2012年8月13日月曜日

2012年07月の竜舞亭セッションの話。:Carrion Crown#4-1

Pathfinder Adventure Path『Carrion Crown』キャンペーン第7回目。
 今回より後半戦となるのだが、プレイヤーとの相談の結果以降は大体1冊3シナリオぐらいのペースで行くということになった。掲示板が使えるとはいえ、矢張りAdventure Pathの大きな魅力でもある綿密な設定の多くを軽く流す形で披露してしまうことは勿体ないと感じたからである。
Carrion Crownはシナリオの流れとしては相当好き勝手な展開(1冊毎にがらりとシナリオの質が変わる)をしているのだが、それでも矢張り根底はゴラリオン世界なので、統一された感覚が保たれていると感じる。
例えば「墓場を通り過ぎる時、生者は死者への敬意を示し、心臓の上で外向きに時計回りの渦(つまりファラズマの印)を描く」なんてのは、世界観に添えるちょっとした彩りとしても中々雰囲気があり個人的にPathfinderが只のパワープレイヤー向きd20ルールというだけではない側面を有している部分と考えている(勿論そういった”バランス良く強いキャラクターを楽しめる”という側面も好きだが)。

 今回の面子は以下の通り。今回は新章突入ということで追加ルール等もあったのだが、比較的被害が直撃しそうだった瑪瑙が休みだというのが些か残念である。
プレイヤー名前種族クラス
雅士メノウ・サカキバラ(榊原瑪瑙)人間パラディン/ファイター
ミンカイ出身のパラディン、ファイタークラスを獲得。今回導入された正気度ルールに怯える1人(本人不在だが)。
ろうなむグレイ=ジェド=アンスルーン人間メイガス(黒剣/剣聖)
既に”黒の剣”に意識を乗っ取られているとの噂もあるメイガス。正気度ルールの導入で只でさえ低い判断力と意志セーヴに怯える日々の始まりに。
Makkouルーティア=R=マイヤーハーフエルフレンジャー(都市)/ファイター
順調にパーティー内キルスコアを伸ばすズドンメイド。戦闘距離の問題か、あまり正気度ルールの被害を受けない立ち位置に。
Waizクララ=ド=ヴァンハルト人間クレリック
星辰的恐怖に対して〈威圧〉勝負を挑む気満々なヴァリシア人のお嬢様。ACもセーヴもそこそこだが何故かなかなか落ちない。
ひろくんホロハーフエルフドルイド(狼)
相棒のロレンスを引き連れた狼使い。ようやく戦闘の方向性が決まった様子。
2xxPシェオゴラス=サシェリウム人間ウィザード(力術-混合)/サイファーメイジ
そろそろhpが3桁に届く肉体系秘術屋。壁の使い方に定評がある。
尚、以下はPathfinder Adventure Path #46『Wake of the Watcher』前半に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。

 ラヴェングロを発端とした、PC達の恩師でもあったロロミール教授の仇敵であるオーレン=ヴラッドを追う旅は前回の死闘の末に終わったものの、ヴラッドは”囁きの道”の幹部の1人に過ぎずその背後に更なる黒幕の存在が示唆され、彼が集めていた”屍肉の冠の秘薬(Carrion Crown elixir)”の材料は既に”闇の乗り手達(The Dark Riders)”によって持ち去られた後だった。
唯一得られたヴラッドの記憶という手掛かりから、南方に位置する港町トゥルッシュムーアに向かうこととなる…因みにこの3回でウースタラヴをほぼ縦断したこととなる。

 そして、トゥルッシュムーアの解説(基本的に悪、領主は怪しげな儀式に傾倒して政治を疎かにしており、あとなんか魚臭い)を交えつつ情報収集を続けるにつれてプレイヤーは「この国は滅んだ方が良いんじゃないか?」という感想を持った様子だったが、キャラクターの方はそういう訳にも行かず、”闇の乗り手”の1人が馬を替えてから不気味な噂のある寒村イルマーシュへと向かったという情報に従い、一行も足と更なる情報を確保すべく町外れの貸し馬屋へと向かうこととなる。


・貸厩での奇襲
手掛かりとイルマーシュ迄の足を求めて貸し馬屋へと向かった一行は、そこで貸し馬屋の主人が藁を満載した馬車を修理している所に出くわす。「愛想の悪い黒服共」に愚痴を漏らしながら外れた車輪を直す主人を見た瑪瑙(グレイ操作だが)とホロが助けに入るものの、実はこれが罠で、危うく正体が露呈(〈変装〉40に対してホロが〈知覚〉42を振ったが、残念ながら狼状態だった為に情報の伝達が出来ず)しかけたものの、”囁きの道”の信奉者で暗殺者の店主クラナートゥス=ヴィリアスと馬車に潜んでいたグールの殺人鬼、そしてベイコクによる奇襲を受ける。

馬車を支えている状態で動くことも出来なかった瑪瑙が早々にグールに挟撃されて昏倒状態に陥り、ベイコクによる掃射でグレイも斃されるが、暗殺者の一撃を凌いだクララ、そして瑪瑙より高いダメージを受けたにも関わらず平然としているシェオゴラスのウォール・オブ・ストーンによる分断とブラック・テンタクルズによる捕縛で難なく窮地を脱し、ベイコクもルーティアによる斉射で地に落ち、残るは初手を外したアサシンだけとなりここに趨勢が決する。
余談だが、Bestiary3以降の敵は脅威度計算が変わっているらしくえらく強い。ベイコクもこれで脅威度9なので、ちょっとした強敵として重宝した。
店主の死体から”囁きの道”の信奉者の証を発見し、更に帳簿が破り取られたのを発見した後、一行は問題のイルマーシュへと向かう。


・隠し港の騒動

 整備がされておらず所々石畳の剥がれたような街道をイルマーシュへと向けて進むと、昨日の嵐で荒れる波間に翻弄されるトロール船を発見する。ホロ(というか相棒)がホースシューズオブゼファーを履いていた為海面を走り助けに入り、無事に船を港に付ける。というのも船を操作するのに必要なのは〈職能:水夫〉か、または〈知識:自然〉と筋力判定だったからである。
乗っていたのはいかにもな外見の白髪の錬金術師ホレイス=クルーンで、自慢の”発明品”を船の後方に積んでおり、珍しく理解を示したPC達にそれについて語る様は紛う事無き錬金術師のそれで、錬金術師に基本的に厭な思い出しか無い一行は心底厭な顔をしていた。
また、彼もイルマーシュの住人なのだが、奇抜なものを嫌う住民の性質上大がかりな発明を村の港に置いておくと破壊される為、このような村から遠い隠し港(かつて密輸に使用されていた)を使うとのことであった。


・イルマーシュの町
そうして魚臭い寒村イルマーシュへと到着。実はこの村は第1シナリオのHaunting of Harrowstoneの時点で名前が出ていたりする(”イルマーシュの笛吹き”)。
到着して早々に情報収集を開始したが、早速町中を歩き回る余所者ということで保安官の目を惹き、市長の前に連行される。市長はPC達が何者かを確かめかねており、持って回ったような言い方で真意を確認していたが、交渉の結果数日前より町を支配する”深淵教団”の様子がおかしく、行方不明者が多数出ている事を告げ、一向に報酬を出すから調査してくれと依頼される。

 因みに、情報を得る段階でまたもやロクでもない情報を山程聞いた為にプレイヤーから「この村滅ぼした方が良いんじゃないか?」という意見が出たのは最早余談である。


・不屈なる海の深淵教団

様々な調査の結果やはり教団本部が怪しいということで表向きは自然神ゴズレーの信仰を謳う”不屈なる海の深淵教団(The Recondite Order of the Indomitable Sea)”へと出向くが、寺院の奥に固定化されたアンハロウ+ディテクト・グッドの呪文場を発見する。
善属性である瑪瑙、ルーティア、ホロは待機することになったが、相手の方は深く追求して来た上、致命的な事態の露呈を怖れた侍祭達から口封じせんと奇襲を受ける。

しかし、悪の教団員とはいえ、一通りの連中がローグレベル持ちというのはいかにも過ぎて感心する。あと前回の”囁きの道”信者の時も思ったが確固たる収入を持っている連中は装備が良いのでPC達にとっては良い収入源となっている気がする…やはり襲うなら悪のカルト宗教か。
侍祭達を蹴散らしていると、奥にある真の寺院へと続く東側の壁一面に作られた隠し扉(もはや隔壁レベルだが)より溢れる海水と共にライトニング・エレメンタル(盾役として手頃な奴)を引き連れた司祭と寺院の守護獣ことディヴァインガーディアン・チュール”海の接ぎ穂(Scion of the sea)”、そしてご神体という扱いのアドヴァンスド・フィーンディッシュ・ジャイアント・ジャイアントオクトパス”偉大なる触手”の増援が現れる。
ディヴァインガーディアテンプレートにより、特定地域内での無限回数ディメンジョンドアという身も蓋もない能力によりいきなりルーティアが触手プレイに持ち込まれたり、シェオゴラスが掴まれたりしたものの、クララにより解放され逆にウォール・オブ・アイスにより”偉大なる触手”は動きを封じられ、他も中央で膠着状態に陥りかけたもののホロが先を阻む侍祭達を食いちぎり活路を開き、グレイが強引な進撃で司祭へと肉薄し、最後には(セッション開始前にブーツを手放していた為に)移動速度の低さにより到達の遅れた瑪瑙による連撃で(僅か1ラウンド)ご神体を沈め、次いで司祭もグレイにより斃された。

 部屋の奥には”深淵教団”の真なる神である海の邪神クトゥルフの像があり、また司教の部屋には割れたポーションオブキュアライトウーンズの瓶が転がっていたり(悪のクレリックは任意発動によるキュア系呪文が使用出来ない)、行方不明者の内部から頭部が破裂した死体が多数発見されたり、壁画にもその存在が示されていたこの町の古代よりの風わしである”隣人”との”婚姻の儀”の為に生後3ヶ月の子を司教に子供を預けた夫婦が居る小部屋があり、司教はここから程遠くない邸宅へ向かったことを知り、追いかけることとなる。


・アンダイオミード家
 イルマーシュの創立者であり、かつて”隣人”と契約を結んだとされるアンダイオミード家の廃墟に辿り着いたが、廃墟は屋敷を支える柱としてストーンヘンジが使われており、メンヒルの前には魚面の沼巨人が待ち構えていた為にこれと戦うこととなる。

 とはいえ、単一の相手への奇襲とあれば苦戦する筈もなくルーティアにより射殺される。そして、地面に散らばっていた鞘種を発見したところで騒ぎを聞きつけた司教アルボル=ボルティアロとその取り巻きが上から強襲、ブラスフェミィでグレイを麻痺にしたものの返り討ちに遭う。

 が、ここで司教の身体に既に潜り込んでおり、皮肉なことにメンヒルと接したことで活性化したシュブ=ニグラスの落とし子である”腫瘍の落とし子(spawning canker)”が発現し、頭部を突き破り新たな苗床を求めてグレイへと襲いかかる。ここでやっと予告していた通り正気度判定を行うことになる。
因みにPathfinderの正気度ルールは、”闇の綴り”に関連する何か(星辰の向こう側の異質な精神)に遭遇した時にDC15の意志セーヴを行って失敗すると規定の正気度を失うことになっており、正気度の値はキャラクターレベル+【判断力】修正値な上に、[恐怖]効果ではなくパラディンでも防げない為このパーティーにとっては比較的厳しい判定であると言える…何故どいつもこいつも【判断力】7なのか。尤も、このシナリオ冊子の間再構築での能力値の変更を禁止したのは私の方だが。
しかし、残念ながら正気度判定も反応セーヴでの植え付けも回避されて難なく斃される。
というところで時間切れとなり終了。次回はシナリオ的にレベルも上がらない為、1週間後ということもありこの続きからということになった。

 今回は新規導入ルールである正気度判定を試してみたかった(あと、あの衝撃的なシーンを見せたかった)為に若干展開を早めたが、次回は参加者の都合もあり早めに終了する予定なのだが、遭遇的に丁度良い切り処が無いのが些か難しい所である。

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