2015年10月23日金曜日

DAC2015の話。:Pathfinder RPG 『The Golden Watch -黄金の刻-』1日目

そして当日。直前迄急遽欠席となったプレイヤーの代理を捜す為に慌ただしかったが、それが終わってからは今回は環境が軽いこともあり、準備はそれほど時間が掛からなかった。あと、主催側が良い位置を準備してくれたからか、セッション中も周囲の声をあまりうるさいと感じる場面は無かった。

今回の卓参加者は以下の通り。まあ何というか個性的な面子が集まったものである。
プレイヤー名前種族クラス
現人虫エステル=ゴンタリオンスリパラディン(聖なる案内人、神聖なる従者 、誓約の聖騎士)/ブラッド・レイジャー(鋼の血、天上の者)
タリオン家復興の為にに養子として迎え入れられた姫騎士…というか脳筋女。
Jun仁星のシュウ人間モンク(Unchained)
NPCダーン=フォシムスの弟子。最高にハイな気分になりながら戦場を跳ね回る愉快なモンク。
シロウ![^皿^]アートン=シープビルハーフリングハンター(神の狩人)
相棒のセレスチャル・ライオン”ルネ”が主戦力のエラスティル信者。
千尋アルチュヌスティーフリング(オニ血統)アルケミスト(生体解剖者)/インヴェスティゲーター(Psychic detective)/ウォープリースト/Occultist(Battle host)/Medium(Relic channeler)
改造人間を自称するよくわからない生き物。複数のソートゥース・サーベルを操る。
アクタビンカナン=アノニマスハーフオークウィッチ(呪術交信者,垣根の魔女,傷の呪医)
経歴と記憶が不明な仮面の魔女。ちょっと天然気味。
まげ=えりくさレイン=ナーサスクアアシマール(アルコン血統)シャーマン(霊媒)
イオバリアにある小国の姫君を自称するヨグ=ソトース信者。
尚、以下はPathfinder Module - Tears at Bitter Manorに関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


0.そもそもの動機とシナリオの変遷
高レベルや神話級というのもそれはそれで楽しいが2日間卓でやるとそれなり以上に消耗する為(2日卓であることは決定済みである)、今回は軽めのシナリオでと考えていたのと、テーマとしてTears at Bitter Manorが好きだったこともあり、また手軽にボスを強化出来る神話級テンプレートを使ってあれこれと考えていたが、まげ=えりくさ氏から「アザトースとヨグ=ソトース(どちらも混沌にして中立)のどっちかを信仰したいがいいか?」という相談を受けたことにより今回の結末を思いつき、重要なテーマである”円環する刻(=灰色の時。分かりやすく言えばまどマギのほむらのアレ。ただ、実際の大本ネタとしては実はデモンベインなのだが)”のループ時間に関わり深いヨグ=ソトース信仰へとそれとなく誘導する。

 この瞬間、このシナリオの裏主人公がレインとなり、外見がアレだったこともありGMの悪ノリが始まった。

”**(後述)の娘にしてヨグ=ソトースの巫女であるレイン=ナーサクスは4000年以上前の”最初の遠征”時から裏でタルドールの歴史を操り人々を破滅へと導いていたエロダイモン”アノバイス”と対峙して敗北した。この時、捕らえたレインの心臓を喰らったアノバイスは神話階梯を獲得し、敗北したレインはヨグ=ソトースへと祈り、そして時間は巻き戻された。しかし、既に力を得ていたアノバイスは時の巻き戻りには巻き込まれずに力を維持し、結果再度アノバイスへと挑んだレインは再び敗北し、その力の大半を奪われることとなった。レインはこれにより記憶と能力の多くを失い、時の巻き戻しこそ成功したものの、再度アノバイスに破れたならば、最早アノバイスは時の巻き戻しすら越えて解き放たれ、世界に災厄をもたらす者となることは必至だった。”

因みに”古き教団”(所謂クトゥルフ系の神々)はルールとしてきちんと記載されていて、専門領域と素敵な領域能力It Came from Beyondもある。
また、神話階梯を得る条件には様々あるが、神話級クリーチャーを倒すことも条件の1つであり、また試練を越えることにより神話階梯の段階を上げることが出来る。故に神話階梯を持ったクリーチャー”レイン=ナーサスク”を倒したアノバイスは神話階梯を獲得し、彼女の能力により閉じた時間の円環へと封印されるという試練を経て階梯を上げることが出来た…だからこれはルールの範疇の話である、という話を2xxPにしたところ「ヒデェ三段論法だ」と呆れられたが。
あと、ループが3回目で最後なのはレインの定めたゲームルールが残機制だからである。

他、基本的な流れは以前のTears at Bitter Manorと変わらないので、大きく変わった部分に関しての記述が中心となる。


1.夜明けの襲撃
”アルチュヌスに揺り起こされ、レインは深夜に目を覚ました。見れば周囲では先に起こされたらしきエステル達が急ぎ鎧を着込んでおり、敵の気配が近いことを教えてくれた。先程見た夢らしきものは最早記憶にも曖昧で思い出すことすら難しい。一瞬、無様に寝込みを襲われ、屍を曝す仲間達の姿が見えたが、瞬きの間にそれも消えた。”

 敵の斥候を発見したため、一行は追跡から逃れようと休息を中断し河を渡ろうとしたところで先回りした山賊達の襲撃を受けることになった、という感じの遭遇で毎度恒例のチュートリアル戦闘を開始したが、「ウチはフロム式です」と告げるもプレイヤー一同反応せず…畜生め。因みにフロム式とは、フロム・ソフトウェア製品に於ける「死ぬ危険がある」程度の難易度のチュートリアルのことである。勿論死んだ場合は色々な都合で無かった事にされるが、ウチの卓の仕様や要素を覚えて貰うにはこのぐらいが丁度良いと思っている(特にハロウ・ポイントルール辺り)。
レインが何故か使えるヘイスト呪文を使おうとして失敗したり、オークの偵察兵が放った矢を受けたカナンが瀕死になったりしたがピンチはその程度で、何とか死の淵で踏み止まったカナンがアッシュ・ストームでグレート・アックスを構えたオーガの足と視界を奪い、出てきたところをエステルが悪を討つ一撃で葬り、近づく雑魚は多刀を操るアルチュヌスが次々と葬っていった。
唯一カナンのまどろみで残された偵察兵から謎の女に頼まれたことと、このオーク達が精神作用効果を受けていることを知ったが、その程度の情報しか得ることは出来なかった。

 ここで少し早い昼食となり、いつもの展望レストランへ。毎度そうなのだが基本的に動かないからこそ、気分転換は重要だと考えていてこの店である。


2.フリンの別荘(Flinn's Townhouse)
カソミールの”剣の切っ先(Sword Point)”亭”烈火の”ヴェルス=クランデル(Verus ”Igneous” Crandel)とその妻ブランダ=チュールズ(Branda Tulles)の頼みで、フリンの別荘を見てきて欲しいと頼まれ、北部の新興住宅地にあるフリンの別荘へと向かった一行だったが、入った時より何か奇妙な音を聞きつけ、音の発生源である2階で割れた窓と血塗れになったベッドとその奥にある秘密の研究室を発見する。また、ここでカナンはフリンとその仲間達の肖像画を発見し、意志セーヴに失敗してフリンへの憎悪から肖像画をばらばらに引き裂いた。カナンは彼女の顔をフリンそっくりに変え、まるで実験動物のように扱った者こそ他ならぬフリンであり、ヴァーデュランの森の奥深くからリグザーレスという名前のフォーミアンの助けを借りて逃亡したことを思い出した。
研究室にあった音の発生源である箱を開けたところ、中に居たカコダイモンを解き放ってしまい、更に侵入者の物音を聞きつけたジュジュ・ゾンビメイド2体に背後より襲われる。しかし、飛び回るカコダイモンもさしたる障害とはならず、カナンの投げるネットに捕らえられ、フライのポーションを飲んだエステルにより撃墜された。また倒したジュジュ・ゾンビの懐から雇用証を入手して、それらが元々町の派遣会社によって捜索願が出ていたこと、そしてベッドにあった大量の血をここで合流したシュウが持って来たブラッド・バイオグラフィで調べたものの”誰のものでもない”という奇妙な回答を得る。更に、隠し部屋にあったメモからダーン=フォシムスの名前と”聖母救護院”の名前を知る。いよいよもってフリンが怪しいという話になったが、確固たる証拠が無い為にメイドの件を片付けてから一旦ヴェルス達の待つ宿へと戻ろうという話になる。


3.スウィフト牢獄(Swift Prison)
 夕刻過ぎ、衛兵隊長の居る監獄へと向かう途中、一行は奇妙な光景を目にする。それは、言い争う親子のようであった為にシュウが割って入り止めようとするが、両者は奇妙に透けており、また同じ光景を繰り返し演じているだけであった。これは霊障であり、影響を受けたカナンが仲間へと殴りかかるが、被害者のアルチュヌスは平然とそれを受け止めていた。再び霊障が動き出す気配があった為、一行は急ぎ監獄へと向かい、メイド達の雇用証を見せて報酬を受け取り、先程見た光景の話を女所長のロアニ=シェリフ(Roani Cheliff)へと話す。すると、彼女はそれがこの通りで起きた遺産の脅迫による父殺しに起因する霊障であると語り、今も犯人であるリガー=マン(Riger Mann)が牢獄に居ると語ってくれる。父親の死体は森にあるトリステザ邸の共同墓地に埋められており、また息子に面会したところ、女性に騙されていたと語った為、一行の興味は森の方へと向く…すいません、それ明日からなんです。


4.ホープズ・ホロウの聖母救護院(Mother's Care Home)
 森に急ごうという話でまとまりかけたところでハロウ・カードを強引に奪い「行方不明のダーン=フォシムスはいいのか?」と軌道修正して”希望が渕”(Hope's Hollow)へと向かわせる(GMとしては森に行っても良かったが、当然宿命は解決出来ない)。聖母救護院の前で黒いローブを纏った職員に門前払いを受ける女性ミューラ=ボレス(Mura Boles)から話を聞き、救護院の惨状を知って中に乗り込むが、職員によって止められ、押し問答となる。しかし、レインの使い魔が相手が地下世界の邪悪な種族ダーク・スレイヤーであることを看破し、戦闘となる。

台所から出てきたダーク・スレイヤーが台所にあった腐った粥を煮る鍋に煙玉を投げ入れると、たかっていたフィーンディッシュ・コックローチ・スウォームが動き出し、最寄りの一行へと迫る。そして先行して奥へと向かったアートンは、そこで子供に擬態した邪悪なヴァルヌダイモンを発見し、更には部屋の中から次々起き上がるゾンビ・ロード・モンク(Unchained版)に戦慄が走る。レインがウィンドウォールでスウォームを遮断し、迫るダイモン達を食い止めながらアートンが個室へと飛び込むと、其処には片足を失い、毒により瀕死の状態となったダーン=フォシムスの姿があった。彼を治療し、意識を取り戻させたことでアルチュヌスの持っていた剣に宿っていた精霊が目を覚まし、悪魔狩りの剣としての力を取り戻す。
だが、ここで医院長ことルーコダイモン”カンドプレ”が玄関に出現し、ウィンドウォールで矢を射掛けることが出来なかった為に丁度固まっていた一行へと接近し蠅のブレスを吐きかける。しかし、これにより接近されたエステルの悪を討つ一撃を受けて髑髏の仮面ごと真っ二つに切り裂かれ、堕落した聖母救護院は開放された…ハームも使いたかった。

庭にいた老人、ミューラの父ギルからかつて婚約者を裏切り浮気し、結果その女性はヴァーデュランの森の中央にある沼に身を投げてしまった為、彼女の魂の安息の為に指輪を投げ入れて欲しいと頼まれたり、意識を取り戻したダーン=フォシムスから事情を聞き、彼のこの状況がティールガン=フリンの差し金であることが判明し、フリンの裏切りとヴェルス、ブランダの危機を聞かされ急ぎカソミールの”剣の切っ先”亭へと戻るが、一歩遅く、夫婦は謎の女により届けられた手紙を信じ、ヴァーデュランの森にあるトリステザ邸、別名”苦痛の館”へと向かった後だった。


5.ヴァーデュランの森の入口
”黄金の刻”の老人達を追ってヴァーデュランの森へと足を踏み入れた一行は、廃村となった空き地で早速ラクリダイモンの襲撃を受ける。そしてエンタングルで行動を封じられたラクリダイモン達を撃退したまでは良かったのだが、朽ち木に偽装したデッドフォール・ドウェアラーに誰も気がつけず、近くにいたレインが酸性の唾を吐きかけられ拘束状態に陥り、この後押し倒して産卵するという薄い本が厚くなる展開が待ち構えていたのが、カナンのまどろみで行動不能にされてシュウにとどめの一撃で即死させられたところで時間となり、1日目は終了となった。

 終了後は懇親会に参加したが、疲れていたりしたにせよ、もう少し外側の人達と話しておくべきだったかと後悔。そして飲み足りなかったので有志を集めて参宮橋駅前に新規オープンした焼き鳥屋で二次会の流れに。こちらは大体いつも通りの面子で集まり適当に色々話していた。

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