2015年1月19日月曜日

2015年01月の竜舞亭第一例会の話。:Jade Regent#16-Tide of Honor前半

今回が私にとって2015年一回目のTRPGとなるのだが、去年(特に年末辺り)があまり宜しいとは言えない状況だっただけに今年はもうちょっと数を増やし色々出向ければと考えている。その辺りも含めてまずは準備時間と気力の確保が問題だが、前者は兎も角後者は歳のこともあり徹夜も出来なくなり色々厳しい。

という話はさておき、今回の面子も以下の5名となる。減ってしまったとはいえ新年早々に皆揃って遊べるのはなかなか幸先が良い。
プレイヤー名前種族クラス
Pomtaケーン=タッカー=クララ人間ファイター(両手武器使い)/バーバリアン
口と態度の悪さに定評があるナギナタ使い。装備を強化してACが10上昇(但し30)。
Waiz南条飛勇鶴(ナンジョウ=ヒュウカク)人間/ウールフェン人(ARGオリジナル)インクィジター(魔女狩り師・伝道者)
ミンカイの初代皇帝の魂が宿ると言われる妖刀”翠閃”を振るうパーティーのまとめ役。殴られないと殴り返せないじゃないか。
Makkouシオン(紫苑)=カイジツ人間アーケイニスト
物語的に最重要人物であるアメイコの妹。無論本人も重要人物だが。
2xxPサチアアシマール(自称)クレリック(伝道師)
サーレンレイ信者の自称天使のクレリック。交渉が多いこの章では活躍も増えそうな予感。
雅士ジョナサン=サイズモア人間ガンスリンガー
元少年兵のピストル使い。ACは40の大台に乗ったが戦闘スタイルの所為か被弾も多い。
尚、以下はPathfinder Adventure Path #053『Tide of Honor』前半に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


0.精霊の森を越えて
前回、”精霊の森”にある”枯れ花の屋敷”にてムナスカル(GMはその振る舞いから「鬼サーの姫」とか呼んでいたが)を倒し、書庫に残されていた資料から”五襲の暴風”の真の目的がミンカイ五皇家を滅ぼし、代わりに首魁アナムルモンの血を引く者を支配者として擁立し、ミンカイ全土を支配することであると知った。また、ムナスカルに捕らわれていた者達の中には”翡翠の宰相”による圧政が続くミンカイより逃亡途中だった者が数多く居り、彼らは現在ミンカイ北部にあるオオソウゲン草原(Osougen Grasslands…どれだけ大草原なんだ)に身を置き農民達を護るロウニン”ヒラバシ=ジロウ(Hirabashi Jiro、平橋次朗)”の噂を一行に語った。
彼はかつてシクツ=センナカ(Sikutsu Sennaka)に仕えるサムライであったが、”翡翠の宰相”が皇帝ヒガシヤマ=シグレの名を騙りミンカイを支配するようになるとシクツはその圧政に手を貸す第一人者となったことで対立、結果皇都カサイにて起こった失敗した謀反にて父ヒト(Hito)、兄イチロウ(Ichiro)は討たれ、ジロウも新たに仕えた主を失いロウニンとなって逃げ延び、現在では流浪の僧兵ハベスタ=ハツエ(Habesuta Hatsue)を副官に置き農民達を指導し蛮族から身を守る術を教えている。

 狐娘ミヤロも彼の噂は聞いており、目的を同じく出来るのであればまずはそちらへと向かおうということとなった。


1.浪人”ヒラバシ=ジロウ”
一行を乗せたキャラバンがに向かうロウニンの野営地(Ronin's Camp)へと続くミンカイの田園風景にて、一行は田畑で農作業を行う人々が手を止め奇異の目で自分達を見ていることに気が付く。遠くヴァリシアを発ち、リノーム王国から”世界の冠”を越え、そしてホンガルに”精霊の森”を抜けてきた西方風のキャラバンはこの地では酷く目立つ。
 そして目的の野営地へと近付く途中、傘を被った若い女性が巻き藁を的に弓の練習を行う若い民兵を指揮する場面に遭遇する。女性はこちらに気が付くと、訓練の手を止めナギナタを手にし馬車へと駆け寄り一行に誰何する。サチによる巧みな交渉術で無事にジロウに取り次いで貰えたものの、話の内容的に表ではしづらいものであり、ハツエの案内で近くにある小屋へと通される。
緑茶と煎餅(millet cookies、雑穀クッキーとあったが)によるもてなしを受けていると、部屋の隅に置かれたミンカイ・チェス、すなわち将棋の話になる。ハツエはたいへんな将棋好きで、堰を切ったように将棋について語る彼女に一行が若干引いていると、小屋に弁髪の大男が入ってくる。いつもの事らしく呆れた様子の男が将棋を熱く語るハツエを諫め、湯飲みを手にすると一行に自分がヒラバシ=ジロウであると名乗り、一行に如何なる理由でこの地を訪れたかについて聞くが、秘すべき事が多いが故に自己紹介もままならない一行に対して短い思案の末、ジロウは逆に質問をする。

『冷酷な大名に仕えるサムライへ、その大名より一揃いのカタナとワキザシが下賜された。しかしダイミョウはそのカタナの切れ味を知りたくてたまらなかった為、1人の罪無き百姓を連れて来て「今からそのカタナでこの者を斬れ」とサムライに命じた。この時サムライは2つの問題に遭遇している。1つは二刀を持つサムライが斬れるのはたった1人だけであること。もう1つはサムライはこの義務を嫌悪していること。武器を持たぬ百姓を斬りたくはないが、仕える君主はそれを望んでいる。さてこの時、サムライは如何なる行動を取る?』

一行はこの質問が所謂”答え無き問い”であるが、ジロウの身上に関連するものであり、また現状のミンカイの状況を示していることに気が付き、相談の結果、「冷酷な大名に仕えるぐらいであれば百姓を斬らずに大名に大小を返上しロウニンとなることを選択する」と答えた。

これはジロウの気に入る、そして現在では竹光を腰に差したジロウが取った行動そのものであった。現在のミンカイでは冷酷な統治者が貴族達を操り、人々はその圧政に苦しめられている。
これに正しく答えたことにより一行はジロウより信用を得て、更に次なる試練を受けることとなった。


2.”聖なる兵器庫”
一行が信頼に値する思想の持ち主であるということは証明されたが、実力の程と、また一行より示された「ミンカイ五大皇家の生き残りが遠くアヴィスタン大陸より”世界の冠”を越えてやって来た」という夢物語どころか冗談にしかならない話をにわかに信じることが出来ないジロウ達より、一行へ次なる試練が課せられる。
それはかつてジロウの祖先であるヒラバヤシ=アキカザがこの地を荒らす蛮族達から民を護る為に建てた要塞”聖なる兵器庫(Seinaru Heikiko…そのまんまだが)”の奪還と、五大皇家の者にのみ開かれると言われている兵器庫の武器の発見だった。

数ヶ月前、この放棄された要塞はユモグ族の騎馬盗賊達によって発見され、現在ではこの周辺を略奪する為の拠点とされている。ジロウはこの地の大名に援助を求めたが、”翡翠の宰相”へのご機嫌伺いに終始していた大名はこれを無視し続けている。業を煮やしたハツエは一度ならずジロウに盗賊の討伐を持ちかけたが、ジロウも躊躇しており現在まで行動を起こせずにいた…というのも、盗賊達は2つの隊に分かれており、片方は馬を使い村を襲い略奪を働き、もう一方は要塞で族長ガンガスム(Gangasum)と共に待機している為、現在の装備も人員も足りないジロウ達の兵力ではどちらか片方を相手にするのが精一杯であり、その場合は報復の災いがジロウ達ではなく農民達へと降りかかるのは間違い無いということ。もう1つは盗賊の中にいる強力な祈祷師がオオソウゲン草原で起こる全てのことを速やかに、魔法のように知ることが出来る為、報復が速やかに行われるということである。

 要塞を襲撃し、盗賊を撃滅出来たのであればこの地を荒らす盗賊から農民達の安全を確保出来るようになる上、以降は堅牢な活動拠点を得る事が出来る。また、兵器庫の武器を山賊達が未だに手にしていない事からも「それを手に出来るのは皇族のみである」という伝承に合致している。
そう説明したジロウは、”聖なる兵器庫”の発見及び奪還そして盗賊を1人残らず掃討すること、更に隠された武器の獲得を一行に依頼した。


3.裏口からの侵入
ジロウの野営地からコソクナミ河(Kosokunami River)沿いに東に向かうと、蛮族のものと思わしき多数の馬の足跡を発見、それを追いかけているとやがて黒松の林の中に聳え立つ砦”聖なる兵器庫”を発見する。砦は最近補修されたようで、城門と城壁は真新しい木材で補修されていた。正面から行くのは流石に難しいと判断し、周囲を探ると迂回した先にある裏口を見つける。
そちらから侵入しようと奥にある壁を調べていると、敵の祈祷師によって邪悪な精霊を憑依させられた樫の古木”ヴェンジフル・ウッド・スピリッツ(Vengeful Wood Spirits)”二匹が森の中より現れ、一行に襲い掛かる。因みに本来の遭遇ではアドヴァンスド・ウッド・ゴーレムだったが、折角なので脅威度を調整したクイックウッドにしてみたが…これが酷い。Bestiary2時点でこんなに危険なクリーチャーが居るという点にも驚いたが(修正前は根による6回攻撃という驚愕の記述があった)。どのぐらい酷いクリーチャーなのかはデータを見て確認して欲しい。
クイックウッドの恐怖のオーラでジョナサンが一時的戦闘不能に陥り、更に広い間合いに苦しめられるも、片方をヒュウカクが一刀両断、もう一方を復帰したジョナサンが連射で破壊したが、銃声によって侵入が発覚し(ついでに言えばクイックウッドには強力な偵察能力がある)、敵に襲撃に備える時間を与えてしまう。


4.中庭の待ち伏せ
 隠し扉より入った先は広い部屋で、中央がタイル張りで一段低くなっており、向かいの壁沿いには一揃の大工道具とベンチ、部屋には馬の匂いと真新しい木屑の匂いが充満していた。単なる大名用の風呂を盗賊達が馬を洗ったり大工用に使っているだけなのだが、前回で懲りたのかトラップ等を警戒しながら壁沿いに進み、まずは正面の扉を開けようという話になったが、中庭ではヴェンジフル・ウッド・スピリッツ3体が一行を待ち伏せしており、開けた途端に扉から伸びてきた根によってケーンが中庭へと引き摺り出される。 
クイックウッドの何が酷いかといえば大体何もかもが酷いのだが、中でも矢張りこの60フィートの間合いを持ち、相手の位置を弄れる引き寄せ(しかも全力ならラウンド中3回可能)だろう。更に、引き寄せられたケーンへと向かいの岩壁にある矢狭間より盗賊の矢が殺到するも、こちらは流石にACの上がったケーンには当たらず。矢狭間をサチが灰の壁で潰し、シオンがウォール・オヴ・アイスで敵を分断して各個撃破、残る1体を珍しくケーンが《一か八か》によるクリティカルで両断し、慌てて建物に撤退した。


5.盗賊の首領ガンガスム
そして階段を昇り、2階の倉庫と寝室を通り抜け盗賊達が広間として使用している大部屋へと降りると、こちらでも盗賊達と腹心イルガマル(Ilgamal)による待ち伏せを受け、ファイヤー・シーズの手投げ爆弾による荒っぽい歓迎を受ける。更に奥から敵の増援の足音が聞こえてきた為、ウォール・オヴ・アイスで通路を塞ぎ敵を分断しながら撃退すると3つの球電が壁を抜けて部屋へと飛び込んでくる。
敵の武器が優秀だったこともあり氷の壁もすぐに破られ、盗賊とウェア・タイガーのトス=カツン(Tos Katun、カミュ=パロの愛人にして奴隷)とペットのダイア・タイガーが奥の通路から、更にピカ…もといライジュウを仕向けたドルイドのカミュ=パロ(Kamuy-Paro、砦の大工仕事も担当していた)が更に氷の壁を迂回し、一行にサン・ビームとファイアー・ストームを叩き込み、表の中庭を経て盗賊の首領ガンガスム(Gangasum)が扉を蹴破り突撃してくる。ジョナサンがトス=カツンに噛み付かれた上足払いで転ばされ、ガンガスムの飛びかかりを受けて危うく死に掛けるも、ガンガスムの武器がシミターであったことが幸いし首の皮一枚で繋がり、ダイア・タイガーはヒュウカクにより真っ二つにされ、トス=カツンとガンガスムはいずれもケーンによって倒され、1人残ったカミュ=パロは劣勢と見るや鳥に変身して逃亡した。

 建物の奥には“天の女帝”シズルを祀った霊廟があり、普段はガンガスムが武器の手入れに使っていたようで彼の手入れ道具が何点か置かれていた。部屋の中央に置かれたシズルの石像は損壊が酷く、カタナを持っていた腕に到っては失われていた。しかし未だ微弱な変成術のオーラを放っており、またシオンが持っていた秘匿の重櫃が僅かに反応した為、取り出したアマタツの玉璽で石像に触れると部屋の中央に大穴が開いた。大穴の中には500年の時を経ているにも関わらず未だ鋭く保たれ、輝きを失わない数多くの武器や鎧があり、そのうちの1本がヒラバヤシの銘が刻まれたアダマンティン製のカタナだった。


6.ミンカイを支配する3つの社会
戦果とガンガスムの首を手に野営地へと戻った一行は先に戻っていたジロウにより出迎えられた。盗賊のうち1人だけ逃してしまったが、暫くは農民達が盗賊に悩まされることは無くなり、ヒラバヤシ=アキカザのカタナを入手したことで、ジロウからも信頼を得たことになり、彼はアメイコとシオンをアマタツの末裔であると認め臣下の礼を以て以降の協力を約束してくれた。
また”聖なる兵器庫”は今後ジロウ達の本拠地として申し分無い場所である為により守りの堅い地へ本拠地を移すこととなり、移動の途中にジロウはいかにしてミンカイを”翡翠の宰相”から取り戻すかについて説明してくれた。

現在ミンカイでは、”翡翠の宰相”が行方不明の皇帝に代わり翡翠の玉座を護るべく首都カサイ(Kasai)にて”台風の衛兵(Typhoon Guard)”を編成し、反逆者の鎮圧を理由に他のティエン=シアの国々との国交が断絶された。この長きに渡る交易危機によって、多くの交易商人を擁するアカフト(Akafuto)、エンガノカ(Enganoka)、サカカベ(Sakakabe)といった西側に集中する都市群は大きく衰退し、他の誰よりも帝国の経済の衰退に憤りを感じている。”翡翠の宰相”が抱える不確かな起源を持つ謎多き私兵”台風の衛兵”の台頭は諸国の大名達にとっても悩みの種となっている。というのも彼らを維持する為の莫大な税が新たに課せられており、それらは更に一般の民へ重税を科すことにも繋がっている。また、貴族達も台風の衛兵達の登場により、自分たちの帝国での権力的な立場が危うくなりつつあることを
危惧している。

ジロウは一行に対して3つの任務を遂行するように提案する。それらはいずれも新たな情報源となり、”翡翠の宰相”に対抗する為の戦力となる。商人達の支持を得る為の”ゲイシャ”、軍隊を指揮し、国を支配する”ダイミョウ”、そして裏社会を牛耳る”ニンジャ”である。


7.クロイ・ヤネ市場
ジロウの提案で、日が近いこともありまずはニンジャ達との交渉に出向くこととなった。来るべき反乱の時に諜報と暗殺の達人であるニンジャ達の存在は大変心強いだけでなく、最悪”翡翠の宰相”に協力しないことを説得するだけでも充分だとジロウは考えていた。
通称「軒猿三」または「屋根の上の三匹猿」、或いは単に三猿と呼ばれるニンジャ達の中でも特に高名な3人はエンガノカにあるクロイ・ヤネ市場(The Kuroi Yane Market)の高級料亭で月に1度の新月の日に会合を開き、またその時が依頼者にとって唯一接触を持てる機会となる。これはミンカイでニンジャを雇う為の数少ない方法の1つである。

入口でジュッテを構える衛兵に無言で手を差し出され、渋々入場料を支払いクロイヤネ市場に入った一行だったが、早速この地を治める大名シクツ=センナカの卑劣なやり方を目の当たりにすることとなる。
一行の目の前で市場の中央で買い物をしていた商人を突然衛兵が取り囲まれ、「お前はココムギ村の住人か?」と尋ねる。商人がそれを肯定すると、これを捕らえて皆の前で跪かせ、首を切り落とした。
サチの咄嗟の行動とヒュウカクの機転によって商人の命は助けられたが、商人は何故そのような仕打ちを受けるか身に覚えが無く、またココムギ村そのものがかつてシクツの命で住人を皆殺しにされた場所だったと他の商人達から聞かされた。商人は兵器庫へと逃がすことになり、また一行は明日が新月ということもあり、この場に残ることとなった。


といったところで今回は終了、次回はニンジャとの交渉から中盤ぐらいまで行ければ御の字といったところか。

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