2014年3月29日土曜日

2014年03月の竜舞亭セッションの話。:Jade Regent#07-The Hungry Storm前編

新章に入り、プレイヤーの交代も行われて開始した第3章、プレイヤー側は欠員無く揃い幸先が良い…のだが、GM側は来年度にある消費税率変更の煽りを受けた多忙故にどうにも宜しくない状況に。増産率およそ3倍もだが、流石に前日土曜に休みを確保出来なかったのには参ったが。
ともあれ、今回の面子は以下の通りとなる。

プレイヤー名前種族クラス
Pomtaケーン=タッカー=クララ人間ファイター(両手武器使い)
今回より正式参戦となるアルドーリ流のナギナタ裁き手に敵を葬る突撃兵。しかし上には上があると知る。
Waiz南条飛勇鶴(ナンジョウ=ヒュウカク)人間/ウールフェン人(ARGオリジナル)インクィジター(魔女狩り師・伝道者)
今回は遅れて参加の実質的パーティーリーダー。朝の日課に「エンデュア・エレメンツを掛けて廻る」が追加された。
Makkouシオン(紫苑)=カイジツドラコニックヒューマン(ARGオリジナル)モンク(気功師/無数の型の達人)
《鶴翼》の弱体化を受けて先の成長に悩むアメイコの妹。今回思わぬ失態が。
2xxPサチアアシマール(自称)クレリック(伝道師)
自称14歳にしてキャラバンのアイドル。パーティーが危機に陥ろうとも路線変更はしない模様。
雅士ジョナサン=サイズモア人間ガンスリンガー
元少年兵のピストル使い。ガンスリンガーらしくギリギリの戦いに生の充実を見出す…ドM?
ろうなむ幻術のセルバンデスノームモドキ(ARGオリジナル)ウィザード(幻術師)
幻術の神シヴァナーを信仰する謎多き幻術師。やっと幻術師の手腕を覗かせ始めたが…

 尚、以下はPathfinder Adventure Path #051『The Hungry Storm』に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


0.『錆びた龍』、北へ。
前回、成り行きでカルスガルドに巣喰う暗殺車集団”凍える闇”を壊滅させてアマタツ家の家宝で知性ある宝刀”翠閃”を入手し、アメイコと共に囚われていた極地ガイドのウルフ=ゴルムンドを救出した一行は、資金を得て更に改良された『錆びた龍』キャラバンを率い、”世界の冠”を超えて一路ティエン=シアを目指すべく北へと出発した。

 因みにこの章ではキャラバンの管理が特に重視されており、従来は精々幕間にあった程度のキャラバンによる旅程がほぼ全編を通して行われる。従ってセッション中もルールやデータシートを利用することになるのだが…翻訳が間に合っておらず非常に申し訳無かったのと、今迄キャラバンを使用してこなかった為、プレイヤー達にとって今一つデータの方向性が見えていなかったのはもう少しどうにかすべきだったか。
とはいえ、この章から急激にキャラバン戦闘の難易度が跳ね上がる為、あまり参考にならなかったかも知れないが。


1.ライムサースト山脈を越えて
 カルスガルドを出発したキャラバンは、まず”世界の冠”の玄関となるライムサースト山脈(Rimethirst Mountains)を超えることになった。その道中飢えたダイア・ウルフの群れに襲われたのだが、キャラバンの貧弱な攻撃に対して無慈悲なダイスを振られ、慌てて逃げ出すと共にこの地域の脅威を実感する羽目に。また、クリエイト・フードによる援護を受けて尚馬車に満載の食料もすぐに尽きてしまう事が判明し、改めて一筋縄では行かない極地越えの現実を思い知らされる。

 そして、ライムサースト山脈を超えてすぐ、かつてのフロスト・ジャイアント達の帝国の名残である”巨人の斃れし地(Giant Barrow)”へと到着。すると、何処からともなく一行へと呼びかける声が響く。
嗄れたその声は巨人達の魂が眠るこの地に足を踏み入れてはならぬと一行に告げる。先の手痛い経験から無用な戦闘は禁物と一行はそれに従い遺跡を避けて通ると、その行き先を見守るかのように大型のウィンター・ウルフが姿を現したが、遠ざかるにつれて大きく遠吠えをすると姿を消した。
ここで戦闘になると、フロスト・ジャイアントの老ソーサラーとウィンター・ウルフとの戦闘になっていたので戦闘を避けたのは正解とも言える。但し巨人の宝物として非常に有用な”豪氷圏(High Ice)”の地図が手に入る可能性もあったが。

 この後、一行はガールジュク丘陵(Gaarjuk Hills)の森を突っ切るかもしくは迂回して河沿いに進むか岐路を選択することになったが、「イベントが多い」の一言で森の中を進むことに。


2.失われた湖
 途中空き家を見つけて修理資材を補充したりしながら森の中を進む一行だったが、途中ウルフのアドバイスに従いナリショット湖畔(Lake Nallishoot)にあるリマカック(Rimakak)の呼ばれるエルタキ(北極人)の集落へと立ち寄ることに。しかし、1年前にウルフが見た時と異なり、集落は廃墟の様相を呈していた。偵察に出掛けたヒュウカクが謎の水棲巨人を発見し、更に様子を見ようとセルバンデスがアーケン・アイを飛ばして偵察したところ、村のそこかしこにいた巨人がフレッシュウォーター・メロウであることが判明。
更に詳しく調べようとジョナサンが前に出ると湖の中から出現したクルプルック(Qallupilluk、イヌイットの伝承にある海の怪物で子供を攫う。イメージ検索がちょっとしたトラウマ)とメロウに囲まれ、クルプルックのチャーム・パースンで危うく捕まりそうになる。何とか窮地を脱してメロウを撃退するが、幼子のような喋りで「おかぁさぁぁあん」と叫びを上げてクルプルックに助けを求めるメロウの姿を見て何となく厭な予感がしたのか星のカードを使い真相を知ることになる。
リマカックの村にある時希人としてクルプルックのアルナラック(Arnaalak)が姿を現し、村人達はこれを鎮める為に手厚くもてなそうとした。しかし、年若い妻が誤って粗相し食事をかけてしまった。これに怒ったアルナラックは村から子供を攫い、呪いでメロウへと変えていった(クルプルックの特殊能力で、捕まえた相手を水棲の怪物に変化させることが出来る)ことで村は荒廃し、住人達も散り散りになったのである。これについて描写も含めて「クソマスター」と有り難い声を頂いたが、褒め言葉として受け取っておく…この章にはもっと酷いネタがあるのだが。
巨人の正体は知ったものの、一行にはどうすることも出来ず結局討ち取りクルプルックも倒したという噂が広まったことでかつての住人達からキャラバンの強化資金を受け取ることが出来た為、セルバンデスの財布から出した金も含めて装甲馬車2台を購入、キャラバンを大幅に強化することが出来た。


3.謎の集落
 その後も順調な旅を続け、運良く旅の商人達から大量の魚を備蓄として買い入れた一行は、そして森を抜けて渡河直前に奇妙な集落に遭遇する。族長は一行を暖かく迎え、更に極地では貴重な肉を振る舞って歓迎の宴を開いてくれた。そしてそれらに全員が口を付けたところで族長タラナック(Taranaak)はその肉が人間のものであることを明かし、一行も部族に加わらないかと誘ってくる。
因みに先に書いた「もっと酷いネタ」はこれ。個人的に生存に対する選択(但し、こいつらは”ウェンディゴに唆された”とあるので趣味もあるが)と蛋白質資源の安定供給というネタは個人的にかなり好きなのでこのイベントは是非やってみたかった。幸いにしてプレイヤーにもさほど引かれなかったが(人を選ぶネタであることは十分に承知しているが)。
この辺りは昔読んだマーヴィン・ハリスの著書が面白かったのと、ゴラリオンに来る前はグローランサに居たので多少なりとも馴染みのある部分ではある。

 パーティーにパラディンが居なかったことが幸いし、族長による提案と土産はサチの機転と馬車いっぱいの魚で何とか怒らせることなくやんわりと断り、また食人の風習があることを除けば彼らは親切で族長に気に入られたようで河の渡りやすい場所や最近見かける凍った三本指の邪印を持つ者達の話を聞き、集落を後にした。


4.黒いモノリス
 今更の話となるが、この章はの道中はランダムエンカウントで構成されており、準備荷物が多い身としては何とも辛いところである。また、この時は何故かマスターのダイス目が高めに偏り遭遇がなかなか発生せず、発生してもプレイヤー側が低い目を振る為に大きな出来事もなかなか起こらなかった。
しかし、ジョナサンが「100を振る」と宣言して振ると見事に100が出る。
結果、一行は森を抜ける直前に凍れるアンデッド”フロストフォールン・マストドン”とフロスト・ワイト、そしてホアーフロスト・スピリットの群がる黒いモノリスに遭遇し、戦闘となる。
ホアーフロスト・スピリットはコーン・オブ・コールドを使うということで敵の大半をセルバンデスとサチによる先制爆撃で消し飛ばされ、更にサチによるウォール・オブ・ファイアーで敵の進軍を阻み戦闘終了となる。
アンデッドの何体かは首から先程聞かされた凍った三本指の邪印を身に付けており、これはかつてのデーモンロードであったシスフッド(Sithhud)のものであることが理解った。


5.雪の待ち伏せ
  無事にタラスカ河(Taraska River)を渡り、エルタキの隠れ集落であるイクァリアット(Iqaliat)迄あと僅かというところで、一行は魔獣の縄張りに足を踏み入れてしまう。山腹に潜んでいたセイウチと白熊の頭部を持つ北極キメラの姿を発見した迄は良かったものの、先制を許した結果キメラの3つの頭部による力の限りの咆吼で雪崩を引き起こされ、紫苑が完全に生き埋めとなり他の者達も半身が雪に埋もれ行動が遅れた。
その上、この時判明したのだが大半の者は雪上対策をしておらず全域が移動困難地形(”どのみち雪崩に埋もれる”という表記の容赦無さ。更に後に思い出したのだが恐らく雪+荒れ地で4倍移動困難)という盤面に苦しめられ、北極キメラはヒュウカクが早々に葬ったものの更に次いで現れたウィンター・ウルフ4体、フロスト・ジャイアント2体、そして首からシスフッドの邪印を下げたタイガ・ジャイアントが一行に襲い掛かる。
ジャイアント達は一行の動きが遅いのを見るや懐からポーションを取り出し巨大化し、特にタイガ・ジャイアントは長柄武器バルディッシュを手に広大な間合いを制圧し、武器も相手に届かず動けぬままのケーンとウィンター・ウルフを次々と葬っていたジョナサンが地に伏せた…流石にエンラージ・パースンはやりすぎたか(因みに最初の老フロスト・ジャイアントの遭遇では呪文での使用が指示されている)。パーティーの編成上仕方のない部分もあるが、一度守勢に回ると異様に脆く立て直しが難しいのは毎度ながら(Pathfinderのルール的な部分もあるが)。
しかし、このままでは全滅かというところで急にタイガ・ジャイアントは武器を振るう手を止め、忌々しげに舌打ちをすると何処かへと立ち去り、次いで急激に天候が悪化し始める。一応4ラウンド経過で撤退は最初から決めていたが本当にギリギリだった。一行も急ぎフロスト・ジャイアント達を葬って猛吹雪の中何とかイクァリアットへと到達したところで今回は終了となった。
因みにキャラバンは何故か雪崩の影響を全く受けず無事だった(巻き込まれると日単位で復旧に時間が掛かった)。

 普段あまりやらないようなキャラバンの過酷な旅(りゅうたま? とか言われたが)、次々と襲い来る脅威や驚愕の出来事、そして強大な敵との敗北と個人的にも様々堪能出来てGMとしては大変楽しむ事が出来た。また、裏では目減りするリソースを渋面を浮かべながら眺め、キャラバンの配役を手配するといった事務的な部分がかなり大変だった為、この辺は次回もう少しスムーズに出来るような工夫が欲しい。

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