今回の面子は以下の通り。竜舞亭の仕様上、どうしても早廻しが必要となるので5人という人数はその辺り丁度良いという気もするが。
プレイヤー | 名前 | 種族 | クラス |
---|---|---|---|
えいちろむ | ビスタ | ゴライアス(ARGオリジナル) | ブラッド・レイジャー(奈落血統)/ブロウラー(蛇牙撃ち) |
権力に取り憑かれ、ホースチョッパーを振り回す巨人と見紛う体躯の持ち主。愛用武器には意味がある…らしい。 | |||
ライン | エダード | 人間 | メイガス(スキルニール) |
多分ショーン・ビーン似の盾使いの魔法剣士…実在二次創作はやめておけ。 | |||
Clare | ユイ | ヒトモドキ(ARGオリジナル) | ガンスリンガー(マスケットの達人) |
破損したマスケット銃の代わりに弓で戦う人間っぽい何か。現在弾丸量産中。 | |||
ちー | イリウス=カーター | 人間 | オラクル(魂の導き役) |
浮遊霊を従えたオラクル、異言の呪いで戦闘中はアクロ語しか話せない。実質的な叛乱軍の指揮官。 | |||
2xxP | カレン | 人間 | ウィザード(霊に囁くもの:天界) |
ドードーを使い魔に連れた魔法使い。 |
0.奔流のヘルナイト
ヘルナイトとは、シェリアックスに於ける法の執行官であり、女王に忠誠を誓うことによって権利と義務と責任を得ている騎士達の総称である。その名に反して基本的には悪属性ではなく、パラディンである者も多いがシェリアックスの”デヴィル的”な気質や秩序の敵との戦闘を重ねるに従い、多くの者は冷酷な心に抗えなくなる(そして元パラディンとなる)。伝説では、最初のヘルナイトとなった者はかつてはサーレンレイに仕える聖騎士であったものの、デヴィルと手を結ぶ女王アボロゲイルI世を討とうとして、逆にその地獄の如き美貌に囚われ彼女自身に剣を捧げたと言われている(但し、最初のヘルナイトの誕生はエイローデンの死の前であることからこれはアボロゲイル家によるプロパガンダである可能性が高い)。
ヘルナイト達はいずれもヘルナイト・アーマーと呼ばれる各騎士団に応じて独特の形態を持つ漆黒の鎧を身に纏っているが、真にヘルナイトと呼べるのは女王より叙勲を受けた者のみで、そうでない者達は正しくは従者(Armiger)と呼ばれる。
”奔流騎士団のヘルナイト(Hellknight of the Order of the Torrent)”の発足は4640年、即ちシェリアックス内戦の終結より数年後である。アボロゲイルI世女王の即位後、キンターゴの叛乱軍”白銀の大鴉”はリーダーであるジャックドゥを喪い、混乱の極みにあった。”白銀の大鴉”の一員であった都市レンジャーのブラキシ(Brakisi)は当時の市長でありスルーン家のおべっか使いネムネン=サリーニ(Nemnen Sarini)の息子アルヴェック(Alvek)を誘拐し、自らの要求に従うよう脅迫した。
しかし、誘拐は市民らからネムネン市長への同情を呼び起こし、”白銀の大鴉”を更なる窮地へと追い立てた。だが、プライドの高いブラキシは自らの過ちを認めることはなく、状況は悪化する一方であった。
その時、鞭の騎士団のヘルナイト(Hellknight of the Order of the Scourge)であるリーヤ=ナウルヴァネティ(Reya Naulvaneti)が事件に介入し、4644年の春、塩門にて行われた公式な決闘に勝利したことで事件(と”白銀の大鴉”の活動)に終止符を打ち、彼女は自身の行いを正しきものとして認められ奔流騎士団が設立された。彼らは魚を模ったヘルナイト・アーマーを身に纏い、今日では誘拐された者を助ける為の活動に広くアヴィスタン大陸各地に散らばっている。
その後、4675年にノルゴーバーの信者達より成る犯罪組織グレイ・スパイダーによりリーヤが暗殺されると、彼女の最も優秀な信奉者であったパースロス=イェイル(Parthos Yehl)が後を引き継ぎ、彼らの本拠地である賭博場”幸運の骰子(Lucky Bones)”を襲撃し、グレイ・スパイダーを壊滅させた。しかし、イェイル達幹部が泥棒達の盗品で私腹を肥やしていたことが判明すると、彼らは収賄の罪で騎士団を放逐され、同時に奔流騎士団は
その評判を失うこととなった。
今日では、奔流騎士団は僅かに23名(しかもその多くは従者である)を団員として擁する程度に留まり、リクトール(Lictor、騎士団長)・オクタヴィオ=ザビヌス(Octavio Sabinus)により率いられている。オクタヴィオは厳格ではあるが高潔かつ誠実な男であり、我が儘な子供のように市井を弄くり廻すバルツィレイ=スルーンに対して不支持を表明し、前市長ジリア=バイニルスの行方を捜索していた。
1.第9の公布
こちらの卓では、節の間は1週間、章の間は1ヶ月の時間経過を設定しており、今回は章の間ということで1ヶ月分の訓練期間及び叛乱軍活動の判定を行うこととなる。叛乱軍はランク6となり、革命家(Revolutionaries)のTire2である潜入者(Infiltrators)及び無法者(Outlaws)のTire3の妨害者(Saboteurs)を抱えるに到った。相談の結果、ランク6の恩恵である金銭の贈り物は全て叛乱軍の運営費に使うこととなり、これで当面の資金不足の心配は無くなった。
そして本拠地としては些か手狭になりつつある”雀蜂の巣”で叛乱軍を指揮し、ロングロード・コーヒーハウスで束の間の休息を取っていた一行は、ラリアよりスラム街で最も古い酒場の1つである”歯と爪(Tooth and Nail)”へと向かうよう指示される。
”歯と爪”はその名の通り、看板に4本の錆びて曲がった釘に貫かれた6頭の狼の牙が飾られており、店内は煙草の煙とブヨの雲が空中を彷徨い、黄色く染まった窓からはろくに陽光が見えず、音を立て燃える蝋燭も室内を照らすには光量が足りず、作られた当時ですら質が良いとは言えなかったであろう家具類は今日に至り崩れかかったガラクタ一歩手前といった具合だった。
店の女主人であるセトローナ=サビヌスは、一行の到着を知るとカウンターに立っていた愚鈍なバーテンのインソム=フィラス(Insome Filas)に席を外すよう指示し、ドアに鍵を掛けて一行に新鮮でなくてぬるいビールを振る舞った。
彼のいとこである”奔流騎士団”団長オクタヴィオ=サビヌスは市長による新たなる公布によって窮地に追い込まれ、姿をくらました。新たな公布とは、奔流騎士団の団員を匿う者に苦行刑を与えるというもので、市長が明確な苦行刑を示したのはこれが初めてだった。セトローナはオクタヴィオの行方に関して、街壁外の近隣にあるアルゴ沼にある小さな聖セネックス(Saint Senex)の社に隠れているだろうと概ねの予測を立てており、また彼が利害の一致を以て一行の力になれると確信してその時に説得に役立つであろうということで印形の指輪を一行に預けると、彼を見つけ出して説得するよう頼んだのだった。
日没以降の外出は禁止されていることから、変装して白昼堂々と街壁の外にある聖セネックスの社へと到着した一行は、そこを管理する奇妙な格好の老夫婦、聖セネックスの信者のブラザー・ジェンバイ(Brother Jenbai)とシスター・レメーレ(Sister Remele)を説得し、その船を模した地下へと案内される。
聖セネックスの像に書かれていた「唇に肺への贈り物を、守護者が起きる前に」という文言をカレンが解き明かし、像の唇に息を吹き込むという正しき貢ぎ物によりロープ・ゴーレムの起動を阻止して奥へと進んだ。
最奥には、埋葬された死者達の間に佇む甲冑姿の男、リクトール・オクタヴィオ=サビヌスが一行を待ち構えておりこれを説得したが、その来歴より”白銀の大鴉”に余り良い印象を持っていないオクタヴィオは、一行に2つの事柄を要求した。それは、既に囚われた奔流騎士団員達の救出と、”白銀の大鴉”が正しき行いをしているという証明だった。その2つが行われる迄は安全なこの場所で待つと告げて、自身の証明であるミスラル製の短剣を一行に預けると外へと追い返した。
2.”拘束の家”
奔流騎士団の団員達は”拘束の家(Holding House)”と呼ばれる旧キンターゴの刑務所に囚われており、オクタヴィオ曰くそう長く其処に置かれている訳ではないとのことだった。
様々ある囚人の開放手段のうち、一行は文章を偽造し、団員達を脱出させるという作戦を取った。元風刺作家であるエダードが卓越した技術で偽造の移送届を作成し、いざ”拘束の家”へと乗り込み、所長であるアスモデウスのインクィジター”蜘蛛の”サボ(Sabo the Spider)を言いくるめて囚人達との面会を行うところまでは上手く行った。
しかし、囚人の1人はアポクリシアリウス・キュトンのゲヘネマフル(Apocrisiarius kyton,Ghenemahl)によって拷問されており、また嘘を看破するキュトンにより危うく嘘が露呈しそうになる。しかし、説得に何とか成功して奔流騎士団の騎士達を奪還することに成功した。
騎士達は謎の救援者である一行からミスラル製の短剣を見せられ、これがオクタヴィオの采配によることを知り、一旦ロングロード・コーヒーハウスの地下に匿われることとなった。
3.毒のペン
”拘束の家”の一件より1週間が経過し、叛乱軍はランク8となり交易人(Traders)Tire3の闇商人(Black Marketers)を得る。これにより、資金集め能力がより一層上昇する。
それから1週間後、”歯と爪”で隣の甘味屋のルクーラ=ジェンスを含む常連達と顔をバルツィレイの物と置き換えたデビル・ピンとして知られるダーツ遊びに興じていると、タウンクライヤーから新たな公布が発表された。
それはエダードを含む数人の風刺作家の作品所持を禁止するというもので、エダードと最近世間を賑わせている”毒のペン”の名前を除いては、いずれも極めて古い時代のものであった。因みにこの時、エダードの制作物がスルーン家の女性達による猥褻書であることが判明する…実在系はやめておけと(物語はフィクションだが)。
その直後、シェリアックス海軍のエリア=ノネス中尉(Lieutenant Elia Nones)と名乗る女性が”爪と牙”へと乗り込んで来る。彼女は一行を目前にして「不当な投獄から極めて巧妙に奔流のヘルナイト達を救出した市民集団の出頭を要請する。この出頭は規定による義務である」と一方的に告げる。
今迄の行動が体制側に筒抜けであることに混乱した一行だったが、しかし直後エリアは悪戯じみた笑みを浮かべて、カシウス船長が一行に助力を求めていると話して改めて友好的な態度での同行を求める。
港への道すがら砕けた様子でビスタとオペラの話をしたり、ユイに自分の銃捌きを見せたりしながら親しげに話に花を咲かせているとやがて一行はシェリアックス船籍の軍艦”ベリアルの鞭(Scourge of Belial)”へと辿り着く。
カシウス=サルゲータ船長(Captain Cassius Sargaeta)は、まず予想していたのと違うといった旨の失望を詩的に述べるが、すぐに気を取り直して一行を歓迎した。3人のハーフリングの奴隷達がせわしなく動き、珍しい南国の果物を振る舞われ、優雅に茶を飲んだ後、本題を切り出す。まず、いかなる隠蔽も彼の前では無意味であると断った上で自身はバルツィレイに非協力的であるどころか、公布によって陸上に上がることすらままならないと言う。
そして、一行にキンターゴで最も古いアウロリアン家長男マークウェル(Marquel Aulorian)の救出を依頼される。彼こそは批評家”毒のペン”であり、カシウス船長は彼に真っ黒な封筒の手紙を渡すよう一行に指示した。あくまでこの救出劇が私的な物であることと、エリアの微妙な表情からカレンが何かを察していたが、ともあれ一行はこの依頼を受けることとなった。
アウロリアン家は貴族の居住区である”緑の区画”にあっても一際大きな邸宅で、キンターゴでも最も古く裕福な貴族の1つである。塩と銀の取引で財を成したアウロリアン家だが、現当主アウクィス(Auxis)は今度はバルツィレイ=スルーンを支持することにより、現体制での地位を盤石のものにしようとしていた。バルツィレイは忠誠の対価としてとある者をアウロリアン家へと遣わし、反体制側の嫌疑がありまたとある理由で厄介者となっている彼の息子の監視役としていた。
一行の命令でアウロリアン家へと監視に行ったコルヴァ=フシから裏庭に放たれたケルベロスの姿を見たと報告を受け、衛兵達は兎も角、ケルベロスは殺そうという話になり、騒ぎを起こさぬようサイレンスの呪文をかけた矢を2本打ち込み戦闘開始となる。抵抗する衛兵達をカレンがグリッターダストで無力化し、その間にケルベロスへと攻撃を集中して倒すと、私室に居たマークウェルが窓に姿を現す。しかしその片腕は萎縮しており、単独での脱出は困難だった為にビスタの手助けにより屋敷より脱出し、無事カシウス船長の下へと送り届けることに成功した。
そして、一行の前で彼らは抱擁とキスを交わしお互いの関係を明らかにした…カレンはこうなることに気が付いていたが。色々あるので多くは言わないが、ちょっと多すぎやしませんかね?
ともあれ、カシウス船長の依頼を果たした一行は、船長からささやかな船上での歓待を受け、その後先程迄飲んでいた愛用のティーカップを渡され、それを床に落とすように指示される。カレンがこれを受け取り、d10を振ると出目は9…船長は今後、何かの時には9つに砕けたティーカップの破片を自分に送れば、その都度助力に参上すると誓った。
4.本物の”犬小屋刑”
オクタヴィオは一行が奔流騎士団の従者達を助け出し、敵対する者達にも慈悲を示したことで新たなる”白銀の大鴉”の在り方を認め、隠匿場所より出て叛乱軍に合流した。オクタヴィオは、一行にそもそも第9の公布が為された理由は彼らが行方不明となった前市長ジリアの行方を捜していた事と、更にバルツィレイ=スルーンが拷問台のヘルナイトと手を組んだ事に由来すると考えていると告げた。そして直後、市場の端で奔流騎士団の生き残りと”白銀の大鴉”の協力者が市長公認の”犬小屋刑”に課せられることを聞いた一行は、これを救出すべくオクタヴィオと共に現地へと向かう。
一行がヴェリタス広場(Veritas Plaza)へと到着すると、そこには綱で区切られた区画の中に内壁に釘を打った”犬小屋”が作られており、4人の囚人が繋がれていた。四方をドッターリ・ガードと拷問台のヘルナイトが囲み、囚人を助けようとする者や過度の危害を加えようとする者が近寄らないように見張っていた。
オクタヴィオは堂々と進み”犬小屋”へと近寄るが、これを阻止せんとドッターリ・ガード達が突撃を敢行する。しかし、オクタヴィオはマーシフル・ハルバードで彼らを打ち伏せ、無力化する。ビスタ、エダードもこれに続き拷問台のヘルナイト達を制圧する。ユイのクリティカル・ヒットがヘルナイトに突き立つも頑健な彼らは気絶こそすれど死ぬことなく、結局野犬も含めてこの戦闘では死者は出ず、オクタヴィオがヘルナイト達の持つキュアのポーションだけは残しておけと一行に指示し、倒れた兵士達を過度に辱めぬよう注意した上で一行に武器と財布の略奪を許し、己の存在を誇示した上でバルツィレイの支配が一筋縄には進まぬことを兵士や市民達に示した。
と、いったところで今回は終了。前半に戦闘が無かった為、思いの外進行が早かった事を除けば偶然とはいえ敵に不必要な死者が出ることもなく万事順調で終了となった。
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