2012年10月31日水曜日

2012年10月の竜舞亭セッションの話。:Carrion Crown#5-1

 Pathfinder Adventure Path『Carrion Crown』キャンペーンも大詰め間近の第10回目、”囁きの道”を追いかけウースタラヴを巡る旅も首都カリファスへと到達し、物語もいよいよ終盤へと入る。
現状ちょっと別件(というかDAC関連)で忙しいこともあり、色々と大変な状況にはなっているものの(特に11月後半~12月頭迄が酷いが。なんだ2週間で4回GMて)、矢張り定期的に熟達したプレイヤーを相手に遊べる機会は何事にも代え難く、元より手を抜く気は無いが休み無く続けて行きたいところである。

 今回の面子は以下の通り。流石に11レベルともなると処理が重くなることもあり、プレイヤー側に欠席が無いのは有り難い限りである(既に次回の欠席を告知されているがこれは仕方のない事である)。

プレイヤー名前種族クラス
雅士メノウ・サカキバラ(榊原瑪瑙)人間パラディン/ファイター(武器の達人)
ミンカイ出身のパラディンもといミラクルサムライ。エロ領主やロリヴァンパイア等に大人気で本人は困惑気味。
ろうなむグレイ=ジェド=アンスルーン人間メイガス(黒剣/剣聖)
お菓子をもらう、悪戯をする。両方やらなければならないと主張する駄目メイガス。善に転向する覚悟はいいか?
Makkouルーティア=R=マイヤーハーフエルフレンジャー(都市)/ファイター(武器の達人)
今回は受難の回だったパーティーの火力支援担当のメイド。しかしフィクル・ウィンズは勘弁な!
Waizクララ=ド=ヴァンハルト人間クレリック
何故か腐女子と化したヴァリシア人のお嬢様…どうしてこうなった。
ひろくんホロハーフエルフドルイド(狼)/モンク
狼使いのドルイド。今回は特に相棒のロレンスとのコンビ打ちでの戦線構築が光っていた。
2xxPシェオゴラス=サシェリウム人間ウィザード(力術-混合/巻物使い)/サイファーメイジ
相変わらずパーティー最大のhpを誇るウィザード。ランスで風穴を開けられても何ら怯まさない様は紛う事無き変態。

 尚、以下はPathfinder Adventure Path #47『Ashes at Dawn』後半に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。

 いきなり余談で恐縮だが、竜舞亭でのセッションは何故か計ったかのようにタイムリーなネタが題材となることが多々ある。先月迄のWake of the Watcher(クトゥルフネタ)、今回のAshes at Dawn(吸血鬼ネタ)といい…とはいえ去年3月~4月に行ったThe Infernal Syndrome(凄く単純に言えば、暴走してメルトダウン寸前の原子炉を止めに行く話)程ではないが。


1.カリファスの奇襲
 前回入手したダゴンの貌像をレピドスタッドの大学に返却してきたNPCのケンドラ嬢(PCから誰も返却しようという意見が出ず、危うく売却されるところだった…パラディンもいたのに)が既にカリファスに先行しており、”自治領の目”の秘儀結社と話を付けていた為それと合流する為に一行は夜更けのカリファスを進む。
しかし、待ち伏せしていた”囁きの道”の刺客がこれに襲い掛かる。先の功績を評価されデュラハンとなった”闇の乗り手”のもう1人がナイトメアを駆り一向に奇襲を仕掛ける。騎乗含めてインヴィジビリティによる奇襲で忍び寄り、ランスでの《駆け抜け攻撃》&《猛突撃》によりシェオゴラスを貫く…が、致命傷には至らず(他の面々なら即死の可能性もあるダメージだったのだが)。
  更に随伴するレイスソーサラーによるウェイヴズ・オヴ・ファティーグが叩き込まれ、呪文により強化されたギャスト・ダイアウルフが一行を取り囲む。

レイヴンズ・ヘッドを奪還すべく所持者のクララへとデュラハンによる挑戦(キャヴァリアーで組んでいたので)と”死の呼びかけ”、ソーサラーによるサフォケーションと攻撃が集中するが、自身やルーティアによるハロウ・カードの助けもあり、これに耐える。
ブーツを起動させて飛翔したグレイが切り込むも、敵にAC36を誇る上にフィクル・ウィンズで護られたソーサラーには矢も剣も当たらず、デュラハンには距離がありすぎて攻撃が届かない為一時は防戦一方となる。
しかし、クララがエネルギー放出でダイアウルフを焼き払い、ディスペル・マジックで防御呪文を剥ぎ取られたソーサラーはグレイとルーティアにより討ち取られ、アシッド・フォッグにより突撃を止められたデュラハンは瑪瑙による悪を討つ一撃で叩き落とされ、”囁きの道”の暗号鍵である”死の淵の鍵”を残して消滅した。主を失ったコシュマール・ナイトメアは自分の領域へと去っていき、戦闘は終了した。
これだけの騒動があっても誰1人出てこないことをPC達は疑問に思っていたが、これは後程カリファスの夜はヴァンパイア達により支配されているからだと説明したところ、「やっぱりこの国は一度滅んだ方が良い」という感想を頂く…同感だが。


2.秘儀結社の奇妙な面々
 ケンドラに出迎えられて秘儀結社の本部である旧劇場の建物へと向かうと、メンバーの叙勲式の真っ最中ということでカリファスの貴族達が集うラウンジにて待たされることとなる。余所者であり、冒険者であることから貴族達からは遠巻きに噂話の種にされるに留まるが、1人一行と同様にこの場に似付かわしくない狩人の格好をして口髭を蓄えた男が近付いてくる。
ガルと名乗るこの男は、瑪瑙に興味を惹かれたようで彼女を踊りに誘い、更に他の面子も賞賛した後で特にグレイと、ひたすら猥談に花を咲かせ義兄弟の契りを結ばん勢いで意気投合していた。
その後やってきた幹部達のうち、クォータータウクス・アーカイヴスの管理者であるアブラウン=チャレストは一行の冒険話に興味津々だったものの、周囲をおべっか使いの取り巻きの貴族達に囲まれる最近この地位に昇りつめたばかりの議長エデュレウス=モッドからは一行は余所者で新参者であり権威無き者として相手にもされなかった。
しかし、ここでガルが割って入る。ガルことルシニアン=ガルダナ、アマーンス領伯爵は一行に協力する事は”囁きの道”の野望を阻止し、この国の平和と繁栄に繋がると説得され、議長は捨て台詞を残して渋々結社の知識の結晶である”秘奥の書庫”の使用を許すこととなる。

 秘奥の書庫では、”囁きの道”や死の淵の鍵の秘密、そしてキャリオンクラウンが特定個人をリッチにするための秘薬であることを知る。そして死の淵の鍵の現物を見たチャレストが、書庫の奥に放置されたガーゴイルがそのメダリオンを身につけていることを思い出す。
ガーゴイルにメダリオンを近づけると、プログラムド・イメージが起動して旧カリファスの地図が空中に投影され、そのうち緑色の光で1つの場所が示される。
その後、4人のリッチの像が投影され囁き声で”我らの教義を述べよ”と返答を求められる、危うくそれを忘れかけていた一行はトラップを発動させそうになるものの、(ハロウ・カードと技能判定で)思い出して”不滅の存在、不滅の機会(Undying form, undying opportunity)”を返答して何とか切り抜ける。


3.好ましからざる同盟
 秘密の地図で示された場所はクォーターファウクス・アーカイヴスで、深夜ではあったもののチャレストの案内で博物館へ入ることを許可され、入り口となる破門されたファラズマ信徒のフレスコ画の前から”囁きの道”の隠れ家へと侵入する。
しかし、既にそこは放棄されており、同じく自分の目的の為に”囁きの道”を追うダンピールのクインリィ=バスデルと遭遇する。彼は現在ヴァンパイア達の間で起こる連続殺人事件を追っており、協力してくれるのであれば”囁きの道”の行方について教えられる(正確には知るものを紹介出来る)と言い、一行はこれに乗ることにした。
因みに本国ではやはり悪であるヴァンパイアに協力することに抵抗があるようで、様々な角度からパラディンにこのシナリオを投げ出さないようにさせる為の説得理由が書かれている。この辺りは宗教的にリベラルすぎる日本人には今一つ理解しがたい部分だが。


4.ヴァンパイアの領地
 カリファスには下水道があり、ここはヴァンパイア達が闊歩する領域となっていた、この入り口の1つが記念公園にあり、そこから夜に地下へと入る事を提案される(「朝に訪れることは、人間にとって真夜中に貴族の邸宅を訪れるようなものである」とクインリィによる説明があった)。
公園を守護するヴァンパイア・ドルイドを説得により納得させ(本来は必ず戦闘となるのだが、時間の都合もあり)、2千年に渡りカリファスのヴァンパイア達に君臨するルヴィック=シエルヴァージに面会を許されることになる。
タル=バフォンに匹敵すると言われる(とはいえ僅かCR18だが)戦士であるルヴィックは相手の勇敢さや大胆さを尊重しており、その為影武者を立てていたのだが、一行は気付きながらもそれを指摘せずに話が進んでしまった為、些か落胆することとなる(気が付き、指摘していたならば交渉にボーナスを与える予定だった)。しかし、情報と引き替えとはいえ殺人事件の解決に乗り出してくれるということで印形の指輪を与え、臣下のうち関わりがありそうな者達と目下捉えて居る容疑者の存在を教えてくれる。


5.ヴァンパイアの領地の住人達

まず、グレイの強い希望もあり目下次の犠牲者になると予想されている女性ヴァンパイアの元へと向かうことに。ヴァンパイアの学士が奏でる悲しげなハープシーコードとリュートの哀歌に合わせて貴族達が踊るダンスホールの奥に控える少女こそがエヴジーニャ=ズナイダ婦人だった(イメージ的には某ヴィクトリカとかあの辺。実際はこんなのだが)。
婦人は友人であったクインリィの母の死を悼んで喪服を纏っており、手助けをする代わりに一曲踊って欲しいと願い出る。グレイがこれを受け、クララによる”栄光の手”の援護を受けて望むも、1回失敗して噛みつかれ、【耐久力】にダメージを受けた上に「踊りはそこそこだけど血は不味い」と評価されて凹む事に。
更に言えば、婦人は瑪瑙にご執心のようで熱い視線を送るも、瑪瑙の方はシェオゴラスを盾にするというパラディンとしてどうなのかという行動に出る。
しかしながら、ヴァンパイアの退廃を楽しむ婦人は協力は承諾してくれたものの、それほど多くの事は知らず、ダンスホールには麻薬を楽しむ者達すらいた。
次に地獄の男爵であるゼーボスに仕える異端審問官であるデスモンド=コーテの居る教会へと向かうが、牙と角と蝙蝠の羽根を持ち、片手に棘だらけのフレイル(釘バットと呼んでいた)を持ったゼーボス像に祈るコーテと早速〈威圧〉合戦(ヤンキーのメンチの切り合いかと言われていたが)を繰り広げ、これに勝利したクララは彼に認められ親切な態度で出迎えられる。
殺害現場に残されていた凶器で、コーテの所持する白木の杭を一向に見せたところ、これが椅子の脚から作られたものであることが判明し、更に白木製のアンデッドベインアロー4本の貸与までしてくれる。もっとも後者については「決して伯爵の臣民にそれを向けるな」と釘を刺されたが。
そして目下の容疑者であるヴァンパイアの国ヴァーノの領主に仕えるノスフェラトゥの錬金術師にしてウィザードのラモスカ=アークミノスと面会を行ったが、彼は”囁きの道”のキャリオンクラウン・エリクサーの作成に関わっておりそれについて多くを知っている為、自身の無実の証明と解放を条件にそれらを話すと約束し、またヴァンパイアの間に最近出回っている麻薬が自身の処方本より盗まれたものであること、そしてその処方本のページが破り取られ紛失していることを知り憤っていた。

 最後に、ヴァンパイアだけではなく人間相手にも商売を行う仕立て屋のラヴィル=ジョヴァンニに会う。仕事の手を止め不機嫌そうに一向に対応する彼はこの殺人がカリファスの人間の貴族達が背後で糸を引いているという証拠となる手紙を持ってきた人物であり、またラモスカを捕らえ、その装備品をコーテの元に持ってきた人物だった。
手紙よりそこに名前がある貴族達が都合良く現在カリファスに居ないことが確かめられたが、シェオゴラスではこれの真贋が見抜けず結果証拠不足として追い詰めるには至らなかった。
そしてこの時点で一行はラヴィルから厄介な相手と認識され、暗殺のリストに加えられていた。


6.密売人
結局ジョヴァンニが怪しいと踏んだものの、踏み切れるだけの証拠が無かった為これと繋がりがありそうな密売人を締め上げてみようということになり、エヴジーニャ婦人の配下のヴァンパイアより麻薬の出所を聞き出し、外れにある廃墟にいた密売人を強襲することに。
シェオゴラスの範囲拡大ファイアーボールによる爆撃で奇襲をかけたものの、密売人達は証拠を隠滅する手間が省けたとばかりに霧と化して逃亡した。追いかける一行も壁に阻まれたものの、シェオゴラスがディスインテグレイトでこれを破壊して追跡を続行する。


7.”貴族のステッチ”
 辿り着いたのは石棺と書台、そして書類棚がある小さな部屋で、〈知識:地域〉から此処は丁度ラヴィル=ジョヴァンニの店舗の地下に当たる場所だった。
書台横のゴミ箱からは貴族達の手紙がジョヴァンニによる偽造であることを示す書き損じが発見され、棚からは”囁きの道”によるヴァンパイアの貴族達の暗殺依頼書を発見し、更には郊外にあるサンテ=ライミリン修道院への地図と”鮮血の秘薬”の発注依頼書を発見する。
そして奥の壁を調べたところ、隠し扉を発見した為これを開けると、密売人とラヴィル、そして彼らに魅了された衛兵(8レベルファイターと説明したところ「此処は何処のグンマーだ?」と返される)とヴァンパイアの衛兵、更に蠅の頭を持つデーモン・コロクスが待ち構えておりファイアーボールを叩き込まれる。背面からの遭遇となったのだが、遭遇の構成としてはむしろ凶悪になった気がする。
ウォール・オブ・アイスで分断され、更にウェブを叩き込まれ動きが取れなくされるが、火力を絞ったファイアボールでウェブを焼き払い、そして血路を切り開くべくコロクス(通称ベーやん、CVヒロC…だとするとグレイは金髪デビルになるんだが赤いコートの優しい死神を思い出すので却下しておきたい)へとグレイが肉薄したものの、噛み付きを受けて魅力にダメージを受け絶叫を上げる。
次いでホロが相棒の狼と共に前線へと乗り込み敵を食い止めるものの、ここで戦闘が膠着している間に霧と化したラヴィルが一行の背後に回り込み、尋常ではないACで攻撃を躱しながらメテオ・ハンマー(個人的に好きな武器)による無駄無駄の声が聞こえてきそうな怒濤の5連撃でルーティアを葬る。
因みにラヴィルはスパイ・ローグでブレーデッドスカーフによる《大旋風》狙いという割とどうにもならない感じだった為に変更した。
しかし、グレイがクララと瑪瑙の位置を入れ替えたことでブレス・オブ・ライフが間に合い一命を取り留め、再び戻った瑪瑙の悪を討つ一撃でラヴィルも倒される。

この後ラヴィルは尖塔の頂点に括り付けられて、朝日によってその存在を滅ぼされることとなる。

 因みに1階には服飾店があり、天井にびっしりと張り付いた吸血鬼とか色々ネタを仕込んでいたのだが披露出来なかったのは残念だった…時間も足りなかったが。
 前回がどちらかといえば楽な戦闘だった所為か、今回は敵からの奇襲もあり逆に苦戦し結果随分と時間が掛かってしまった。そろそろ1セッション3戦闘ぐらいが限界か。

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