2016年5月2日月曜日

中部d20界隈2016年05月会の話:Pathfinder Society Scenario#7-17『砕かれし神の奴隷』-Thralls of the Shattered God

毎年の恒例行事としていきたいGW中の中部Pathfinder会だが、今回は評判が良くレベルもそこそこ高めなThralls of the Shattered Godで遊ぶこととなった。

 今回の面子は以下の通り、もう少し人が集まれば去年のように2卓同時開催も出来たのだがこればっかりは。
プレイヤー名前種族クラス
へんくまソルセクアアシマール(Angelkin)Medium(Relic Channeler)
十字軍騎士の遺品を手に驚異的なダメージを叩き出す降霊術師。
ちーヒカリ人間ブローラー(模範)
ミンカイ出身で投擲武器ウーシュウダーツ特化型のブローラー。
Gataイドロハーフエルフサモナー (自然の招請者)
大型の浮遊する四つ手の怪物コルチャックを引き連れた召喚術師。今回最大の被害者。
2xxPマニウス=フェリックス人間インヴェスティゲイター(経験主義者)
悪の来訪者殺しのルツェルン・ハンマーを担いだ戦う学者。ある意味今回最大の功労者。
waiz真経津のリサリィアアシマールオラクル(浄化する者)
真経津(まふつ)。悪の来訪者殺しに特化したオラクル。
makkouキール人間アーケイニスト(系統学者)
洞察の系統に特化した占術師。
尚、以下はPathfinder Society Scenario#7-17:Thralls of the Shattered Godに関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


0.開始前の色々と冒険の背景
 毎度恒例の中部Pathfinder卓だが、今年も遠方からの友人を加えての開催となった。卓容量を超えるプレイヤーが集まった為、もう1卓をとも思ったが残念ながらこれは成立せず…もう少しこの辺りの「興味はあるが機会が無い」プレイヤーを引き込める方法は無いものか。

 シナリオ自体は高レベルとはいえ例に依って協会シナリオなので時間はそこそこ、遭遇もそれほど戦闘に偏ってはおらず、むしろ罠の類が異様に多く、どれも難易度が高い為そういうキャラクターが不在の場合はかなり苦労する(力業での切り抜けはかなり困難となっている為)のではないかと思う。

『流血と武勇に彩られ、2年に渡り行われた五次メンデヴ十字軍は、ワールドウーンズのデーモン達に驚愕すべき一撃を見舞い、失われた領域を取り戻した。
そして、パスファインダー協会は1人の十字軍騎士に協力することを決定した。彼はメンデヴの支配中に失われたサーコリアンの遺跡を調査し発掘する権利を有しており、協会はその内のある廃墟を最優先目標として定めた。事実として、この遺跡は奈落の実験の犠牲者であり生還したとあるパスファインダー・エージェントに積極的に呼びかけを行っている。

 この地のヴェンチャー・キャプテンであるラウタブリーのヨーサルは君達にこのエージェントに同行して荒野を旅し目的地へと向かうよう依頼する。そこで、おそらく彼女は自身の悪魔的な半身を制御する為の、或いは完全に切除する方法を学べるかもしれないと。』

 このシナリオはSociety #05-09:The Traitor's Lodgeの続編となっており、今回はそちらをプレイ済みのプレイヤーが居た為、その辺りも踏まえて色々展開出来たのは協会シナリオならではと言える。


1.バフォメット信者の残党狩り
メンデヴのネロシャンへと到着した一行は、”白銀騎士団”派閥(Silver Crusade faction)のリーダーであるオリスタ=ザドリアン(Ollysta Zadrian)からバフォメット信者の残党狩りを依頼される。廃墟となった砦で待ち構えていたバフォメットのアンティパラディン”象牙の迷宮の魔殿騎士(Templars of the Ivory Labyrinth)”達をヒカリのウーシュウダーツの流星が打ち据え、吶喊したソルセクとマニウスが撃破し、バフォメットの血の秘薬で人喰らいの魔獣化したダイア・ベアをイドロの浮遊する四つ手の幻獣が城門を飛び越えてかきむしりで引き裂き、敵の首魁であるクレリックはリサリィのホーリィ・スマイトで盲目化され、ミノタウロスのグレイヴナイト”迷宮の守護者”はキールのピルファリング・ハンドによる戦技で武器を奪われ、幻獣の全力攻撃によってばらばらに引き裂かれ、戦闘は終了した。
急ピッチでの再建が進むネロシャンの”昇星の尖塔(Starrise Spire)”へと戻った一行を出迎えたオリスタと当地のヴェンチャー・キャプテンであるラウターバーのヨーサル(Jorsal of Lauterbury)は、一行が任務を任せるのに十分な実力を持っていることを認め、早速本題を切り出す。

 それは、かつてのメンデヴのヴェンチャー・キャプテンであり、悪魔解剖学に傾倒しすぎた結果協会を裏切りデーモン信奉者となった”一つ目のサール(Thurl the One-eyed)”に関する問題だった。ソルセクも関わったサールの隠れ家への襲撃では残念ながらサールを捕まえることは出来なかったが、その代わりに犠牲者となったパスファインダー・エージェントを救出することに成功した。

 その女性ヴァライス(Valais)は発見された当初は精神敵に不安定だったが、様々な尽力の結果何とか自身を制御し、面会出来る程度にまで回復することが出来た。しかし、そのヴァライスが最近おかしな声を聞くようになり、彼女を回復させる手掛かりが得られるかも知れないということで、以前の任務にも関わったソルセクと、その現在の仲間達を招集したのである。

ヨーサルはヴァライスの外見が非常にユニークであると断りを入れた上で、ドアの向こうで一行の質問に受け答えしていた彼女を招き入れたが…その様子にソルセクを除く一行は絶句する。

 ヴァライスの外見はサールのデーモン解剖学によりとカラヴァカスの頭部とババウの身体を移植されており、あらゆる魔術による治療はいずれも効果を上げず、蘇生魔法はヴァライスの魂が戻らない可能性を考慮して試されていない。ヴァライスは時折彼女のものではないそのどちらかの精神に引き摺られるようにある事柄は囁くように、またある話題は尊大で神のような口調で一行の質問に応えていた…因みにここは実際に書かれている文字もボールド、イタリックが使用されており、なかなか苦労させられた。

 ヴァライスは最近サーコーリス人の崇める神ラクサリス(Laktharis)の寺院の大きなホールと其処に聳える燃える大樹を夢に見るようになり、ワールドウーンドのいずれかの埋没した場所にあるそこへと行けば、自身の身体に関する解決の糸口が掴めるのではないかと主張した。ヨーサルは当然ながらヴァライスの単独行動を禁止し、一行の随行を条件として探索を許可した。

 ヨーサルは十字軍は既に現地にシャエル(Shyael)という名前のエルフを斥候として送っているが、音信不通となっており可能であれば彼女の報告も回収して欲しいと付け加えた、

 ここで丁度良い時間だったので昼食となる。近くにあった大須チェザリの姉妹店へと向かおうと思ったが、流石に連休中の昼ということで結構な行列となっており、結局いつもの中華屋で小籠包ランチとなった(これはこれで美味いが)。


2.ドレダリンの廃墟
フードを目深に被り、まるで身に覚えた踊りでも舞うかのように迷い無く進むヴァライスに不安を覚えながらも付き従う一行は、やがてサーコーリス人の信者達が発掘作業を行う遺跡後へと到着する。その直後、甲高い女の声が一行に警告を発し、足下に矢を射掛けてきた。かつての大聖堂の遺跡の屋根に立つその女エルフこそヨーサルの言っていた女パラディン”シャエル”であり、ワールドウーンドでの活動が長い彼女はまず一行に断りを入れた上でディテクト・イーヴルを使用し、ヴァライスにフードを取るように指示する。
しかし、その前にリサリィの説得が効を成し、一行がヨーサルの命令によって来たことや更に提出義務がある報告を怠っていることを指摘したことによりシャエルは萎縮し、一行を信じるに到った。シャエルは小神信仰主義であるサーコリス人達が信仰の回復に情熱を傾ける様にいたく感銘を受けており、自ら彼らの護衛を買って出たと一行に説明し、サーコーリス人の神呼び(Sarkorian god callers、単なるサモナー)達に一行を紹介する。

 発掘が終わり、一行が神殿へと入ることを希望すると、彼らのカルトの指導者が「まずラクサリス様への忠誠を示せ」と要求し、それに従い土下座した一行の頭をカルト指導者が踏みつけるという儀式が行われた…因みに後に様々判明するのだが、これは儀式でも何でもなく単なる男の憂さ晴らしである。


3.ラクサリスの神殿
地下神殿へと足を踏み入れた一行は、牙が連なるように生えた巨大な捕食獣の口を思わせるようなトンネルの先に巨大な扉を発見する。扉には6つのダイヤルとその周囲に金釘のような書体でルーンが描かれていた。ハンドアウトとして描かれたイラスト迄見せられた一行は警戒せずに扉へと近付くが、それはハーフフィーンド・ミミックの擬態であり、近付いた一行に向けてブラスフェミィを放つ。流石にこの展開は予想外だったらしく一行は直撃を受けて、更にイドロのエイドロンがセーヴに失敗して強制送還されてしまう。しかし、早々に混乱から立ち直ったソルセクが全力攻撃を叩き込みミミックは倒された。

 扉をくぐった先には頭と腕から角が突き出した大柄な人間の前に襤褸を着た男がひれ伏している様が描かれていたが、その中央には奇妙な肉塊が貼り付き、解読を妨げていた。マニウスがこれを〈装置無力化〉で除去するとそこには大木に人の生贄を捧げ、豊かな収穫を得る様が描かれており、ハリト語で「従者は主人の足下に跪くべきである」と書かれていた。カルト指導者はこれを誇らしげに解説していたが、「生贄を要求する正しき神」という言葉に一行は違和感を抱いていた。
 進んだ先の通路は左右に分かれ、その中央には象のような足と鋭利な角を持つ黒い大理石の像が立っており、台座にはハリト語でラクサリスの教えと思わしき文章「公正な者達は己の名誉を守る為に己の剣により倒れるだろう。只謙虚な者達だけが己の主人に仕えることで長く生き残るだろう」が書かれていた。そっくりなカラヴァカスの顔で像を見上げたヴァライスが尊大な口調でその顔を「雄々しき我が尊貌である」と述べた後で一行に「左へと進め、虫ケラ共め」と命令する。混乱したヴァライスは慌ててその言葉を打ち消し、悪魔がこれほどしつこく干渉してきたことは過去に例がないと言い、目的地は間違い無くその先にあると断言した。

 再度ヴァライスから尊大なカラヴァカスの声での脅迫があったが、左側の通路にあったシンボル・オヴ・パースウェイジョンによる服従の罠、右側の《呪文レベル上昇》ブレード・バリアーの罠のいずれもマニウスが看破して解除し(インヴェスティゲーターはローグでもあるのでシンボルの罠を発見出来ると判断)、一行はまずは右側へと進んだ。
中央の聖堂へと続く扉には2つの穴があり、前の部屋でそれと思わしき宝石を見かけていた為一旦戻ると、まずは黒い大理石が敷き詰められた部屋へと入り、浮かび上がった影が己の鏡像であることを看破したマニウスは襲い掛かろうとするヴァライスを宥め、影を無視して部屋の壁にあった赤い宝石を手に部屋を出た。
次に、反対側の通路の先にあったパステル調の部屋に出るが、この部屋には”捻れた幸福郷”と精神破壊の罠が仕掛けられていたが、いずれもマニウスによって解除され、影響下にあったヴァライスは余韻に浸る間もなく引きずり出される。この部屋にも、赤い宝石があり、これらを手に一行は大聖堂へと繋がる扉の前へと戻った。


4.砕かれし神の間
大木に捧げられる人の生贄の姿が描かれた鉄と骨から出来た巨大な扉に2つの宝石を填め込むと、彫刻の一部がせり出し、その下からハンドルが見つかる。しかし、ここでマニウスが警戒して一度手を引っ込めて調べるとそのままハンドルを握った場合手首から先を切り落とす罠があることを発見し、これを解除する…惜しい。因みに切り落とされた場合、リジェネレイト呪文を使用しなければならないという容赦無い一文が書かれている。
扉の先は巨大な半球型の部屋になっていて、その中央には黒焦げで棘だらけの表皮を持つ巨大な木が聳えていた。その周囲には銀色のルーン文字が描かれており、側には男が倒れていた。男はアザータ:レイリスで片腕を失っており瀕死の状態にあった。

 警戒しながら部屋へと入る一行の頭の中に直接ラクサリスの声が語りかけてきたが、ヴァライスがそれこそ悪魔の声であることを看破し、姿を現した異形のデーモンラクサリスと戦闘になる。ラクサリスはサール捕まり実験を受けたの後、自身にその実験を何度も施してアイス・トロルの肌、グラブレズゥの腕、アザータの腕(とその能力の一部)を繋ぎ合わせた格好をしていた。
ラクサリスは自身の身体の欠片を持つヴァライスを支配し、一行へと襲い掛からせようとするが、ソルセクが説得することで立ち直らせ、支配を打ち破らせることに成功した。しかし、背後に控えていたカルト指導者が今こそと言わんばかりに一行にファイアー・ボールを叩き込もうとするもキールの持っていたリングオブカウンタースペルズで相殺される。

彼らの中ではカルト指導者だけが明確な悪だったのだが、エンジェルスキン製の革鎧を着て属性を偽装していた為、シャエルのディテクト・イーヴルに反応しなかったのである。

ミミックのブラスフェミィにより同様に幻獣を失い右往左往するのみの神呼び達に意地を見せるかのようにイドロがフィーンディッシュ・ダイア・タイガーを召喚して襲い掛からせ、更に自身の失態を返上すべく「心得違いをしておりました!」とどっかの突撃脳よろしくシャエルが吶喊し、カルト指導者を沈黙させた。
 しかし、聖堂の中では神話級カラヴァカスであるラクサリス、狂気の精霊サイコメンタル、シャドウデーモン、そして非実体のスウォームのドローチャ・スウォームが一行へと迫っていた。シャドウ・デーモンの憑依によりヒカリの魂が抜かれかけるも、これを何とか防ぐ。
記憶消去呪文マインドワイプを乱射するサイコメンタルを最優先で撃破し、ドローチャ・スウォームはリサリィの放出で焼き払われ、シャドウ・デーモンもヒカリとマニウスに蹴散らされる。ソルセクへとラクサリスの強烈な一撃が叩き付けられたがこれに耐えたソルセクが反撃、更にマニウスの悪を討つ一撃を伴った突撃によって大打撃を受ける。最後にはソルセクの連撃が決まり、サールの研究メモを辺りに撒き散らしながら爆発四散した。

 ラクサリスを倒したことで顔面の半分がずるりと剥がれ落ち、僅かでも元の人間の姿に戻る事が出来たヴァライスであったが、奇妙な凶暴性を見せるようになっており、この方法も危険ではないかという不安が一行の間によぎる。

 目覚めたアザータ:レイリスのキタールロ(Kitarlo)は、一行に礼を述べると汚染された神木を浄化する儀式を手伝ってほしいと持ちかけ、報酬として時間は掛かるがアルコン達の助力を取り持ちヴァライスの身体を元に戻す方法を探してくれると約束した。

 結局、ソルセクの提案により時間は掛かるが安全なアルコン達に助力を求めることとなり、一行はワールドウーンドより無事帰還を果たした。

 セッション後はるとがー氏と合流して以前評判の良かったきんぼしへと向かう。しかし、フォアグラ大根は冬季限定だったようで今回はフォアグラマンゴー串を頂くことに…これはこれで。

 翌日にはへんくま氏とるとがー氏を引き連れていつもの稲武蓬莱泉吟醸工房にて生原酒を購入後、尾張旭のぼあこにてランチを済ませ解散となった。

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