2015年2月23日月曜日

2015年02月の竜舞亭第一例会の話。:Jade Regent#17-Tide of Honor中盤

龍舞亭の場合、あまり時間が割けないのもあるがそもそもキャラクター自体の物語がそれほど強く出てきていないというだけで、一応浮かび上がっているものについてはそれなりに拾っている(飛勇鶴の出身地やサチの出自等)。その辺りも含めて今回のシナリオは色々あった予定なのだが…。

今回の面子も以下の5名、尤も、人員確保の目処は立ったのでこの状況も今回で最後となるが。
プレイヤー名前種族クラス
Pomtaケーン=タッカー=クララ人間ファイター(両手武器使い)/バーバリアン
口と態度の悪さに定評があるナギナタ使い。交渉=武力。
Waiz南条飛勇鶴(ナンジョウ=ヒュウカク)人間/ウールフェン人(ARGオリジナル)インクィジター(魔女狩り師・伝道者)
ミンカイの初代皇帝の魂が宿ると言われる妖刀”翠閃”を振るうパーティーのまとめ役。交渉=半分ぐらい武力
Makkouシオン(紫苑)=カイジツ人間アーケイニスト
物語的に最重要人物であるアメイコの妹。交渉=制圧火力。
2xxPサチアアシマール(自称)クレリック(伝道師)
サーレンレイ信者の自称天使のクレリック。交渉はお手の物。
雅士ジョナサン=サイズモア人間ガンスリンガー
元少年兵のピストル使い。今回は欠席。

 尚、以下はPathfinder Adventure Path #053『Tide of Honor』中盤に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


1.”三猿”との面会
”三猿”と面会するべく昼間にクロイヤネ市場の高級料亭へと向かった一行だったが、まだ店に彼らは現れておらず、予約の割り符3枚を手渡されて門前払いを受ける。改めてその日の新月の夜、一行はミンカイの裏社会を牛耳る3つのニンジャ組織の長、通称”三猿”との面会を果たす。禿頭の穏やかな中年のイシバショ(Ishibasho)は”黒蓮”(Black Lotus)、常に薄い笑みを顔に張り付けた3人のうち最も若い”龍の影”(Dragonshadow)が長、ホソカヤ=カズ(Hosokaya Kazu)と”碧玉の枝”(Emerald Branch)の主である太い首と鋭い目をした地味な田舎風の女コンドウ=ヨウリ(Kondo Yori)。3人は既に己の情報網より、アマタツ家の血統の者がミンカイの地に入り込んでいることを知っており、また彼らより現在”翡翠の宰相”には、新参の”鬼面党(Oni's mask Clan)”と呼ばれる派閥の者だけが雇われており、その中でも常識を越えた厳しい修行により力を手にした1人”カイブニンショウ(Kaibuninsho)”がアマタツの血統の者を暗殺する為に行動を開始していることを知らされる。そして、3人共海部忍匠が任務を遂行中は既に暗殺対象となっている一行の為に動くことは出来ないと告げ、まずは彼を討ち、その証拠を提示せよと告げられた。


2.代官手尽と海部忍匠の奇襲
そして料亭からの帰り、夜更けの路地を歩いていると先程商人を処刑したクロイヤネ市場の衛兵達が一行を取り囲むように姿を現す。彼らダイカン・テツク達は辺りに人気がないのを見るや、その正体であるクワ・オニの姿へと変化し、アマタツ家の末裔とその仲間達を始末するべくノダチを手に襲い掛かってくる。
更に一行がオニ達と戦っている真っ最中、屋根の上から何者かが舞い降り、一行へと不意討ちを仕掛ける…そう、彼こそがオニ達に情報を流し、一行を襲わせた張本人であるカイブニンショウだった。龍の造型を施したヌンチャクを振るいヒュウカクへと武器落としを仕掛け、落ちた敵の武器をも自在に操り、シオンが張ったウォール・オヴ・アイスも難なくディメンジョン・ドアですり抜け迫るカイブニンショウだったが、囮のオニ達をサチのエロ波動…もといウェイヴズ・オヴ・エクスタシーで無力化され、更に残りも珍しいケーンとジョナサンのクリティカルにより撃破され、本人も矢張りというか所詮はニンジャ、武器を拾ったヒュウカクによって返り討ちにされ、真っ二つとなり爆発四散した。
カイブニンショウの残骸には首級代わりとなるヌンチャクと、奇妙な銅銭をが残されていた。この銅銭こそは”忍者富本銭(Shinobi Fuhonsen)”と呼ばれる最初の忍者に報酬として支払われた銅銭、アーティファクトであり、邪悪なニンジャである者に多大な力をもたらす品だった。

そして無事に帰還した一行は、”三猿”と再度会見を行う。ヌンチャクによりカイブニンショウの死を確信し、一行の実力と当面の身の安全が約束されたことを受け、三猿のうち、”碧玉の枝”コンドウ=ヨウリは一行に悪将シクツ=センナカの討伐を引き替えに雇用代金の半減を申し出る。他2名はカイブニンショウが所持していたと言われる忍者富本銭について一行へと尋ね、それを譲ってくれるのであれば契約の代金の代わりにすると持ちかけてきた。


3.金色京舞の茶屋
無事に”三猿”達を雇えるようになった一行は、次いでヒラバシ=ジロウの提案で商人と貴族に大きな影響を持つゲイシャ達の協力を得る為、一行はサカカベ(Sakakabe)へと向かう。山に面した港町サカカベの中でもとりわけ高所に位置する花街は、相応しくない者が踏み入らぬように周囲を柵で囲まれ、衛兵により護られていた。内部には様々な娯楽の店があり、一行はその中でもとりわけ有名な、小さな中庭を持ち磨かれた真鍮の雨樋と凝った屋根を持つ”キンイロ-キョマイの茶屋(Kiniro Kyomai teahouse)”へと高額の贈りものを持ち、訪れるべしというジロウのアドバイスを受ける。
しかしジロウの遠縁である茶屋の主オー・コハク(O-kohaku)ではなく、オー・コハクの妹分である若いオー・ハカミ(O-hakami)が一行を出迎える。暫しオー・ハカミが一行に茶を点て、部屋の角にたたずみ三味線を弾き、歓談しているとやがてオー・コハクが姿を現し、一行に挨拶する。オー・コハクは一行と貴族や商人の間の橋渡しは出来るが、とある問題を抱えており、またそれを解決することは一行の今後の為にもなると言う。現在茶屋の看板芸者である”オー・サユミ(O-sayumi)”が行方不明となっており、彼女を連れ戻して欲しいと一行に申し出る。茶屋で最も人気があり、尊敬されている芸者であり、特殊な才能故に多くの地元貴族や商人が彼女に助言を仰ぎ、その中には暴君シクツ=センナカの弟であるシクツ=イツルも含まれている。イツルは兄と違い、穏やかで尊敬すべき男性としてオー・サユミとも懇意にあった。
しかし、オー・サユミに特に執心する”ユウグレダ=ショサイトウ(Yugureda Shosaito)”という名の真珠商人が彼女を自分の家へと招き出向いたものの、予定の1週間を過ぎても未だ戻っていない。商人はオー・サユミが彼の島へと来ていないと主張しているが、オー・コハクはこれを信じていない。というのも、ユウグレダは以前より気前良く振る舞い、オー・サユミへと家へと来るように申し出ていたが、彼女はこれを拒絶し続けていた。しかし、1ヶ月間に突然オー・サユミは変心してウグレダのはしけに乗り込み、彼の家、サカカベより70マイル北西にある”真珠の家(Shinju-no-Ie)”へと向かったまま戻らなかった。
オー・コハクとの話の後、部屋の隅で控えていたオー・ハカミからも一行に尊敬すべき師であり、何より姉のように慕うオー・サユミの救出を願い出て、オー・サユミが行方不明になる前にもし自分に何かがあったなら自分を探す者に渡して欲しいと頼まれていた箱と手紙を渡される。
オー・ハカミはユウグレダについて「冷たい、死者のような男」と評し怖れており、虎の影を見たとも言っていた。


4.沙優美太夫の印籠と沼太郎様
箱の中には象牙の印籠と短歌の書かれ折られた和紙が入っており、象牙の印籠の底には木蓮の花の意匠が彫り込まれ、根付には河童、そして印籠の中には上から蚕の繭、ラピスラズリと方解石の鎖、楠の数珠が納められていた。オー・ハカミに聞くと、これはオー・サユミが以前に冗談めかして言っていた「おじさま」である河童の賢者ヌマタロウ様(Numataro-sama)ではないかと告げた。また、印籠がサカカベの職人サブロウの作であることを知った一行が彼の元を訪れると、サブロウは自身も敬愛するオー・サユミを探し出して欲しいと一行に申し出て、また彼女から奇妙な花瓶を受け取っており自分を探しに来た者が居たら渡して欲しいと言っていたことを明かす。蓋には印籠と同じく木蓮の花の意匠があり、中身はキュウリの香りのバスソルトだと聞かされる。

助言通り、ヌマタロウ様が住んでいると言われるジッコウ川(Jikko River)の河口付近の木蓮の木の元にある沼にバスソルトを流すと、ヌマタロウ様が姿を現した。年老いたカッパは一行を認めると礼儀正しく挨拶し、自身こそがモモコまたは”小さき蝶”(Momo-chan, or “little butterfly)ことオー・サユミの育ての親であることを認める。かつて彼女の母親は邪悪な魔法使いの手下である巨大なトラに襲われた際、娘の命だけでも助けるべく幼子であったオー・サユミが入ったゆりかごを川へと流し、自身は逃げること叶わず殺された。流れ着いた幼子を拾い上げたヌマタロウは幼子に多くを、特にミンカイの昔話や神話を教え、人間の間で更に多くを学ばせる為にイローリの修道院へと彼女を預けた。修道院で三味線を学んだ彼女はそこで特別な才能を開花し、サカカベでオー・サユミという名の芸者となった。

ユウグレダの家にはヌマタロウが刻んだ巨大な一枚岩の将棋盤があり、彼自身もまた優れた棋士であることから、御守り代わりにと角行のコマを手渡された。


5.真珠の家
”真珠の家”へと向かおうとした一行だったが、はしけの船員達が半鬼ジャー・ノイであることを見抜き、また生け簀で活動する真珠取り達もアンデッドのラケドンであることを知り、シオンが呼び出したファントム・スティードで海を横切り島の裏手からユウグレダの屋敷へと裏口から侵入する。
屋敷の中にはメイドとしてアンデッドのマナナングルが行動していたがこれを打ち破り、屋敷内を探索すると、中央にある障子に囲まれた応接室を発見する。
 
部屋の中央には将棋盤が置かれており、ユウグレダの幻影により警告を受ける。その直後、異界へと強制的に送られ闇のゲームへと強制参加させられる。
全ての升目を真珠の壁で遮られた巨大な将棋盤の上でシャドウ”闇の将棋達人(Dark Shogi-Ka Masters)”達に襲われた一行だったが、その時、ヌマタロウ様より与えられた角行の駒が輝き始める。将棋盤の上に投げられた駒からはジロウの腹心である女僧兵ハベスタ=ハツエが現れ、共に敵を打ち破った。ハツエはそれが自身の夢であると思い込んでいたものの、永らく悪夢に苦しめられていた彼女は「久し振りに良い目覚めになりそうです」と告げて姿を消し、一行もまた気付くと応接室へと戻っていた。


●影の迷路と夕暮田曙斎燈
探索の末、一行は地下の酒蔵で更に奥への道を発見する。その先の通路は奇妙に色彩を欠いており、迷路のように入り組んでいた。
この場所が影界の影響を受けていることに気が付いた一行だったが、様々な意匠と材質の門により行く手を阻まれ、最初の門は偶然にもくぐり抜けられはしたが、二番目の門では偽物の門を通り抜けてしまい、影のクリーチャーと影の鏡の罠による襲撃を受ける。敵は退けられたものの、危険な遭遇であることには変わりなく正解の道のヒントをあれこれ相談していたが、一行がその存在をすっかり忘れていたオー・サユミが残した印籠により正解の門を探し出し、最奥へと辿り着く。

最奥のクッションが並べられた豪奢な部屋には、積み重ねられたクッションの上にうずくまる2人の女性の姿があった。片方はオー・サユミその人であり、もう一方は年老いていながらも気品のある女性だった。2人とも身体から魂が抜け落ちており、ジェントル・リポーズの呪文により腐敗を免れていた。
そして、更にその奥にある色彩を欠いた暗い影のような部屋には、オー・サユミをさらい、年老いて病に伏せる妻と身体を交換しようとしていたウィザードのユウグレダ=ショサイトウ(Yugureda Shosaito)が茶を啜りながら一行を待ち構えていた。ユウグレダが一行へと侮蔑の視線を向けた後でおもむろに手にした花瓶を床に放り投げると、床一面に真珠が散らばった。「その中のいずれかにオー・サユミの魂がある」と告げたユウグレダは招来したグレーター・シャドウ・センチネルとヌエのトサカゲ(Tosakage)を率いて一行へと襲い掛かる。
影魔術の使い手であったユウグレダを相手に苦戦をするも、トサカゲはジョナサンの射撃により撃破、シャドウ・センチネル達も霧散し、死闘の末ついにはユウグレダも破れ、彼の邪悪な企みも影の迷路と同様に消え去ることとなった。床に散らばった真珠はいずれもマジック・ジャー呪文の要素としては不十分な低品質のものでであり、オー・サユミの魂が入った真珠はユウグレダの懐の中にしまわれていたダークウッド製の印籠の中にあった。

 本来、ここでセルバンデスが居たならば、彼の旅の目的であるアーティファクト”影の宝玉”を手に入れられる予定だったのだが…(そもそも、この話があったからこそセルバンデスの設定を許可したのだが)。


●明かされぬ真実
実はユウグレダはオー・サユミの父であった。しかし土地の権力者であるシクツ家と協定を結んだ後、ユウグレダは真珠の生産を上げる為に邪法に手を染め、海の怪物を呼び出し、死者を冒涜し労働させる実験を繰り返した。ユウグレダの妻カオリはそのことに心を痛め、夫に利益の為に自然を汚す行いをやめるよう説得しようとしていた。後にシクツ家より新たな妻を娶ったことでカオリの存在が邪魔になったユウグレダは、彼女を亡き者にするべくヌエを遣わせた。

その後、新たな妻タルキミが老いて病に伏せった時、ユウグレダはキンイロ-キョマイの茶屋でオー・サユミと出会い、オー・サユミに亡き妻の面影を見出して真実を知った。ユウグレダが邪悪な魔術師であることには気が付いていたオー・サユミだったが、彼の招待を受けなければ孤児院の子供を皆殺しにすると脅され、結果従うしかなかった。しかし、自身の能力でユウグレダの未来を予見していた為、スクライングを使い”影の迷路”の突破方法を探り、後に必ず自身を助けに来る者達へとその方法を知らせるべく印籠やバスソルトを準備していた。自身の知る、対象の身体が術者の血縁者の場合にのみ2つの存在の魂を入れ替えることが出来るマジック・ジャーに類似した特殊な呪文の対象としてオー・サユミの身体が使用出来ることに気が付き、彼女を島に招いたまでは良かったのだが、ユウグレダの呪文は何らかのトラブルにより完全に効果を発揮せず、結果として2人の女性の魂は入れ替わらず、身体から魂が抜けたままになってしまった。

真珠よりオー・サユミの魂が開放されたことで彼女は意識を取り戻して、一行に礼を述べた。そして老いたタルキミの魂はファラズマの庭へと旅だったのだった。

 といったところで今回は終了。個人的にもセルバンデスの件は残念だったが、矢張りTRPGという趣味を長く続けていると立ちはだかる問題であり、仕方無い部分でもある。


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