2014年11月29日土曜日

2014年11月の幻想TRPGコンベンションの話:Pathfinder RPG『Risen from the sands』

DAC愛知の準備やDACへのGM参加等様々あり、久方振りの(確認したらほぼ半年振り)参加となる幻想TRPGコンベンションへのGM参加だが、今回は幸いにして4th Cageの方に翻訳が上がっていたのと、低めのレベルで未経験者へのアピールもしておかなければということでFree RPG DAY 2014(Paizo Publishingが1年に1回配布する無料シナリオ)にて公開されたシナリオ『Risen from the sands』でのプレイヤー募集を行ったところ無事、しかも珍しく5人プレイヤーでの立卓という好条件で立卓となった。

 今回参加してくれた面々は以下の通り。初心者3(但し全員d20経験者)、GMの負担軽減かつ好き勝手やるベテラン2とGMとしても願ったり適ったりの非常に有り難いメンバーだった。

プレイヤー名前種族クラス
竹竹ガルヴァン=トーフドワーフファイター
伝統的な”斧と楯”スタイルで高いACを誇るドワーフの重装戦士。ドワーフらしく寡黙ながらもやる時はやる男(主にクリティカル的な意味で)。
竜也大次郎エル人間パラディン
本名エリジュール=ヤマダ=ドラエモンド。バルディッシュを振るう微妙に柄の悪い突撃兵。
こおりオルガハーフオークローグ
ミックーに微妙に立場を脅かされながらもヒロインを主張するハーフオーク乙女。今回の主な被害担当
makkouウッデ人間クレリック
パーティーで2番目に堅いデズナ信仰のクレリック、但し変態。
waizミックーハーフエルフソーサラー(荒ぶる血統:賢者)
ツインテールの悪魔ことパーティーの知識枠担当、あと眼鏡(GMの趣味で)。

 尚、以下はPathfinder Module『Risen from the sands』関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


 今回はAdvanced Class Guideのクラス体験会的な側面もあったのだが、直前にデータが飛び、重ねてプリンターの不調に時間を取られ、心が折れそうにもなったが何とか持ちなおして結局普通のキャラクターを使用する事に…とはいえACGキャラクターは相応に癖があり複雑だった為にこれで良かったとは思うが。

0.導入と解説色々
 ギリギリ(ミーティングに若干遅刻)で会場入り、相変わらずのイタリア製キャンプセット(荷物の収納を間違えると絶対に蓋を閉められない奴)の如き荷物量に軽く引かれる。今回は面子が概ね初心者だったこともあり、そもそもPathfinderとは? ゴラリオンとは? というのを軽く解説しながら準備を進める。個人的感想だが、クトゥルフ、ニューメリア付近のテクノロジー、パスファインダー協会と主要な5派閥と内海地域及びミンカイの信仰(カイデンとアイオーメディ、ダイキツや悪将軍辺り)辺りをイラストを交えて解説するのが鉄板ネタとしてなかなかウケが良い。しかしこれらは割と旧い知識の使い回しなので、特に信仰関連はInner Sea Godsでの更新が必要になりそうだが。
そして、弓兵は今回も選ばれず…個人的には好きなのだが、他と比べると相応に複雑なのが問題か? 更に、とあるフラグが立ったので直前に思いついたネタを投入することに。

 因みに割と盛り上がったオシーリオンの帝都ソーシス(Sothis)の風景がこれだが、この辺のブッ飛んだ発想こそがゴラリオンと言える(プレイヤーは「もっとお堅い世界観だと思っていた」と絶句していたが)。

そういえば語る暇が無かったが、冒険の背景はこんな感じだった。

『ファラオのセク=パ=メファーIII世は7,500年前の第一時代の間にオシーリオンを統治していた。スフィンクスのファラオと呼ばれたセク=パ=メファーはオシーリオン砂漠のスフィンクスたちと友人だったことと、謎めいたクリーチャーたちを多く自らの宮廷に住まわせていたことで知られている。治世の間、スフィンクスは永遠の命の秘密を自分と共有したと彼は主張し、死後に神として蘇ってオシーリオンを智慧と繁栄の黄金時代に導くことを約束していた。死後、セク=パ=メファーはミイラ化され、干上がり砂丘にあるピラミッドの中に入れられた。しかしスフィンクスのファラオは約束の再来を果たすことなく、何千年もの年月を経て彼の墳墓はオシーリオン砂漠の移り変わり続ける砂の下に埋没していった。

しかしながら、永遠の命はセク=パ=メファーに訪れていた――彼の予測しなかった結果で。ミイラ化の最中に脳味噌を切除してしまったことにより、ファラオは劣化せぬスフィンクスの智慧を失い、彼は神ではなくミイラとして死から蘇り、その知性は不死の力、抑えられぬ激怒、そして生者への復讐という渇望が取って代わることとなった。より悪いことに、セク=パ=メファーは最初に自分の墓を荒らす生きた人物を殺すまで、自分がピラミッドに束縛されていることを発見した。
ファラオは数世紀の間待ち、静かに激怒し、その怒りはゆっくりと墳墓じゅうに広がり、彼と共に建造物に入った者をアンデッドの守護者として動かした。現在、砂漠の砂から再度出現したピラミッドと共に、セク=パ=メファーのミイラはその墳墓が再発見されることを待っており、そうすることでスフィンクスのファラオは再び隆盛できる。』


1.山賊との戦闘
数週間前よりオシーリオンに吹き荒れた嵐は砂の底より様々な物を地上に掘り起こした。首尾良く手つかずの遺跡を発見した一行だったが探索は空振りに終わり、その上出てきたところを盗賊団により待ち伏せされる。毎度お馴染みのハロウ・ポイントの使い方を踏まえたチュートリアル戦闘だったが、初心者ではあるが皆4版か3.5版かそれ以前の経験があるようで、またハロウの使い方もすぐ馴染んだようでさほど苦労せずに進み、開幕1発目がガルヴァンのクリティカルで開始とプレイヤーにとって幸先のいい幕開けとなる。

 手下を全滅させられた山賊の首領は降伏し、持っていた地図を差し出して命乞いをするが、エルにより縛られ近くのオアシスの中に投げ込まれる…遠回しに殺してるような気もするが。
地図はつい最近テフの大図書館で発見されたものであり、『スフィンクスのファラオ』として知られる王の墳墓のものであった。テフの大図書館に地図を返して得た報酬でラクダを買い、一行はオシリアン砂漠へと旅立つ。

 ここで昼食となり、いつもの近所の喫茶店にてパスタを貪った後、リクエストのあった洋菓子屋にてシュークリーム分を補充する。


2.ピラミッド入口付近~羨道(せんどう)


 砂の海に浮かび上がった巨大なピラミッドを発見した一行は、ローグであるオルガを先頭に東側の大広間より内部へと侵入する。
落盤と連動して入口を塞ぐ倒れる柱の罠を発見し、これを解除して先に進んだ迄は良かったのだが、羨道を中程まで進んだところで天井に収まっていた敵を見逃し、アニメイテッド・オブジェクト”転がるピラミッド”による不意討ちからの蹂躙攻撃で全員ひどいダメージを受けた上に、硬度で打撃が弾かれもう1回蹂躙攻撃が来たらオルガが倒れるというところでエルのクリティカルとガルヴァンの一撃が通り敵は真っ二つにされた。


3.多柱式建築
羨道の終点には重い二枚扉があり、力仕事はパスしたいと主張するか弱いハーフオーク乙女(筋力18)の主張は却下され、ガルヴァンとオルガがこれを開ける。中には椰子を模したピンクの柱が立ち並ぶ大きめの部屋があり、中央には石棺が置かれていた。
入口にある落とし穴の罠を解除して棺の調査に向かったオルガだったが、棺がミミックだったことを見抜けずに粘つく触手に捕えられてしまう。またもや危うく倒れそうになったがミックーのグリースで触手から逃れ(これは後に出来ない事が判明したが)斧を取られながらも割って入ったガルヴァンとオルガの逆襲により何とか難を逃れる…女性、触手、ぬるぬるとワードを並べれば一応サービスシーン、なのか?(魅力7のハーフオークだが)

 戦闘後、南北にある隠し扉を発見したのと、正面にあるファラオ像が立つ部屋の壁にあった扉のレリーフをオルガがただの彫刻だと判断した為、まずは南の回廊を調べる事に。この辺り、随時立体マップを組み立てながらとなったが、先の見えないダンジョンを探索している雰囲気が出ていたのかそれなりに好評だった。


4.死人の小舟~偽の玄室
回廊の途中にはファラオやその従者達を死後の世界へと運ぶ為の葦船が並べられており、一行が足を踏み入れたことで僅かに振動したのを見逃さなかったミックーが力場の矢で威嚇射撃をしたところ、肉食スカラベのスウォームが湧き出し一行へと殺到する。因みにサンプル・キャラクターがやたらと錬金術師の火を持っているのは恐らくこいつの所為だろう(ミイラにも有効だが)。
ミックーがバーニング・ハンズにより焼き払おうとするも一歩及ばず、何故かエルが殴りかかったりもしていたが最終的にオルガの錬金術師の火により焼却処分される。
回廊にまだ先があることを確認した為、中央の部屋へと一旦戻る。オルガが偽物だと思っていた扉が実は本当の扉で、内部には煌びやかな宝物の数々とミイラが一行を待ち構えていた。だが、宝物は金箔を貼っただけのガラクタ、ミイラはこのピラミッドを作り終えた後に殺された建築家という浅薄な冒険者を騙す為の偽物尽くしの玄室だった。
しかし、ウッデがミイラが身に付けていたアミュレットはかなりの(部屋中の偽物の財宝よりも)高額で売れることに気が付き、またここで謎のレリーフ群を扉裏に発見する。


5.死者の戦車~護衛室
そして今度は南の回廊をぐるりと回り北側と繋がっていることを確認しようとするが、途中戦車の並ぶ大きな部屋に踏み込み、そこで待ち構えていたスケルトンの弓兵の攻撃を受ける。殴打武器以外への耐性を持ち、数こそ多かったが、所詮は雑魚であり適当に蹴散らして回廊の接続を確認、部屋に入る前に発見していたスフィンクスのファラオの功績を讃えるヒエログリフが一面に刻まれた東側の回廊の途中にあった隠し扉を発見し、ヒエログリフのレリーフのパズルを解きスフィンクスのファラオの真の玄室に繋がる部屋を発見。
我先にと部屋に踏み込んだガルヴァンへ、部屋の四隅にあったアヌビス像が動き出し手にしたコピシュで襲い掛かる。硬度で弾かれ、有効な打撃をなかなか与えられなかったがウッデがこの像はアンデッド同様にエネルギー放出でダメージを与えられることに気が付き、残り少ないエネルギー放出により敵を灼き、更にオルガの急所攻撃やエルのクリティカルによって何とか石像を一掃した。









6.スフィンクスのファラオ:セク=パ=メファーIII世
そしていかにもといった感じの荘厳な大扉をオルガの解錠技術によって開けた先には、古のファラオの富が山と積み上げられた真の玄室があり、その中央には側にアヌビスの神官とペットのファスト・ゾンビ・ヒエラコスフィンクスを従えたミイラ、スフィンクスのファラオたるセク=パ=メファーIII世が待ち構えていた。遭遇についてはもうちょっと盛ろうと思っていたが、時間の都合もあり断念。厄介なエレメンタルや面白いことになりそうだったファラオの妻達も残念ながら出せず。

ファラオは一行に恭順を示せば数々の無礼を許してやろうと告げるも、当然ながら拒否、武器を構えたエル(兜を盗んだのがパラディンになった原因だとか…偶然にもほぼ同じエピソードをアイコニック・キャラクターのシーラが持っている)がかつて貧民街のごろつきだった頃に覚えた啖呵を切って戦闘開始、ファラオはまず一行にバーニング・スケルトンと四つ腕のブラッディ・ミュドラ・スケルトンを差し向けたが、ミックーが取り出した巻物によるヘイスト(失敗しかけ危うかったが)が発動、機動力を得たエルが勇気のオーラにより一行をミイラの持つ絶望のオーラから護りながらバーニング・スケルトンの爆発範囲外より大半を排除。ガルヴァンはとセーヴに失敗したオルガは僅かに爆発によりダメージを受ける。

エルが迫り来るヒエラコスフィンクスを”悪を討つ一撃”により両断、即座にハロウ・カードによって一撃を呼び戻しファラオに向けて一撃を放つも、高く掲げた両掌を敵に向け、一行の間を悠然と歩くファラオはファラオ神拳(今回思いついた駄目ワード)…もとい妨害攻撃によってこれを弾く。ファラオには神話級テンプレートのインヴィンシブルが追加されており、これが何を意味するか知っているミックーとウッデは心底厭な表情を浮かべていたが、知らない前衛3人はそれで折れる事無くファラオへと肉薄…因みにパラディンが参加することがこいつを出すフラグだった。
しかし、異様な打撃力を誇るファラオの一撃がオルガを捉え、ミイラ腐敗病を受ける。また、ガルヴァンがアヌビス神の神官により不敬罪を宣告されコマンド呪文で跪くことを強要され、厳しい状況へと陥る。

 だが、死の宣告を受けて捨て置かれたオルガの急所攻撃がファラオの背に突き立ち、クリティカルこそしなかったもののダメージ減少を無視するエルの悪を討つ一撃がファラオを捉え、最後には機会攻撃をものともせずに立ち上がり斬りかかったガルヴァンの一撃がファラオの腕ごと一刀両断し、スフィンクスのファラオたるセク=パ=メファーIII世は空っぽの頭部を覗かせ、切り落とされた腕を残して神官と共に塵へと還っていった。そして、山のような財宝を手にした一行は未だ数多くの神秘と財宝が眠るオシーリオンの大地を旅することとなる。


 といったところでセッションは終了。時間の都合で回り切れなかったのは残念だが、プレイヤーにはなかなか好評で、またGMとしても充分楽しませて貰った。シナリオは初心者向けと称するには若干難易度が高めだったが、本来の目的であるACGのキャラクター試用が出来なかったのは残念だったが、これについてはまた別の機会に。

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