2012年8月19日日曜日

Ultimate Equipmentの話。

 pdfの方は暫く前に公開されていた為に既にDL済みだったのだが、ようやく製本版が到着した為気になったあれこれをば。
今迄の武器防具道具類の総集編かとも思ったが、出版時期の関係か流石にAdvanced Race Guide掲載アイテムは掲載されておらず、また大冊子以外のPaizo公式出版物掲載のものも幾つかは紹介されているが、Rival GuideやSeeker of Secretsといった強烈過ぎたり、Saventh-Yhiといったゴラリオンの独自性が強いアイテム類の掲載は省かれている(この辺りはAdvanced Race Guide、InnerSea WorldGuideを除く大冊子はあくまで汎用世界向けだからだというのがあると思う)。
因みに翻訳は間違っている可能性もありますので必ず購入して確認して下さい。


・武器/防具類
 Core、APG、UCそれとAdventurer's Armory辺りから再録されたものが主だが、Paizoの新書式に合わせて作られているため説明に絵が付属しており非常に見やすくなっている。この辺りは初期からイラストを豊富に使い視覚的な楽しさを重視しているPaizoらしいと言える。
3版の武器装備ガイドを思い出すような大量の特殊素材も追加されたが、Griffon maneのような使いやすく有用なものもあるものの、どちらかといえば雰囲気重視のものが多い(Fire/Frost forged steelのように使い方次第では非常に面白いものもあるが)。破壊によるアイテムの喪失が無くなった為、GreenwoodやLiving steelのような自動再生能力がある素材は便利かも知れない。



・道具類
 冒険用装備については有用かどうかは兎も角として、愉快なアイテムが満載である。面白いところではクラス専用の冒険者道具一式がセット化されて販売されているところとか、サービスシーンにも使える折り畳み式湯船(Collapsible bathtub)なんてものもある。
また、d20系列に限らず特定のアイテムや特技等の存在により禁止される行動というのがままあるのだが、Shield sconce(盾用燭台)の存在により、光源を頭や腰に差して行動することが不可能となった(a torchとしか書かれていないが、陽光棒や消えずの松明は差せると考えて差し支えないだろう)。
しかしタンカード(ヴァレロス愛用のアレ)とかメスキット(キャンプ等でよく使われる携行用食器一式、クラス用道具一式には必ず含まれている)は兎も角、折り畳みテーブル、ワッフル金型(ミスラル製もある…やっぱりミスラル≒アルミ合金なのだろうか)があるのが流石アメリカである。悪用出来そうなアイテムとしては砥石(Whetstone)辺りはなかなか。有用性は兎も角、面白いものとしては傘(日傘と雨傘がちゃんと別れている)、野球道具(Rounders gear)、テニス道具もある。

 食料類は他に類を見ないレベルの充実っぷりで、所謂一般的な食事や携行糧食だけではなく串焼き肉やハギス、飲料類(コーヒーのような普通のもの、ドワーフスタウトのようなファンタジー色の強いものからアブサンやクミス、カーヴェなんかも)、果てはチョコレート(0.5lbで5gpと高額)やアイスクリーム、茶会道具(〈知識:貴族〉が必要となる)等も揃っている。

 錬金術アイテムとして注目したいのはSoul stimulant(一時的に負のレベルを無効化する)、Fire/Frost ward gel(一時的に該当するエネルギー抵抗を得る)、あと何故かやたら種類豊富な花火(打ち上げ花火もある)。余談だが、消えずの松明は分類上一般アイテムになった模様。


・魔法の武器/防具
 防具は基本省略。というのも基本的には過去の編纂であり、見た通りの効果のものが多いからである。全体に価格による追加が幾つかあるが、有用なものはそれなりに高価である。Delving(穴掘り速度10ft追加、地形によるセーヴに+4、+10000gp)辺りはそれなりだが。変わったところでは単一対象への接触呪文に限るものの、鎧にスペル・ストアリング能力が追加された。

 武器については、追加効果が近接/遠隔/矢弾で分けられ不明確だった幾つかが改訂され、ゴースト・タッチは矢弾にも追加出来るようになった。生物かつ心臓があるクリーチャーに限るものの、厄介な視認困難による失敗率を無効化出来るHeartseekerも使い勝手が良い。


・指輪/ロッド/スタッフ
 気や気概、秘術集積のような特定クラスに作用するリングが数点あるが、どれも微妙。特にキ・マスタリーの消費軽減はニンジャではほぼ無用の能力だろう。
 ロッドだが、一般は変なロッドが多数あるものの省略、一概に言えるのは大体高価であること。メタマジック・ロッドは全種類の呪文修正特技が揃った。ライムスペルロッドも1レベル上昇なので非常に安価だが、普通の使用法では基本的にそれほど有用と言えないのが救いか…普通の使用法では。
 スタッフについては省略。ただ特殊な用法が出来るスタッフが追加され、呪文修正特技をチャージを消費して代用出来るスタッフ・オブ・マスターが非常に有用。


・その他の魔法のアイテム
 数が多いのでかいつまんで。基本的に高性能のアイテムは相応に高価である。
 Meridian Belt:足にも指輪を装着することが出来るようになる。面白いが、同時に2つしか作動出来ないのと、指輪自体がそれなりに高額かつ腰スロットは他に使い途があるアイテムが多いのが問題。
 (生物名)belt:軽いボーナス+特殊能力。便利だが割高で、やはりベルト自体に選択肢が多いのが問題となる。
 Eyes of the dragon:やっと出たドラゴン視覚を得られるアイテム…但し11万。
 Swordmaster's blindfold:盲目になるが、擬似視覚とロケート・ウィークネスを得られる…座頭市? 但しこれも高額(80000gp)。
 Sandals of the lightest Step:10ft移動後であれば1ラウンドの間エア・ウォークを起動出来る靴。安価なのでクレリック等の逃走手段には使える。
 Cap of the free thinker:以前より言っている事なのだが、d20系列では効果の説明文が短い程強烈なものが多い(ex:ライオントーテムバーバリアン、レイスストライク)。このアイテムもそんなものの1つで、僅か3行強(効果説明のみなら2行強)の解説に強力な効果が示されている…「[精神効果]のセーヴ時に対して2回ロールを行い、良い方を選べる」。12000gpと安価で回数制限も無くて《鋼の意志強化》が息してないね(エラッタが入りそうな気がするが)。競合が少ない頭部アイテムというのも強みである。
尚、額アイテムは省略…というより此処は競合が多すぎて従来のアイテムを外す事が難しい。
 Jingasa of the fortunate soldier:陣笠なのでヴィジュアル面での着用者を選ぶが、+1幸運ACかつ1日1回クリティカル・ヒットや急所攻撃のダメージを無効化(フォーティフィケーションと同様にだが、ロール不要で)出来るというかなり強力なアイテム。5000gpと安価なのもポイント。
 Mask of a thousand tomes:盲目になる(通常モンスターの知識判定には使えない)ものの、全ての〈知識〉判定+10という強烈なアイテム。着用した姿はちょっとしたホラーだが。
 Amulet of hidden strength:2種類の用法があるが、気の回復よりもう片方の即行アクションで最大の攻撃ボーナスによる1回の追加攻撃を得られるというのが強烈。価格も9000gpとそれなりに安価。
 Bracers of falcon's aim:より安価で常働型アスペクト・オブ・ザ・ファルコンの効果を得られる。レッサー・アーチェリーがどう考えても産廃に。
 Bracers of avenging knight:改訂版シルバースマイティングブレスレット。何処が変わったかと言えば他クラスも1日1回”悪を討つ一撃”能力を5レベル相当で使えるようになったこと…最悪である。
 Longarm bracers:命中にペナルティが入るものの、《踏み込み》と違い自分の次のターンの開始迄間合いが伸びる為、機会攻撃にも有効。更に肉体武器や素手ならばペナルティも受けない。


 他にも様々面白く有用なアイテムがあるが、取り敢えずこんなところで。様々な意味で買って損の無い本であることは間違い無い。

0 件のコメント:

コメントを投稿