2012年6月26日火曜日

2012年06月の竜舞亭セッションの話。:Carrion Crown#3-2

Pathfinder Adventure Path『Carrion Crown』キャンペーン第6回目。
Adventure Pathとしても、物語としても前半のクライマックスとなる今回だったが、全員勢揃いとは行かず。
但しプレイヤー側に火力が充分に揃ってきたことと、敵側の構成の問題により戦闘というよりかは蹂躙に近かった気もする。
因みに前回言った「どうせなら本人が居る時に全力でつぶし合った末にPCを殺してやりたい」という意見には同意を頂けたようなので、次回以降はもっと色々やってみたいところである。
プレイヤー名前種族クラス
雅士メノウ・サカキバラ(榊原瑪瑙)人間パラディン
エンラージ+ナギナタによる広い制圧範囲を誇るミンカイ出身のパラディン。しかしアドバイス(という名の脳筋への囁き)に耳を貸したことにより知力、判断力が共に最低値に。
ろうなむグレイ=ジェド=アンスルーン人間メイガス(黒剣/剣聖)
実は教授とは猥談仲間であったことが判明した変態、もといメイガス。今回やっと本人操作での言霊が威力を発揮することに。
Makkouルーティア=R=マイヤーハーフエルフレンジャー(都市)/ファイター
ファイタークラスも獲得したせいか、やたら大物を仕留める割合が増えてきたズドンメイド。鎧は脱ぎ捨てるものと言わんばかりの敏捷力を獲得。
Waizクララ=ド=ヴァンハルト人間クレリック
読みの的確さに定評のあるパーティーのリーダーにしてニート枠のヴァリシア人のお嬢様。デス・ウォードとコミュナルプロテクションフロムイーヴルがなければ、間違い無く死者が出ていた。
ひろくんホロハーフエルフドルイド(狼)
相棒のロレンスを引き連れた狼使い。残念ながら欠席で2人による代理操作となる。
2xxPシェオゴラス=サシェリウム人間ウィザード/サイファーメイジ
hp順位が1位に返り咲いた肉体系秘術屋。最近のトレンドは(地面から)触手を生やすだけの簡単なお仕事。


尚、以下はPathfinder Adventure Path #45『Broken Moon』後半に関するネタバレを含みます。また、シナリオは随所変更されています。


前回の終了後、”月への階段”で儀式を行ったことによりこれから未来に起こるであろう出来事の啓示の断片を受けた一行は、神殿の外にてアスカナー・ロッジにて待機していた筈のデュリスタンに雇われていた狩人達の死体と、それを調べていた唯一の悪ではない人狼の集団”王子の狼達”との邂逅を果たす。PC側は成り行きとはいえ、”囁きの道”の追跡及びこれの撃破と目的を同じくしていた為に彼らと協調を図ることとなり、戦力を大きく減じた他の人狼達を圧倒する為にシャダーウッドに残った彼らの首領ラハキス=スザードロに代わり、かつて戦争による暴虐によって今では塩と灰と瓦礫だけが残ると廃村へと向かうことになった。ラハキスは事前に「悪党の中の悪党(roguish scoundrel)」と言われていた所為か、随分と警戒されたが…「無頼のごろつき」ぐらいで言っておくべきだったか。

そして今回は廃村フェルドグラウ(Feldgrau)が舞台となり今迄追い続けていた敵である”囁きの道”の幹部、オーレン=ヴラッドと対峙することとなる。また”黄昏の蛾”の儀式を終えたことにより、ハロウ・カード:The Eclipse(あと1週間早ければ)も追加されたが、これは1戦闘のみSR20/月の下では25を追加する強力なカードである。


・廃村に潜む者
 ”囁きの道”がフェルドグラウで何をしているかは「収穫を行っている」という返答のみを返したが、事前に見つかった信者の死体が大量に持っていたオニキスから大凡の見当が付いていたようで、12体ものバーニング・スケルトン軍団を引き連れた巡回の”囁きの道”信徒と遭遇した際に予想の的中とそのあまりの数にうんざりされるも、奇襲からのファイアボールでこれを殲滅する。
因みにこれがほぼ最低脅威度のランダム・エンカウントと言ったらプレイヤーに非常に厭な顔をされたが。

そして、横から矢が飛来して残った”囁きの道”の信者を仕留め、その直後デュリスタンが姿を現す。

・デュリスタンの裏切り
一行には残念系貴族の坊やとして認識されていたのだが、すっかり荒々しい冒険者の男の風格を身に纏い、自ら”囁きの道”を追跡してきたと語るデュリスタンは一行を自分が現在隠れ家として使用している鍛冶屋跡へと案内する。
実はこの時点でデュリスタンはライカンスロープの呪いに感染しており、一行を騙そうとしていたのだが〈真意看破〉の高いクララにより看破され、更にメノウによるディテクト・イーヴルで悪であることが判明した為、一行をひとまず置いて現在の仲間である悪魔崇拝の人狼”悪魔の狼達”に報告に行ったところをシェオゴラスのアーケン・アイで追跡され、関係が暴露される。

その間にハングマン・ツリーが迫ったものの、幻覚の花粉の範囲に入っていたのがクララだけだった為に不発に終わり、シェオゴラスのウォール・オブ・アイス[火]によって灼かれ、ルーティアに仕留められる。


・風車小屋の攻防


相手のボスが半壊した粉挽き小屋に居ると聞いて、一部プレイヤーが心底厭そうな顔をする。古参ゲーマーは一度は通りたがる道とはいえ、文句はコーデルに言ってくれ。ただ、流石に20年経過して天井に穴の開いたような風車小屋では粉塵爆発は起こらないだろうが。

風車小屋の中では、裏切ったデュリスタンにより一行の到着を知ったアディマルス=イオナクが一行を殲滅せんと準備を進めていたが、逆に一向に奇襲されることとなる。

構成的にはアンティパラディンらしくデーモンロードからの贈り物とされる騎乗のハーフフィーンド・ウォーグに乗り、更にファイターレベル持ちだったことを利用して《駆け抜け攻撃》と《猛突撃》を積んで轢き殺しを敢行しようとするも、シェオゴラスの半球型ウォール・オブ・アイスで出鼻を挫かれて、更に何とか氷壁を破り脱出したので元々の設定で《武器破壊強化》持ちだったこともありグレイに向けて襲いかかり、アダマンティン製ルツェルンハンマー(ランスでなかったのは温情である。ランスの場合固定値で前衛が死ぬ可能性もあった)で武器を破壊する予定だったのだが、マスターの勘違いで武器破壊にはボーナスが無いことが判明する。また”黒き剣”は破壊に完全耐性があるという始末。元ネタからしてもどうせなら瑪瑙に鎧破壊を仕掛るべきだったか。
戦場はホロのスパイク・ストーンズとシェオゴラスのブラック・テンタクルズで酷い様相を呈していたものの、間合いの長いバルディッシュで武装した”悪魔の狼達”とのギリギリの戦いを繰り広げた結果、危うく瑪瑙の首が落ちかけるも、ルーティアがデュリスタンとアディマルスの両方にトドメを刺し、一行は生き残ることが出来た。


・”王子の狼達”の救出

”悪魔の狼達”を一掃したところで、一行はスクザーニの男、”王子の狼達”の1人と接触を果たすが、彼の仲間がアンデッド達に囲まれているということで救出に向かう事に。潜伏先の建物を囲んでいたのは病気を肌の下に溜め込んだ巨人のゾンビメナドラン・フェストログとスケルタル・チャンピオン多数、そして”囁きの道”の信者だったが、シェオゴラスのファイアボールとルーティアの矢で呆気なく沈む。やはり戦場では支援火力が重要か。

そして、彼らの頼みで、隣の建物で流れるような動作で首を吊り襲いかかってくるゴースト”ウルクス=セドマイア”をクララが説得し、この街でかつて何があったのかと、”囁きの道”がこの町で何をしているかを知ることとなる。
20年前、フェルドグラウの街にネスカ伯の軍が迫った時、ウルクスは政治的中立を訴えて軍を素通りさせた。しかし軍はこれを破り、街で大量虐殺を行い、死体を中央広場の井戸へと投げ捨てた。この光景を隠れて見ていたウルクスは己を呪い、絶望して首を吊った。
そしてゴーストとなったウルクスは深く後悔し、また現在死者達の安寧を乱す”囁きの道”を倒して欲しいと願い、クララの「商人ならへそくりぐらい隠してるからそれを報酬として貰う」という言葉に応じ、既に死者である自分には不要な己の隠し財産を渡すと約束することとなった。


・囁きの姉妹



その中央の広場では双子の”囁きの道”の女司祭が井戸から死体を引き上げ、不死の兵団を作り上げている真っ最中で、敵が女と見ただけでグレイが此処に書けないような酷い発言を幾つかするが、所詮はレベルの低いスケルトンの集団でしか無い為、雑魚はシェオゴラス、ホロ、クララによる爆撃で蹴散らされ、女司祭達はグレイによる今にも犯罪行為に及ばんばかりの接触攻撃でで蹴散らされる。


・オーレン・ヴラッド
そして、敵の本拠地となっている倒壊した塔の前で突入準備をしていると、内部から「とっとと入ってこい」という声がした為乗り込むが、そこでは”囁きの道”の幹部オーレン=ヴラッドが捕らえた人狼の死体による自身の”芸術”を楽しんでおり、文字通りの意味で「吐き気を催す邪悪」を見せつけられる(セーヴに失敗すると吐き気がする状態になったが全員通された。因みにPCの入場を急がせたのはこれを見せたかったのと自分にかけた呪文が切れるのを嫌った為)。

更に、復讐の誓約の相手ということでロロミール教授の名前を出して激昂する瑪瑙に対し「えーと、誰だっけ、そいつ?」(CV石塚運昇)で返して更にキレさせる場面もあった。実際のところ、ロロミール教授のことを路傍で躓いた小石程度にしか思っていないだろうが。


そして、アーマード・オーガ・スケルトンx4、信者x4、ワイトx6、ドレッド・ワイト・モンク、ジャイアント・クロウリング・ハンドx2、司祭x2、スケルタル・チャンピオンのアーチャーx6、ドレッド・レイスを引き連れたオーレン・ヴラッドという数だけは大勢力との戦闘が開始された。


因みにオーレン=ヴラッドは高レベルのウィザードなのだが、専門化の死霊術師でよりにもよって変成術と力術が禁止能力ということでろくな強化が出来ずに非常に苦労させられる。シェオゴラスによるブラック・テンタクルズは予め自分にかけておいたグリースで脱出してサークル・オヴ・デスを叩き込むものの、これは流石に全員にセーヴされて効果を発揮せずに終わった。

しかし、虎の子のドレッドワイトモンク(アクリエティアという名前がある。因みに女性)の生命力吸収連打も、ドレッドレイスの能力値吸収も事前のデス・ウォードで防がれ、瑪瑙がワイトを薙ぎ払った上に更に後衛に迫ろうとしていたモンクを機会攻撃のクリティカルで葬り去り既にグレイとルーティアにより深手を負っていたオーレン=ヴラッドに肉薄、最後は誓約を果たすべく”悪を撃つ一撃”を叩き込み、長きに渡る復讐の旅を終えることとなった。


しかし、hpが0になった途端、オーレン=ヴラッドは”囁きの道”の特製エリクサーで自決した上にその顎を腐り落とさせ、沈黙を守ろうとしたものの、恨み千万のウルクスによって脳の中身を探られ、PC達に更なる悪の胎動を教えることとなった。



今更ながらの話だが、Carrion Crownはタル=バフォンの復活を目指して暗躍する”囁きの道”を追いかけるキャンペーンであると同時にウースタラヴを一周し、最後には呪われたヴィルリッチの地へと辿り着く(場所としてはキャンペーンの始まりの地となったラヴェングロよりほぼ南。ラプラスの箱は待ってはいないが)ロードムービー形式の話でもある。
今回でストーリー的にも前半終了ということで、位置的にも丁度半分程の場所迄来たこととなる。

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