2016年5月30日月曜日

DAC大阪2016の話:”怒りの姉妹達”/2日目

DAC大阪の2日目。
大浴場で朝風呂を堪能した後、歯車の意地ことダグザさんの死に様を見てから出発。幸いの蒼天で、2日目ということで荷物も軽く出発して会場に到着。2日間卓ということで既に準備も済んでいるので最小限の準備だけを済ませて開始待ちとなる。
以降ネタバレを含む。
9.アーウィル・ステッドからの脱出

前回の最後にアーウィル・ステッドは城門を閉ざし籠城体勢に入ったが、斥候隊長のテリーンは敵に捕らわれたままの斥候達を見殺しにする気は無く、またイールカの手記から敵の野営地の大凡の場所が判明していた。テリーンは市長の許諾を得て、アーウィル家の宝物庫の鍵を開放して一行にそれらを与え、各々が十分な装備を得たところで更に地下室の鍵を渡し、かつて自分がアーティと逢う為に使っていた通路が街壁の外に通じていることを明かし、貴重な戦力としてもう一働きして欲しいと持ちかけた。
 それに応じた一行と共に、”至福の穴熊”亭で最後の晩餐ともなりかねない宴会を開いていると、ルッツが酔ったごろつき風の男に絡まれる。ハーフオークこそが災いだと言い放つ男ゼブはしかし早々に店にいたナイア=ヴォルスーン議員によって取り押さえられ、外へと連れて行かれた。不審に思ったシンケンが後を追跡したが、外では正気に戻りしかし先程迄の記憶を丸ごと失ったゼブが呆然とナイアと話しているだけだった。
 そして、夜遅くアーウィル・ステッドに向かう当初の目的であった”赤い書庫”を訪れたパンは、そこで司書のリリィが何処かへ出掛けようとするのを発見する。問い正したパンに本を押しつけて足早に去ったリリィは、アーウィル邸へと向かっていた。不審に思ったパンが一行にそのことを相談し、本を開くと”忌まわしき者達の書”の1冊で、カース・デヴィルなる悪魔について書かれた項目に栞が挟んであった。

 見た物を呪い、記憶を失わせるデヴィルの存在を知り、急ぎ追いかけた一行はアーウィル邸の地下室で出口を捜すリリィの姿を目撃し、その側に浮かぶデヴィルの姿を認め戦闘となる。呪いに耐え、ネイルの悪を討つ一撃が突き立ち、カース・デヴィルは消滅したが、すぐさま隠し扉の先に合流予定だったと思わしきオーク達の先行隊の声を聞き、”地獄の激怒”族の尖兵達との戦闘となる。
敵側のサモナー、”来訪者の娘”ヤヴォーガとのクリエイト・ピットの打ち合いとなり、ヤヴォーガは落下した上に何故かグリースまで見舞われたものの戦場が膠着状態となり、敵のヒューマンベイン・アローでシンケンが危うく斃れるところだった為に回り込もうとするが、洞窟の住人であるグレイ・ウーズを刺激してしまい危うく溶かされかけたりしたが、グリッター・ダストが決まったこともあり敵を制圧し、生き残った兵士も自刃して死亡した。

イールカの手記にも「一族から蔑まれ人間に憧れるちびの軟弱者」と書かれていたヤヴォーガは大人しく降参し、差別され続け”地獄の激怒”族に未練が無い上に人間の生活に憧れていた彼女は一行に聞かれるままに情報を明かし、斥候達が囚われている野営地迄同行することとなった。


10.”地獄の激怒”族の野営地
 無事助け出されたリリィからネックレス・オヴ・ファイアーボールを貰い、ヤヴォーガの先導で一行は”地獄の激怒”族の野営地へと向かうが、其処で待っていたのはエティンやダイア・ウルフも含む合計20体以上の敵本隊だった。残念ながら潜入しての捕虜開放は難しい状況だった為に正面突破となり、まずネックレス・オヴ・ファイアーボールを投げつけながら敵を引き付け、殲滅する流れとなった。ネイルの弓が冴え渡り敵を次々沈めて行くが、背後に監視役でもあるビアデッド・デヴィル”ネトックライ”がテレポートしてネイルを間合いに納める形で出現する。

 しかし、運良くネイルの弓がクリティカル・ヒットを叩き出しネトックライは消滅、巨大化して迫る指揮官でルッツの兄弟のハーフオーク”コールム&グラッシェ”はルッツに協力して母親を倒そうと持ちかけるが、アーウィル・ステッドを侵略する気満々の兄弟に賛同することなく、戦闘となり、どちらもルッツにより倒された。

 そして、兄弟の作戦室から”地獄の激怒”族の族長”天使墜とし”のケルセッフが儀式を行う場所である”エイセスの止まり木”の位置を知り、儀式の完遂まで僅かな時間しか残されていないことを知る。


11.”エイセスの止まり木”
”エイセスの止まり木”の麓へと到着した一行に、山頂にある五芒星陣の中央に立つ”地獄の激怒”族の族長ケルセッフよりルッツの身柄を引き渡すように言い渡される。しかし、一行はこれに応じず、篝火の焚かれた階段を通り山頂へ向かおうとする。

 しかし、ネイルが通り抜けようとしたところで隠れていた地獄の娘達最後の1人である最も年若い”仮面の”バックス(Bax, the Mask)がヘルハウンドを伴い背後から迫りナイフを突き立てる。更に、周囲の篝火からは地獄鴉ヘル・レイヴンが召喚され、一行へと襲い掛かる。

 だが、所詮は暗殺者であり、姿が見えた時点で勝負は決したも同然でありルッツにより仮面を砕かれ、かつて母ケルセッフにより付けられた火傷の跡を晒すとその場で息絶えた。
 しかし、ケルセッフは動じることなく儀式を続け、彼女を護るかのようにグレイヴン・ガーディアンが起動して一行に攻撃を仕掛ける。片方をパンのクリエイト・ピットに落とすもヘイストで得た機動力で即座に復帰し、実は同じぐらいの脅威であるファルシオンで殴りかかられる。

 だが、山頂付近まで一行が迫るとさしものケルセッフにも焦りが生じ、上空高くで佇む悪魔に助力を嘆願するが、上空からはただ「力を示した者こそ我が力を分け与えるに相応しい」と返すのみだった。全てが無に帰しかけていることに絶叫したケルセッフは一行に対抗すべくホスト・デヴィルと周囲の火鉢より地獄鴉の群れヘルレイヴン・スウォームを呼び出し一行へ襲い掛からせる。

 ルッツはケルセッフに平和的な解決を求めるが、失望したケルセッフは目の前で仲間が死ぬ様を眺めていろと言い渡す。だが直後グリッター・ダストで盲目化させられ、その上グリースで弓を落としたケルセッフは最早これまでと悟ると、己の心臓に剣を突き立て、絶叫して自身を生贄として捧げた。
 そして、計画を破壊されたにも関わらず涼しい顔の神話級アジール・エリニュス”シャイレ”は一行に己との契約を持ちかけるが、勿論それに従う筈もなく戦闘となる。生贄となったケルセッフの魂は、望み通りデヴィルとして…但し、エリニュスではなく地獄の戦争機械ウォーモンガー・デヴィルとして再誕し、ルッツへの憎悪を露わにしていた。そしてシャイレのブラスフェミィの声が響き渡ると火鉢は地獄の業火で溶け、火柱となった地面より地獄焔鴉ヘルファイア・レイヴンが沸き上がり、一行へと襲い掛かる。ヘルファイア・レイヴンは一行へと迫ると自爆しダメージを与え、更に火柱そのものがシャイレに無敵にも等しい力を与えていることは見抜いたが、肝心の火柱を消す水が無い。しかし、ヤヴォーガがこっそりハンディ・ハヴァサックに忍ばせておいてくれたデキャンタ・オヴ・エンドレスウォーター(野営地の水源となっていた)を発見し、更に今迄使っていなかったライニング・アローのことを思い出す。ブラスフェミィに耐えたパンもエイドロンを送還してウォーター・エレメンタルを呼び出し消火に専念し、ウォーモンガー・デヴィルはシンケンにより両断され消滅。

 更に突撃してきたシンケンだったが、シャイレは”天使墜とし”の本来の持ち主の力で転倒させて止めを刺す。しかし、ここで強引に割り込んだセイレーンがフライバイ・ハロウカードの連続使用でシンケンの命を首の皮一枚で繋ぎ止めた。
 全ての炎が消えてシャイレが地上へと墜ちたところで”天使殺し”を手にしたネイルがシャイレを転倒させ、しかし手番を与えては二重行動によって速やかに復活してしまうといったところでルッツの一撃をセイレーンがギャラントリー・インスピレーションで当てさせてシャイレは消滅、ここにアーウィル・ステッドを襲う厄災は去り、一行も無事に生還を果たした。


…そして、物語を終えたそれぞれの結末は以下のような形となった。

 セイレーンは暫くは”至福の穴熊”亭で歌い踊り歓待を楽しむだろうが、フェイの性質上そう長く留まることもなく、やがてまたふらりと姿を消し、旅の日々へと戻る事だろう。

 アコニトは無事に任務を遂行したが、再びラストウォールの間者としての仕事が彼女を待っている。ベルクゼン、ウースタラヴ、ラストウォールの情勢は未だ不安定そのものであり、仕事は山のようにある。

 シンケンは先の戦闘で己の実力不足を痛感し、暫くグレフ老人の元で修行をし、改めて放浪の旅へと出ることとなる。いずれ「悪魔殺しの異邦の剣士」の活躍の噂はアーウィル・ステッドにも届くこととなるだろう。

 パンは”赤い書庫”で目的となる書物”確かな狂気の中で(On Verified Madness)”を発見し、それに読み耽っていた。これは星辰の彼方にある”闇の綴れ織の領域”に関する本である。そして、パンの周囲では奇妙に気が合う喧嘩友達として、リリィとヤヴォーガが騒がしく言い合いをしている光景をよく見るようになった。

 ネイルは暫くはアーウィル・ステッドの復興に尽力したが、蘇生した姉ワーティがテリーンとの結婚式で見せた幸せそうな姿を認めると、再び仮面を被り、何処かへと姿を消した。アーウィル・ステッドが危機に陥った時、仮面の射手は姿を現すという伝説を残して。

 ルッツは蘇生した領主アーティから礼を述べられ、アーウィル家の養子として迎え入れられることとなった。アーティは新たに妹が出来たことを大変喜んでおり、また町も英雄の存在によってより一層発展することだろう。

…実を言えば、ちゃんとしたエンディング(というには些か短いが)をこういう場でやったのは初めてかも知れない。最終戦闘について言えば、狂った脅威度であるのは自覚しているが、目的はPCの虐殺ではなく、全力を尽くしての勝利であることが前提となっており、その点でも非常に満足が行くものだったと思う。
ともあれ、参加してくれたプレイヤーには改めて霊を。

 そして終了後は、近くの居酒屋で軽く飲んでから明日の為に新幹線にて帰還する…せめて、サミットが無ければ翌日も休めたのだが。

 ともあれ、参加してくれたプレイヤー達、イベント運営に尽力してくれたスタッフの皆には改めて感謝を。

0 件のコメント:

コメントを投稿