2012年8月28日火曜日

2012年08月の幻想TRPGコンベンションの話。

 次回のキャンペーン開催迄随分と間隔が空き、求職活動も落ち着いていたのと折角Paizoからフィギュアが届いていたので付属シナリオに手を加えて遊ぶことに。
以前にも言っていたが、直前迄参加メンバーが不明である都合上サマリーシートは極力分かりやすくしようと心がけているのだが、根がテクニカル志向である為に前衛はどうしても書く項目が増える傾向にある。今回は特にTRPG自体が久し振りの人が居た為、アドバイスが多めになってしまったが思い返して実質マスターの代理操作になってしまっていなかったかと反省している。楽しんでくれていたならば幸いだが。
面子は以下の通り。今回は珍しく持ち込みのキャラクターが居り、チェックも問題無かった為使用して貰った。時間に余裕があれば、ロクでもないアドバイスを色々出来たのだが。

プレイヤー名前種族クラス
埴輪ガデスハーフオークバーバリアン
バルディッシュを振り回すアルファコ…もといヘルミーア出身のバーバリアン。クリティカルを連発する殺人マッスィーンと化していた。
アクションます太クロミアドワーフドルイド(獅子のシャーマン)/バーバリアン
トーテムの化身となって戦う女ドワーフ。外見が変化しないと明言されているのが残念。
早川アグネス人間クレリック
世界平和の為に戦うサーレンレイのクレリック。その実は汚物は消毒だと言わんばかりの爆撃魔。
Makkouパルテムエルフウィザード(力術-混合)
通称パル…橋姫か? 幼女鉄仮面伝説(フィギュア的な意味で)の恒例の秘術枠。今回も景気良く爆撃していた。
シナリオ概要は以下の通り。

殺人鬼がマグニマールの通りを忍び歩く!
衛兵は当惑し、家の隅で震え怯える人々は口々に闇の翼持つ死の運び手の噂を囁く。
市警は陰惨なる殺人者の正体を明らかにするべく、殺人者の計画、物的証拠その他を求めて大胆にも冒険者達の手を借りる事を発表する。
冒険者達は暗い裏路地と忘れ去られた大聖堂にその秘密を見出し、虐殺に終止符を打つ事が出来るか? それとも血潮に満ちたマグニマールの裏通りで溺れるのか?

 尚、以下はPathfinder Module:Dawn of the Scarlet Sunに関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。

 シナリオを翻訳して思ったのは、PaizoのMessageboardsに書かれている通りシナリオ自体の流れは良いのだが遭遇が今一つ宜しくない(とはいえ遭遇についてはリペイントのフィギュアセットであるPathfinder Battles Champions of Evil Encounter Packを使用する性質上仕方無いのだが)。よって大幅に書き換える事に。特に最後の遭遇はそのままでは余程上手くやらなければ致死攻撃に持ち込む事は難しいだろう。
今回は基本的には初心者ばかりということで毎度ながらのゴラリオンのあれこれを交えつつ、更に丁度設定本が届いたので舞台となるヴァリシアとマグニマールの説明もイラスト等を見せながら行ってみた。ヴァリシア本から採用された左右見開きのイラストが好評で、マグニマールの最大の特徴である橋の遺跡も印象づけられたのではないかと思う。ただ、Mengkare様の完全で完璧で幸福な国家ことヘルミーアの説明を忘れてしまったことに後に気が付く。


1.夜明け前のマグニマール


そして、最近(でもないが)流行のチュートリアル盗賊団で戦闘とハロウ・カードの使い方を覚えて貰おうと、ローグx6、ワーグx2&人狩りレンジャーx2、トロルと首領を段々に出す少々長めの戦闘をしてみたが、開幕クリエイト・ピットに対して20を2回出して回避したり、その直後に1を2回出したりとダイス目は相変わらずだった…waiz氏の4版卓が非道い出目だったらしいのでそちらから色々戴いていたのだろう。キャラクターは聖職者らしく降伏を口にしながらプレイヤーは嬉々として殲滅に走るアグネス・ザ・スタンピード(理解らん人は画像検索)や、同様に5レベルらしくファイアボールで敵を蹴散らすパルテム、素手なのにやたら痛いクロミア(惜しむらくは《複数回攻撃》を取っていなかったことだが)、そして最後はガデスがクリティカルでトロルを真っ二つにして終わった。

 その後、逃亡した雑魚ローグが死体で発見され、戦闘が終わってから駆けつけてきたマグニマールの衛兵による事情聴取や最近この街で起きている連続殺人事件について聞き、狙われているのがサーレンレイの信者である為アグネスが「それなら自分が囮となってみよう」と提案したところで時間となり昼食へ。

2.”紅の息子”
 再開後、まずは敵を知ろうということになり情報収集に走るが、死体からは殺人者のデーモンロード”シャックス(Shax)”の徴が発見され、酔っ払いのドワーフから真っ赤な悪魔(「レッドアリーマかよ」というツッコミが入ったが)を見たという話を聞き出し、更に80年前に橋の下地域のスラムに建てられたものの、皆殺しにされたことにより寺院が廃棄されたサーレンレイの司祭の呪いではないかという噂を耳にする。

そして夜明け前となり、路地裏で囮作戦を敢行することとなったが、出てきたのが赤いハーフフィーンド・ガーゴイル”紅の息子”とお供のガーゴイル3匹。早速アグネスが掴まれてピンチに陥るが、呪文とハロウ・カードで何とか脱出。囲まれている状況に陥り、更に隠れていた殺人犯と思わしき司祭ザデンディ(Zadendi)がダイア・バットを召喚。囲まれてクロミアが致傷に倒れ、危うい状況になりかかったものの、ガデスのクリティカルで包囲を切り崩し、何とか窮地を脱し司祭ザデンディを倒す。
ザデンディの身体からは放棄されたサーレンレイ寺院の鍵と、その鎧から削り取られたアイオーメディの聖印が見つかり(これは司祭がBattlesのアイオーメディクレリックのリペイント版だからというネタ)、事件解決の為に向かうこととなった。


3.寺院の廃墟

 鍵を使い扉を開けると、スケルトンx8、スケルタル・チャンピオンx3、ワイトx3という大量のアンデッドひしめいていたものの、生命力吸収持ちのワイトは脅威だった為ファイアボールとエネルギー放出の範囲攻撃で薙ぎ払われる。
尤も、ここはリソースを消費させることがメインだった為目論見通りだったが。
戦闘終了後、祭壇の影に地下への入口を発見する。


4.寺院の地下
 複数の人型の足跡が残る、暗く黴臭い地下道で待ち構えていたのはシャドウ・デーモンとシャドウ・マスチフの影潜みコンビで、範囲全域に響き渡る吠え声にクロミアが恐慌状態に陥るも、シャドウ・デーモンはガデスにより切り倒され、影潜みで視認困難を持ち有効打が与えづらいシャドウ・マスチフはパルテムのファイアボールで焼き払われる。
プレイヤーにはデイライトの呪文を持たせる予定だったのだが、色々あり失念してしまっていたのは何とも申し訳なかった(写真も撮り忘れていた)。


5.シャックスの聖域


 寺院の最深部には、シャックスの儀式の真っ最中と思わしきドライダー(Pathfinderのドライダーは神罰ではなく人体改造による結果で発生するらしい)、そしてグールとシーア・デーモンが待ち構えていた。奥の祭壇には今にも儀式により殺されようとしているサーレンレイ信徒と思わしき女性が寝かされていた。
エンラージ・パースンを使用した為、広い間合いとダメージを得たガデスが盾のハロウ・カードとヘイストによる2連撃でドライダーのhpを大きく削る突出した為にガデスが囲まれ、瀕死に陥るものの、流石のバーバリアンの体力で耐え切り、なで切りにする。
ドライダーは機会攻撃を使い切ったガデスの前に悠々と踏み入れライトニング・ボルトでクロミアごと撃ち貫くも、致命打には至らずアグネスにより回復させられ、更にパルテムによるファイア・ボールでグールも沈み、間合いの内側に入られた為バルディッシュが使えない為、セスタスでドライダーを撲殺し、更に残ったシーアをクリティカルで打ち抜き戦闘終了となった。

…かと思われたが、生贄の女性こそが変身した黒幕のサキュバス”アヴァレクシ(Avalexi)”であり、助けようと近寄ってきたアグネスの脇腹に毒のダガーを突き立てる(もっとも、プレイヤーの方は先の回廊での足跡からも冷静に黒幕の存在を推察していたが)。
前日深夜の思いつきでサキュバスにアンティパラディンレベルを載せてみたのだが、脅威度10で全セーヴ+20以上という予想以上に非道い代物が出来上がる。この辺りは3ラウンドの観察期間を確保出来るのだから、そのままアサシンにしておいても良かったかも知れず。
 ガデスによるクリティカルの一撃を狂ったように笑いながら受け、高貴なる者の手を同胞の血で汚すことを至上の喜びと言い放ちながらそのガデスをドミネイト・パースンで支配下へと置き、パーティーに戦慄が走る。しかしこれはアグネスによるプロテクション・フロム・イーヴルで無効化される。
これに怒り、”善を討つ一撃”を発動させてかつてのザデンディが使用していたロング・ソードを手にアグネスを亡き者にせんと襲い掛かるも、クロミアの爪で削られ(ダメージ減少/善か冷鉄である為ダメージは大きく減らされていたが)、最後はガデスにより真っ二つにされた。

 今回は比較的慣れているプレイヤーが多かった為、初心者プレイヤーの対応に専念出来たのと、また慣れていなくとも場を盛り上げるのが上手い早川氏に助けられ、珍しく比較的ロールプレイを多めでのセッションとなった。比較的速く終わり、昼食時やその後にしていたGen-CONやアメコミの話も含めてマスターとしても非常に楽しませて貰った。この辺りの話は、後日公開される幻ラジオの方でも話されると思うので期待したい。
 Dawn of the Scarlet Sunはそのままではシナリオとして物足りない部分が多いものの、色々と私好みの部分が多く、また何かの機会に遊んでみたいところである。久し振りにオンラインセッションというのも良いかも知れない(仕事の都合上色々大変だが)。

4 件のコメント:

  1. 先日はお疲れさまでした。
    久しぶりにTRPGを楽しませていただきました。
    前に出て殴るという簡単なお仕事でしたが、出目が走っていたので役目を果たすことができたかな、と。
    …十数年溜めこんできたダイス運をあっさり使い果たした気もしますが。
    次があればもう少しうまく立ち回りたいと思う次第ですので、また機会がありましたらよろしくお願いいたします。

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  2. >埴輪氏
     お疲れ様でした。
     今回は他プレイヤーさんの助けもありGMとしても普段以上に楽しめましたが、プレイヤーとして楽しんで貰えたなら幸いです。
    ダイス運については他の誰かを生贄に捧げると出目が良くなるともっぱらの評判です。
    大体こんな感じで毎回やっていますので、また機会がありましたら宜しくお願いします。

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  3. 自分も「Dawn of the Scarlet Sun」を遊ぼうと思って翻訳しているので、記事を楽しく読ませていただきました。
    ところで、大幅に書き換えられたという遭遇ですが、拝見する限り殺意を増し過ぎではないでしょうか?(笑)
    PCが4人(ということはシナリオの記述に従えば6Lvでのセッションだったのでしょうか)ですが、遭遇バランスはこのくらいに調整しても大丈夫なのだろうかとハラハラしてしまいますが、自分のセッションでも参考にさせていただきたいと思います。

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  4. >ほまれ氏
     いらっしゃいませ。
     マスターの出目が基本的に宜しくないので…という半分冗談はさておき、5Lvでも(個人的にはBAB goodのクラスに2撃目が発生する6Lvの方がキャラクターを動かすのは楽しいとは思いますが)25pt buyとハロウ・ポイントがあれば多少遭遇の脅威度を高めにした方がバランスは取れる、というのが経験から出た結論です。
    劇的な状況の方がヒロイックさを演出しやすいというのもありますが。
    因みにシナリオ通りだと最終遭遇がさっぱり成立しないんで、悪魔らしいやり口でちょっと手を加えるのを是非オススメしておきます。
    因みに作成したプレロールドはこんな感じでした。シールド・クロークは外してレジスタンス辺りに替える必要がありますが。
    ttp://ux.getuploader.com/quadrivium/download/1/20120826DoSS_5LvPC.zip

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