デーモンのモンク)の歓待を受ける。よくよく見ればシェーリン像には牙があり、彫刻はどれも性的な暗喩に富んでおり、当然怪しんでいたが、女主人にして神話級バード/アークメイジのエウフェリキシア(Euphrixia)の〈はったり〉によって言いくるめられ、トアマンドが孤立した…迄は良かったのだが、月の重力の恩恵を受けて視界内全域を射程に収めるアナスタシアの射撃で瀕死に追い込まれ、鏡像回避で逃げた迄は良かったが、其処で命運尽きる。因みに本来は離れればマジック・ミサイルの雨、近寄れば《転移挟撃》による急所攻撃による常時発動型ヴァンピリック・タッチで一時hpを稼ぎながら戦場を掻き回す予定だったアル=デーモン”慰めの乙女達(因みにエウフェリキシアの娘、要するにハーフサキュバス)”だったが、開始前に半数以上がアナスタシアの銃弾に倒れ、もう半数もメーリスの神話級ホーリィ・スマイトによって盲目化され無力化…そして今更こいつらが《矢止め》を持っていたことを思い出す。

敵を倒した一行は、エウフェリキシアの寝室から地下へと降りる。


・第一の円環:苦痛の円環(Ring of Agony)-罪の地底湖
達し袋では無い。
月石(黒いガラス質)で出来た長い縦穴を降りると、巨大な地底湖のそこかしこに島があり、その上でヘズロウ達が囚人に拷問を行っていた。その奥にある一際大きな島では、負傷したゴールド・ドラゴンが鎖に繋がれていた。これを助けようとメーリスが接近するが、憑依していた神話級シャドウ・デーモン”ザスタラクナ(Thastrakna)”の〈はったり〉を見抜けず襲われ、また他も水面に潜んでいたエントロピック・ルクワタの奇襲を受けるも、ザストラクナはアナスタシアの射撃で滅び、ルクワタも1匹が倒された時点で他は逃げ出す。

 助け出したゴールド・ドラゴン”マウリナキアン(Maurinaxian)”は他にモヴァニック・デーヴァ”ヴィンタリ(Vintari)”、アアシマールの”ヒモタエ(Himotae)”と共に次元界を巡り悪と戦っていたが、ムーンスカーにて捕まりデーモンロード”ノクティキュラ(Nocticula)”への生贄にされようとしていた。
彼女をどうするかということで少々相談となり、結局「連れて行くが盤面には出さない扱い」となった(一応地表でならば戦い続けられる程度の強さは持っていたが)。


第二の円環:服従の円環(Ring of Obedience)
”苦痛の円環”より先に進み、更に降りた先には半円型のアーチの左右に彫像が建ち並ぶ通路となっている。左右に7つ並ぶ彫像はいずれもサキュバスのものだが、一際美貌と傲慢さが目立っており、これこそが女王イズミアラのものであった。
入口のゲートには「先に進みたくば我が顔(かんばせ)に触れ、我が苦痛の試練を受けよ。我に7つの嘆願を捧げし時、汝は闇の祝福を受けることだろう。」とあり、通路の先には意味ありげな魔方陣と扉、更に7つめの彫像の前には干涸らびたネックス風ウィザードの死体(行方不明となっていた1人のもの)といかにもな状況だったが、死体を調べ、散々議論した結果トアマンドが触りに行き、結果ノクティキュラの加護を受けて額にルーンが刻まれた。GMとしてはこういう見え透いた罠にきちんと乗ってくれるのは非常に有り難かったが。

 これによる恩恵は能力値1つに+4不浄ボーナスと割と大きく、またお仕置き部屋として用意していた遭遇1つを回避することが出来た。因みに用意していたのは複数体の神話級ショゴスだったが…残念。

これは隣卓のオルクスだったが、ここ数年DACでの様々な卓持ち込みがエスカレートしすぎてチキンレースの様相を呈している気もする。年に一度のお祭りなのでそれはそれでと思う部分もあるが、私のように凝った盤面を作る事が出来ないGMからすると、いずれ人が集まらずに卓が建てられなくなるのではと危惧する部分もある。
それはそれとして、もうちょっと他の卓、特に隔離部屋の方は見ておきたかったがその余裕もなく。


 という感じで1日目は終了。流石にこのレベルの遭遇は処理するだけでも一苦労で、終わった後は疲労困憊していた…にも関わらず、色々あり1日目終了後の呑み会の幹事を引き受けることに。予定していた店が週末なので予約満杯ということで使えず、またそれぞれ自分の卓での食事会があるということで当初予定していた面々ではなくなったものの、気が付くと人数が膨れ上がり、10名程で駅前のカレー屋にてPathfinder界隈の呑み会が開催される…近くに他の店が無かったこともあってか、後程名古屋の面子もやって来てえらいことになってしまったが。
会話の内容は大体覚えていないが、まあ楽しかったのは間違い無い。




●2日目
 昨日の様子を受けてデータを弄ろうと考えたが、呑み会後は酒と疲労で早々に寝潰れ、そのくせ夜中に目を覚まし苦痛と誰かの鼾でそのまま眠れず朝に。


・第三の円環:誘惑の円環(Ring of Seducation)
 そして、魔方陣をくぐった先にあった鏡が飾られた部屋で待ち構えていたのが山と積まれた骨の上に立つヴァンパイア化したサキュバスのソーサラー”豊満たる未亡人”ベトセズィア(Betcezia,The Corpulent Mistress、デーモンロード・ズーラの下僕だったが、イズミアラに破れ現在の地位へ)率いるヴァンパイア軍団。
ノクティキュラの加護を受けたトアマンドを歓迎し、他の者は食餌にしようと提案するも当然断られて戦闘に。ファイターの方にはコンダクティヴ・シミターを持たせて生命力吸収攻撃をしながら《一撃離脱》、ソーサラーは各種呪文を入れながら、本命のベトセズィアが周囲の鏡を起点にして呪文を撃ち込むというギミックだったが…「ヴァンパイアは鏡に映らない」ネタを使うのを忘れてた。結局テレポート追いかけっこの末射殺される。

この戦闘がかなり長引いた為、昼食に遅れて展望レストランのランチを食いっぱぐれる。それと、色々あった別室の様子を見に行こうという話になり皆で向かったのだが、残念ながら目当てのアレは拝めず。また、環境としては本会場よりも明らかに良く、更に見応えのある卓も多かった為、あちらで卓を立てても良かったかもとは思った…どちらも良い部分/悪い部分があるといえばあるのだが。


・苦痛図書館と天の破壊
通路を抜けた先にあったのが背表紙だけ残された本の並ぶ図書館で、様々興味深そうな名前(アブサロム図書館より盗まれた魔道書、真実の愛について書かれた本、『囁ける大帝』の哲学の原本等)が並ぶも本文は読めず、奥から誰かと会話するような声が聞こえた為トアマンドが警戒しながら扉を開けると、其処には檻に囚われたアs…もとい、モヴァニック・デーヴァ”ヴィンタリ”の姿があり、一行の後ろに控えていたマウリナキアンが慌てて駆け寄ろうとするのを止めてトアマンドとアルバートが部屋の中に入ると、奥と背後より身体の半分をそれぞれ接合したマリリス”分かたれた姉妹(The Cloven Sisters)”がロボット:トーチャラーを引き連れて出現。
片方をテヌフェルがメイズで除去するも、檻の側にいるマリリスはトアマンドの強烈な攻撃にも耐えてテレキネシスで扉を閉めてヴィンタリに囁きかけると、壊れた笑い(戸松遙風味の)を上げながらアンティマジック・フィールドを放ち、直後トアマンドがマリリスの尾に捕まり締め上げで気絶。もう少しあれば解体ショーだったのだが、デッドマジック対策を怠らなかったアルバートのチェーンソーでマリリスは再切断される。

アンティマジック・フィールドの中でも解呪されなかった支配魔法については色々推察がされていたが、星のカードで「アーティファクトか神格によるもの」という啓示を受けて仕方無く放置して先へ。

…しかし、フィギュアを見て「このキャラなら仕方無い」と言われる黒幕容疑力の高さよ。


・歓喜への呼び出し(The Call to Pleasure)
 力場で出来た昇降する床を降りる装置をアルバートが楽しげに操作して最後の円環へと降り立つ。途中遭遇のネタは準備していたが残念ながら時間が足りずにお茶を濁して終わる。ロボット:アニヒレーターによるレーザー・バルカンでウォール・オヴ・フォース越しの射撃(これはダイアナがフォッグ・クラウドで無効化したが)やディスジャンクションの罠もあったが。


第四の円環:絶頂の円環(The Ring of Ecstasy)
『休息と充足で骨抜きにされ、苦痛により服従を誓わされ、誘惑されやがて歓喜への呼び出しを受けて絶頂に到る。』

実はこのシナリオも紳士要素アリでしたよという。とはいえ彼方程突き抜けたネタをやる気は毛頭無いが。
視界を遮るプリズマティック・ウォールの解呪と同時に最下層で待ち構える”強欲なる女王”イズミアラとの戦闘が開始されたが、ダイアナの神話級ソリッド・フォッグで敵の戦力の大半が行動不可に陥り、乗騎のシャンタク”バヅ=ズグラーグ(Bth-Zgragg)”はメイズで飛ばされ、迫り来るアナスタシアに向けた”善を討つ一撃”は属性の超越で無効化し、1ラウンド(但し3時間近く)で沈む…最後のアレ(デーモンロード御大)は蛇足だった。

 思い返すと山程忘れている事が有り、この辺り矢張りこのレベル帯での経験不足が大きかったのだが、加えて本会場の環境の悪さ(空調が効かず、終わり間際は暑くて酸欠気味だった)もあり、せめて拮抗する段階の戦闘には持って行きたかったのが悔やまれる。プレイヤーが喜んでくれたのはまあ幸いだったが。GMとしては次回はもうちょっと大人しめのシナリオで行きたいが…思いつくネタは神話級ばかり。いっそPCに神話階梯を取らせない神話級シナリオでもやるか。


本当に様々あったが、ともあれ今年のDACも終わり。懇親会にも顔を出したが、今回はあまり話したい人と話せなかった気がする。宣言はしたので次回愛知も開催予定だが(元代表のユージ氏に「次からはそっちが本家になる」と勘弁願いたい台詞も聞いたが)東京も存続出来るようで有り難い限り…ただ、色々と思う部分はあるにはあるが(特に今回には)。

0 件のコメント:

コメントを投稿