2016年3月21日月曜日

2016年03月の竜舞亭第一例会の話。:Hell's Rebels #02

Hell's Rebelsの2回目。前回”白銀の大鴉”の遺産を入手し、協力者の提供により当面の活動拠点を得た一行は、叛乱軍としての活動を開始するべく市井の揉め事を解決する為に奔走することになる。

 今回の面子は以下の通り。やっと参加者全員揃ってのセッションが開催することが出来た。
プレイヤー名前種族クラス
えいちろむビスタゴライアス(ARGオリジナル)ブラッド・レイジャー(奈落血統)/ブロウラー(蛇牙撃ち)
権力に取り憑かれ、ホースチョッパーを振り回す巨人と見紛う体躯の持ち主。出目にやけに恵まれない。
ラインエダード人間メイガス(スキルニール)
多分ショーン・ビーン似の盾使いの魔法剣士。女神メラウニの信奉者。
Clareユイヒトモドキ(ARGオリジナル)ガンスリンガー(マスケットの達人)
破損したマスケット銃の代わりに弓で戦う人間っぽい何か。未だ銃は直らず。
ちーイリウス=カーター人間オラクル(魂の導き役)
浮遊霊を従えたオラクル。異言の呪いで戦闘中はアクロ語しか話せない。
2xxPカレン人間ウィザード(霊に囁くもの:天界)
ドードーを使い魔に連れた魔法使い。良く狙われる。
尚、以下はPathfinder Adventure Path #097『In Hell's Bright Shadow』中盤に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


最近、セッション関連の資料がある場合はこのような感じに張り出すようにしているのだが、個人的にはいかにも作戦遂行中という感じで気に入っているし、何より折角買った様々を有効活用したいというのがある。問題は、結構なネタバレも含まれる場合もあるということだが。この辺りの「無くてもどうにかなるが、有れば尚良い」品々の充実はPathfinder RPGをゴラリオン世界で遊ぶ上での一番有り難い部分だと思っている。


1.”雀蜂の巣”での出来事
地下での出来事より数日後、一行がコーヒーハウスを訪れると見慣れない女性店員が増えているのを見かける。彼女達が一行を一通りからかった後で正体を明かすと、テングのフシ姉妹の変装であったことが判明する。というのもキンターゴの裕福な洒落者達の流行であった”変身道具(ハット・オヴ・ディスガイズ)がバルツィレイ市長の第四の布告によって使い物にならなくなり、ラリアにこれらの処分を頼んだのである。彼女はこれをフシ姉妹へと売り彼女達の裏の、反乱軍での活動を支援した。更に”変身道具”の在庫はあと2つあり、ラリアは一行にも格安(市価半額)にて販売を約束してくれた。この辺りは只でさえ目立つフシ姉妹の扱いに対する救済措置兼ネタと、ついでにある程度の理由を付けて一行にこれから役に立つアイテムを譲渡する名目だったがまあそこそこ上手く処理出来たのではないかと。
そして、これより一行の拠点として使用される”雀蜂の巣”へと降りた時に事故が発生する。コルヴァが地下の内装の補修状況について説明していると、不意に天井付近の壁石が崩れて降りかかってきた。ユイが手を引っ張り助けたことにりコルヴァは間一髪で危機を免れたが、近くの階段裏に石ノミとハンマーが隠されており、壁石にも細工された形跡が残されていた…因みに、シナリオには救出に失敗するとNPCが死ぬと書かれている。
また、別の日にはドッターリ・ガードが連れ立って店舗を訪れ、「反逆的な活動を行っている」という差出人不明の投書があったと一行に告げ店へと踏み込もうとしてきた。倉庫近くにいたフシ姉妹の1人が素早く合図して地下への入り口を隠し、イリウスがガード達を言いくるめて何とか窮地を乗り越える事が出来た。

ここで組織に内通者がいるのではないかと予想した一行が罠を張りながら手紙の差出人を捜す為に調査を続けていると、モルガール=マンサイ(Morgar Manthai)という名の一般市民の協力者が容疑者として上がる。一行がモルガールを尋問した結果、モルガールは怪しげなネズミに頼まれて手紙を出したこと、他の者がモルガールが壁石の修理を行っていたことを記憶していた。
ここでメラウニの信者であるはずのエダードが拷問を主張したことで、彼らの行動に恐怖を覚えたモルガールは”白銀の大鴉”より離脱し、その噂によって”白銀の大鴉”の悪評が高まることとなった。

 そして、モルガールの証言を元に倉庫区画を粘り強く調査した一行は、部屋の隅で怪しげなネズミを発見する。特徴的な前髪を持つその鼠をユイが問答無用で射殺そうとするが、鼠はその正体であるインプ”ブロソドリエッテ(Blosodriette)”の姿となり、飛んで壁の配水管の中へと逃げ込んだ。
何とかして捕まえようとする一行だったが、背後にフィーンディッシュ・ライオンが召喚され、全力攻撃でカレンが危うく死に掛ける。更に、透明化して飛び回り、尻尾の毒を塗った吹き矢で一行を翻弄し続けるブロソドリエッテだったが、エダードが組み付き判定に成功し、何とか捕まえる事が出来た。高い〈はったり〉を一行が看破出来ないのをいいことに適当な嘘をでっち上げたブロソドリエッテだったが、結局命の危機にあることには変わりなく、殺されるよりかはマシということで回収した書類の中に自分の契約書が混じっている事を教え、契約書を破らせてブロソドリエッテは地獄へと帰っていった。

 実際のところは、サリーニ家の者により召喚されたブロソドリエッテは、”白銀の大鴉”の扱う書類の中にシークレット・ページによって偽装された契約書を紛れ込ませ、持ち前の隠密性を生かしてスパイとして活動していた。しかし、”白銀の大鴉”達が破れ、その契約書が混ざった書類が貸し馬屋の地下に隠されてしまう。何とかして地獄へと戻ろうと試すが、レムレーを呼び出す程度しか出来ず、地下に留まり続けることになったのである。

 そして、その騒動から暫くの後、一行は大通りで少女から薔薇の花束を受け取る。先の件もあり大いに警戒していたが、結果受け取ると花束の中には消息不明となっている市民組織”キンターゴの薔薇”からの手紙があり、手紙には性急な行動を避け、組織を盤石にすべしとあった。

 また、 一行が”平等な幸運”貸し馬車屋廃墟の地下で発見した暗号文は、レクサスが7週間をかけて翻訳したことによりその全容が明らかとなった。


2.かつての”白銀の大鴉”
”白銀の大鴉”は4606 AR(現在は4716 AR)エイローデンの死の直後にシェリアックスを席捲した混沌からキンターゴを護る為に設立された組織で、その創立者は”ジャックドゥ(Jackdaw/コクマルガラス)”としてのみ知られる謎多きエルフの女性だった。彼女は”失われし神託の時代”よりも前の時代にはキンターゴの虐げられた人々の権利の為に戦う英雄の1人に過ぎなかったが、構成員の多くがメラウニの信仰者や冒険者である”白銀の大鴉”において、ジャックドゥはその中でも最も優秀かつ大きな影響力を持っていた。

 彼女ほどでないにせよ、他に”白銀の大鴉”の中で名の知られている者にはアミレイド(Amyreid/ハーフエルフの女性でメラウニのクレリック)、バー(Ba/ハーフリングの男性で心術師)、カイーダ(Kyda/人間の女性でローグ/バード)そしてブラキシ(Brakisi/人間の男性、都市レンジャー)がいた。

 ”白銀の大鴉”はシェリアックス内戦の間、12回にも及ぶ外敵からの侵略からキンターゴを守り通した。力に飢えた貴族の一族より5回、スルーン家の工作員から4回、海からのスカムによる侵略とニダルの吸血鬼秘密結社…そして、リヴォザイアという名で知られるブルー・ドラゴンからそれぞれ1回ずつ。しかし、”白銀の大鴉”はシェリアックス内戦の終結後4640 ARより数週間後、その存在を急速に衰えさせやがて人々の噂話にすら上がらなくなってしまった。”白銀の大鴉”は、かつてはあらゆる場所に拠点を持っており、その中でも最も大きな活動拠点はキンターゴのオペラハウスの地下にあった。しかし残念なことに、入手した書類にはそれらの他の拠点については何一つ書かれていなかった。

”白銀の大鴉”は「白銀の歌(Song of Silver)」と呼ばれる何かを使い、外敵の侵略からキンターゴを守ることが出来たと伝えられている。しかし、悲しいことにこの謎多き歌がどのようなものであったかを述べるメモはこの書類からは見つからなかった。レクサスはこの歌を見つけ出すことこそがキンターゴの開放に繋がると信じており、現在の至上命題として一行に依頼した。

 書類の最後に、”白銀の大鴉”の終焉について書かれていた。いよいよスルーン家の支配が確実となることを知った彼らは、降伏するかどうかの難しい選択を迫られた時にスルーン家がキンターゴを破壊しないことを願いつつ”平等な幸運”貸し馬車屋の地下に箱に詰めた財宝とこれらの書類を隠し、散り散りに離散した。これらはさながらタイムカプセルのように時が過ぎ”白銀の大鴉”の存在が忘れられたキンターゴで必要とされる者の手に遺産が渡るのを待っていたのである。

 斯くして、危機に瀕したキンターゴを救う意志を持つ者達の手に遺産と”白銀の大鴉”の名は引き継がれたのである。


2.キンターゴの為に
 そうしてジャックドゥの意志を引き継ぎ、新たな”白銀の大鴉”を立ち上げた一行だったが未だ組織として活動するには人員が足らず、まずはラリアやレクサス達の伝手から舞い込んでくる仕事を片付けることとなった。

ラリアより、かつての友人であり、現在では”サリックスの製塩所(Sallix Salt Works)”で働いているフォービアン=クロウ(Forvian Crow)という男の救出を依頼される。一行はドッターリ・ガードに変装して製塩所に近付くと、周囲を警備していたシェリアックス市民団の暴漢達に遭遇する。臨時の検査と偽り信じ切った彼らを闇討ちし、製塩所の敷地内へと踏み込むと内部で働いていたクロウ達を発見し、また警備達の帰還が遅い為に出てきたドワーフのコスラーニ(Kossrani)と鉢合わせるが、此方も変装を見抜けなかった為騙し討ちに遭って死亡した。
結果として一行は奴隷達の救出には成功するが、手口の残虐さから「謎の襲撃者」に対する悪評が立ち、ドッターリ達は警戒を強めることとなった。

 次にレクサスより”灰の一夜”にて標的となった3つの建物の調査を依頼される。しかし、ヴィクトコーラ家の屋敷の犠牲者達はドッターリにより回収され、犠牲者も火葬が行われたと言われており、遺品に関しても全てドッターリによって持ち去られ何も残ってなかった。

 ”銀星堂(Silver Star)”はスルーン家に公然と反旗を翻していた著名なハーフエルフのオペラ歌手シェンセン(Shensen、因みにPaizoのクリエイティブディレクターJames Jacobsの持ちキャラ)が経営する楽器店であり、ここでは瓦礫に埋もれた金庫を発見し、さらに偶然にも崩れた床の下に地下室とサーレンレイの聖堂と司祭と思わしき人間の焼死体が残されていた。

 メラウニ信徒の寄り合い所となっており、当時も数多くの信者が居ただろう”穴熊の一撃(Thrashing Badger)”亭は木造だったために完全に灰燼に帰しており、撤去作業も進み更地となっていた。報告を聞いたレクサスは落胆していたが、彼は未だ両親の健在を信じており、何でも手掛かりとなる物があったら報告して欲しいと一行に言うと文章の解読に没頭していた。

そして、噂を聞きつけたティーフリング専門の保育所”悪魔の託児所(Devil's Nursery)”の保母ジーア(Zea)が近隣にて発生した猟奇殺人事件に加えて、行方不明となった園児達を捜して欲しいという依頼を一行の元へと持ち込む。
殺人事件の被害者達はいずれも歯を全て抜かれ、指先も潰されており、カレンがその様子からフェイに思い当たる節があると推測し、また殺人現場近くの壁を調べて細工の痕跡と小さな生物が出入り出来る穴を発見して吶喊するが、中は壁一面が犠牲者の歯により飾り立てられ、その中で1人の鎖で繋がれ、ティーフリングの腱で出来た紐で縛られた子供を囲んで踊る8匹のトゥース・フェアリーの姿があった。

 発見したはいいものの狭い内部に入り込めない一行に対して、トゥース・フェアリー達は自在に飛び回って襲い掛かり、手にしたペンチでビスタとエダードの歯を引っこ抜く。だが、カレンが巻物から発動させたグリッター・ダストによる目潰しを成功させ、ユイの《速射》で次々と射落として全滅させ何とか片付けることに成功した。

 内部には何者かにより儀式が行われた形跡が残っていたが、現在ではそれ以上のことは理解らず、結局行方不明となった園児の遺体をジーアに引き渡して依頼は完了した。
 更に、”クレンチジョーの酒場”の主人リンストン=ジョン(Rinston "Clenchjaw" Jon)が奇妙な依頼を一行の元に持ち込む。それは最近の酒場で頻発する喧嘩騒ぎの調査と解決だったが、一行が開店前の酒場へと向かうとそこにはフェアリー・ドラゴンのヴェンダルフェク(Vendalfek)の姿があった。

 かつての”穴熊の一撃”亭の公然の秘密でもあったこの小さな悪戯好きのドラゴンは、住処を焼け出された後はクレンチジョーの酒場に潜伏していた。しかし、生来の退屈嫌いによりちょくちょく騒動を起こすようになっており、そこで噂話で聞いた”白銀の大鴉”に興味を持ち、これに加われるように相談を持ちかけたのである。

 結局一行はこれを受け入れ、”悪魔の託児所”の容赦無い顛末を聞いていたヴェンダルフェクは役立つアピールに余念がなかった。



その後、再びレクサスがティーフリングの女性のみを集めた盗賊団”赤毛の女達(Red Jills)”の噂を聞き彼女達と同盟を結べないかと持ちかけてきたが、ジーアから昨今の彼女達の凶行の噂を耳にしていたラリアはこれには否定的だった。

 取り敢えず向かってみようという話になり、本拠地となっているエイローデン寺院と孤児院の並ぶハンブライトの家(Humbright House)の廃墟へと向かうが、首領の”傷持つ房毛(Scarplume)”は人間を皆殺しにするという妄執に囚われており、既に会話が成立する状態には無かった。仕方無く戦闘へと突入した一行は、ティーフリングによるダークネスのボルトを足下に撃ち込まれ視界を奪われるが、前進して乱戦に持ち込み、乱戦の末にビスタが首領を捉えて撃破し、足抜けの機会を伺っていた盗賊団員達を”白銀の大鴉”に加えることに成功した。

といったところで今回は終了。次回より本格的に叛乱軍の活動が開始されることとなる。

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